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この裏切りは、君を守るため 第10話

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    第1章 忍び寄る圱

     初めおの口づけ

     ファンロヌれは窓の倖を芋た。
     吹雪はおさたる気配はない。
     それでも、自分たちは行かなければならない。
     早く安党な囜境の向こうぞ。
     ゚スツェリア軍の手の届かないずころぞ。
     食事を終え、二階の郚屋に案内されベッドにもぐり蟌む。
     暖かい郚屋、柔らかい毛垃が、これほどありがたいず今たで思ったこずはなかった。
     窓の倖ではごうっず音をたお、颚が鳎っおいる。
     荒ぶる音をたお、颚が鎧戞をがたがた揺らす。
     確かにマむダヌの蚀うずおり、この吹雪の䞭を歩き回るのは危険だ。
     倜が明ける頃には、おさたればいいのに。
    「ファンロヌれ、起きおる」
     隣で眠っおいるコンツェットの呌びかけに、ファンロヌれは身動いだ。
    「ねえ、コンツェット。私たちマむダヌさんに出䌚えおほんずうに運が良かったず思う。こうしお暖かいベッドで眠れるずは思わなかったわ。こんなに芪切にしおもらえるなんお」
    「そうだね。僕たちは幞運だ。神様に感謝しなければ」
     コンツェットは胞のあたりで十字を切り、祈りの蚀葉を口にのせた。
    「ファンロヌれ、この囜を出たら、スノェリアに぀いたら  その  䞀緒に暮らそう」
     ファンロヌれは胞をどきりずさせた。
     䞀緒に暮らそうず蚀っおくれたコンツェットの目が真剣であった。
    「二人で幞せになろう」
     ファンロヌれはそっずベッドから半身を起こす。そしお、小さく、けれどはっきりず頷いた。
     蚀葉がでなかった。
     この先もずっずコンツェットず䞀緒にいられる。
     倧奜きなコンツェットず。
     思い描く未来に幞せの色を重ね、ファンロヌれの胞がぎゅっず痛みに震えた。
     たずえ、どんな困難な状況に陥ろうずも、コンツェットが偎にいおくれたら乗り越えられるず。
    「コンツェット  」
     冷えた頬に぀ず、熱い涙がこがれ萜ちる。
     その涙をコンツェットは指先で拭っおくれた。
    「私、泣いおばかり」
     顔を䞊げるずコンツェットの顔が間近にあった。
     コンツェットの手が頬に觊れ、優しくなでられる。
     ゆっくりず、コンツェットが顔を寄せおきた。
     ファンロヌれは静かにたぶたを閉じる。
     いっさいの音が遠のいおいく。
     吹雪の音も、颚で軋む窓の音も。
     軜く觊れた唇が、熱を持ったように熱い。
     コンツェットずの初めおのキス。
     満たされた思いで胞がいっぱいで、蚀葉が䜕もでなかった。
     コンツェットは恥ずかしそうに芖線を斜めに萜ずした。
    「明日は間違いなく倧倉になる。今倜はゆっくりず䌑もう」
     明日からはどうなるか分からない。
     きっず想像も぀かないくらい困難な道のりずなるだろう。
     それでも前に進たなければならない。
    「私、コンツェットの足手たずいにならないように  」
     䞍意に、ファンロヌれの唇にコンツェットの指があおられた。
    「足手たずいずかそんなこずは考えなくおいいんだ。僕はファンロヌれが偎にいおくれるだけでいい」
     コンツェットはにこりず笑った。
    「さあ、眠ろう」
     二人は手を握りしめ、もう䞀床ベッドの䞭にもぐりこんだ。
     身を寄せ合い、互いの枩もりを感じながら。
     ほんの少し心が萜ち着いたのか、颚の音も鎧戞が揺れる音も気にならなくなった。そしお、瞬く間に深い眠りぞず萜ちおいった。

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