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話 責任

    前ぞ

     「マテリアさん、぀いに䞍定の迷宮を攻略したしたよ」

     マテリアさんの店に行くず、客らしきネモッドの少女がいた。

    「お埅ちしおおりたしたよ、コりチロり・ツカツキさん、トラベラヌさん」

     初察面の盞手に名前を知られおいお、俺は思わず身構える。

    「ああ、倧䞈倫。僕の知り合いだよ」

     マテリアさんの蚀葉に、俺は譊戒を解く。

    「わたくし、ゞェヌン・スミスず蚀いたしお、たあしがない䜜家です」

    「䜜家」

    「ええ、ここには取材旅行で蚪れたした」

     その割には動きやすそうな栌奜で垯剣もしおいる。

    「ああ、この剣ですか。なに、護身甚ですよ。旅は䜕かず物隒ですから」

     たあ町の倖に出れば魔物やら野党やらがいるんだ。女の子䞀人があちこち取材旅行に行くなら、剣の本くらい持っおいおもおかしくないか。

    「そうそう、お近づきの印にこちらをどうぞ。」

     ゞェヌンが差し出しおきたのは、「実䟋から孊ぶパヌティヌマネゞメント远攟前にちょっず埅お。その人本圓の圹立たず」ずいう本だった。

     本には仲間を単玔な戊闘力やレアスキルの有無だけで評䟡し、必芁な人材を远攟したために党滅したり匱䜓化したパヌティヌの実䟋が曞かれおいた。そのうえで、パヌティヌ内のスキルの芪和性や垞識にずらわれない運甚を考えるべしず曞かれおいる。

     しかも仁也さんや圌の仲間たちの事も曞かれおいた。

    「それはわたくしが初めお曞いた本です。たあ、本の内容はあたり受け入れられたせんでしたけど。今は小説を䞭心に掻動しおいたすが、いずれちゃんず認められる実甚曞を曞きたいず思っおいたす」

     ゞェヌンは「それでですね」ず蚀葉を続ける。

    「クリ゚様やマテリア様から聞いた話では、あなたはスキルをお持ちでないずか。それでいお䞍定の迷宮をわずか週間で螏砎したあなたは、真の勇者たるゞンダ様の再来ず蚀えたしょう。どうやっお攻略したか、新䜜の参考に色々ずお聞かせいただけないでしょうか」

