
青春は、起立性調節障害に奪われた。③ 一緒の高校に行けない
創作大賞に応募します。
シリーズにしてみました。
青春は、起立性調節障害に奪われた。③
一緒の高校に行けない
「これ、読んでみて。」
職員室に呼ばれた担任が、大量のパンフレットを置いていった。
え、嬉しいかも…。
ほぼ学校に来ていない私にも、高校のパンフレットを用意してくれてたみたいだ。しかも私が好きそうな、無理なく通えそうな高校ばかり。生徒のために探してくれた気持ちは嬉しいけど、クラス全員分を考える時間は膨大だろう。先生の健康が心配になる。先生のサブスクがあれば、私は買うだろう。
パンフレットに目を通していたら、ガラッとドアが開いた。
「学校に来るときは、ラインする!」
と、明るく言う親友。恐れながら、私は彼女を親友と呼ぶ。そんな彼女が大好きだ。
「私がラインする時は、学校はじまってるよ。学校内、スマホ禁止じゃん。」
嬉しいなと思いつつ、現実問題で答える。
親友は、「まあねえ。」と笑いつつ、私の前の席に座った。
そして、大量のパンフレットに目を丸くし、1冊をパラパラとめくっている。
「高校、決めたの?」
他愛ない会話のはじまりが、私の心を重くした。
「どうした?」
「一緒の高校には行けないなって思っただけ。」
私は、素直に話した。
すぐに後悔して、相手が気を遣わないように明るく言った。
「通信かなー。まあ、あなたの優秀な成績レベルでは、私には最初から同じ高校は無理か
。私、授業も出てないから内申もヤバい。」
冗談を言いながら答える私を見て、親友はちょっと悲しそうにした。けど、すぐ笑った。
「制服ある高校にしてよ。で、放課後に制服デートしようよ!」
「制服デート?」
「カラオケ行って、マック行って、プリクラ撮ろう。」
ああ、また親友の明るさに救われた。
起立性調節障害。
いつからだろう、思えば小学6年くらいから、起きるのが苦手になっていた。中学入学後は寝込むようになり、不登校となった。
そして中3の今、まだまだ治る見込みはなさそうだ。
起立性調節障害、恨む。
こんな病気にならなければ、親友と修学旅行も体育祭も文化祭も楽しめたかもしれない。そして、同じ高校に行けたのかもしれないのに。
ほんの小さな日常も、すべて奪われた。
相変わらず、登場人物の名前を考えれない。