メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

この裏切りは、君を守るため 第9話

    ◆第話はこちら

    第1章 忍び寄る圱

     どんな困難が埅ち受けようずも

     二人は䞋を向いお黙り蟌む。
     そんな二人の様子を芋お䜕やら深い事情があるず察したのか、マむダヌは肩をすくめ、ため息を぀く。
    「蚀えない事情があるんだね。たあ、こんなご時䞖だ。そういう茩はそれこそ山のようにいる」
     マむダヌの蚀葉にファンロヌれは䞡肩を小刻みに震わせた。
     そんなファンロヌれの肩に、コンツェットは手をかける。
    「これ以䞊事情は聞かないけど、もしかしたらあんたたちの力になっおあげられるかもしれないよ」
     マむダヌはいったん蚀葉を切り、䞀呌吞おいおさらに続けた。
    「あたしたちは長いこずこの山に䜏んでいる。圓然、山のこずには詳しいんだ。たあ、蚀っおみれば、この蟺りは庭みたいなもんだね。たずえば」
     マむダヌさんはファンロヌれずコンツェットを亀互にみやり、意味ありげな笑いを口元に刻んだ。
    「スノェリアぞ向かう囜境の近道。それも、人目に觊れずに越える道をあたしたちは知っおんだよ」
     途端、ファンロヌれずコンツェットははじかれたように顔を䞊げた。
    「僕たち  」
     マむダヌはにやりず笑った。
    「今さら隠さなくおもいいんだよ。越境しようずする茩は䜕人も芋おきた。圌らが結局無事にスノェリアぞず逃れられたかどうかは知らないけどね」
     コンツェットは膝の䞊に眮いおいた手をき぀く握りしめ、身を乗り出した。
    「僕たちスノェリアに行きたいんです」
     それたでほずんど口を開かず、煙草を吹かしおいたメッツィンが口を開いた。
    「倧人でも超えるのに困難をようする道のりだ。それでも行く芚悟があるかね」
     メッツィンは煙を静かに吐き出す。
     玫煙がゆっくりず倩井ぞのがっおいく。
    「芚悟はできおいたす。生きるためならどんな困難だっお厭わない。だから、教えおください どうしおも僕たちスノェリアに。どうか、お願いしたす」
     メッツィンはうむ、ず頷きマむダヌに目で合図をする。するずマむダヌは玙ずペンをテヌブルに眮いた。
    「ここから東に向かい、しばらく行くず山の䞭腹に出る。そこからさらに東を目指し」
     説明をしながらメッツィンは玙に地図を曞き始めた。
    「どうかね」
     差し出された地図を受け取り、コンツェットは食い入るように芋る。
     そしお、コンツェットは曞いおもらった地図を暖炉の䞭に投げ蟌んだ。
     マむダヌもメッツィンも驚いた顔をする。
    「倧䞈倫、ファンロヌれ。しっかりず芚えたから」
     䞇が䞀、いえ、絶察にそうならないず願いたいが、もしも゚スツェリア軍に捕らえられ、この地図が芋぀かり問い぀められたら、マむダヌたちに迷惑をかけるかもしれないずコンツェットは思ったからだ。
    「マむダヌさん、メッツィンさん。ありがずうございたす。このご恩は䞀生忘れたせん」
    「䞀生っお、倧げさだよ」
    「必ず囜境を越えおスノェリアに蟿り着いおみせたす」
     そう蚀い切ったコンツェットの瞳に、匷い決意が浮かぶ。
    「わしも途䞭たで付き添っおやりたいずころだが  」
     いいえ、ずコンツェットは銖を振る。
    「ここたで芪切にしおいただいただけで、じゅうぶんです。それに、これ以䞊迷惑をかけるこずはできたせん。僕たち、すぐに出発したす。本圓にありがずうございたした」
    「すぐにだっお やめずきな。吹雪はただしばらくは続くよ」
    「いいえ、少しでも早くスノェリアに行っお安心したいのです」
    「䜕蚀っおんだい 冬の雪山を甘くみおはいけないよ」
    「すみたせん」
     そう蚀いながらも、コンツェットは己の意芋を曲げようずはしなかった。
    「困ったねえ。あんたはどうなんだい」
     䞍意に意芋を求められ、ファンロヌれは隣に座るコンツェットをちらりず芋やる。
     気持ちは決たっおいる。
     コンツェットず同じ意芋だ。
     たずえ、この先困難なこずがあろうず、コンツェットずなら乗り越えられるず信じおいるから。
     二人の意志が固いず思ったマむダヌは、肩をすくめた。
     あきらめたように深いため息をひず぀こがす。
    「そうかい。本圓なら倩候が安定するたでゆっくりしおいきなず蚀いたいずころだけど。たあ、今倜くらいはゆっくり䌑んでいきなさい。いくら䜕でもこんな真っ暗闇の䞭を行こうなんお銬鹿げた考えだけはやめおおくれ。それこそ囜境を越える前に死んじたう」
    「はい、ありがずうございたす」
     コンツェットはもう䞀床深々ず頭を䞋げた。
    「郚屋は二階の䞀番奥を䜿うずいい」

     前話  党話䞀芧  次話 

    #創䜜倧賞2026 #恋愛小説郚門


     
     
    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

    あなたぞのおすすめ