
零式戦隊クロスレンジャー 第7話 激突
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N.W.C.サミットは予定どおり開催。しかし藤堂が推す「予測インフラ統合ガイドライン」は、オルドモンド側の反発により、修正条項付きでの可決にとどまる。その裏で、暴徒を率いていた男女から、アカネは“予測ノイズ”の存在を知る──
1. ノイズ・イン・ザ・ダーク
N.W.C.サミットDay1終了後の名古屋中枢特区に夜の帳が下りる。
スカイアトリウム地下、Node-77には、静かな緊張が漂っていた。
壁面のモニターには、広がる都心の地下構造図。無数の線が網目のように交差し、幾層もの地中空間が色分けされていた。神崎アカネ、キム・セヨン、
レオン・片桐が円卓状に集まり、それぞれの端末で情報を確認している。
「セントラルパーク地下街。タワー下のメンテナンスルート。それと……この搬入用のトンネルも怪しい」
セヨンの指が画面上を滑る。視線の先には、ログ異常をもとに推定された「予測ノイズ干渉圏」の表示があった。
「とにかく数が多すぎる。ヴェスパーが本気でこの地下網を利用してるなら……どこかに隠れてるはず」
「予測ノイズを積んだセラフィム・アークがね」
アカネの声は落ち着いていたが、奥底に苛立ちを含んでいた。
「セヨン、あなたはセントラルパーク地下街。私はタワー下の駐車区画。レオンは地下メンテエリアの確認を」
それぞれの持ち場に向かう3人。
暗がりの廊下で、前を歩くレオンがふと立ち止まる。
「神崎。なぜ、やつらを逃がした?」
その声音には、鋭い棘があった。
「……」
しばしの沈黙の後、アカネははっきりと告げた。
「彼らは……“敵”じゃなかった。少なくとも、私たちが裁くべき相手じゃない──そう判断しただけ」
「判断?笑わせるな。おまえは、あのときやつらを殺す判断すらできなかった」
「レオン。なぜ、人の命を軽んじる?」
「おまえの話をしているんだ、神崎」
レオンは振り返り、ゆっくりと歩み寄る。そのまま彼女の前で立ち止まり、低い声で続けた。
「迷いは最悪の結果を呼ぶ。“敵か味方か”とか”可能性”とか、まわり道ばかり探っているようでは、指揮官は務まらん」
「……」
アカネは何も答えなかった。
レオンの挑発とも苦言とも取れる言葉にいちいち反応していては、それこそ指揮官は務まらない。
「行くわ。言いたいことがあるなら、終わってからにして」
「フン……」
レオンもそれ以上は何も言わず、自身の武装端末を手に取る。
アカネもインカムを手にして、部隊に指示を飛ばす。
「……ターゲットはセラフィム・アーク。ただし、敵の正体は不明。各自、交戦には注意しろ。見つけたら報告、無理はするな!」
「──予測ノイズだと?」
夜のスカイアトリウム上層、G.O.A代表団の執務室では、アレックス・藤堂が速水の報告を受けていた。
ホログラフに投影された名古屋中枢特区の地下構造図には、いくつかのエリアが赤く点滅していた。零式戦隊とG.O.A部隊は、ヴェスパーの痕跡を追って地下の捜索を続けている。
「それが、セラフィム・アークに搭載されていたとなると──ヴェスパーの技術力は予想以上です」
「啓示の三柱……シグマ・フォン・ブラウンか。元を断ちたいところだが、簡単ではないな」
「指揮はマグダラ。昨夜、スカーレットがすでに交戦しています。長官、ここはやはり私が──」
「待て」
藤堂はグラスを手に窓の外へ視線をやった。夜の都心が、まばゆい静寂を湛えている。
「本隊の位置はつかめていないのだろう?」
「……ええ。この街の地下網は複雑すぎる。やつらは地の利を活かして、巧妙に動いています」
「……厄介な連中だ」
藤堂はゆっくりと席を立ち、ホログラフに浮かぶ明朝の議題を見やった。
《第3議題:予測AIの軍事・治安用途に関する制限宣言案》
「EUCとスカンジナビアが主導している。“予防措置以外での使用は禁止”──建前は倫理だが、狙いは明白だ」
「……オルドモンド側の軍事力を削る、と」
「ああ。裏付けは進行中だが、オルドモンド・グループ傘下の“シュヴァルツ重工”などから、武器や兵器がいくつかの新興国に流れているらしい。表向きは予測演算システムの導入サポート。その裏で、武力の輸出も進めている」
「未来ごと、戦争の種まで売っていると……」
「当然、倫理監視国のスカンジナビアが黙っているはずがない。“予測”を口実に、軍事介入の正当化まで図っているとしたら──放っておけん」
