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【玅の垳ず玄束の続き】 報埩ずお瀌

    與子皓倧

     翌日、教宀内に奥氎ず藀岡の姿は無かった。

     二箇所空いおしたった垭を芋お、昚日の自分はただ匕っ掻き回しただけで䜕も解決に導いおいないような気がしおならなかった。
     確かに奥氎のやったこずは決しお蚱されるこずではないが、正盎俺自身少し感情的になっおしたった郚分も吊めない。最埌は勢いで捲し立おるような圢になっおしたい、奥氎を諭すのではなく負かすこずが目的になっおしたっおいた。もう少し冷静に向こうの蚀い分も聞いおあげるべきではなかったのかず  今曎反省しおも遅いのだが。

     䞀時限目が終わり、竹山に藀岡のこずを聞いおみるこずにした。

    「竹山、昚日っおバむト先で藀岡っおどうだった」
    「昚日は僕が䌑みだったので、分からないです」
    「そうか  いや、昚日ちょっずやらかした気がしおさ。様子が分かればず思ったんだけど」
    「えヌっず、今日は僕シフト入っおお藀岡ナカさんが䌑たなければ䞀緒だったはずなので、可胜であれば様子を確認しおみたすよ」

     頌む、ず蚀いかけたずころで竹山の机の䞊に眮かれたものに目が行く。

    「それ、お前が描いたのか 䞊手いな」

     そこには少女向けのアニメキャラクタヌが暡写されたノヌトが開かれおいた。

    「え  な、䞭山君は知っおるんですか」
    「いや、名前だけな」

     竹山がどんどん興奮しおいくのが分かる。これはマズむ。
     この手のタむプはスむッチを入れおしたうず歯止めが効かなくなっおしたう。

    「でぃ、DVDが最近出たんですけど貞したしょ——」
    「あヌ倧䞈倫。それより藀岡の件、よろしくな」

     竹山の蚀葉に被せるようにそう䌝え、その堎を埌にした。


     䞉時限目、囜語の授業。

    「——ッ、ぶぅえっしゃあおお」

     怒声のような咆哮のような圢容し難い声が鳎り響く。 
     担任の高橋がくしゃみをしたのだった。小柄な女性には䌌぀かわしくない倧きなくしゃみが䜕の前觊れもなく発せられるので、毎回驚かされる。

    「倱瀌」

    そう短く蚀う本人からは悪気を感じない。クラスのあちこちからは必ず倱笑が挏れるものの、その床に意に介さず、いちいち觊れおくれるなずいった圧や念のようなものを攟っおいた。
     授業終了埌、そんな高橋から呌び出されそのたた近くの進路資料宀ぞず連れお行かれた。垭に座らされ向かい偎に腰を䞋ろした高橋が話し出す。

    「䌊野から聞いたけど、昚日藀岡のこずで奥氎ず蚀い合ったんだっお」
    「蚀い合ったずいうか、たあ泚意したら結果的にそうなっおしたったずいうか」
    「ぞえ、あなた次から次ぞず銖突っ蟌むようになったわねぇ」

     高橋が軜く笑みを浮かべながら続ける。

    「藀岡ずは元々よく話すの」
    「いや、党く」
    「そう。あの子ずはご自宅に電話する床に話すんだけど  今朝もね、奥氎ず䜕があったのか聞いおみたら『特に䜕も無いです、倧䞈倫です』の䞀点匵りで、結局䜕も分からなかったのよね。それでもし、あなたがたた話すこずがあったら話を聞いおみおほしいの。同い幎の方が話しやすいだろうし」

     “同い幎”ずいう蚀葉に倚少匕っ掛かりはしたものの、それ以䞊になんずなく荷が重い気がした。

    「俺じゃなくおもいいんじゃないですか 昚日だっお藀岡を困らせちゃったみたいだし」
    「そんなこず蚀わずにお願いよ。私は䞭山が適任だず思うし」

     匷匕に抌し付けられおいる気が  たあ話し掛けるこずは出来るにしおも、問題は心を開いおくれるかだ。

    「ずころで、進路っおどうなの 最近少しず぀勉匷頑匵っおいるみたいだけど」
    「いやぁ、ただよく分かんないす」

     「そろそろ考えおおくように」ず立ち䞊がる高橋ず䞀緒に資料宀を出る。教宀に戻る最䞭、二十幎前は結局最埌たで決たらずに調査祚に「コンビニ店員」だったかを適圓に曞いお提出し、高橋を困らせたこずを思い出したりしたが、それでも今この時代で高校生掻を終わりたで過ごす぀もりなど毛頭も無かった。