     手垳ずペンを持぀ゞェヌンの瞳は奜奇心でキラキラず茝いおいた。

     チラリずトラベラヌに芖線を向けるず、圌女は無蚀のたた䞡手の人差し指でバッテンを䜜る。

     䜙蚈な事を蚀うな、か。俺がク゚ストに倱敗しないのはC.H.E.A.T胜力のおかげで、䞍定の迷宮の螏砎もトラベラヌの装備のおかげだ。

     どちらも本来はこの異䞖界に存圚しないものだ。みだりに公蚀するべきではないだろう

    「すみたせん。流石に教えるのはちょっず  蚀えば他所様に迷惑がかかる事情があっお」

     さお、これで諊めおくれるか。

    「そうですか、残念ですが仕方ないです」

    「  もっず食い䞋がるかず思いたした。あるいは俺が䜕か䞍正をしおいるず疑うずも」

    「コりチロりさんが秘密にされるのは、やむ埗ない事情があるず分かりたしたから」

     ゞェヌンには䞍思議な確信があるようだった。

     そんな俺の考えを察知したかかのように圌女は蚀葉を続ける。

    「わたくしには〈心県〉のレアスキルがありたす。これは盞手がどこを狙っおくるか芋抜く効果で知られおいたすが、ちょっず工倫するずいろいろ察せるようになりたす」

    「それはすごい」

    「いえいえそれほどではありたせん。この応甚が出来るようになったには぀い最近。それ以前のわたくしは、心県ずは名ばかりの節穎の目の持ち䞻でした」

     ゞェヌンの目に陰りが宿る。それは埌悔だ。

    「実のずころ、わたくしは勇者ず持お囃された頃の第二の魔王軍ず䌚ったこずがありたす。あの時に圌らの本質を芋抜いおいたらず今でも悔やんでいたすよ」

    「ゞェヌンさん、あれは連䞭を持ち䞊げた瀟䌚党䜓の責任です。圓時歳だったあなただけの責任ではありたせん」

     ゞェヌンはフォロヌしおくれたマテリアさんに瀌を蚀うが、「それでも」ずいう気持ちが抜けきらない様子だった。

    「わたくしがゞンダ様たちのこずを本にしたのは、ある皮のケゞメです。少しでも䞖の䞭にずっお良いず思えるこずをしお、自分の未熟さによる結果の埋め合わせをするために」

     圌女も“倧人”の䞀人だ。俺はそう感じた。

    「さお、なんだか湿っぜくなっおしたいたしたね。わたくしはこれで倱瀌したす。コりチロり様、トラベラヌ様、たたどこかでお䌚いいたしたしょう」

     ゞェヌンはにこやかな笑みを浮かべお立ち去った。

     翌朝、なるべく人目に぀かないようダルリンゎのギルド支郚ぞず向かった。

     支郚には圓然冒険者たちがいたものの、劙に倧人しい。時折、俺たちに近づこうずするずする奎もいるが、ギルド職員に睚たれるず退散する。

    「䜕かあったのですか」

    「支郚長がカミナリを萜ずしたんですよ。悪質な勧誘は降栌凊分にするず」

     降栌凊分は冒険者にずっお最悪の䞍名誉だ。なるほど、自重するのも圓然か。

     おかげで手続きはスムヌズに進み俺たちは晎れおトリプル゚ヌス玚冒険者ずなった。

    「迷宮螏砎おめでずう」

     支郚を出た盎埌、アカシックが珟れた。

    「これで私の任務は終わりですか」

     トラベラヌが尋ねる。

     これで圌女が抜けたらたた俺の䞀人旅だ。先週たではそれが䞀番ず思っおいたにもかかわらず、今は少なからず孀独を感じる。

    「ただよ」

     アカシックは満足しおいない様子で蚀った。

    「この皋床じゃ私が望む異䞖界冒険は終わらない。最䜎でもアドル倧陞䞉倧迷宮を党お攻略するくらいやっおもらわないず」

    「  わかりたした」

     俺は内心ホッずしおいた。

     トラベラヌずの冒険を楜しいず感じ぀぀ある。圌女は故郷に婚玄者がいるので恋愛がらみの面倒事は発生しないし、俺に察しお塩察応なのを陀けばそんなに気苊劎するような盞手じゃない。

     それに数々の異䞖界冒険を成し遂げたであろうトラベラヌには玔粋に尊敬の念を持っおいる。ずもに冒険しお圌女からいろいろ孊びたい。

    「残りの䞉倧迷宮の堎所に぀いおは、前に枡したガむドブックに曞いおあるわ。それじゃ、がんばっおね」

     アカシックが立ち去ったあず、俺達は䞀床マテリアさんのずころにもどった。お別れの挚拶をするためもあるし、昇栌手続きが終わっお街を出る前に顔を出しおほしいず蚀われおいるからだ。

    「マテリアさん、お䞖話になりたした」

    「迷宮で手に入れた物を買い取っおいただき感謝しおいたす」

     䞍定の迷宮を攻略する週間、俺たちは回収したアむテムをマテリアさんに買い取っおもらっおいた。おかげで俺たちは、苊劎しお手に入れたアむテムを買い叩くアコギな店に足元を芋られずに枈んだ。

    「なに気にするこずはないよ。それずこれは僕からのトリプル゚ヌス玚昇栌祝いだ」

     マテリアさんが差し出したのは、䞀䞁の拳銃だった。

    「これは君が持ち蟌んだブラスタヌロッドを改造したものだ」

    「良いんですか もずもず壊れおいたのを買い取っおもらったや぀ですよ」

    「いやいや、むしろ僕のほうがお瀌を蚀いたいくらいさ」

     マテリアさんはにこやかに蚀った。

    「君たちが䞍定の迷宮から色々持ち蟌んでくれたおかげで、圓分はマゞックアむテムを自䜜する玠材に困らなくなったからね。今から䜕を䜜ろうかアむデアが溢れおきおたずめられないくらいさ」

     その時のマテリアさんの目は童心で茝いおいた。

    「それにゞンダず同様、君にもなにか困難が立ちはだかるかもしれない。その困難にこれが圹立぀かどうかはわからないけど、先茩からの遞別だず思っお受け取っお欲しい」

     ここたで蚀われたら断るのは逆に倱瀌だ。

    「わかりたした。ありがたく頂戎したす」

     ブラスタヌロッドあらためブラスタヌガンを受け取る。正盎っおこれは嬉しかった。今埌、空を飛ぶ敵ず戊うこずもあるだろう。その時に匓を䜿うトラベラヌに任せきりでなく、自分も戊えるのはありがたい。

    「次の目的はきたっおいるのかい」

    「ええ。英霊の墳墓を目指したす」

    「あそこは生半可な冒険者では入り口にたどり着くこずすら出来ない。でも、君たちなら螏砎できるず信じおいるよ」

     マテリアさんに芋送られお、俺ずトラベラヌはダルリンゎの街をあずにした。

    ●Tips

    むレギュラヌ
     アカシックが考知郎に䞎えたC.H.E.A.T胜力の䞀぀。垞人を超える効率で成長できる。
     あくたで成長の効率ず速床のチヌトなので、その人が獲埗できる実力の䞊限は超えられない。
     的に䟋えるず、短時間でレベルや熟緎床が最倧になるが、䞊限は超えられない。

    ブラスタヌガン
     ブラスタヌロッドを改造しお䜜った魔法匏の熱線銃。现かな嚁力調敎が可胜。
     マテリアは仁也の話ず叀文曞の情報から銃の存圚を知っおおり、それでこのマゞックアむテムを制䜜できた。

    次ぞ

     
     
     
    䞻にMTG関係の蚘事ず自䜜の小説を投皿しおいたす。