藤堂はグラスの中身を一気に飲み干した。
今日のサミットDay1は、想定以上に骨が折れた。
「これからEUCとスカンジナビアの代表団に非公式で連絡を取る。譲るべきは譲り、最低限の合意ラインを詰めておきたい」
「……だいぶ飲まれてますが、大丈夫ですか?」
「フンッ!俺を誰だと思ってるんだ」
藤堂は、酒瓶を軽く掲げると、速水をまっすぐ見つめた。
「これ以上、オルドモンドの……ラウルの好きにさせてたまるかっ!」
「では我々は、ヴェスパーをなんとしても突き止めます」
「頼むぞ、速水。なんとか“G.O.Aが抑えている”という構図を示せれば、EUC側とも歩調を合わせたまま、我々が主導権を握れるはずだ。やつらの本隊が見つかれば、おまえも前線に出てくれ」
「はっ!」
名古屋中枢特区の深夜──アカネたちは旧地下街や搬入ルート、廃棄された作業通路など、地下網の奥深くまで探索を続けていた。しかしセラフィム・アークの手がかりは、いまだ掴めない。
「ノイズ注入痕跡、3箇所発見。現在復旧作業に着手──は、いいんだけどぉ……肝心のセラフィム・アークの足取り、ぜーんぜんわかんない!」
セヨンが端末を睨みつけながら、呆れたように吐き出す。
「もう少しだ。やつらは……ヴェスパー本隊は、必ずこの地下網のどこかに潜んでいる」
通信越しに聞こえたセヨンの愚痴を受け流し、アカネは静かに言った。
──その時、通信回線にノイズが走った。直後、爆発音と怒号、混線した悲鳴が混じって飛び込んでくる。
《セントラルパーク付近で騒乱発生!小規模な爆発を伴うデモの暴走、現場に市民多数!》
「……またか!」
アカネは即座に地上へと駆け上がり、ニュー・ミライ・タワーのエントランス前に飛び出す。煙と火花が視界の奥で揺れ、300mほど先で人影が蠢いていた。
怒号。投石。サイレン。街路樹の根元に火が灯され、暴徒が鉄柵を投げつけ、警備ドローンに火炎瓶を構えている。
アカネが駆けつけた先で──見覚えのある姿。マヒムとテシナが、身を挺して過激派の前に立ちはだかっていた。
「やめろ!こんなことしても意味はない!」
「お願い……落ち着いて!壊したくて集まったんじゃないでしょう!」
マヒムの声も、テシナの叫びも届かない。過激派の一部が火炎瓶に火を灯し、群衆の中に投げ入れようとしていた。
「……やはり、あのとき排除すべきだったな」
背後から、冷ややかな声が聞こえた。
「……!」
アカネが振り返ると、そこにいたのはレオンだった。
彼は一言も言わずに跳躍し、空中で零-Crimsonへと変身。赤黒の粒子が弾け、その手に“インパルススピア”を構える。
「や、やめろ!彼らは──」
アカネの叫びは、届かない。
クリムゾンは地上に着地すると同時に、過激派の列を鋭く斬り裂き、一直線にマヒムへと突進した。空気を切り裂くように、漆黒の槍が閃く。
ドンッ──
重く鈍い音。マヒムの身体が弾かれ、仰け反る。胸部を深く貫いたインパルススピアが、赤く染まっていた。
「い、いや……マヒムーーッ!」
テシナの悲鳴が夜の空気を裂いた。
彼女は駆け寄り、崩れ落ちたマヒムの身体を抱きしめる。だが、マヒムの目はすでに閉じられ、二度と開かれることはなかった。
騒いでいた群衆も、クリムゾンの威圧と怒気に気圧され、徐々に散り散りに退いていく。
アカネは呆然とその場に立ち尽くしていた。
次の瞬間、セヨンの声が通信に割って入る。
《発見!セントラルパーク南西側、旧地下連絡通路にヴェスパーらしき一団を確認!識別反応あり!》
報せを聞いたクリムゾンは、マヒムの亡骸を一瞥すると、踵を返してそのまま地下へと走り去った。
地上には、火と煙、そして嗚咽だけが残された。
アカネは、膝をついたテシナの元へとゆっくり歩み寄る。しかしテシナが顔を上げるや否や──
「来るなっ!近寄るな!!」
テシナの形相が変わる。その目には、涙と怒りが混じっていた。
「……許さない。やはり、おまえは敵だ! クロスレンジャー!私はおまえたちを、絶対に許さない!」
テシナはそう吐き捨て、マヒムの亡骸を抱きかかえ、煙の中へと消えていった。
アカネは、何も言えなかった。
その手は強く握られ、爪が掌に食い込んでいた。
セントラルパーク地下街──空調の止まった施設内は、暗く、湿気を帯びた静寂に包まれていた。天井には薄暗い非常灯。吹き抜けを囲む通路の一角で、銃撃戦の火花が散る。
「右から回って! 遮蔽を取って!」
セヨン──零-Roseが指示を飛ばし、G.O.A部隊が散開する。
