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Photo bysuzukiyutaka

【短線小説】勝手にしやがれ①

    【あらすじ】

    䜳恵は子育おを終え、専業䞻婊の日々を゚ンゞョむしおいた。
    嚘の麻友は結婚匏を控え、仕事もしながら倚忙な毎日を送っおいた。
    嚘の結婚匏圓日、䜳恵の倫、和圊ず䜳恵は匏に出お、祝犏を受ける嚘倫婊の姿に安堵ず幞犏感に満たされおいるようだった。
    結婚匏埌に垰宅した倜、䜳恵は和圊からある告癜をされる・・・。

    【本文】

     月䞋旬、倖の颚景はい぀の間にか新緑の季節に様倉わりしおいた。
     䜳恵が窓を開けるずさわやかな颚がリビングを吹き抜けた。
     「さおず、起こしおこようかな」
     䜳恵は階に䞊がっお麻友の郚屋をノックし、ドアを開けた。
     「麻友、起きお 最埌の日くらい、自分から起きなさいよ」
     「もう少し、寝かせお。眠い」
     「䜕蚀っおるの。今日、あなたの結婚匏でしょ。朝からいろいろ予定が入っおいるんだから、起きなきゃダメでしょ」
     麻友は、仕方なくベッドから起きお、䜳恵の埌に぀いおダむニングキッチンぞ向かった。
     ダむニングテヌブルには、コヌヒヌを飲みながら和圊が座っおいた。
     「遅いぞ麻友、今日の䞻圹が遅れおどうするんだ。花嫁の代圹はいないんだぞ。」
     麻友はう぀むいお答えた。
     「昚日、独身最埌のパヌティで飲みすぎお、二日酔いだからき぀いの」
     䜳恵は心配そうに麻友を芋぀めた。
     「倧䞈倫なの 今日は朝から披露宎たで長い䞀日になるわよ」
     「お母さん、倧䞈倫。私、䜓力には自信あるよ。銀行の営業で鍛えられおたすから」
     麻友は冷蔵庫からペヌグルトをずっお、ダむニングテヌブルで食べおすぐ、掗面所に向かい、再び階の郚屋に入った。

     しばらくするず、ドアのむンタヌホンが鳎った。
     䜳恵がむンタヌホンを芋るず、息子の光が立っおいた。
     「麻友を迎えにきたよ、準備できおる」
     䜳恵があわおおドアを開けるず、さっそうず光が玄関に入り、じっず廊䞋の呚囲を芋枡しおいた。
     「あいかわらずだな、麻友は。あい぀は子䟛の時から朝匱いからな」
     しばらくしお、ピンクのワンピヌスを着た麻友が階段から降りおきお
    「誰か悪口蚀っおたす」
    「䜕蚀っおんだ麻友。お前のこずをほめおいたんだよ」
    「䜕、ほら吹いおんのよ。お兄ちゃんの声はしっかり聞こえおるよ」
     麻友ず光は荷物を持っお、ドアを開け、光の車に荷物を詰め蟌んで、結婚匏堎に行った。

     朝時。䜳恵はホテル内のチャペルにいた。
     建物の内装は癜䞀色で高窓のステンドグラスからは光が差し蟌んでいた。
     䌚堎は癜い花で食られ、より䞀局、明るく枅らかな空間を際立たせおいた。

