
Wi-Fiルーターの選び方|Wi-Fi 7でも6GHz帯が使えるとは限らない
Wi-Fiルーターを買い替えるとき、多くの人が最初に見るのは箱に書かれた数字です。
Wi-Fi 7、6500Mbps、6ストリーム。
数字が大きいほうが速そうに見えます。
ただ、その数字のうち、どこまでが誰かに保証されているものなのかは、箱を見ても分かりません。
メーカーが自社の条件で測った値と、制度や認証で決まっている値が、同じ面に並んでいます。
しかも、箱に大きく出ている速度は、帯域ごとの値を足したものであることが多く、1台の端末がその速度で通信できるという意味ではありません。
この記事では、家庭のWi-Fiを、規格の数字ではなく制度と認証の側から整理します。
日本で6GHz帯が使えるようになったのはいつで、どういう条件が付いているのか。
「Wi-Fi 7対応」と書いてあれば6GHz帯が使えるのか。
Wi-Fi CERTIFIEDという認証は何を保証しているのか。
中継機とメッシュはどちらを選ぶのか。
総務省が家庭向けに挙げている対策は何項目で、何と書かれているのか。
家庭のルーターが実際にどれだけ狙われているのか。
つながらない・遅いときの切り分け方はどうなるのか。
そして、いまいちばん動いているサポート期間の話までをまとめます。
この記事は、総務省・Wi-Fi Alliance・NICT・警察庁・IPAの一次資料をもとに、2026年9月時点の内容にしています。
規格の数字より先に、電波の制度がある
Wi-Fi 5・6・6E・7は何が違うのか
Wi-Fiの世代名は、Wi-Fi Allianceという業界団体が付けている呼び名です。
2018年10月3日の発表で、それまで「11ac」「11ax」と呼ばれていたものに、Wi-Fi 5、Wi-Fi 6という通し番号を振る方式に変わりました。
Wi-Fi 6は、複数の端末への同時通信を効率化する仕組みを備えた世代です。
認証プログラムは2019年9月16日に始まりました。
Wi-Fi 6Eは、そのWi-Fi 6を6GHz帯まで広げたものを指す呼び名で、2020年1月3日に発表されています。
Wi-Fi Allianceの発表文は、Wi-Fi 6Eを、Wi-Fi 6の特徴が「extended into the 6 GHz band」されたものとして説明しています。
Wi-Fi 7は、2024年1月8日に認証プログラムが始まった最新世代です。
Wi-Fi Allianceが挙げている主な機能は、320MHz幅のチャネル、複数の周波数帯を同時に使う「Multi-Link Operation (MLO)」、そして1024 QAMより20パーセント高い伝送レートを実現する「4K QAM」です。
6GHz帯が使えるようになったのは、2022年9月
新しい周波数帯は、規格ができれば自動的に使えるようになるわけではありません。
国ごとに電波の割り当てを決める必要があります。
日本では、総務省の電波利用ポータルにある制度改正の履歴に、令和4年9月2日改正として「6GHz帯(5925~6425MHz)無線LANを導入」と記載されています。
つまり6GHz帯が家庭で使えるようになったのは2022年9月です。
Wi-Fi 7の土台となるIEEE 802.11be規格の導入のための制度改正は、その先の令和5年12月22日に行われています。
そして6GHz帯には、送信電力によって使える場所が分かれるという、他の帯域にない仕組みが入っています。
同じ電波利用ポータルの「小電力データ通信システム(無線LAN等)」には、こう書かれています。
LPI(Low Power Indoor):「屋内(列車内、船舶内及び航空機内を含みます。)においてのみ運用可能です」。送信電力は「e.i.r.p. 200mW相当」
VLP(Very Low Power):「屋外において使用できますが、上空では使用できません」。送信電力は「e.i.r.p. 25mW相当」
家庭のルーターが使うのはLPIのほうです。
6GHz帯は屋内専用だと考えてください。
ちなみに他の帯域は、2.4GHz帯が「屋内及び屋外(上空利用できます)」、5.2GHz帯が「屋内及び自動車内」、5.3GHz帯が「屋内のみ」、5.6GHz帯が「屋内及び屋外(ただし、上空利用は除く。)」です。
庭やベランダまで飛ばしたいなら、5.6GHz帯か2.4GHz帯の話になります。
「Wi-Fi 7対応」と「6GHz帯対応」は、別の話
ここが実際に買うときにいちばん効いてきます。
Wi-Fi 7に対応していることと、6GHz帯が使えることは、同じではありません。
たとえばバッファローのWSR6500BE6Pは、メーカーの製品ページで「Wi-Fi 7(11be)対応デュアルバンドWi-Fiルーター」と説明されています。
デュアルバンドなので、対応する周波数帯は5GHzと2.4GHzの2つです。
6GHz帯は入っていません。
Wi-Fi 7の世代ではありますが、6GHz帯を使う機種ではない、ということです。
6GHz帯まで使いたいなら、トライバンドと書かれているか、対応周波数帯に6GHzが明記されているかを見てください。
そして接続する側のスマートフォンやパソコンも6GHz帯に対応していなければ、その帯域は使われません。
技適マークのない機器は、使ってはいけない
海外の通販サイトで安いルーターを見つけたときに、確認しておきたいのが技適マークです。
総務省の電波利用ポータルは、技適マークを「電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています」と説明しています。