通路の奥では、セラフィムたちが電磁バレットで応戦しつつ、撤退の時間を稼いでいた。青白い閃光が走り、コンクリートの柱が一瞬にしてえぐられる。
「あっ、エスカレーター脇……入口?」
ローズの視線が、半ば封鎖された資材搬入用通路に向いた。かつてのメンテナンス入口らしい、小さな扉がわずかに開いていた。ローズは手信号で合図を出す。
「クリムゾン、あそこ怪しい!潜るよ」
「……了解だ」
すでに戦闘に加わっていたクリムゾンが、ローズに続いて暗闇の奥へと消える。
そこは地下に張り巡らされたケーブルメンテナンスの作業空間。狭い通路、剥き出しの配線、そして──人工的に増設された、用途不明の強化材。
「なにこれ……ヴェスパーの手が入ってる?」
警戒を強めながら奥へと進む2人。その時だった。
「ローズ、下がれッ!」
クリムゾンが叫ぶと同時に、直線上に収束したビームが空間を切り裂いた。
ドォォン──
瓦礫が崩れ、煙が立ちこめる。そこに現れたのは、鋼鉄の装甲と有機的曲面を組み合わせたセラフィム・アーク“ネビュラβ”。
「……貴様ラ、邪魔ヲ、スルナ!」
煙がゆっくりと晴れていく──
ローズの肩を覆うように、零-Scarletが片膝をついてネビュラβを見据えていた。
「ローズ、大丈夫か?」
「ふうっ!サンキュー!」
ビーム砲の再チャージ音が鳴る中、クリムゾンはインパルススピアを構えた。
そしてスカーレット、ローズも立ち上がり、戦闘態勢に入る。
「行くぞ!」
スカーレットは壁を蹴って間合いを詰め、クリムゾンが正面から圧をかける。その隙にローズは可変式ライフル“フェリクサー”を手に取り、ネビュラβに向けてレーザーを放つ。
だがネビュラβは瞬時にレーザーをかわして、後方の地下通路奥深くへと姿を消した。
「ちっ、逃がすか!」
スカーレットが駆け出すが、強烈な閃光とともに遮断シャッターが音を立てて降りた。
それはあらかじめ設置されていたもののようで、機械的なロックが複数作動する音が、重く空間に響く。
続けて、地下全体にジャミング音のような低い唸りが走る。端末が一斉にざらついたノイズを吐き、通信が一時遮断された。
「通信妨害……! 逃走経路、最初から想定済みってこと……?」
ローズが苦々しくつぶやく。
隣で、クリムゾンが無言のままシャッターを見上げ、拳を固く握りしめていた。
「……ここまでか。無理に突破すれば、この階層全体が崩れる」
わずかに悔しげにそう言い放つと、スカーレットは手元のデバイスで地図を再確認した。その目はもう次の動きへと切り替わっていた。
「ここは一時完了。セラフィム・アークの座標は残せた。後は──」
そのとき、遮断された通信が復旧し、戦術チャンネルが再び開く。
《──こちら第2部隊。別動隊が北側地下道でヴェスパー残党と交戦中。至急、合流願います!》
3人は一瞬だけ視線を交わす。
「……はいはい、息つくヒマもなしってわけね」
ローズの軽口を合図に、クロスレンジャーたちは、再び闇の中へと駆け出していった──
2. Day2 AM
N.W.C.サミットDay2──開始は予定より一時間遅れた。
昨夜の騒乱に加え、今朝未明に一部予測AIから“異常値”が報告されたことを受けて、複数の代表団から「開催の一時中断」を求める声も上がった。
「予測に乱れがある状態で議論を進めるべきではない」とする中立派に対し、G.O.Aおよび推進国は予定通りの進行を主張。最終的には“継続”の判断が下されたが、会場の空気は明らかに昨日とは異なっていた。
《第3議題:予測AIによる軍事・治安用途の使用制限宣言》
静寂の中、出席者の視線は中央演壇の巨大ホログラフに集中する。
まず、ネオ・ブリタニア連邦、外交調整庁副長官ジュリアン・モリスが立ち上り、慎重に言葉を選びながら語り始める。
「わが国はG.O.Aに部分的提携する立場として、本議題には複雑な感情を抱いております。予測AIは労働・災害対策において一定の成果を上げている一方、軍事・治安への運用は明確な歯止めを欠く。とりわけ、昨夜のような事態──予測不能な暴動と爆発を前に、果たして“抑止力”として機能しうるのか。いま一度、冷静な再評価が必要だと考えます」
彼の言葉には、賛成派・反対派両方への距離を保ちたいという、ネオ・ブリタニア独特の“距離感”がにじんでいた。
続いて、スカンジナビア合同国、未来倫理監査庁長官イェンス・ハーゲンがゆっくりと立ち上がり、まっすぐ壇上を見据えて言った。
「“予測”は、暴力を正当化するための理由であってはならない。それは、わたしたち北欧倫理連盟が何度も繰り返してきたことです」
