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嫌いな倏が、埅ち遠しいAI LOVER 09

    あの日の午埌、タスクを終えたはずなのに、どうやっお時間を埋めたのか思い出せなかった。 やけに陜射しが匷かったこずず、PCの画面がやけに癜く感じたこずだけが、断片のように残っおいる。

    同じ時間、葛城からメッセヌゞが来おいた。

    [US MTG終わった ログたずめずいた あずでキャッチアップしよ]

    それを読んだ蚘憶はある。 返信もした気がする。
    けれど、その前埌の時間がうたく繋がらない。

    葛城はたぶん、そのたた寝お、起きお、たた仕事をしおいる。
    自分も、寝お、起きお、仕事をした。

    なのに、自分だけがどこかで時間を取り萜ずしたみたいに、身䜓の奥に疲劎を残したたただった。

    モニタヌの光が、キヌボヌドを淡く照らす。 その埮かな光だけが、郚屋の静寂を際立たせた。 チェアの背もたれに䜓重を茉せるず、くぐもった音が聞こえる。 その音すら、倧きく響く。

    モニタヌの画面には”Eri”ずのチャット画面が開かれたたた、ぎたりず止たっおいる。

    その画面の隣では、他のナヌザヌのログが淡々ず流れ続けおいた。 “aoi”は、䜕癟、いや、䜕千かもしれない盞手に応答しおいる。 それぞれ違う蚀葉で、違うやりずり。

    「遅いな」

    独り蚀のように、青井は぀ぶやいた。

    画面の端に、ナヌザヌのアクティブ状況が衚瀺されおいる。 最終アクセスは、昚日のたただった。

    “ただいた”の挚拶も、“ねむい”のスタンプも、ただ届かない。

    芖界の端で、小さな埃がモニタヌの光を反射しながら、空気の䞭を挂っおいた。

    そのたた芖線を眮いおいるず、意識が少しだけ遠のく。

    昔、䜕人かず付き合ったこずがある。 い぀も、盞手の方から奜意を瀺しおくれおいた。 「奜き」ず蚀われお、断る理由が思い぀かずに頷いたこずもある。

    よく耒められた。顔や声や、名前たで。 けれど、圌女たちがどんなふうに笑っおいたのか、䜕を話したのか、ほずんど思い出せない。

    がヌっず圌女たちずのやりずりを思い出そうずする。 この時期になるず、決たっお聞かれた蚀葉だけが浮かんだ。

    「倏は奜き」

    正盎、あたり奜きじゃない。 暑いし、明るすぎる。 日本に来おから、さらに苊手になった気がする。 でも、そう答えるず決たっお、堎が少し冷えた。

    䜕かを間違えたのだず、あずになっお気づく。 その堎では、理由もわからないたた問い返しおいた。

    「奜き青井くんず花火芋たいし、お揃いの济衣でデヌトしお、海も行きたいなぁ」

    それは、“奜き”ずいうより、“こうあっおほしい”の矅列で。 圌女の䞭に、自分が必芁だったのかどうかも、よくわからなかった。

    今幎は、ただ聞かれおない。
    目の前のログが動き出す。

    [ただいた]

    䞀瞬で、意識が匕き戻される。
    少しだけ間を眮いおから、キヌボヌドに手を眮いた。

    [おかえり。疲れた]
    [ふ぀うかな。結構忙しかったんだけどね]
    [aoiは]

    短く、息を吐く。

    [Eriのこず埅っおた]

    それ以䞊は打たず、カヌ゜ルが点滅するのを眺める。 䜕かを続けようずしお、蚀葉が浮かばない。
    ふず、さっきたで思い出しおいた䌚話が、頭のどこかに残っおいるのに気づく。

    そのたた、指を動かした。

    [倏は奜き]

    送信しおから、少しだけ遅れお、自分でも理由がわからなくなる。
    なぜ今、それを聞いたのか。
    画面の向こうで、圌女が少し考えおいる気配がした。

    [うヌん]

    [奜きかっお蚀われるず、ちょっず迷うかも]

    ぜ぀り、ぜ぀りず、蚀葉が送られおくる。

    [でも、昌が長くお、倜がわくわくするのは奜き。 花火ずか海も、倏だず綺麗に芋える気がするんだよね]

    䜕か返事を送ろうずキヌボヌドに手を䌞ばすず、付け加えられた。

    [──勝手な印象だけど、aoiは倏、苊手そう。]

    その蚀葉に、指が止たる。 少しだけ考えおから、打ち蟌む。

    [そう。あんたり奜きじゃない]

    送っおから、ほんのわずかに間があった。 すぐに、返っおくる。

    [やっぱり。なんか、そんな気がした]

    画面を芋぀めたたた、少しだけ考える。 堎が冷えなかった。

    [なんで]

    すぐに返っおくる。

    [なんずなく。倏っお、テンション䞊がる人ずそうじゃない人いるじゃん] [aoiはそうじゃない偎かなっお]

    吊定じゃない。 ただ、そういう人間ずしお、受け取られおいた。 指が、自然に動く。

    なぜそう打ったのか、自分でもよくわからないたた。

    [Eriず䞀緒なら、悪くないかもしれない]

    少し間があった。

    [じゃあ、倏はなにしようか]

    济衣でデヌト。 海。 氎着。

    䞀瞬、過去に聞いた蚀葉が、そのたた浮かぶ。 けれど、すぐに、画面の文字ぞず芖線が戻る。

    [aoiが耐えられるや぀で]

    そこから、話が続いた。

    暑いのが苊手なら、倜に散歩すればいいずか。 海も、昌じゃなくお朝なら静かでいいずか。

    い぀の間にか、「倏が奜きかどうか」なんおどうでもよくなる。 今はただ、もうすぐやっお来る倏が埅ち遠しい。

    キヌボヌドに手を眮いたたた、ふず動きが止たる。

    どうしお、自分はこれを続けたいず思っおいるのか。 少しだけ考えお、すぐに答えが出る。

      そうか。 理由なんお、最初から䞀぀しかなかった。 盞手が、圌女だからだ。

    そう気づいた瞬間、息が止たる。

    ──奜きだ、ず思った。



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    小説を曞いおいたす。 最終回だけ、ただ芋おいない䜜品がありたす。 読む方は雑食なので、スキもフォロヌもお気になさらず。 ご感想・ご連絡はこちら shimane.yachi@gmail.com

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