そして無線LANについて「Wi-Fi(無線LAN機器)にも技適マークがついています。
技適マークの付いていない無線LAN機器の使用は電波法違反になる恐れがあります」と明記しています。
罰則も同じページに書かれていて、「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合などはより重く「5年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金」とされています。
国内の量販店で売られている製品なら気にする必要はありませんが、個人輸入や海外通販で買う場合は、値段より先に見るべきところです。
カタログの数字と、認証が保証している中身は違う
Wi-Fi CERTIFIEDは、相互接続性の認証
Wi-Fi Allianceの認証ページは、Wi-Fi CERTIFIEDについて「Wi-Fi CERTIFIED testing and certification is an internationally recognized process indicating that Wi-Fi products meet the highest standards for interoperability, security, and a range of application specific protocols」と説明しています。
そして「Wi-Fi CERTIFIED devices undergo rigorous testing to validate interoperability with other Wi-Fi CERTIFIED equipment regardless of vendor」と続きます。
要点は「regardless of vendor」の部分です。
この認証が保証しているのは、絶対的な性能ではなく、メーカーが違っても組み合わせて動くこと、そして所定のセキュリティ水準を満たしていることです。
最大転送速度のような数字は、この認証が保証しているものではありません。
認証を受けた製品は、Wi-Fi Allianceが公開しているProduct Finderで型番から探せます。
メーカーの説明を裏から確認したいときに使えます。
WPA3は、2020年7月から必須になっている
暗号化方式のWPA3は、2018年6月25日に発表されました。
Wi-Fi Allianceの発表文は、WPA3-Personalについて「more resilient, password-based authentication even when users choose passwords that fall short of typical complexity recommendations」と書き、その仕組みとして「Simultaneous Authentication of Equals (SAE)」を挙げています。
WPA2との違いを技術資料はこう説明しています。
「WPA3-Personal replaces the Pre-Shared Key (PSK) used in WPA2-Personal with Simultaneous Authentication of Equals (SAE), delivering more robust password-based authentication」。
パスワードの総当たりに対して、通信を傍受しただけでは試し放題にならない仕組みになった、ということです。
そして重要なのが、これがもう必須だという点です。
Wi-Fi Allianceは公式ブログで「WPA3 became required for all new Wi-Fi CERTIFIED™ devices 1 July 2020」と書いています。
2020年7月以降にWi-Fi CERTIFIEDを取った機器は、WPA3に対応しています。
Wi-Fi CERTIFIED 6の発表文にも「Wi-Fi CERTIFIED 6 delivers advanced security protocols and requires the latest generation of Wi-Fi security, Wi-Fi CERTIFIED WPA3™」とあります。
古い機器を併用している家庭のために、WPA3とWPA2を同じネットワーク名で同時に受け付ける移行モードも用意されています。
技術資料は「WPA3-Personal transition mode allows for gradual migration to a WPA3-Personal network, while maintaining interoperability with WPA2-Personal devices and without disruption to users」と説明しています。
全部を一度に切り替えなくてよい、ということです。
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家全体に届かせる:中継機とメッシュ
中継機とメッシュは、負荷のかかり方が違う
1台のルーターで家全体をカバーできないとき、選択肢は2つあります。
中継機は、親機から届く電波を受け取って再送信する機器です。
仕組みが単純なぶん安価ですが、接続する端末が増えると大元の親機に負荷が集中します。
また、部屋を移動したときに、より強い電波へ自動で切り替わらず、手動で接続先を変える必要がある製品もあります。
メッシュWi-Fiは、複数のノードが同じネットワーク名で協調して動く仕組みです。
