メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bydongmu

鼓動


    もつれた足が絡まってうまく進めない

    ぬかるんだ地面が嗤うように僕を摑まえる


    鼓動が全身で鳴っている


    うるさい

    うるさいよ

    ああでもそうだ

    行かなくちゃ




    棒のように既に感覚のなくなった足が

    それでもまだ動く


    そうだ 

    行かなくちゃ


    間に合え

    朝陽まで



    息の吸い方も吐き方も忘れてしまった

    愚かな僕の肺はそれでもまだ動く


    行かなきゃ

    間に合え



    いつかどこかで聴いたような音が遠くで鳴っている

    風の音なのか誰かの唄声か

    もう何もわからない


    確かなのは

    鼓動が鳴っている

    鼓動だけが

    僕を動かす



    汗も涙も鼻水も

    ごちゃ混ぜになって後ろに流れて行く

    もう感覚のなくなった脚が

    気が触れたように忙しなく動く



    気の触れた脚は絡まって僕を地面に叩きつける

    何度も何度も

    ああいいよ

    かまうものか


    嗤うなら嗤え

    かまうものか

    泥水も後悔も雨も嫉妬も欲も

    嘲りも誹りも裏切りも侮辱も憎悪も排斥も

    全部引き受けてやる


    かまうものか

    行かなくちゃ


    嗤うなら嗤え

    行かなくちゃ




    東の空が白み始める

    世界が目覚める


    間に合え

    間に合え



    頭が割れそうだ

    視界が揺らぐ


    それでもまだ

    鼓動は僕を解放しない

    狂った脚が体を運ぶ


    鼓動だけがそこにある



    間に合え

    朝陽まで

    間に合え

    君まで







     
     

    yoru

     
     
    自己受容から、現実創造へ。 本当の望みを知り、 「ある」を見つめながら、 自分の人生を創っていく。 心と宇宙について。詩とエッセイ。 INFJ→INFP/数秘33

    あなたへのおすすめ