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「スコーラ・ダモイ」 第十一章 帰郷 ⑤ ふたたび教室へ

    前話 https://note.com/yukki113/n/n128395d016f7

    第5話 ふたたび教室へ

     抑留中に、私の身分は、青年学校教諭から小学校教諭へと変わっていました。

     帰国の報告と挨拶のため、学校を訪ねると、召集当時の校長はすでに転任しており、新しい校長が温かく迎えてくれました。8月の夏休み中だったので、校舎に子どもたちの姿はありませんでした。

     校長と話をする中で、教師には「教員適格審査書」の提出が義務付けられていることを知らされました。校長は、「シベリア抑留の経歴は、審査に影響があるかもしれない。書かないほうが賢明ではないか」と助言してくれました。

     その時、舞鶴港で受けた尋問のことが脳裏によみがえりました。
    「もし不適格と判断され、教壇に立てなくなったらどうしよう」そんな不安が浮かんできましたが、私は「事実ですから書きます」と答え、ありのままを書いて提出することにしました。

     2学期が始まり、私は6年生の担任になりました。子どもたちと過ごす日々の中で夏は過ぎ、季節は秋を迎えていました。

     10月になって、ようやく、教員適格という通知があったので、ひとまず胸をなでおろしました。まだ東京からの呼び出しが残っていたため、不安が完全に消えたわけではありません。それでも子どもたちの声に囲まれる穏やかな日常が流れるにつれ、いつの間にかその不安の影も静かに消えて行ったのです。


    あとがき ⬇︎是非読んでください。


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    終戦後、シベリアに抑留された29歳の教師。98歳で他界した祖父が遺した手記『スコーラ・ダモイ』をもとに、極寒の地で人間らしさを失わず生き抜いた約4年間を孫がリライトしました。

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