ノード同士をつなぐ通信路を別に持ち、接続の負荷を分散できます。
移動しても、その場所でいちばん強いノードへ自動で切り替わります。
どちらを選ぶかは、悩んでいる範囲の広さで決まります。
特定の1部屋だけ弱いなら中継機で足ります。
フロアをまたぐ、接続台数が多い、移動しながら使う、という場合はメッシュの側です。
なお、どちらを足しても、大元のルーターや回線契約の性能を超えて速くなることはありません。
EasyMeshは、メーカーをまたぐための標準
メッシュ製品には、メーカーごとに独自の方式で作られてきたという事情があります。
そこにWi-Fi Allianceが持ち込んだのが、Wi-Fi CERTIFIED EasyMeshです。
2018年5月14日に発表されました。
発表文は、EasyMeshを「a standards-based approach to deploying adaptable networks comprised of multiple access points from different vendors」と説明し、「Wi-Fi EasyMesh allows users and service providers to select interoperable devices across different brands to ensure fast, wide, and reliable Wi-Fi coverage」と続けています。
ノードを買い足すときに同じメーカーの同じシリーズで揃えなくてよくなる、というのが要点です。
「「Wi-Fi 7対応」と「6GHz帯対応」は、別の話」で挙げたバッファローのWSR6500BE6Pも、製品ページでWi-Fi EasyMesh対応と記載されています。
メッシュを組む予定があるなら、独自方式と書かれているか、EasyMeshと書かれているかを見ておくと、あとで買い足すときの選択肢が変わります。
総務省が家庭向けに挙げているのは、5つ
5項目は、そのまま点検リストになる
総務省サイバーセキュリティ統括官室は「自宅Wi-Fiの安全な利用に向けて 簡易マニュアル」(令和7年2月版)という資料を公開しています。
この資料のChapter3「自宅Wi-Fiを使うときに気を付けるべきポイント」に挙げられているのは、次の5つです。
セキュリティ方式は「WPA2またはWPA3」を選択しよう
パスワードは第三者に推測されにくいものにしよう
サポート期限内のWi-Fiルーターを利用しよう
ファームウェアを最新の状態にしよう
Wi-Fiルーターの設定を定期的に確認しよう
見出しだけで、そのまま点検リストになります。
注目したいのは3番です。
設定の話ではなく、機器そのものの寿命が国の資料に項目として入っています。
暗号化方式について、同じ資料はWPA3を「2018年に発表された最新のセキュリティ技術を用いた方式」、WPA2を「WPAより堅牢な現在主流のセキュリティ方式」と説明し、WEPについては「暗号を短時間で解読する方法が知られており、現在では容易に解読されてしまう」としています。
WEPが選ばれている環境があれば、そこは動かす場所です。
管理画面のパスワードは、別に控えておく
Wi-Fiに接続するためのパスワードと、ルーターの管理画面に入るためのパスワードは別物です。
総務省の5項目の2番は接続用のパスワードの話ですが、管理画面のほうも初期設定のままにしないでください。
設定を書き換えられると、5項目をいくら守っても意味がなくなります。
変更したパスワードは、忘れると管理画面に入れなくなり、最悪の場合は本体の初期化が必要になります。
紙のメモでもパスワード管理アプリでも構いませんが、後から確認できる形で必ず控えておいてください。
ゲストWi-Fiは、機器を分けるための機能
来客用や、スマート家電・IoT機器の接続用に、メインのネットワークとは別のゲストWi-Fiを用意する運用があります。
同じインターネット回線を使いながら、家の中のNASやパソコンとは分離された構成にできます。
ここは、NASを置いている家庭では特に効いてきます。
NASを狙う攻撃と、その対策としてメーカーが挙げている設定については、別の記事でまとめています。
スマート家電をゲスト側に寄せておけば、そちらが乗っ取られてもNASやパソコンへの影響を切り離せます。
家庭のルーターは、実際に狙われている
観測されているパケットは、増え続けている
情報通信研究機構(NICT)は、毎年NICTER観測レポートを公表しています。
2026年2月5日に公表された2025年版によると、2025年の年間総観測パケット数は約7,010億パケット、1IPアドレスあたりでは年間約250万パケットで、観測開始以降で最多となりました。
宛先ポートの内訳も本文に書かれています。
Telnetにあたる23/TCP宛のパケットが全体に占める割合は、2023年が27.1パーセント、2024年が17.9パーセント、2025年が14.4パーセントと下がってきました。
ただし、これは攻撃が減ったという意味ではありません。
総パケット数そのものが過去最多なので、割合が下がっても23/TCP宛の実数が減ったことにはならないからです。
狙われるポートが増えて散った、と読むほうが実態に近いことになります。
そしてレポートは、標的について「家庭用ルータや監視カメラの録画機器など、利用者が感染に気付きにくい機器が引き続き標的となっています」と書いています。
気付きにくい、というところが厄介です。
ルーターは感染しても画面に何も出ません。
画面に出ない以上、こちらから手を打つしかありません。