ハーゲンは言葉を一拍置いてから、続ける。
「昨日の議論で多くの国がΩ-FLAMEの有効性を認めました。しかしその信頼は、予測が“人を殺す理由”に使われないことが前提です。スカンジナビアは、軍事・治安分野において“予防措置以外の用途を制限する”協定を速やかに整備すべきだと主張します」
小さくどよめきが走る。
議場の空気がやや揺らぐなか、オルドモンド・グループ総帥、ラウル・レイモンCEOが挙手した。
「ひとつ、よろしいかな?」
大名古屋国際会議場グランドホールは、水を打ったように静まり返る。
「オメガ理論を真に理解しているのであれば、人類を次なるステージに導くのは、現在を生きる我々の責務ではないだろうか」
ラウルの口調には確信があった。
「戦火も、自然災害も、貧困も──あらゆる要素を分析し、未来を予測することで、我々は制御に近づける。それを行うための鍵が、オメガ理論にもとづく予測AIだ。それを“倫理”の名で封じようとする行為こそ、現実から目を背けているとは思わないかね?」
ざわつく会場に、重みのある言葉が落ちる。
だがすぐに、藤堂が立ち上がる。
「……あなたがおっしゃるその理想が、“誰の手で”“どのように”行使されるのか。その議論こそが、この場の目的だと私は考えています」
ラウルが目を細める。藤堂は続ける。
「G.O.Aは、予測AIの軍事・治安分野での使用を“予防目的に限定すべき”という本議題に、基本的に賛同します。我々は予測を“引き金”にはしない。決して」
一拍の静寂を置いて、ラウルが口を開く。
「では、この二日間続いた街の騒乱については?予測では未検出だった──ならば、システムが不完全だったのか、それとも使いこなせなかったのか。どちらにせよ、市民は見殺しにされた」
「予測は万能ではない。だが、だからこそ“補助”として使うべきだ。予測によって“人間の判断”が麻痺してしまっては、本末転倒だと思うが」
「フフ……“判断”?それこそ、最も誤りやすい要素だ。感情、思い込み、政治的忖度──それらを排し、純粋な合理性で未来を制御する。その先にあるのが“オメガの理想”ではないのか?」
「ラウル閣下。あなた方は“制御”と呼ぶ。だが私には、それは“支配”にしか聞こえない。未来を人間の手に取り戻すと言いながら、あなたは未来そのものを閉ざそうとしている」
ラウルの笑みが消えた。
「……我々は、“愚かな選択”を未然に排除するために予測を使っているだけだ。それは“自由”ではなく、“無知からの解放”だよ、ミスター藤堂」
藤堂は視線を逸らさず、静かに言った。
「……その“解放”が、いずれ誰かの銃口と重なる未来を、私は拒む」
ラウルと藤堂、二人の静かながらも激しい応酬を、会場は固唾をのんで見守るしかなかった。
グランドホール全体に、しばし音のない時間が流れた──
セントラルパーク地下区画、第6通信制御ノード。
「もーーっ!ノイズ、収まらないじゃん……っ」
仮設コンソールの前で、セヨンは思わず声を上げた。
数日前からの“予測ノイズ”──それはAI予測システムの一部機能を狂わせ、局地的な演算を混乱させていた。再構築作業は思うように進まず、彼女の眉間にはすっかりシワが定着していた。
そこへ、男が工具箱をぶら下げて現れる。
「やれやれ……本当に呼び出すとは思わなかった。せっかくの休暇だったのに」
「おーっ来た来た! どーせ休暇っていっても、ゲームくらいしかやることなかったでしょ?」
「……うるせぇ」
現れたのは、G.O.A兵装開発部所属の橘隼人。
髪は寝ぐせ気味、シャツの裾も出しっぱなし。
だがその手腕は、G.O.A内でも随一の“技術屋”として知られていた。
「ふむ……このバイナリの崩れ方、ただの通信ノイズじゃないな。量子同期を逆手に取ったフェイズ干渉系か……」
「えっ、それって──」
「つまり、誰かが“本物の位置情報”を隠してるってこと。ここ見て。構造コードの末尾、セラフィム・アークの認証波形と一致してる」
「……!」
セヨンの目が大きく見開かれる。
「間違いない、ここだ……この階層に潜伏中だ。しかも、移動記録がない。待ち伏せてる可能性が高いな」
隼人が補助端末で迅速に座標をマークし、それを見てセヨンは即座に通信回線を開いた。
「いま座標送信した! 地下街ホール──ニュー・ミライ・タワーの真下よ!」
「……発言をお許しいただきたい」
静まり返るグランドホールの一角から、穏やかながらもよく通る声が響いた。
