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【短線小説】勝手にしやがれ③

    【あらすじ】

    䜳恵は子育おを終え、専業䞻婊の日々を゚ンゞョむしおいた。
    嚘の麻友は結婚匏を控え、仕事もしながら倚忙な毎日を送っおいた。
    嚘の結婚匏圓日、䜳恵の倫、和圊ず䜳恵は匏に出お、祝犏を受ける嚘倫婊の姿に安堵ず幞犏感に満たされおいるようだった。
    結婚匏埌に垰宅した倜、䜳恵は和圊からある告癜をされる・・・。

    【本文】

     「知っおる人」
     「はい、倧孊のサヌクルの先茩です」

     䜳恵は、写真の男性に芋芚えがあった。幎前、サヌクルの同窓䌚に参加しおいた時、先茩の達川雄䞀ず話したこずがあった。
     雄䞀は、和圊ず昔から仲が良かった。同じ孊郚ずいうこずもあり、䜳恵よりも雄䞀ずいる時間のほうが倚かった。講矩、食事、サヌクルそしお䞀緒に飲みに行ったりもしおいた。䜳恵ず結婚した埌はさすがに䌚う時間は枛ったず思ったが、いただに人の付き合いは続いおいたのだ。

     「ご䞻人の尟行しお、女性の圱はなかったですね」
     小早川は、萜ち着いた口調で話した。
     「䞻人は昔から男友達ずの付き合いが䞻でしたので。倧孊の時も男性ず話すこずが倚かったですね」

     和圊は高校の時は男子校、倧孊は工孊郚ず女性ずは皋遠い環境に眮かれおいた。唯䞀、テニスサヌクルにいた䜳恵だけが女性だったのだ。和圊から聞いた話では、䜳恵が初めお付き合う女性だった。しかし、和圊は女性ずの付き合いは䞍慣れだったので、䜳恵ずは話が途切れがちだった。そこで、い぀もそばにいたのが雄䞀だったのだ。和圊ず比べ雄䞀は、饒舌で女性ず話すこずには慣れおいた。たた、フランクな人柄でぎこちなかった䜳恵ず和圊にずっお最滑油のような存圚だった。振り返っおみれば、和圊のそばに雄䞀がいるのは自然のなりゆきだったのかもしれないず䜳恵は感じたのだった。

     「䜳恵さん、これからどうしたすか」
     「達川さんず䌚っお話しおみたす」
     「倧孊サヌクルの先茩なら、連絡先はご存じですか」
     「はい、LINEで぀ながっおいたす」
     「たた、䜕かありたしたら、ご連絡ください」
     「束川さん、ありがずうございたす」

     䜳恵は、探偵事務所を埌にし、駅たで歩いた。
     今たでの䞍安が吹っ切れたような颯爜ずした足取りだった。䜳恵は心が決たったら迷わないタむプだった。結果がどうであれ、前に進たなければわからないこずが倚いこずは生きおいる䞭で実感しおいた。悩み続けるこずは䞍安を増幅させるだけなのだ。そう自分に思い蟌たせながら、䜳恵は垰路に぀いおいった。

     探偵事務所で雄䞀の写真を芋た週間埌、䜳恵は東京駅近くのホテルのロビヌにいた。今日、雄䞀に䌚うためだった。埅ち合わせ堎所を指定したのは、雄䞀だった。圌は、映像関連の仕事をしおいる関係もあり、郜内の地理には詳しかったからだった。

     「䜳恵、遅れおごめん。埅ったかな」
     「埅ち合わせ時間、ギリギリセヌフです」
     雄䞀は氎色のワむシャツに玺のスラックスずいう恰奜で䜳恵を䞀緒にロビヌ近くのホテルラりンゞに入った。受付の女性に名前を䌝えた埌、予玄垭ぞ案内された。

     「雰囲気の良いラりンゞね。よく利甚しおいるの」
     「うん。仕事の打ち合わせでね」
     「仕事忙しいの」
     「たあね。副業抱えながら仕事しおるから時間が足りないかな。けど、䌑む時は、週間䌑む時もあるよ」
     「うらやたしいわ。私なんか、専業䞻婊業時間だよ」

     䜳恵は久しぶりに雄䞀ず話した。和圊ずはほずんど話さないのに、雄䞀ずは女友達ず話すように䌚話が匟んだ。昔から雄䞀は人懐こかったから、同玚生だけではなく、䞊玚生や䞋玚生にも気軜に話かけられ、特に䞊玚生からはいじられたりしおかわいがられる存圚でもあった。いわゆる、テニスサヌクルのムヌドメヌカヌのような存圚だった。雄䞀ず話しおいる時、ふず、和圊の話題に移った。䜳恵の衚情がさえなくなったのを雄䞀は察したのか話題をさりげなく倉えた。

     「そういえばさあ、䜳恵は結婚しおから友達同士で旅行したこずある」 
     「ないなあ。子どもができおからずいうもの、自分の時間なんお持おなかったよ。子どもっお、小孊校卒業たでは手が攟せないっおいうじゃん。けど、実際は、子どもの郚掻の手䌝いや塟通いの送迎もあっお子どもずの時間が倚かった気がする。幎頃の嚘がいれば、ニュヌスで子どもが事件に巻き蟌たれたのを聞くず、うちの嚘倧䞈倫かなっおい぀も心配しおたよ」
     「今、ちっちゃい時からスマホもっおいるから、なおさらだよね。で闇バむトなんお犯眪に巻き蟌たれるリスクに日々、さらされおいるからね。それにしおも、䜳恵ちゃんは偉いよ。人の子どもを無事に育お䞊げたんだから」
     「ありがずう。ほめおくれたのは達川さんぐらいよ」
     「だからさあ、䜳恵自身のご耒矎に心おきなく、家ず違う堎所で旅行ずいうのもいいず思うよ」
     「旅行ねえ。今たで考えたこずなかった」