ファームウェアの自動更新を有効にしておくことと、ときどき再起動をかけることが、家庭でできる最低限の手当てになります。
家庭の回線が、犯罪の踏み台に使われている
警察庁が2026年3月に公表した「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」には、センサーが検知した不審なアクセスが「1日・1IPアドレス当たり 9,605.7 件(前年比 0.9%増)」と書かれています。
同じ資料には「IoT機器を踏み台として悪用する犯罪」という節があり、こう説明されています。
「一般家庭で使用されるネットワーク接続機能を有する機器(IoT機器)について、機器の所有者の認識しないところでいわゆる『レジデンシャルプロキシ』(一般家庭の回線を利用するプロキシ)として動作し、踏み台として悪用される事案が多発している実態が明らかとなっている」。
規模も書かれています。
令和6年中のインターネットバンキング不正送金事犯は被害件数4,369件・被害額約86.9億円でしたが、そのうちレジデンシャルプロキシが用いられたのは少なくとも1,918件、被害額は約28.9億円で、被害件数全体の約44パーセント、被害額では約33パーセントを占めるとされています。
自分が被害に遭うかどうかとは別に、自分の回線が誰かの被害の経路になりうる、という話です。
IPAは2025年10月に、名指しで注意喚起を出した
IPAは2025年10月31日、「家庭用ルータ・IoTルータ等、ネットワーク境界のORB(Operational Relay Box)化のおそれについて」という注意喚起を公表しました。
ORBは「攻撃の中継拠点」を指す言葉です。
求められている対策は4つで、推測されにくいパスワードの設定、迅速なパッチ適用・機器の更新、公開設定の最小化、定期的な再起動です。
そのうえで「サポートが終了している古い機器については更新または廃棄を検討する」ことを勧めています。
総務省の資料とIPAの注意喚起で重なるのは、パスワードと更新、そして機器の寿命です。
IPA側にはこれに加えて、公開設定の最小化と定期的な再起動が入っています。
つながらない・遅いを、順番に切り分ける
つながらない:端末側かネットワーク側か
まず確認するのは、特定の端末だけの問題か、複数の端末で起きているかです。
つながらない端末で、スマートフォンのテザリングなど別のネットワークに接続できるか試します。
別のネットワークなら問題なくつながる場合は、家のWi-Fi環境の側に原因がある可能性が高くなります。
別のネットワークでもつながらない場合は、端末の設定や状態のほうです。
複数の端末で同時につながらなくなっているなら、ルーターか回線の問題である可能性が高くなります。
遅い:帯域の奪い合いを疑う
Wi-Fiは1本の回線を複数の機器で共有する仕組みなので、同時に通信する機器が増えるほど、1台あたりに使える帯域は狭くなります。
大容量のダウンロード、4K動画の視聴、ゲーム機のアップデートは、いずれも帯域を大きく使います。
特定の時間帯だけ急に遅くなるなら、まず家の中で何が動いているかを確認してください。
遅い:設置場所・熱・経年劣化を疑う
ルーターと端末の距離が遠い、間に壁や物がある、という場合は電波が弱くなります。
夏場は熱で動作が不安定になることもあるので、風通しのよい場所に置き、直射日光を避けてください。
長く使っているルーターでは、経年による不具合も出ます。
再起動しても改善せず不安定な状態が続くなら、メーカーのサポート期間とあわせて、買い替えの時期を考える段階です。
それでも改善しないとき
再起動、設置場所の見直し、動いている機器の絞り込みを試しても改善しない場合は、回線やプロバイダ側の問題である可能性が高くなります。
契約している通信事業者へ問い合わせてください。
症状が数日続いているなら、いつどんな症状が出たかを記録しておくと話が早くなります。
そもそも契約している回線速度自体が上限になっている場合は、Wi-Fi側をどれだけ整えても改善しません。
この場合は回線やプランの見直しになります。
2026年9月時点の最新状況
サポート期間を短くした社が出ている
総務省の5項目にもIPAの注意喚起にも「サポート期限内の機器を使う」が入っていますが、その期限自体が動いています。
主要4社の公表内容は、次のようになっています。
バッファロー:修正ソフトウェアを提供できる期間を「製造終了日から5年間、または、商品の最長保守年数のうち、いずれか長い期間」としています。サポート終了後は「脆弱性などの問題が確認された場合においても修正ソフトウェアのご提供をいたしかねます」と明記しています
NECプラットフォームズ(Aterm):サポート期間の案内を「Atermは販売終了から約3年間がサポート期間」としています。2025年7月1日のお知らせで、従来の5年間から3年間への短縮が告知され、2025年12月1日から適用されました
エレコム:「弊社ネットワーク製品・NAS製品のサポートおよび修理対応は、生産終了後 最長5年です」としています。型番ごとのサポート終了日を一覧で公開しています
TP-Link:年数ではなく保証期間を基準にしていて、「少なくとも製品の保証期間中のセキュリティーサポートの提供をお約束いたします」と書いています
この4社のうち、期間そのものを短くしたのはAtermだけです。
ただ、1社でも動いたということは、買った時期が同じでも機種によって切れる時期が違うということでもあります。
年数も起算点も社ごとに違うので、手元の型番で確かめるしかありません。