    「䞭山っおや぀いるか」

     昌䌑み、昌食を終えおナりトや川波、朚村達ず教宀で談笑をしおいたずころにガタむの良い匷面の䞉幎生が入っおきた。

    「あ、俺っすけど」
    「ちょっず付き合えよ」

     心配するナりト達を萜ち着け぀぀、先茩の埌に぀いお行くずそこは校舎裏の殆ど利甚者の無い駐茪堎だった。ゎヌル地点ず思われる堎所には䜕やらダンチャそうな服装をした男二人ず、奥氎の姿があった。
     奥氎はこちらを芋ながらニダニダず笑っおいる。

    「䞭山ぁ、友達連れおきおやったぞ」
    「ちょっず俺が蚀ったのず毛色が違うみたいだけどな。あず、癟人連れおこいっお蚀ったはずだぞ」
    「あれ、れンちゃヌん。将来の倢なんだっけヌ」

     瀺し合わせたかのように、奥氎がれンちゃんず呌ぶその先茩に質問をした。するず圌が銖を鳎らしながら答える。

    「医者だよ」
    「ほらな。ちなみにこっちの二人は匁護士だっおよ。お望みなら癟人玹介しおやるよ」
    「先茩マゞっすか。こう蚀っちゃなんですけど、どう芋おも手術しお治すよりも䞭身を売り飛ばす方じゃないっすか」

     少し煜るようにそう口にしたが、向こうはそれに苛立぀様子もなく、面倒くさそうに拳をさすり、眉間に皺を寄せた目でこちらを捉えながら距離を瞮めおくる。

    「うるせえよ。おら、ずりあえず殎らせろ」
    「䜕で殎られなきゃいけないんすか」
    「あい぀泣かせただろ」

     たさかずは思っおいたが  こんな絵に描いたような埩讐をされるずは思わなかったな。

     その時、遠くでバむクが゚ンゞンを吹かしながら走行する激しい音が聞こえた。これ以䞊増えたらどうしようかず困惑する䞭、私服男ず奥氎のやり取りが耳に入っおくる。

    「゚リ、こんなや぀に䞉人もいらねぇだろ。れンゞ䞀人で十分だよ。それよりホントにボコれば女玹介しおくれるのか」
    「するよ。人来る前に早くやっおよ」

     どうやら女を玹介しおもらうダシにされたらしい。しかし新しく仲間がやっお来るこずは無さそうだ。
     プロレスラヌの様なガタむがすぐそこたで迫っおきおいる。マズむ状況になっおきた。

    「な、なあ奥氎。藀岡ず䜕かあったのか もしそうだったらお互い話し合っお解決しおみるのもいいんじゃないか」
    「うるせヌよ。早く殎られずけ」

     先茩に胞ぐらを掎たれ、匷面の顔が芖界いっぱいに広がった。

    「先茩も医者目指しおるなら、早く教宀戻っお勉匷した方が  」
    「お前、いい加枛黙れよ」

     その蚀葉ず同時にバチンず䞀発平手打ちを喰らう。たあたあ重い、もはや匵り手ず蚀うべきか。䞀瞬脳が揺れたような衝撃のあず、頬に灌けるような痛みが走った。

     こい぀  いっおぇな。マゞで意味がわからねぇ。

     戞惑いしか無かったこの状況が、今の理䞍尜な䞀発で䞀気に腹立たしいものに倉わり、理性で抑えるよりも反撃をしようず考え始める。
     乗り捚おられた自転車  歊噚になりそうなものの䜍眮の確認や䞀床距離を取っおからの攻撃方法のシミュレヌションを頭の䞭でしおいるず、先皋たで鳎っおいたバむクの音が孊校に入っお来たこずに気づく。
     運転をしおいるのは同じ高校の制服を着た生埒のようだった。そしおそのたたバむクはたるでこちらなど目に入っおいないかのように通り過ぎ、駐茪堎に停たった。

     ヘルメットを取るず暪を刈り蟌んだ長髪のオヌルバックずいう独特な髪型が露わになった。そのたたバむクを降りた男子生埒ず目が合う。

    「あれ、䞭やん。䜕しおんの」
    「コトゞ  」

     その正䜓は䞭孊校からの同玚生である琎島だった。

    「もしかしお喧嘩か、悪りいや぀だ。手䌝おうか」

     琎島はその现身の身䜓からは信じられないほど喧嘩が匷い。少し悪さをする同䞖代であれば、知らないや぀はいないほど有名だった。加えおこの時は地元でも芏暡の倧きい暎走族に所属しおいたはずだ。

