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『水曜どうでしょう』なぜ私たちは30年経っても語り続けるのかーー「どうでしょう解説ゼミ」潜入レポート|第38夜 特別編

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    📖第1夜から読める連載まとめ(目次ページ)

    なぜ30年前の深夜番組について、今でも数百人が集まり、何時間も語り合えるのでしょうか。その理由を、川崎市の武蔵新城で改めて考えてきました。

    今回は予定を変更して、2026年7月4日(土)に開催された「水曜どうでしょう30周年!世界一マニアックな解説イベント&藤村・嬉野と聴く玉田玉山どうでしょう講談SP!」↗のレポートをお届けします。

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    武蔵新城駅から徒歩約3分。またやって来ました「PASAR BASE」

    7月4日(土)、私は人生二回目となる武蔵新城を訪れました。会場は駅の近くにある「新城パサールベース」。

    イベントは14時開始でしたが、13時45分頃にはほとんどの席が埋まっていました。参加者の年齢も性別もバラバラです。それでも、どこか同じ空気が流れています。

    ちょうどその頃、嬉野D、続いて藤村Dが会場へ入ってきました。大きな演出があるわけではありません。

    有名人のイベントというより、久しぶりに仲間が集まった時のような安心した空気がそこにはありました。

    さらにこの日は、7月7日に誕生日を迎える嬉野Dに向けて、七夕の短冊が用意されていました。熱心なファンの皆様、通称「氏子」の皆様が準備をされていました。

    (※出来上がった短冊の写真も撮ったのですが、短冊に記入された一般の方のお名前も読めてしまうため掲載は自粛いたします。残念。。)

    このようなおもてなしや、皆んなで楽しもうとしている雰囲気。『水曜どうでしょう』は、番組であると同時に、どこか帰ってこられる場所のような存在になっているのだと感じました。


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    今回は解説ゼミ&玉田玉山さんの講談を公開生配信

    イベント第1部は、『212市町村カントリーサインの旅』第4夜の解説でした。藤村Dは、この回こそが『水曜どうでしょう』の分岐点だったと話していました。

    第4夜は、豊頃町から鹿部町へ向かう回です。当時の交通事情を考えると、おそらく9-10時間近くかかる道のりだったそうです。

    しかも、日勝峠を越え、苫小牧へ向かう道は働く車(トラックなど)ばかり。どうでしょう班の4人も、とても一日では着けないと考え、早い段階で登別温泉「滝乃家」に宿を予約していたそうです。

    ところが、番組ではそんな弱気なところを見せません。登別へ向かいながらも、最後まで「鹿部へ行かなければならない」と言い続ける。

    そして、高速道路を途中で降りてはいけないのにも関わらず、道半ば、登別東インターチェンジで、何の違和感もなく降りていきます。

    一般道に入るとすぐに目の前には、大きな鬼の像。その鬼が指さしている方向を見て、大泉さんが叫びます。

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    映し出された「鹿部はこっちだ!」を見て爆笑の藤村D

    「鹿部はこっちだ!」

    私は何度見ても、この場面で笑ってしまいます。でも今回、藤村Dが語っていたのは、そのテロップが出た直後、大泉さんが車を左折する際に放った「うおおおおー!」という言い方でした。

    あの言い方がツボに入り、その後も何かあるたびに思い出して笑ってしまうようになったそうです。

    『水曜どうでしょう』を見ていると、何を言ったかより、どう言ったかが記憶に残ることがよくあります。「訴えるぞ」「なんだバカヤロー」「パイ食わねえか」。

    どれも、言葉そのものより言い方が面白い。大泉洋という人は、感情がそのまま声に出るから面白いのだと、改めて感じました。


    その後、一行は滝乃家へ向かいます。ホテルに入った後も「鹿部へ行かなければならない」という演出は続きます。

    特に、ホテル管内のエレベーターを降りて温泉へ向かう場面について、藤村Dは「鹿部へ急いで向かう感じでやって」と大泉さんにディレクションしていたことを明かしました。

    私はこの話を聞いて、プロだなと思いました。『水曜どうでしょう』はすべて自然発生だと思われがちです。しかし実際には、面白い空気を少しだけ後押しする演出も入っている。

    その絶妙なさじ加減こそが、『水曜どうでしょう』の魅力なのかもしれません。


    しかし、その後に起こる出来事は完全に自然発生でした。そう、「トラ退治」です。

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    半裸でトラ退治する大泉さんの映像に爆笑のお二人

    掛け軸の虎に向かって、「出てこい!」と戦いを挑む大泉さん。そして、それを見て笑い転げる藤村D。さらに、笑いすぎて思わず出てしまった「おなら」。どうでしょうファンなら誰もが知っている名場面です。

    以前、「オーストラリアの旅」についてこのnoteで考察した際、こんなエピソードを藤村Dが語っていたことを思い出しました。

    オーストラリア3日目、デザートケイブホテルで食事後、藤村Dは、酔っていたこともあり、「屁でもこいて驚かせてやろう」と思い、大泉さんのまえでおならをしました。

    ところが当時の大泉さんは藤村Dのおならを笑いに変えられず、「今なにした?」「自分の番組で屁こいたのか?」と驚き、その場は静まり返り、結局編集にも載らなかったそうです。

    すると藤村Dは、なんと小学生の頃から「おなら芸」を習得していたことを教えてくれました。おならを自由自在に操り、クラスで笑いを取っていたそうです。会場はもちろん大爆笑でした。


    さらに印象的だったのは、嬉野Dの話です。面白いシーンには「アンチ」が必要だと言うのです。

    トラ退治の場面で言えば、布団の中から出てこないミスター。トラ退治をしている大泉さんの足元でちょっと邪魔になっているような感じで寝ていて避けることもしませんでした。

