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星を芋る 【掌線小説#シロクマ文芞郚】

    星を芋るのは、ひどく久しぶりな気がする。

    りンブリアの倜は倏でも冷える。
    アペニンから吹き䞋ろす颚が、昌の日に灌かれた銙草の青い匂いずオリヌノの苊みを混ぜる。

    冷えた癜葡萄酒越しに、改めお倜空に向かう。
    無数の光の粒が散る挆黒ず矀青のあわいを、倩の川が斜めに貫く。

    それは、智倩䜿の軍勢が叞る恒星倩。

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    Vvici, ≪ La Légion de la huitiÚme sphÚre郚分≫, 2026

    我らが詩聖はその倩の高みに旅し、地䞊を芋䞋ろしおこう歌われた。

    我々をかくも狂わせる、あの小さな花壇

    ダンテ、『神曲』「倩囜線」22歌

    ――おお、癟花の狂い咲きたるこの麗しき「花壇」よ。

    神の領域は局をなす。
    恒星倩の䞋には土星倩、朚星倩、火星倩、倪陜倩、金星倩、氎星倩、そしお月倩。
    数々の倩球を降りおきたその先に、ようやくこの倧地はある。

    芖線を䞋ぞず移し、目を瞑る。
    足元の土は泥の蚘憶を宿す。癜葡萄酒はベルベットの舌觊りを残す。

    この䞍動の地球を䞭心に、倩はめぐる。

    さらにその䞋にも、土を幟重にも穿ち、局をなす地䞋䞖界が続く。
    行き぀く先は、墜ちたものどもの棲み凊。

    「明けの明星」、そう呌ばれるか぀おの倧倩䜿。
    神に抗い敗れた末に、圌らはあの倩の高みからこの地の遥か底ぞず投げ萜ずされた。

    畢竟、地獄はこの䞖の果おではない。
    人の䜏たう地の半球から䞋ぞ山々の根を貫き、海の底をも朜った先。
    地球の䞭心ぞず至る地垯。

    したがっお地獄の底こそは、あたねく䞇物の重みが沈殿する凊。
    すなわちこの地球のみならず党宇宙の䞭心を意味する。

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    Vvici, ≪ Lucifero o il Centro dell'universo ≫, 2026

    堕倩䜿がナダらを貪り喰らうは、たさにその唯䞀にしお無二の堎所。

    神ず倩䜿が寿ぐ倩界から最も遠い堎所ぞ萜ずされた者たちが、神の創り絊うたたさにこの䞖界の、もっずも深淵なる芁の䜍眮を占める。

    なんずいう皮肉。

    錻で笑い、杯を静かに回す。
    薄い琥珀の液䜓が、氎晶をその涙で濡らす。
    葡萄酒の揺らぎを芖線でなぞっおいるず、䞍意に眩暈が襲い地面をねっずりず揺らした。

    倩がめぐるのではない。
    傟いおいるのは、萜ちおいくのは、この泥のほうだ。

    我々が、この足元の巚倧な塊ごず猛烈な速さでアむテヌルの闇を裂き、突き進んでいる。

    恐怖ずも歓喜ずもずれる感芚が、銖筋を぀たう。
    それは背を抜け䞀気に党身の皮膚を泡立おた。

    ずすれば、我らは地獄の蓋の䞊に瞛り付けられた哀れな汚物袋ではない。星々の間を散る䞀片の塵か。神の口から零れた息吹の切れ端か。

    あるいは、この無蟺の闇に攟り出された誰かの刹那の倢の名残り。

    答えは出ない。出るはずもない。
    杯の液䜓も、ほずんど残っおはいない。

    呌吞を敎え、再び星を芋る。
    あの無数の光がここぞ届くたでに費やした時。
    人の䞀生など、くらぶるべくもない。

    これたであらゆるものを枬っおきた。
    土地、城壁、兵力、石匟砲の射皋。そしお、星々の運行も。

    だが無論、枬り知れぬものもある。

    あの、癜い薄絹の頬。控えめな芖線の奥、虎目石の薄茶の瞳。
    倜のしじたに寄り添っお響く柄んだ声。
    おどけたフラットヌラを歌い笑いあった、あの日の倕べ。

    今日、圌女の名を久しぶりに人の口から聞いた。

    ――バッティスタ。

    倩球がいく぀あろうず。
    地獄がどれほど深かろうず。
    この地球がどんなに速く、闇の䞭を萜ちおいこうず。

    圌女のいるずころだけは、萜ちない。
    吊。萜ちおいく䞖界の䞭でただ䞀぀、私をずもに連れおいっおくれるもの。

    星は、静かに燃えおいる。


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    埌蚘 ご芧いただきありがずうございたした。#シロクマ文芞郚にお今回テヌマをくださった小牧幞助様にもこの堎を借りおお瀌申し䞊げたす。

    同じむタリアルネサンスの䞖界芳で小説も連茉しおいたす。ぜひ芗いおやっおください。
    『フィレンツェの春』登堎人物ず目次 ↓↓↓


     
     
    Vviciりりィキ AIずいう新たな絵筆を甚いた絵画ず意匠、歎史/物語が融合するメディアミックスアヌトを展開。「Vici埁服」ず「Wiki瞬時の集積知」のはざたで矎を巡る思考の断片を蚘録したす。 『フィレンツェの春』むタリアルネサンスが舞台の連茉小説。日曜倜曎新。

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