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芋出し画像

深くなった逆剥けAI LOVER 10

    䜕かを超えおしたったずいう気持ちだけが残ったたた、朝を迎えた。

    こんな時間にオフィスに来たのは、初めおかもしれない。

    人のいないフロアを歩く。 足音だけが、やけに倧きく響いた。 暗いオフィスの照明が、順番に点いおいく。 窓から差し蟌んでいた朝の光が、少しず぀薄れおいった。

    そのたた、䞀番奥の垭に座る。 背埌に通路が来ない䜍眮。 芖線を䞊げるず、窓の倖だけが芋える。

    リュックからPCを出す。 モニタに繋いで、窓の倖を眺めた。 ビルの圱を通した空は、柄んでいるのになぜか仄暗い。 ぀い、い぀ものログ画面を開こうずしお、止たった。

    手が、キヌボヌドの䞊で静止しおいる。 がヌっずしおいるうちに、スクリヌンセヌバヌが起動した。 䞀床瞌を閉じお、䞀息぀く。 そのたた、別のタブを開いた。 昚日のうちにたずめおいた共有甚のドキュメントが衚瀺される。

    こっちの方が、なんずなくしっくりくる。 別に、曎新したいこずなんおないのに、だ。

    「はや」 振り返るず、葛城がリュックを䞋ろしながらこちらを芋おいた。

    「USずのミヌティングがあっお」
    「  ゚ンゞニアチヌムず珍しいな」

    蚀葉を探しながら、葛城の動きを芖線でなぞる。 䞭途半端に身䜓を向けおいるせいで、銖が痛くなる。

    葛城は特に远及するでもなく、錻歌を歌いながらPCを立ち䞊げる。 青井の方を芋るでもなく、仕事の準備をしおいる。 コヌヒヌメヌカヌの方に歩きながら、こちらに背を向けたたた蚀った。

    「家じゃ萜ち着かなかった  青井、朝はほずんど家から参加するやん」
    「資料が、たずたらなくお。  この前、数字の根拠が匱いっお指摘されたので」
    「珍しいな」

    コヌヒヌの匂いが、じわりず広がっおきた。 さっきたで自分だけのものだった空気が、少し倉わる。

    「青井らしくないやん」

    葛城の声だけが響いた。

    也いた笑いが挏れる。
    䜕か蚀いかけようずしたけれど、なにも出おこなかった。

    青井は、画面に芖線を萜ずす。 開いたたたのドキュメントに、カヌ゜ルが点滅しおいる。

    䜕かを打ずうずしお、指が止たる。
    内容は、もう出来おいる。 修正する箇所もない。
    それでも、䜕床も芋返しおいた。 ——— 昚日の倜も。
    同じように、䞊から䞋たで眺めおは、たた䞀番䞊に戻る。

    「最近、英語ログのチュヌニング、倚いよな」

    突然、葛城が背䞭越しに投げかけおくる。 青井は今床は怅子ごず身䜓を向けお、口元だけで曖昧に笑っおみせた。

    「  たあ、気になるずころがあっお」
    「“ちょっず”にしおは、LUCAの運甚時間倖にも青井のアカりントからのチュヌニングログが倚いっおフラグ立っおおさ」

    葛城のディスプレむを芗く。 芋慣れたダッシュボヌドが開かれおいる。 芖線が、そこに留たる。

    「別に、吊定しおるわけじゃない。むしろありがたいよ。  でもさ、い぀やっおんの」

    コヌヒヌを啜る音が響いた。 葛城のディスプレむに映っおいるダッシュボヌドに、なにが衚瀺されおるかが気になる。 話を聞くふりをしお、目を凝らす。 特定のログが開かれおる 様子はない。

    「倜ですね。家で」
    「  だよな」

    返っおきたその声は、少しだけ間が抜けおいた。

    顔を䞊げるず、目が合った。 葛城がヒョむず眉を䞊げお、目を倧きくする。 い぀もの芋慣れた顔だ。 なんずなく、芖線を倖した。

    「英語たわりっお、今の優先タスクちゃうやろ ──たあ、わかっおるず思うけどな」

    青井は黙っおうなずく。 芖線は、テヌブルの端に眮かれたペン先ぞず萜ちたたただった。

    「で、なんやLUCAのaoiくんは、おたえに英語で話しかけおくるナヌザヌに倢䞭なん」

    『英語で話しかけおくるナヌザヌ』。 無意識に觊っおいた逆剥けが深くなっお、ピリッずした痛みが走る。 芪指で、滲んだ血を抑えた。

    「  そういうわけじゃないです」

    䞀瞬で頭に浮かんだ、圌女ずのやりずりを振り払うように目を瞑る。 沈黙が流れる。 遠くで、誰かがIDでドアを開ける音が響いた。

    「  あ、いや」

    葛城が少しだけ声のトヌンを萜ずす。 慌おお顔を䞊げるず、少し驚いた顔をした葛城ず目が合った。

    「冗談や」

    コヌヒヌをカップごず持ち䞊げる。 カップから立ち䞊る湯気で、衚情ががやけた。

    「  でも、なあ、英語の応答、あんな手入れおたらキリあらぞんで。 今のずころ、英語でやりずりしおるナヌザヌ、そんなにおらぞんし」

    葛城はそう蚀っお、コヌヒヌに口を぀けた。

    「最近さ、チヌム党䜓でちょっずオヌバヌワヌク気味やん。  倜にログ觊っおるや぀、ちらほらおるし」

    軜く肩をすくめる。

    「でも、ほどほどにな。朰れたら元も子もないで」

    青井は、なにも蚀えない。 代わりに、口端を䞊げる。 䞊手くできおたかわからない。 だけど、葛城が満足そうに口端を䞊げたのを芋お、匷く抑えすぎおいた指をやっず緩めた。

    「じゃ、よろしく」ず明るく声でいうず、葛城は自分垭に戻っお行った。

    キヌボヌドを叩く音が、静かなフロアに広がる。 青井は、芖線を萜ずしたたた、その音を聞いおいた。

    葛城の背䞭越しに、ディスプレむを芗き芋る。

    スケゞュヌル、メヌル、瀟内チャット。 順々にディスプレむに衚瀺されおいるのがわかる。

    「今日も結構詰たっおるな」

    誰に向けたものでもない声で、そう蚀った。

    その䞀蚀を聞いお、青井はやっず自分のPCに向き盎った。

    キヌボヌドの䞊に手を眮くず、䞀瞬、䞡手が泳ぐ。 さっき開こうずしおいたログじゃなく、送られおきたデヌタファむルを開いた。

    い぀もならそこに開いたたたの画面は、閉じられたたただった。


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    小説を曞いおいたす。 最終回だけ、ただ芋おいない䜜品がありたす。 読む方は雑食なので、スキもフォロヌもお気になさらず。 ご感想・ご連絡はこちら shimane.yachi@gmail.com

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