    ミスター的には、面白くないから編集でも使われないだろう、だから避けなくても良いという判断をしていたのであろうと。

    嬉野Dは、「何が面白いんだか」と思っている人が画面の中にいる。だからこそ、このシーンがより面白くなると言います。

    確かにそうかもしれません。全員が同じように笑っているのではなく、笑っている人もいれば、冷めている人もいる。

    その温度差が、『水曜どうでしょう』にはいつもあります。だから、視聴者も自分の立場で、その場面へ入り込むことができるのでしょう。


    さらに驚いたのは、このトラ退治はテイク2だったという話です。最初はカメラを回しておらず、自然発生的に始まり、面白かったので、もう一度同じことをやってもらったそうです。

    何度見ても自然に見えるのですが、実は少しだけ「再現」されていた。それでも面白いのは、演じている本人たちが本気で笑っているからなのだと思います。

    自然発生と演出の境目がほとんど見えない。それが『水曜どうでしょう』の不思議なところです。


    ホテルで一泊した後、翌日も一行はすぐに鹿部へ向かいません。洞爺湖で「ファントム」というボートに乗り、豊浦ではイチゴを買って道端で食べています。企画がまったく進みません。

    でも、藤村Dは、この企画性のなさこそが面白かったと話していました。ここで、『水曜どうでしょう』の方向性が見えたのだそうです。

    目的地へ急ぐのではなく、その途中が面白い。寄り道こそが面白い。それは、私たちの人生にも少し似ている気がします。

    私たちは、何か目標を達成することばかり考えてしまいます。でも、後から思い出すのは、途中で立ち寄った場所だったり、何気なく食べたものだったり、予定外の出来事だったりします。

    『水曜どうでしょう』は、そんな人生の寄り道の面白さを、ずっと映していた番組なのかもしれません。


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    即興講談を語る玉田玉山さん&笑う嬉野D

    イベント第2部は、講談師・玉田玉山さんによる「水曜どうでしょう講談」でした。今回は二本の講談を披露してくださいました。
    (こちらがご本人の当日エピソード⬇︎)

    講談内容については、今後参加される方の楽しみを奪わないため、また、9月の「どうでしょう祭」でも披露される可能性がありそうでしたので、あえて多くは書かないようにいたします。

    ただ、一つだけ言えることがあります。映像を見ていないのに、映像が見えるのです。

    大泉さんの声が聞こえる。ミスターの表情が浮かぶ。藤村Dの笑い声まで聞こえてくる。

    前回、講談を拝見した「藤村忠寿61歳まつり」↗をレポートした際にも感じましたが、玉田玉山さんの講談には、『水曜どうでしょう』の場面を頭の中によみがえらせる力があります。

    『水曜どうでしょう』は、もしかすると、すでに古典芸能のような段階へ入っているのかもしれません。

    30年前の出来事を、何度も語り、何度も笑う。その文化が、今も生き続けているのです。

    そして今年9月のどうでしょう祭では、玉田玉山さんが旧札幌ドームで講談を披露されるそうです。

    おそらく、ドームで講談をする機会など世界でもそう多くはありません。世界初だと思います。どんな講談を見せてくれるのか、今から楽しみです。


    イベントは17時頃に終了しました。しかし、藤村Dと嬉野Dには、まだ仕事が残っていました。

    どうでしょう祭で行われる模擬裁判企画のため、弁護士の方とのZoomミーティングがあるというのです。

    なんとこの企画、30人ほどの弁護士の方から応募があり、そのうち10人ほどと面談をして出演者を決めるそうです。さらに、実際に訴訟になりそうな内容リストまで提案されているとのこと。

    藤村Dは、その訴訟内容が面白くて仕方ないと笑っていました。


    30年経っても、まだ新しい笑いを作ろうとしている。その姿を見ていると、『水曜どうでしょう』は本当に終わらない番組なのだと思います。

    イベントの最後、藤村Dはこう話していました。

    「今日聞いたことを、ぜひ自慢げに周りの人に話してください。」

    私は、この言葉がとても『水曜どうでしょう』らしいと思いました。

    番組を見て、笑って、誰かに話したくなる。その人が、また別の誰かに話す。そうやって、30年前の深夜番組は今も生き続けています。

    私も、こうして少し自慢げに今日のことを書いています。

    そして、この記事を読んだ方が、また誰かに「こんな話があったんだよ」と話してくれたら。それもまた、『水曜どうでしょう』という物語の続きなのかもしれないなと思います。

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    嬉野先生、誕生日おめでとうございます!


    (※記事中の画像は、作品紹介および考察を目的として、解像度を下げて引用しています。著作権は各権利者に帰属します。)


    次回、第39夜は、連載途中であったサイコロ3後編に戻ります。「サイコロの神かなんかか?」盛岡完全ダウンで見えた勝ちパターンについて考えていきます。

    この連載は、これからも『水曜どうでしょう』の魅力を一つずつ読み解いていきます。「❤️スキ」「👤フォロー」で応援いただけると励みになります。


    📌今回の内容を踏まえて、皆さんは……

    A:好きな作品は、誰かに語りたくなる
    B:自分の中だけで大切に楽しみたい

    どちらに近いでしょうか。理由もあればぜひコメントで教えてください。
    (コメントには必ずご返信させていただきます)
    今後の『水曜どうでしょう』考察の参考にさせていただきます。


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    ■運営者(ユウナ)について
    このnoteでは『水曜どうでしょう』をテーマに執筆しています。以下の別アカウントでは、普通の会社員だった私が、FIREを達成するまでの資産形成の実体験を記録しています。

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