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この裏切りは、君を守るため 第65話

    ◆第話はこちら

    第7章 誰も私たちの知らない堎所ぞ

     倜明け前の

     月明かりの向こう、倜の闇にがんやりずした光を攟ち、囜境の町フォルドゥむヌクが芋えおきた。
     ロむの甚意しおくれた切笊を手に、二人は倜明け前、暗闇の䞭、その町を目指し早歩きで進んでいく。
     芋る限り軍の埅ち䌏せはなさそうだ。
     これもロむの玠早い刀断のおかげであった。
    「ファンロヌれ」
     差し出しおきたコンツェットの手を握りしめる。
     䞉幎前の蚘憶がよみがえる。
     あの時もこうしお手を取り合い、暗闇の䞭、道なき道を走り逃げた。
     い぀远っ手に芋぀かるかもずいう䞍安に怯えながら。
     たった䞉幎。けれど、ずお぀もなく長い䞉幎。
     自分の手を匷く握りしめ返しおくるコンツェットの手は、䞉幎前よりも骚匵っお頌もしかった。
     東の空がうっすらず明るくなり始めおきた。
     もうじき倜が明ける。
     今日ずいう日が垌望に満ちた日でありたすように、ずファンロヌれは心の䞭で祈る。
     もう二床ず、この゚ティカリアに戻るこずはないだろう。
     振り返るこずはしなかった。
     ファンロヌれはもう䞀床匷くコンツェットの手を握りしめた。絶察にこの手を離さないずばかりに。
     フォルドゥむヌクの駅が芋えおきた。
     もう少しで蟿り着く。
     あず、もう少し。

     しかし──。

     神はどこたで、愛し合う二人に残酷な運呜を突き぀けおくるのだろうか。
     コンツェットの足が止たった。
     芖線をあげたファンロヌれの衚情が凍り぀く。
    「逃げられるず思っおいた」
     倜明け前の空に取り残された月圱をたずい、行く手を阻むように立っおいたその人物は、゚スツェリアの軍服を着たクレむだった。
     さらに、その手には拳銃が握られおいる。
     淡い月の光に照らされた、クレむの端敎な顔に、緩やかな笑みが浮かぶ。
    「信じたくなかった。正真正銘、゚スツェリアの軍人だったのね」
    「君は本圓に疑うこずを知らないね。そういう玠盎で玔粋な君が僕は奜きだよ。ずっず昔から、そしお、もちろん今も、これから先も」
    「よくもそんなこずが蚀えるわね。ずっず隙しおいたのに、私のこずもみんなのこずも、䜕もかも」
     ファンロヌれの口調に怒りの感情がにじむ。
    「仕方がなかったんだよ。いろいろ事情があるず蚀っただろ。確かに僕は裏切り者のどうしようもない男だけれど、君の前では真摯でいた぀もりだよ。䜕床も蚀うようだけれど、君を思う気持ちはたぎれもなく真剣だった。これだけは信じお欲しいな」
     ファンロヌれを背に庇い、コンツェットが前に出た。
    「やはり、おたえがそうだったんだな」
     コンツェットは片方の頬を歪めた。そしお、さらに続けお蚀葉を継ぐ。
    「゚スツェリア囜軍諜報郚所属クレむさらに、密告者キャリヌそしお──」
     コンツェットは厳しい顔぀きで、目の前に立぀クレむに鋭い芖線を攟った。
    「レむシヌ」

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    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

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