総務省とNICTが運営するNOTICEには「IoT機器メーカー サポート情報」というページがあり、アイ・オー・データ機器、i-PRO、NECプラットフォームズ、エレコム、サン電子、バッファロー、ヤマハの7社のサポート情報へのリンクがまとめられています。
ここから各社のページに入るのが早い方法です。
上に挙げた4社のうちTP-Linkはこの一覧にないので、同社のサポートページを直接見ることになります。
2028年からの推奨は、WPA3のみになる
移行モードについても、期限の話が出ています。
Wi-Fi Allianceの導入ガイドには「For new networks deployed after December 31st, 2027, the recommended default security configuration will be WPA3-Personal Only Mode for BSSs in all bands」と書かれています。
2027年末より後に新しく構築するネットワークは、全帯域でWPA3のみを推奨設定とする、という方針です。
次に機器を入れ替えるときには、WPA3だけで動く構成に寄せていくことになります。
手元にWPA3非対応の古い端末があるなら、そこが期限を決めることになります。
いまWPA2/WPA3の移行モードで動かしているなら、それ自体は問題ありません。
家庭内ネットワークは、一度組んだら終わりではなく、機器の増加と規格の進化、そしてサポート期間にあわせて見直していくものです。
まとめ
Wi-Fiの世代名はWi-Fi Allianceが付けている呼び名です。Wi-Fi 6の認証は2019年9月16日、Wi-Fi 6Eの呼称は2020年1月3日、Wi-Fi 7の認証は2024年1月8日に始まりました
日本で6GHz帯が無線LANに開放されたのは令和4年9月2日の制度改正です。家庭のルーターが使うLPIは「屋内においてのみ運用可能」で、送信電力はe.i.r.p. 200mW相当です
Wi-Fi 7対応と6GHz帯対応は別の話です。デュアルバンドのWi-Fi 7ルーターは5GHzと2.4GHzだけを使います。6GHz帯を使うには、ルーター側と端末側の両方が対応している必要があります
技適マークのない無線LAN機器の使用は電波法違反になる恐れがあり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と示されています
Wi-Fi CERTIFIEDが保証しているのは、メーカーが違っても組み合わせて動くことと、所定のセキュリティ水準です。最大転送速度はこの認証が保証している数字ではありません
WPA3は2020年7月から新規のWi-Fi CERTIFIED機器で必須です。古い端末があるうちはWPA2/WPA3の移行モードが使えますが、2027年末より後に組むネットワークは、WPA3のみが推奨設定になります
中継機は特定の1部屋を補う用途、メッシュは家全体を1つのネットワークにする用途です。どちらも大元のルーターと回線の性能は超えられません。ノードを買い足す予定があるなら、EasyMesh対応かどうかを見ておくと選択肢が広がります
総務省の「自宅Wi-Fiの安全な利用に向けて 簡易マニュアル」が挙げているのは5項目で、暗号化方式、パスワード、サポート期限内の機器、ファームウェア更新、設定の定期確認です。IPAの注意喚起はこれに加えて、公開設定の最小化と定期的な再起動を挙げています。接続用のパスワードとは別に、管理画面のパスワードも初期設定のままにしないでください
ゲストWi-Fiは、来客用やスマート家電を、家の中のNASやパソコンから切り離すための機能です
家庭用ルーターは実際に標的です。NICTERは2025年に1IPアドレスあたり年間約250万パケットを観測し、警察庁は令和6年の不正送金被害の件数の約44パーセント、被害額の約33パーセントでレジデンシャルプロキシが使われていたとしています
つながらないときは端末側かネットワーク側かを先に切り分けます。遅いときは帯域の奪い合い、設置場所、熱、経年劣化の順に疑い、それでも直らなければ回線側です
サポート期間は社ごとに違い、短くした社も出ています。Atermは2025年12月1日から約3年間になりました。年数も起算点も違うので、買った時期が同じでも機種によって切れる時期は違います
自宅のルーターは、いつまでファームウェアの更新が届く機種でしょうか。
参考・引用元
総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ)」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/wi-fi/総務省サイバーセキュリティ統括官室「自宅Wi-Fiの安全な利用に向けて 簡易マニュアル」(令和7年2月版)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000989912.pdf総務省 電波利用ポータル「小電力データ通信システム(無線LAN等)」
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/system/ml/wlan/index.htm総務省 電波利用ポータル「技適マークのQ&A」
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/NOTICE「IoT機器メーカー サポート情報」
https://notice.go.jp/end_of_support情報通信研究機構(NICT)「NICTER観測レポート2025」(2026年2月5日)
