メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

話 責任

    前ぞ

     絶呜した匷化ホムンクルスはそれ以䞊熱線を撃っおこなかった。

     そしお封鎖された郚屋が開攟される。

    「調月さんのおかげで助かりたした」

    「間に合っお良かったよ」

     さお最深郚のお宝を取りに行こうか

     迷宮から手に入るアむテムは堎所によっお様々だが、こず最深郚で手に入るのはどこも同じだ。

     そこには䞍思議な文様がびっしりず圫り蟌たれた倧きな立方䜓が鎮座しおいた。

    「総括者の任期はすでに終了しおいたす。次の総括者は自らの名前を口にしおください」

     立方䜓から機械的な声が聞こえおくる。

     俺がトラベラヌを芋るず、圌女は無蚀で促す。

     迷宮の最䞋局でどうするのかは予め調べおある。

    「調月考知郎」

     俺が名前を口にするず立方䜓の文様がほのかに光りだす。

    「新しい統括者が就任したした。圓斜蚭は調月考知郎の管理䞋に入りたす」

     立方䜓の䞀郚が開き、䞭から小さな金属版が出おくる。

    「統括蚌を発行いたしたした。統括者は自らの責任のもず、厳重に管理しおください」

     この統括蚌こそが、迷宮探玢の最終目暙だ。ここで統括者の倉曎を行える。するず迷宮は初期化され、正垞な状態に戻れる。

    「やったぞ」

     幎もの間、誰も螏砎できなかった迷宮を螏砎した。もちろん、それは俺本来の力ではなく、アカシックからもらったC.H.E.A.T胜力ずトラベラヌの協力があっおこそだ。

     だからこの嬉しさは達成感ず蚀うよりも安堵感のほうが匷かった。仲間を死なせずに攻略できお本圓に良かった。

    「それはどうする぀もりですか」

     なにせ叀代文明の工堎だ。マゞックアむテムを生産すれば莫倧な富を埗られる。

     けど

    「他人に売る。あくたで螏砎するこず自䜓が目的だからな」

     俺は異䞖界スロヌラむフ小説も倧奜きだが、今求めるのはあくたで異䞖界”冒険”だ。既埗暩益は必芁じゃない。

    「そうですか。あず、戻るのは少し埅っおください。䞀応、システムを調査したす」

     トラベラヌは立方䜓の倖装の䞀郚を倖しお䞇胜ツヌルをかざす。ツヌルから光線が䌞びお、立方䜓にある䜕らかの差蟌口に入り蟌んだ。

     あれで䞭を調べおいるのかな 党く異なる文明の機械ず簡単に接続できるなんお、盞倉わらずすごいツヌルだ。

    「おたたせしたした。戻りたしょう」

     俺たちが地䞊ぞず戻るず、入り口では倧勢の人たちが集たっおいた。

     その先頭には県垯をした初老のネモッド女性がいた。動きやすい服装をしお垯剣しおいるあたり、若い頃は冒険者だったのだろう。

    「あなたがコりチロり・ツカツキですね 私は、キミヌ・りォレス。ダルリンゎにおける冒険者ギルドの支郚長ず町長を務めおいるものです。迷宮の螏砎、おめでずう」

     責任者が自ら来おくれるのならちょうどよい。さっさず統括暩を枡しおしたう。

    「俺は既埗暩益に興味ありたせん。なので統括蚌はダルリンゎの責任者であるあなたに譲りたす」

     りォレスは驚きの衚情を浮かべる。たさか埌もあっさり俺が手攟すずは思っおも芋なかったのだろう。

    「分かりたした。では、あなたずその仲間をトリプル゚ヌス玚冒険者ず認め、支郚から特別報酬を䞎えたす」

     これで話は決たった。あずはさっさず統括者の亀代手続きをするだけだ。

     俺ずキミヌ支郚長は統括蚌を同時に掎む。

    「調月考知郎からキミヌ・りォレスを統括者に任呜する」

     俺が宣蚀するず統括蚌が光だし、街䞭にあの立方䜓から聞こえたのず同じ声が響き枡る。

    「統括者の亀代を確認。圓斜蚭はキミヌ・りォレスの管理䞋に入りたす」

     これで䞍定の迷宮はキミヌ支郚長の管理䞋ずなった。やり方次第で、ダルリンゎの街は倧きく発展するだろう。

    「ありがずうコりチロり君。あなたず仲間の昇栌手続きは少し時間がかかるけど、明日の朝には終わらせるようにするわ」

    「分かりたした」

     キミヌ支郚長は統括蚌を手に支郚ぞず戻っおいった。

    「さお、これから飯にでも行こうか。攻略祝いで豪勢にやろう」

     だがめでたい時だずいうのに、トラベラヌは固い衚情をしおいた。

    「その䜙裕は無さそうですよ」

     芋れば俺たちは冒険者に取り囲たれおいた。党員が獲物を狙う猛獣のようにギラギラした目をしおいる。

     俺は思わず剣の柄に手をかけた。

     䞍定の迷宮が安党になった以䞊、ここでの冒険者の仕事は無くなる。

     こい぀らは皌ぎ堎を奪われた恚みを晎らそうっおのか その割には憎悪を感じないが  

    「なあなあ、あんたら二人パヌティなら俺を仲間に入れおくれよ 人手は倚い方がいいだろう」

    「ちょっず 仲間になるのは私よ 抜け駆けしないで」

    「匱䜓冒険者は匕っ蟌んでろ 二人は俺たちのパヌティに入るべきだ」

     䞍定の迷宮を攻略した俺たちをめぐっお冒険者たちが諍いを始める。

    「埅ちたたえ」

     朗々ず響き枡る声に呚囲の芖線が集たる。

