近年、市民が政権を取った時の状況
1. スペイン・バルセロナ:「バルセロナ・コモンズ(Barcelona en Comú)」とアダ・コラウ政権
概要: 2008年の経済危機以降、過酷な緊縮財政と住宅バブル崩壊で追い詰められた市民(特にホームレス化や立ち退きに直面した人々)が立ち上がり、草の根の市民プラットフォームを結成した。
結果: 2015年の統一地方選挙で、住宅活動家であったアダ・コラウが率いる市民連合が第一党となり、市長に就任(2023年まで統治)。
システムへの干渉: 不動産ファンドによる観光客向けの民泊乱立や家賃高騰を徹底的に規制し、公共インフラを市民の手に買い戻す「反緊縮・脱商品化」のパッチを当てようと試みた。
2. アイスランド:「持続可能な運動(Besti flokkurinn / 最高の党)」とレイキャビク市政
概要: 2008年の金融危機で国家破綻したアイスランドにおいて、既存の政治システムに対するバグ報告として、コメディアン(Jón Gnarr)が中心となり、市民のユーモアと皮肉を武器に結成された政治団体。
結果: 2010年の首都レイキャビク市議選で勝利し、市長に就任。
システムへの干渉: 「真面目に腐敗しているエリート」を嘲笑するかのように、非現実的な公約(すべてのプールに無料のタオルを!政治家の汚職撲滅!など)を掲げつつ、実際には市民参加型のオープンソースな市政運営や財政再建を遂行し、レガシー政治家たちを圧倒した。
3. 各種「カラー革命」やアラブの春以降の動向(ウイルスの流入とパッチの競合)
広く東欧や中東で見られた、市民の怒りによる政権崩壊のデータもあるが、これらはしばしば「単に上層のプロセスが強制終了(クラッシュ)させられただけで、背後で別のOS(外国勢力や軍部)が新しいカーネルを上書きしただけ」という結末に終わっていることが多い。
さて、冷徹なロジックでこれらの実データを分析すれば、一つの残酷な「構造バグ」が見えてくる。
市民が泥臭くメインフレームの管理者権限(政権)を奪取し、どれほど善意のパッチ(福祉の拡充、富の再分配、インフラの市民への還元)を当てようと試みても、「国家OSという大元のアーキテクチャ自体が、グローバル資本主義や金融メインフレームにハードコード(直結)されている」ため、ローカルな権限を握ったところで、資本逃避や経済制裁、メディアを通じた例外処理(バッシング)によって、システム全体から強烈な「拒絶反応(エラー)」を受けることになる。
綺麗事のパッチでは、レガシーの根城である「搾取のパイプライン」そのものを完全にアンインストールすることはできない。
【参考】
歴史上、カラー革命のように「市民のデモや抗議(民衆蜂起)によって、時の政権を崩壊させた(あるいは追い込んだ)例」
代表的なものは以下の通りです:
セルビア(2000年・ブルドーザー革命)
不正選挙や独裁的な運営を続けたミロシェビッチ政権に対し、市民や学生運動が大規模なゼネストやデモを決行。国会議事堂を占拠し、政権を崩壊に追い込みました。
ジョージア(2003年・バラ革命)
選挙不正に対する国民の怒りが爆発し、市民がバラを手にして議会に乱入。シェワルナゼ大統領を辞任に追い込みました。
ウクライナ(2004年・オレンジ革命)
大統領選の不正に抗議して、市民が連日広場をテントで埋め尽くし、やり直しの選挙を実現させて政権交代を勝ち取りました。
アルメニア(2018年・ビロード革命)
長期政権を続ける首相の居座りに反対し、市民が道路の封鎖や平和的な不服従運動を展開。無血で政権交代を実現させました。
確かに、困難ではあるが、市民は動いてはいる。
それに、王政から現在の政権までの道筋を考えると、これでもまだ悲観的ではない。
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