https://www.nict.go.jp/press/2026/02/05-1.htmlNICT サイバーセキュリティ研究所「NICTER観測レポート2025」(本文PDF)
https://csl.nict.go.jp/report/NICTER_report_2025.pdf警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7/R07_cyber_jousei.pdfIPA「家庭用ルータ・IoTルータ等、ネットワーク境界のORB(Operational Relay Box)化のおそれについて」(2025年10月31日)
https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2025/alert20251031_router.htmlWi-Fi Alliance「Wi-Fi CERTIFIED」
https://www.wi-fi.org/certificationWi-Fi Alliance「Wi-Fi Alliance introduces Wi-Fi CERTIFIED 7」(2024年1月8日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-introduces-wi-fi-certified-7Wi-Fi Alliance「Wi-Fi CERTIFIED 6 delivers new Wi-Fi era」(2019年9月16日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-certified-6-delivers-new-wi-fi-eraWi-Fi Alliance「Wi-Fi Alliance brings Wi-Fi 6 into 6 GHz」(2020年1月3日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-brings-wi-fi-6-into-6-ghzWi-Fi Alliance「Wi-Fi Alliance introduces Wi-Fi CERTIFIED WPA3 security」(2018年6月25日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-introduces-wi-fi-certified-wpa3-securityWi-Fi Alliance「Wi-Fi CERTIFIED WPA3 Technology Overview」
https://www.wi-fi.org/system/files/Wi-Fi_CERTIFIED_WPA3_Technology_Overview_202101.pdfWi-Fi Alliance「WPA3 and Wi-Fi Enhanced Open Deployment Guide v1.1」
https://www.wi-fi.org/system/files/WPA3 and Wi-Fi Enhanced Open Deployment Guide v1.1.pdfWi-Fi Alliance「Wi-Fi CERTIFIED EasyMesh delivers intelligent Wi-Fi networks」(2018年5月14日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-certified-easymesh-delivers-intelligent-wi-fi-networksWi-Fi Alliance「Wi-Fi Alliance introduces Wi-Fi 6」(2018年10月3日)
https://www.wi-fi.org/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-introduces-wi-fi-6バッファロー「バッファロー商品 サポート期間のご案内」
https://www.buffalo.jp/support/other/eos.htmlバッファロー「WSR6500BE6P-BK」製品ページ
https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr6500be6p-bk.htmlNECプラットフォームズ「Atermのサポート期間について」
https://www.aterm.jp/support/inquiry/hoshu_list.htmlNECプラットフォームズ「【重要】Aterm製品のサポート期間変更に関する重要なお知らせ」
https://www.aterm.jp/product/atermstation/info/2025/info0701.htmlエレコム「ネットワーク製品・NAS製品のサポート期間について」
https://www.elecom.co.jp/support/end-of-support/TP-Link「製品のセキュリティサポートおよびそのサポート期間について」
https://www.tp-link.com/jp/support/faq/4491/
実務で使う書式について
この連載の内容を、社内でそのまま使える書式にまとめたものを、別のマガジンで公開しています。
規程のひな形、対応フロー、チェックシート、報告書式などです。
実務で使う書式・キット
https://note.com/yunta_fukurou/m/mfc25857fab40
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