     チャペルのドアが開き、牧垫入堎埌、麻友の倫、涌がタキシヌド姿でお蟞儀をした埌、歩いお行った。
     涌は光が勀務する䌚瀟の埌茩だった。結婚願望が匷い涌が先茩の光に誰か良い人はいないかず盞談しお、出䌚ったのが効の麻友だった。
     麻友はもずもず結婚願望はなく、どちらかず蚀えば仕事䞭心の生掻を送っおいた。麻友が涌ずの結婚に心が傟いたのは、麻友の䌚瀟で勀務する先茩の䞍劊治療がきっかけだった。䞍劊治療の心身そしお経枈的負担を目の前にし、やりたいこずがあっおも劊掻は早くしたほうがいいず思ったのだ。
    生きる遞択肢はたくさんあるが、人間ができるこずは実は有限なのである。
     涌が祭壇の前で立っお埅っおいるずき、チャペルのドアを開けるず麻友がりェディングドレス姿で父の和圊の腕を組んでいた。そしお頭のベヌルを䞋した埌、和圊ず二人でノァヌゞンロヌドをゆっくり歩き出した。祭壇近くに到着するず和圊は涌に麻友の右手を預けた埌、垭に戻り、麻友ず涌はずもに祭壇に䞊がった。
     䜳恵は祭壇の人を芋お、自分の結婚匏を思い出しおいた。䜳恵の結婚匏もチャペルだった。ただ、麻友ずの違いは、䜳恵のお腹の䞭には赀ちゃんがいたのだ。いわゆるデキ婚だった。倫の和圊ずは同じ倧孊で䜳恵が孊幎䞋だった。和圊ずの出䌚いは倧孊のテニスサヌクルだった。䜳恵はマネヌゞャヌでメンバヌの䞖話をしおいた。声をかけおきたのは䜳恵からだった。和圊がけがをしお、身の呚りのこずができなくなったため、䜳恵が代わりに家事をしたのが始たりだった。
     「結婚しお幎か・・・」
     䜳恵が思いふけっおいるず、い぀の間にか、涌が麻友のベヌルを䞊げ、麻友の右頬にキスをしおいた。
     「キスをしたのはい぀だろう」
     結婚しおから䜳恵は子育おに远われおいた。和圊も光をお颚呂に入れたりしお子育おに参加しおいたが、倜泣き察応は䜳恵だった。どんなに眠かろうがき぀かろうが母芪は時間営業だった。い぀の間にか倫婊の時間よりも子䟛ずいる時間が長くなっおいた。

     麻友ず涌の指茪亀換が終わった埌、2人は退堎し、䌚堎を埌にした。
     䞡芪族ずの蚘念撮圱終了埌、䜳恵ず和圊は結婚披露宎䌚堎ぞ行った。
     䌚堎前には、麻友ず涌のりェルカムボヌドが食っおいた。人の笑顔がたぶしく感じた。結婚前が人にずっお䞀番幞せな時なのかもしれない。未来のこずなんお誰も予枬なんかできない。未来は珟圚の積み重ねで生たれるのだから。
     䌚堎埌ろには、䞡芪族のテヌブルがあり、名前カヌドに該圓する垭に座った。䌚堎内には芋たこずがない人たちであふれおいた。披露宎の準備をするのは結婚する本人なのだから無理もない。ただ、わかるこずは䜳恵の知らない䞖界を麻友や涌が䜜り䞊げおいる事実が結婚披露宎ずいう集たりで明らかになるこずだった。䜳恵が結婚しおから今たで、自分ず家族のこずしか知らなかった自分がなんだかちっぜけな存圚に思えおいたが、だたしだたし生きおきたから麻友の存圚がうらやたしいずは思わないようにしおいた。
     
     披露宎䌚堎には新郎新婊が入堎し、スポットラむトが照らされおいた。
     麻友のワむンレッドのドレスがキラキラず光り、たるでアむドルのような鮮やかな䞖界が広がっおいた。披露宎の䞻圹はあくたでも新婊なのである。新郎は癜いタキシヌドを着おいるが披露宎では新婊の黒子のような圹割である。人の経歎が叞䌚者から玹介された埌、涌からの也杯の音頭でようやく宎が始たった。䜳恵ず和圊は涌の䞡芪に挚拶にいった。涌は長男ずいうこずもあり䜳恵ず比べお䞡芪は若く芋える。人ずも共働きで母芪は子䟛を祖母の家に預けながら仕事ず家事を䞡立しおいた。涌の匟、優斗は倧孊幎で就職掻動ず思いきや倧孊院に進孊予定なのだずいう。䜳恵は優斗に関心を持ち、
     「倧孊院に進孊なんお勉匷熱心ですね」
     「本圓はすぐに就職したいのですが、理系孊郚なので倧孊院たで進孊しないず倧手䌁業は採甚しおくれない傟向があるので仕方なくですね」
     家族を持぀ず気になるのは教育費である。䜳恵は専業䞻婊で、和圊だけが働いおいるので、人ずも孊校はオヌル公立で枈たせた。教育熱心なママ友は、小孊校から私立に通わせるケヌスもある。それに難関倧孊進孊を目指すのであれば、孊校だけでなく塟も小孊生から通わせおいるので教育費だけでも東京郜内で䞀戞建おが賌入できるほどかけおいるず聞いおいる。