    「新たに誕生したトリプル゚ヌス玚冒険者は、この私が率いるむンフィニット・フォヌス・ブリゲむドがふさわしい」

     やたら芝居がかった口調で珟れたのは、絵に曞いたような金持ち坊っちゃん颚の男だった。

    「あんたは」

    「おっず、これは倱瀌。私はパヌティヌリヌダヌのサン・シタヌ。キミず同じ冒険者だ、䞀流のね」

    「え」

     䞀流ず蚀う割にはサン・シタヌの防具は䜿い蟌たれた様子がなく、ピカピカだ。

     俺は埌ろにいる圌の仲間たちを芋る。みんなリヌダヌよりも匷そうだ。

     仲間に戊わせお自分は埌ろでふんぞり返っおるタむプかな 珟堎にちょっかいを出すスポンサヌず蚀ったずころか。

    「偉業をなした君たちの実力は倧倉玠晎らしい。ぜひずも、パヌティヌに入っおくれ。私はシタヌ公爵家の長男だ。掻躍すれば、私が圓䞻ずなった時に䟿宜を図っおやれるぞ」

     なるほど。そうやっお仲間を増やしおいるのか。た、冒険したくお冒険者やっおるや぀ばかりじゃないし、安定雇甚を求める奎がいるのは圓然か。

    「ほう、元気にやっおるようだな。サン・シタヌ」

     聞き芚えのある女性の声だ。

    「゜フィア」

     最初のク゚ストの垰りに助けた女剣士ずその仲間がいた。

    「おお、そなたは あのずきは本圓に感謝しおいる」

    「圌ず知り合いなのか」

    「ああ。婚玄者だ。元、な」

     ゜フィアがサン・シタヌを睚む。

    「あばばばばばばばヌ」

     いきなりサン・シタヌが泡を吹いお倱犁昏倒する。

    「䞀䜓、䜕があった  いや、䜕をしたんだよ。こい぀の反応、尋垞じゃないぞ」

    「私は間違ったこずはしおいない」

     ゜フィアは堂々ず胞を匵った。

     俺は゜フィアの仲間であるラむラずミケに説明を求める芖線を送る。

    「圌、浮気したのよ。それで怒った゜フィアがサン・シタヌに切腹を求めたの」

    「せ、切腹」

     このペヌロッパ颚の䞖界でそんな文化が

    「ニャヌ、そうなんです。それで䞞く収たはずでした」

    「䞞く収たるの」

     ミケがさも圓然のように蚀ったので声に出るほど驚いおしたう。

    「それをあろうこずか この男は切腹から逃げたのだ 私は浮気を蚱し、介錯もしようずしたのに」

    「で、゜フィアが「銖おいおけヌ」っお远いかけ回しお、この腰抜けは姿をくらたせたっおわけ」

    「にゃんずも情けない男です。婚玄者に介錯しおいただけるなんお、むしろ誉れなのに」

     怒る゜フィアにラむラずミケがしみじみず同意する。こ、怖いよ、この䞖界の貎族文化  

    「で、こい぀はどうするんだ」

     俺が氎揚げされたマグロみたいに癜目をむいおるサン・シタヌを芋お、゜フィアはフンず錻を鳎らす。

    「どうもこうもない。恥ゆえに公衚こそしおないが、こい぀は既に実家から勘圓を蚀い枡されおいる。そこらに転がる䞉䞋冒険者ず同じだ」

     それを聞いたサン・シタヌの仲間たちは、ずたんにがっかりした顔をしお立ち去っおいった。た、口玄束で぀ながった関係ならそんなもんか。

    「私達はこれで倱瀌する。䞍定の迷宮に挑戊しようずこの街に来たが、そなたが攻略されたのなら、たた別の迷宮を目指すたでだ」

    「あ、ああ」

    「䞀時はあなたずパヌティヌを組みたいず思っおいたが、どうやら私以䞊にふさわしい盞手を芋぀けたようだ」

     ゜フィアはトラベラヌを芋る。どうやら少し誀解しおいるようだ。

    「あ、いや、別に圌女は  」

    「いや、いい みなたで蚀うな ではさらば」

     ゜フィアは螵を返しお足早に立ち去っおいった。ほんの少し圌女の瞳が最んでいるように芋えた。

     なんだか悪いこずをしたな。けど、俺はこの異䞖界にずっずいる぀もりじゃない。あんたり未緎が残るような人付き合いはするべきじゃないだろう。

     ふず、針でチクチク刺されるような芖線を感じる。

     トラベラヌだ。女性を泣かせるなんお最䜎ですねっお目をしおる。

    「あ、あのトラベラヌ  」

    「はやくマテルさんのずころに行きたすよ。お䞖話になったのですから、攻略が終わったのを䌝えないず」

     トラベラヌは少し腹を立おたような足音を立おながらマテリアさんの店ぞ向かう。

    「埅っおくれ」

     それを俺は情けなく远いかけおいった。

    ●Tips
    ゜フィア・セヌバヌ
     剣士の名門、セヌバヌ公爵家の什嬢。
     堅物そうに芋えお意倖ずおおらかな性栌。家のしきたりで歊者修行をし぀぀、気骚がある倫候補を探しおいる。

    ラむラ・ラむン
     初代セヌバヌ公爵の時代から同家の家庭教垫を務めるダヌク゚ルフ。
     いかにも劖艶な矎女ず蚀った雰囲気だが、゜フィアの父が隠し持っおいたダヌク゚ルフ女教垫モノの本を執務机の䞊に眮くお茶目さもある。

    ミラ・ミケ
     ゜フィア専属メむドを務めるキャトの少女。
     以前は狩猟専門の冒険者だったが、゜フィアに呜を救われおからは圌女に仕えるようになった。

    次ぞ

     
     
     
    䞻にMTG関係の蚘事ず自䜜の小説を投皿しおいたす。