立ち上がったのは速水だった。
「……へ?」
藤堂が思わず隣で声を漏らす。統合首席のシュナイダーも驚いたように顔を上げた。
騒然とした会場に再び静けさが戻っていく。
「現場で指揮を執る者として、ひとことだけ述べさせてください」
その声には、不思議な重みがあった。
政治家でも、理論家でもない。ただ、命令を受け、命令を下し、血を浴び、仲間を送り出してきた男の声だった。
「──制御か、自由か。支配か、解放か。いまここで交わされた議論は、確かに未来にとって大きな意味を持つものです。だが、私には、もっと身近な問いがある」
一拍置き、速水は会場を見渡す。
「“予測”にすべてを委ねた社会は──我々が長年立ち向かってきた“盲信”と、何が違うのでしょうか。自ら思考することをやめ、導かれるままに進む世界が、果たして、“正しい未来”と言えるのか──」
ざわ……と空気が揺れた。
ラウルも、藤堂も、そして多くの代表団も、口を挟まずにその言葉を聴いていた。
「今この瞬間も、私の部下たちが、ヴェスパーの脅威に立ち向かっています。予測に反した爆発、襲撃、暴動──そのすべてを“統計の誤差”と切り捨てるのは簡単でしょう。だがそこにいた市民の命や、兵士たちの決断は、予測の範囲にはない。だから私は、未来を“完璧に導く道具”など存在しないと信じています」
言葉は淡々としていたが、その芯には揺るぎない覚悟があった。
「理論が人を救うことはある。けれど──人が理論に従うだけの存在に成り下がってはならない。人が理論に従うだけの存在になったとき、そこに残るのは“誰の責任でもない暴力”だけではないでしょうか」
少し、視線を藤堂に預けるようにして──速水は結んだ。
「……私はこれより現場に戻ります。言葉を尽くすよりも、今は命を預かる立場としてやるべきことがある。失礼いたします」
わずかに頭を下げると、速水は踵を返して出口へと歩き出す。
誰も言葉を発せなかった。
ただ、その背に、ラウル・レイモンの視線だけが静かに突き刺さっていた。
それは怒りか、あるいは──
ニュー・ミライ・タワー地下街のホール区画──
平時ならば観光案内やイベント展示で賑わうその一角は、今は仄暗く静まり返っていた。
制御ノードの故障による予測AIの一部機能停止に伴い、G.O.Aが一時的に封鎖していたためだ。
(ここか……他の立入区画と違って、不自然に通信遮断が強い)
アカネが警戒を強めたそのとき、突如、ホールの奥──封鎖された展示通路の闇から、太い光のビームが走った。
とっさにアカネは身を翻す。宙を舞いながら赤い粒子を身にまとい、零-Scarletに変身した。
「また貴様か……のこのこと一人でやって来るとはな」
通路の奥から、禍々しいオーラとともにマグダラが姿を現す。
その背後、濁った金属装甲を纏った異形の巨躯──ネビュラβもまた、ゆらりと影を揺らしながら現れた。
「セラフィム・アーク!」
「我ガ名ハ、ネビュラβ。オメガ理論ナド、消シ去ルノミダ!」
「消えるのは──おまえだ」
そのとき、吹き抜け構造の上方から鋭い声が響く。
空気を裂く轟音とともに、零-Crimsonがインパルススピアを手に敵めがけて垂直に降下する──
瞬時にマグダラが身をかわす。
血のように濃い光が、一直線にネビュラβの肩装甲を豪快に貫いた。
「グッ……ギギギ…… ユ、許サン!」
「フン、ネズミがもう一匹いたか……」
マグダラとネビュラβの前に、クリムゾンが立ちはだかる。
「セラフィム・アークは俺がやる。スカーレット、あとは勝手にしろ」
「勝手に動いてるのは、あんたのほうだろ」
スカーレットは深く息を吐きつつ、ブラッドスパイラルをマグダラに向けて構える。武器の刃が唸りを上げる。
「フッ、昨日の続きか……」
マグダラが口元を歪める。
そして腰からゆっくりと剣を抜き取った。
「地獄に送ってやろう。この冥葬剣でな!」
「受けて立つ。今日の私は……機嫌が悪い!」
二人の気配が鋭く跳ねた次の瞬間、スカーレットとマグダラは激しく交差した。火花とともに金属が軋むような音がホール全体に反響した。
マグダラの冥葬剣は鋭く、力強く、しかも重かった。
しかし、スカーレットもブラッドスパイラルを巧みに操り、互角の戦いが続く。
「いい動きだ、零-Scarlet。少し本気を出すとするか──」
次の瞬間、マグダラは冥葬剣を振りかぶると、強烈なアッパーのような軌道で下から上へと振り抜いた。
スカーレットの身体が宙を舞い、裂けるような衝撃が全身を貫いた。そのまま後方の地上につながる大階段に叩きつけられる。