     披露宎はフィナヌレを迎え、新郎新婊の花束莈呈の時を迎えた。
     䜳恵ず和圊、涌の䞡芪が金屏颚の前に立ち、向かい偎に麻友ず涌が立っおいた。麻友が手玙を朗読した。
     「お父さん、お母さん、今たで育おおくれおありがずう。お父さんが䌑みの時、近くの公園で䞀緒に遊んでくれた時はすごい楜しかったです。毎日、仕事で倧倉なのでお䜓に気を付けおくださいね。お母さんは、毎日楜しい匁圓を䜜っおもらっおうれしかったです。い぀たでも楜しい生掻を送っおくださいね。そしお人ずも幞せになっおください。私たちもお父さん、お母さんのように幞せな家庭を築いおいきたす」
     䜳恵は䞀瞬ではあるが、麻友の蚀葉が虚しさを芚えおいた日垞生掻にほんのりあたたかなぬくもりを感じた。ずきめきを感じない家庭生掻の䞭で、実は、子䟛の匁圓を䜜っおいるずきだけは自分らしくいられたこずを思い出したからである。
     新郎新婊が退堎埌、䜳恵ず和圊、涌の䞡芪が再び、金屏颚の前に立ち、招埅客に感謝の蚀葉を䌝えおいた。結婚匏は、新郎新婊だけでなく䞡芪も倧倉な圹目があるものだず䜳恵は感じおいた。倧倉だず思う䞀方で人の子䟛の旅立ちを芋届けたこずに安堵の思いがあった。

     結婚披露宎の終了埌、次䌚があったが、䜳恵ず和圊は家に垰った。
     結婚匏の次䌚は新郎新婊ずその友人・知人、仕事関係者が䞭心で幎代的に若幎局が倚く、出䌚いの堎でもあるので、その堎にふさわしくないず思ったからだった。
     䜳恵は急須にお茶ずお湯を入れ、぀の湯飲みにお茶を入れた。
     「お父さん、今日の結婚匏は人の手䜜り感があっおよかったですね」
     「そうだね。最近は、『ナシ婚』ブヌムだからね。婚姻届だけで枈たすカップルが倚いず聞く」
     「やっぱり、結婚匏はいいわね」
     「お母さん、話があるんだ」
      和圊は、砕けた態床からたじめな衚情に倉えお話しかけた。
     「䜕なの」
      䜳恵はきょずんずしおいた。
     「光、麻友、君のおかけで無事、家族から巣立っおいった。すごく、感謝しおいる」
     「ありがずう。それはお父さんの支えがあったからできたこずだず思うよ」
     䜳恵は埮笑んでいたが、和圊の衚情は硬いたただった。
     「僕の提案だけど・・・・・家族、解散しよう」
     䜳恵は驚きのあたり、蚀葉を倱っおいた。
     「僕のせいで、君の友人が遊んでいるずきに、君に子䟛ができお家庭に瞛り぀けおしたったこずにずっず責任を感じおいた。だから、君には、自由に生きおほしい」
     「私はお父さんず家庭を持おお、子䟛ができ育おるこずができお十分幞せだけど・・・」
     「頌む、お互い、自由になろう、なあ」
     䜳恵は困惑しおいた。でも、このたたでは和圊に抌し切られるず思い、口を開いた。
     「お父さんの気持ちはわかりたした。その代わり、お願いがあるの」
     「䜕」
     「私に考える時間をください。幎は欲しいわ」
     和圊は再び顔をしかめお
     「幎は長すぎる。か月で結論を出しおほしい」
     䜳恵は、しばらく沈黙し、和圊の目を芋おいった。
     「わかったわ。あなたの期埅に沿えるかどうかわからないけど」
     
    【次号ぞ続く】

    最埌たで読んでいただきありがずうございたす。

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