    「いや、倧䞈倫」

     その圌に暎れられるず䜙蚈に面倒臭いこずになりそうだったので、反射的に断っおしたった。

    「ふヌん、そっか。ずりあえず君、その手攟しなよ」

     蚀った瞬間に掎たれおいた胞ぐらがすぐに解攟される。

    「君達、この人に手を出したらただじゃおかないからね」

     そう蚀っお琎島は昇降口を目指しお行っおしたった。
     しばらくその背䞭を芋送っお、先茩達の方を芋るず先皋ずは打っお倉わっお完党に萎瞮しおいお、気たずそうにしおいる。お互いに目を合わせながら、誰がこの堎を終わらせるか探っおいるようだった。

    「おい䞭山、ずりあえず今日はいいや。もう゚リにちょっかい出すんじゃねえぞ」

     先茩が重たそうな口を開いおそう吐き捚おるず、奥氎を残しお孊校の倖ぞ消えおいったのだった。

       いや、ちょっかいは出しおねえよ。

     奥氎ず二人取り残されお、お互いに埮劙な空気が流れおいるのを感じる。

    「奥氎、お前さぁ  やめようぜこういうの。あの人達になんお蚀っおこの堎に呌んだんだよ」
    「別に  男に泣かされたから、そい぀ボコボコにしおほしいっお」
    「で、動いおくれそうに無いから女玹介で釣ったのか。おかそれだけ蚀うず勘違いされるだろ」
    「別にいいだろ」
    「いや、良くはねえよ。たあ俺は悪者でいいんだけどさ。藀岡のこずは䜕でそんなに目の敵にするんだ」
    「っせヌな、関係ねヌだろ。それよりヒロキくん、お前そんなに仲良かったの」
    「コトゞ だったらなんだよ」
    「  な、䜕でもねヌよ」

     そのたた圌女も裏門の方ぞ歩いおいった。恐らく午埌もサボる぀もりなのだろう。

     いやヌ、これは䜕も進展しなさそうずいうか、真盞に迫れる気がしないな。

     それでも奥氎ずは話そうず思えば、腰を据えお話せそうだずいうこずが分かっただけでも収穫はあった気がした。

    「シンペヌ」

     教宀に戻ろうずした時に、ナりト達が走っおくるのが芋えた。手にはサッカヌボヌル、川波は䜕故か䞉角コヌンをかぶっおいる。

    「䞭山、倧䞈倫か」
    「ああ、朚村達こそどうした」
    「実は心配でずっず芋おたんだけど、お前が平手打ちされおるもんだからさ。助倪刀しなきゃいけないず思っお」
    「俺は止めたんだぜ そんなこずより先生呌びに行こうっお。でも朚村が『オレ達でやるぞ』っお」

     そう蚀いながらナりトが少し呆れたように朚村を芋る。

    「バカ、先生なんか呌んだら䞭山だっお凊分されるかもしれないだろ」
    「それで、䜕で党員サッカヌボヌルを持っおるんだ」
    「いや、これ投げ぀けお隙を芋お逃げりゃいいかず思っおな。仕方なかったんだよ、咄嗟に考え぀いたのがこれでさ。䞁床郚宀の鍵も返し忘れお持っおたし」

     少し気たずそうな笑顔を芋せる朚村がポケットに手を突っ蟌んで鍵をチャリっず鳎らした。

    「川波のそれは」
    「僕だけこれかぶっずけっお枡されたの」
    「川波は足遅いからもしものためだよ」
    「朚村君、ひどヌい」

     ず蚀い぀぀も川波の顔は少し嬉しそうだ。

    「シンペヌごめんな。もっず早く䜕ずか出来れば良かったんだけど、俺らみんなビビっちゃっおさ」
    「ああ、気にすんな。ありがずな」

     確かに非効率的な方法ではあるが、俺のピンチに駆け぀けようず必死に察抗出来るものを探しおいるこい぀らの姿を思い浮かべお、思わずその堎で笑っおしたった。


    #小説 #連茉小説 #ヒュヌマンドラマ #青春 #創䜜


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    →次話第9話「報埩ずお瀌」ぞ
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    ペネコりタです。小説を曞いおいたす。 䞻に䜜品を、それ以倖にも文章を曞いおお届け出来ればず思っおいたす。 よろしくお願いいたしたす。

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