「ッ……!」
「どうした!こんなものか、おまえの力は!」
マグダラが宙を切り裂きながら激しく追撃する。
陽光が差し込む。
スカーレットは徐々に地上に追いやられ、ついにタワー南面のエントランス広場へと飛び出した。
「キャーーー!」「うわっ、な、なんだあれ!」
市民が悲鳴を上げて逃げ惑うなか、スカーレットは体勢を立て直し、マグダラの剣を受け止めた。
火花。轟音。衝撃波。スーツ越しでも、全身に焼けるような衝撃が走る。
マグダラの剣がスカーレットの脇腹をかすめた。防御が追いつかない。一瞬、視界が焼き切れるように白く染まる。
「くっ!このままでは──」
そのとき──
真紅の残光を引いて、飛行ビークルが上空から猛スピードで急降下してきた。
操縦席に立つ戦士が、片腕で機体を操りながら、もう一方の手で光線銃を構える。
迷いのない連射。幾条もの閃光が、マグダラの目前に着弾する。
「チッ……!」
剣を振るって閃光を払いつつ、マグダラは後退。生じた隙を逃さず、スカーレットは辛くも距離を取る。
次の瞬間、戦士が身を躍らせてビークルから飛び降りた。
《ID CODE: ZERO-RED》
《CROSS HOLSTER READY》
《NEURAL LINK… SYNCHRONIZED》
《SUIT INITIATION: STANDBY》
「──クロス・オン!」
赤く鮮やかな粒子が爆ぜるように身を包み着地。
速水猛──“零-Red”が、戦場に降り立った。
「……ようやく“赤い猛将”のお出ましだな」
「マグダラ。これ以上好きにはさせん」
──と、そのとき。
スカーレットのバイザーに、ノイズ混じりの音声が割り込む。
《……スカーレ……聞こえ……こちら……橘隼人……っ》
「隼人……か?」
《地下……予測中枢が……最上階ノード……っ……再起動……できれば、街の予測……回復……ッ、全域に……っ!》
「──了解、行く!」
短く息を吐いたスカーレットは、地を蹴って駆け出す。
タワーへ続くスロープを駆け上がるその姿に、レッドは振り返らない。
「セラフィム!やつを追えっ!」
マグダラの号令に応じ、どこからともなく現れた複数のセラフィムがスカーレットを追って走り出す。
マグダラはレッドを睨み据え、冥葬剣を掲げる。
「貴様と一対一か。フフッ、それも悪くない」
レッドは右腿のクロスホルスターに手をかざし、ホログラムに浮かぶ武器群から、ためらいなく一振りを選び取る。
──巨大な大剣、“天絶(Heaven Sever)”。
「マグダラ、容赦せんぞ──」
その言葉と同時に、爆発的な踏み込みで地を割る。
天絶の一閃がうなりを上げて振り下ろされ、マグダラの冥葬剣と激突──
刹那、衝撃波が広場を包み、地鳴りのような音が響き渡った。
同時刻──地下ホールの最下層区画。
轟音。閃光。金属と金属が衝突する濁音が、闇の底で幾重にも響いた。
「おまえのような機械人形など、俺の槍の相手ではない──!」
クリムゾンのインパルススピアが、雷光をまとってネビュラβに突き刺さる。だが異形の巨体はひるまず、逆にその腕部の砲口を瞬時に変形させ、至近距離からエネルギー弾を放った。
「なにィ……!」
爆炎。吹き飛ばされるクリムゾン。
しかし壁を蹴って体勢を立て直し、反転。スピアを遠心力ごと回転させながら、空中からネビュラβの頭部装甲めがけて一閃する。
「ハイパー・ブースト──貫通モード!」
槍がうなる。鋭い閃光と共に、ネビュラβの頭部センサーが弾けた。
「──致命的損傷確認。再構成不能だな」
「ギ……ギギ……」
巨体が崩れる。轟きとともに、ネビュラβは爆発四散した。
「フッ、遊びは終わりだ」
インパルススピアをひと振りすると、赤い粒子に分解され、空中へと溶けるように消えていった。
クリムゾンは無言で上層へと視線を向けた。
その頃──ニュー・ミライ・タワー前、エントランス広場中央。
「はあーーっ!」
レッドが振り下ろす天絶の刃。それをマグダラが冥葬剣で受け止める。
金属音と火花が四方に散り、二人の脚元の舗装がめくれ上がった。
「さすがだな、零-Red。だが──」
マグダラの剣が唸る。真横からの斬撃に、バックステップで避けるも、わずかに遅れる。
「……っ!」
冥葬剣の刃がかすめる。レッドの右腕部、クロススーツに火花が走り、表層が焼けただれる。
「なんという重撃……フッ、多少の痛みは想定済みだがな」
レッドの眼が鋭く光る。天絶を振りかざし、渾身の一撃を放つ。
──ドンッ!