     結婚しおからずいうもの、䜳恵は遠出をしたこずがなかった。家族旅行でさえ、䌑日は和圊は仕事の付き合いがあり、行けないこずが倚かった。むしろ、子どもたちのほうが修孊旅行で北海道や京郜に行ったこずがある皋床だった。なので、旅行ずいう文字は䜳恵の頭の䞭には芋圓たらなかった。  

     「今たで行ったずころは」 
     「修孊旅行で日光、京郜・倧阪、倧孊のサヌクル合宿で箱根に行ったくらいよ」
     「ずいぶん、ごぶさただね」
        「䞻婊なんおそんなもんよ。自分のために旅行なんおしたこずないもん」
     「じゃあさあ、これからの人生を楜しむ第䞀歩ずしお、箱根旅行っおどうだい」
     「いいね、枩泉もあるし、近堎だしね」
     「それに、箱根だったら、倧孊の時、毎幎、行っおいたから、土地勘もあるんじゃないの」
     「幎以䞊前だから、圓時ずはだいぶ倉わっおいるでしょうけど、たぶん、芚えおいるず思う」
     「よし、決たりだ。早速、箱根旅行プランを立およう」
     「達川さんは、い぀も思い立ったらすぐ行動するもんね。その行動f力芋習いたいわ」
     雄䞀は、カバンから i Padを取り出した。
     「たずは、箱根湯本からスタヌトだ」
     「箱根湯本か・・・。懐かしいなあ。たしか、サヌクルの仲間ず腹ごしらえにランチ食べに行っおたな」
     「たくさん食べおも、俺たち、たた、別の店に寄っおおや぀買っおたからな」
     「どこに胃袋があるんだろっおくらい、すごい食欲だったよね」
     䜳恵は、い぀の間にか雄䞀ず䞀緒に埮笑みながら、i Padを芋おいた。
     「次は倧桶谷かな」
     「おお、いいわね。達川さんは、箱根は結構、行っおいるの」
     「うん、仕事でも、プラむベヌトでもよく行くよ。ただ、最近、箱根は倖囜人芳光客にも人気のスポットになっおしたっお、宿泊費䞊がっおいるんだよね」
     「ぞえ、そうなんだ。箱根ずいえば、『箱根駅䌝』しか思い浮かばなかったのに、囜際的になったのね」
     「箱根は東京からアクセスが良いし、箱根フリヌパスなど、電車、バス、ロヌプりェむ、海賊船をたずめお利甚できる乗り攟題きっぷがあったり、枩泉䜓隓や富士山も芋れるから倖囜人芳光客にずっおは日本を満喫できるベストスポットず蚀われおいるよ」
     「たすたす、行きたくなっおきたな。旅行のこずを考えるず楜しくなっちゃう」

     䜳恵は箱根旅行に倢䞭になっおいた。和圊の家出のこずは䜳恵の心の䞭ですっかり小さい存圚になっおいた。結婚以来、旅行らしい旅行したこずない䜳恵にずっお、家族以倖の出来事は、珍しかったのだ。雄䞀の話は、圌女には孊生時代の延長であっおも新鮮な話題に思えた。
     「䜳恵ちゃん、もうすぐ月だから、アゞサむが芋えるずころにしようよ」
     「どこがおすすめなの」
     「箱根湯本駅から匷矅駅たで箱根登山鉄道に乗っお、箱根匷矅公園、箱根ガラスの森矎術通を巡るのがいいかな」
     雄䞀は i Padで怜玢しながら、䜳恵に䌝えた。
     「箱根に旅行に行くなら、泊する」
     䜳恵は、突然、雄䞀から聞かれたので、はっずした。
     「そうね。せっかく、久しぶりに旅行するんだったら、泊しようかな」
     「いいず思うよ。今たで、家族に尜くしおきたんだから、自分のための時間を持぀こずっお倧事だよ」

     確かに、䜳恵にはプラむベヌトな時間はほずんど皆無だった。垞に、家族がらみの付き合いがほずんどだった。子どものこずや和圊や自分の䞡芪ずのこず、芪戚付き合い、子どもの孊校やママ友ずの付き合いなどに远われおいた。唯䞀、プラむベヌトな付き合いずいえば、孊生時代のテニスサヌクルの仲間だけだった。ずいっおも、倚くお幎1回の非公匏の同窓䌚くらいだが。

     「宿泊するならどこがいいの」
     「アゞサむ芋るのが目的なら、匷矅がいいず思う」
     「達川さんが蚀うなら、匷矅にしたしょう」
     「じゃあ、僕がホテル予玄しおおくよ」
     「ありがずう」
     「あずは、䜳恵ちゃんの旅のお䟛もLINEで募集かけおおくからたかせお」
     「盞倉わらずためだね。達川さんは。お蚀葉に甘えおよろしくお願いしたすね」
     「了解」

     旅行のスケゞュヌルが決たった埌、人はホテルのラりンゞを出お、東京駅の前にいた。

     「達川さん、今日は぀きあっおくれおどうもありがずう」
     「こちらこそ、久しぶりに䌚えおうれしいよ。埌日、埅ち合わせに぀いおはLINEで連絡するね」
     

    【次回ぞ続く】


    最埌たで読んでいただきありがずうございたす。


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