
💒⑩音楽という祖国🔖100(終)🎞️リスト《聖エリザベートの伝説》⛪教会に住むピアニスト Kit Armstrong
音楽は、人にとって「帰る場所」になり得るのだろうか。
2020年、100日間続いた《Musique, ma patrie ! (音楽こそ私の祖国)》は、この回で一区切りを迎える。最終回では、教会の記憶となる映像と共に、キットアームストロングがリスト《聖エリザベートの伝説》演奏する。100本を通した思索を一つの風景として、結び直すエピローグとも言える。
シリーズは、作曲家や作品を紹介することから始まり、やがて祈り、記憶、自然、創造、演奏、時間へとテーマを広げてきた。音楽は作品の中だけではなく、人が経験した時間や場所、そして記憶の中にも宿るものとして語られる。一つの作品ではなく、音楽を経験した「場所」の記憶である。このシリーズで語られる「祖国」とは国境を伴わない、人と世界を結び続ける「場所」として存在することを示している。このシリーズは、音楽とは人が何度でも帰ることのできる内的な場所なのだという思索へと辿り着くのだ。
演奏作品🎼リスト《聖エリザベートの伝説》
テーマ💬 音楽・記憶・場所・帰属(100日間の総括)
この回のキーワード🗝 「音楽は人が帰ることのできる場所である」
シリーズ内での位置づけ📖🎞️Epilogue/記憶・空間・帰属 (#️⃣99–100)
最終回の動画では、昨年(2025年)亡くなったアルフレッド・ブレンデルに触れる映像がある。キット・アームストロングにとってブレンデルは、長年にわたり芸術的な対話を重ねた、思考の導き手ともいえる存在でもあった。
このシリーズ『Musique, ma patrie ! 』は、ここで一つの区切りを迎えるが、ここで受け取った問いは、これからも別の形で続いていくのだと思う。

世界的ピアニスト、アルフレッド・ブレンデルが長年の演奏経験と深い思索をもとに、音楽の本質と向き合う喜びを綴ったエッセイ集。 モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトといった作曲家たちの作品に潜む精神性や構造の美しさ、そして演奏家がそこにどう寄り添うべきかを、鋭い洞察とユーモアを交えて語っている。ブレンデル特有の、知的でありながら温かみのある語り口は、音楽を専門的に学ぶ人だけでなく、クラシックを愛するすべての読者に開かれている。 演奏の裏側にある思考のプロセス、音楽が人の心に触れる瞬間の不思議、芸術に向き合う姿勢など、彼の人生がにじむ文章が魅力。 “音楽を聴く”という行為を、より深く、より豊かにしてくれる。 ピアノの名手が長い年月をかけて培った、感性と哲学が読者の心に響く。*②は①の続編。