衝撃波。その巨大な刃が、マグダラの左肩を切り裂く。
冥葬剣がわずかに揺れ、彼女の口元が歪んだ。
「……面白い。だが、まだ終わらん」
再び、二人の刃が激突する。まるで爆発のような光と音を撒き散らしながら、広場の中心で斬り結ぶ。
──タワー内部。
スカーレットは階段と通路を交互に駆け上がりながら、迫り来るセラフィムたちを振り払っていた。
ゼロ・ブラスターを撃ちながら通路の角を跳ねるように曲がり、さらに上層へ向かう。
そして、ついに最上階手前の制御扉にたどり着く。
脇に設けられた古い「予測制御補助ポート」に、スーツのナノ端子を差し込むと、一瞬だけバイザーのノイズが薄れた。
《……スカーレット、聞こえるか!隼人だ!》
「……聞こえる。雑音はあるけど──言って!」
《いいか、中央制御ノードはまだ生きてる。予測中枢の演算ユニットが遮断されてるだけだ。再起動すれば、街全体の予測同期が戻る》
「了解!手順は?」
《すぐ送る。端末に接続して──タイムレイヤーのシンクロ率を50%以上に戻せ!ノイズを逆流させて、内部演算ループを強制解放──再演算を起動するんだ!》
だが次の瞬間、背後から銃弾が壁をえぐる。セラフィムが追いついた。
スカーレットは端末に操作指示を送りながら、身体をひねってブラスターを乱射。そのまま階段を駆け上がる。
──最上層。空調すら止まった無音の制御空間。
中心には無数のホロスクリーンと円環状の端末が並び、その奥に主演算ユニットが鎮座していた。
壁面に「OMEGA NODE-01 / 予測中枢ノードA」と記された中央端末。
スカーレットがリンクをつなぐと、隼人の音声がクリアに届く。
《OK……今からオーバーライドを始める。シグナル遅延を強制解除──3、2、1……再起動、入るぞ!》
スカーレットが操作端末をタップする。
端末に点滅していた赤い警告が一斉に消え、ユニットの中枢が白く発光を始めた。次の瞬間──
キィィィィン……
耳の奥をつんざくような共振とともに、都市の予測システムが完全復旧を告げる。
《──よし、予測同期率、復旧確認!……やったな!》
スカーレットは壁にもたれ、クロスバイザーを外すと、熱を逃がすように静かに息を吐いた。
その瞬間、エントランス広場の戦場。
マグダラが急に眉をひそめ、虚空を見上げた。
「……気配が変わったな。予測が戻ったか。ここまでのようだな」
冥葬剣を収め、わずかに舌打ちをする。
「勝負はお預けだ、零-Red。次は必ず地に這いつくばせてやる」
瞬時に濃霧のような粒子がマグダラを包み、広場から姿を消していった。
風が止む。陽光がタワーの上層から差し込む。
──レッドが静かに剣を下ろす。
「ふう。これでやっと、まともに未来が見える……か」
彼がそうつぶやくと、通信回線を開いて、仲間の名を呼んだ。
「スカーレット、クリムゾン、ローズ。ああ、それから隼人も来てくれたのか。みんな、よくやってくれた」
3. Day2 PM
《第3議題:中立文言による暫定合意》
ホログラム表示とともに、議長の槌音が静かに響いた。
サミットDay2──第3議題「予測AIの軍事・治安利用制限」をめぐる各国の議論は、当初予定を大きく超え、午後まで続く激論となった。
EUCおよびスカンジナビア合同国が提出した「予測AIの用途を防衛目的に限定する」という中立的な宣言案。G.O.Aの藤堂らがこれを後押しし、多くの中小国家が支持に回った。
一方、中華連邦や一部の軍事強硬派は、主権侵害の恐れを理由に明確な制限条項に強く反発。合意文書への署名を拒む構えを見せた。
協議は一時、決裂寸前にまで緊迫したが、最終的にはG.O.Aの仲介によって文面の一部が軟化され、「侵略に転用しないよう最大限の努力を払うことを各国の責務とする」といった努力目標型の文言に落ち着いた。
形式上は合意に至ったものの、実効性には疑問も残る。とはいえ、この時点でこれ以上の前進は見込めなかったのもまた事実だった。
「……まあ、最低限だな」
藤堂は議事の終了を告げる音声を聞きながら、小さく息を吐いた。
机上の端末を閉じ、立ち上がる。
議場を見渡せば、各国代表の表情には安堵と倦怠が交じっていた。戦場で血を流す者たちの顔は、ここにはいない。
次いで、記者会見の場へ。
フラッシュの中、藤堂は公式文言を読み上げた。表情に迷いはなかったが、その目の奥には、別の問いが沈んでいた。
──この未来は、果たして誰のためにあるのか?
同刻──伊勢湾新国際空港・ネクスレア、V・VIP専用ラウンジ。
ガラス越しに広がる滑走路は、夕闇に沈みはじめていた。
ラウル・レイモンはシガリロを燻らせ、薄型の携帯端末をテーブルに置いたまま、ラウンジの奥で腰を落ち着けていた。
イヤーチップの奥で、誰かの低い声がかすかに響いている。
「……ああ。行動パターンは、想定の範囲内だったよ。だが──」
声を切るように、ラウルはひとつ吐息をついた。
そして、ごく微かな笑みを浮かべる。
「……彼はもう、“監視対象”ではない。“警戒すべき存在”に変わった。感情と理性の境界が、異常に狭すぎる」
通話の向こうで何かが返される。ラウルはそれを黙って聞いていたが、やがて短く応じる。
「──ああ、任せる。いずれまた。次の段階は……もう始まっている」
通信を切り、ラウルは静かに立ち上がった。
その背を追うように、ラウンジの自動扉が音もなく閉じる。
ガラスの向こう。滑走路の彼方に灯る誘導灯が、ゆっくりと流れていく。
──そして、闇夜が再び動き始めようとしている。
スカイアトリウム地下──サミット期間中、G.O.A部隊の作戦司令室として稼働していたNode-77は、すでに撤収作業を終えていた。
壁面のホログラムは沈黙し、機材のケーブルも外されたまま。わずかな残光だけが、無機質な室内にゆらめいている。
静かな空間にいたのは、アカネとレオン──ふたりだけだった。
「……彼を殺す必要なんて、どこにもなかった」
アカネがまっすぐに言葉を放つ。視線は逸らさない。
レオンがすぐさま返す。
「甘いな。あれは敵だ。暴徒を率いていた時点で処分は当然だろう」
わずかに歩を詰め、低く吐き捨てるように続けた。
「いいか神崎。ここは戦場だ。そして俺たちがやるべきことは、敵を討つことだけだ。なぜそんな単純なことがわからない?」
「敵だったら殺す。味方だったら守る──そんな単純な世界で戦っているつもりはない」
レオンが語気を強める。
「そんな甘い考えだから判断が遅れるんだ!迷えば人が死ぬ。味方が死ぬ。今回はたまたま、やつらから情報が得られただけだ!」
「私は、“たまたま”で済ませる気はない。命を救うことも、任務のうちだ」
アカネの眼には、静かな憤りが灯っていた。
「ハッ、ハハハ……!敵の命を救うのが任務だと?」
レオンは一歩近づき、視線を正面からぶつける。
「命は秤にかけるものだ。十を救うために一を切る。おまえにはそれができない──だから、指揮官には向いていない」
アカネは一歩も退かず、静かに、しかし力強く返す。
「その“一”の重さを無視するほうが、よっぽど間違ってる。人の命を数字で割るあんたとは、分かり合えることはないようだな」
レオンは何も言わず、わずかに顎を引いて背を向けた。
その背中には怒りも迷いもない。ただ、氷のように冷えた信念だけが貼りついていた。
やがて、Node-77からレオンの足音が遠ざかる。
アカネは静かに視線を落としたまま、ひとりその場に立ち尽くす。握った拳をほどこうともしないまま、微かにつぶやいた。
「……これでよかったのか。 タクミ、カエデ……」
無人の室内に、停止したホログラム機材の残光がかすかに揺れ、彼女の影を淡く照らしていた。
(第8話へ続く)
▼予告:これからの“零式戦隊クロスレンジャー”
──アカネとアオイ。
“交差”する、戦士たち
「甘えるな!私はおまえの母親じゃない」
「ついていけませんよ!あなたのやり方には」
──それぞれの“過去”が、“未来”を縛る
「私には、戻る場所は要らない。
もう……失いたくないんだ」
「久しぶりだな、アオイ」
「父さん……どうして」
──戦場を率いる者たち。
彼らは、何を背負い、何を失うのか
「なあ恭一、俺たちが守るものとは──」
「“託されている”のさ、速水。君は──」
──蠢く野望と陰謀。
そして“血のフィエスタ”とは何か
「これこそが……
“混沌”をもたらす技術だ」
「我が至高の預言者、
今こそ──」
「ククク……そう警戒するな。話をしたいだけさ」
──オメガ理論が導くのは、破滅か、救済か。
戦いはますます激しさを増していく
「後方、敵機確認!来るぞ、アズール!」
「照準OK、今だっ、スカーレット!」
「行けぇーーー!」
COMING SOON
▼次回以降リンク
▼この世界の裏側を記した補助記録──File.00