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【プラトン党集第7巻『ラケス』】ラケス

    〖はじめに〗

    勇気ずは䜕か。

    そう聞かれたずき、
    いちばん答えられそうなのは誰でしょうか。

    兵士でしょうか。
    将軍でしょうか。
    戊堎を知る人でしょうか。

    プラトンの察話篇『ラケス』には、
    たさにその問いを向けられた将軍が登堎したす。

    ラケス。

    圌は机の䞊で勇気を語る人ではありたせん。

    実際に戊堎を知り、
    兵士を率い、
    危険の䞭に立ったアテナむの将軍です。

    しかもラケスは、
    ゜クラテスの勇気を芋たこずがありたした。

    戊堎で兵士たちが厩れ、
    隊列が乱れ、
    逃げる者たちの足音が土を巻き䞊げる。

    その䞭で、
    ゜クラテスだけが萜ち着いお退华しおいた。

    逃げる兵たちの䞭で、
    圌だけが振り返る䜙裕を残しおいた。

    ラケスは、
    その姿を芋おいたした。

    勇気を知っおいるはずの将軍が、
    勇気ある人間を芋おいた。

    けれどその将軍は、
    「勇気ずは䜕か」ず問われたずき、
    答えられなくなっおいきたす。

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    ① 名門の父たちの䞍安

    物語は、
    子どもの教育盞談から始たりたす。

    リュシマコスずメレシアス。

    二人の父芪は、
    息子たちに歊術を習わせるべきか悩んでいたした。

    その盞談に呌ばれたのが、
    将軍ラケスずニキアスです。

    槍を扱う蚓緎。
    盟を持぀蚓緎。
    戊堎で圹に立ちそうな技術。

    それを身に぀ければ、
    子どもは立掟な人間になるのではないか。

    そう考えたのです。

    けれど、
    この悩みは単なる習い事の盞談ではありたせん。

    リュシマコスの父は、
    「正矩の人」ず呌ばれたアリステむデス。

    メレシアスの父は、
    有力政治家トゥキュディデス。

    二人は、
    偉倧な父の名を背負っおいたした。

    しかし自分たちは、
    父ほどの名を残せなかった。

    だからせめお、
    息子たちには立掟になっおほしい。

    そこには、
    芪の愛情ず、
    名門の焊りが混じっおいたした。

    戊争を知る将軍に、
    子どもの教育を問う。

    『ラケス』は、
    そんな少し䞍安な堎所から始たりたす。

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    ② 掟手な技術ぞの疑い

    ラケスは、
    歊術蚓緎に察しお冷めおいたす。

    もし本圓に圹立぀ものなら、
    戊争に匷いスパルタ人が、
    ずっくに重芖しおいるはずだ。

    圌はそう考えたす。

    人前では立掟に芋える。
    槍を振る姿も勇たしい。
    芳客は感心する。

    けれど実戊では、
    その掟手な技術が、
    かえっお邪魔になるこずがある。

    ラケスは、
    実際にその技を詊した者の話を持ち出したす。

    埗意げに槍を構えた瞬間、
    槍が船具に絡む。

    敵に向けたはずの技が、
    自分の䜓を瞛っおしたう。

    芋せるための技術は、
    人を驚かせるこずはできたす。

    けれど、
    危険の䞭で圹に立たなければ、
    呜は預けられない。

    ラケスが芋おいるのは、
    芋栄えではありたせん。

    危険の䞭で、
    本圓に圹に立぀のか。

    その䞀点です。

    圌の蚀葉には、
    戊堎を知る人間の珟実感がありたす。

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    ③ ラケスが芋た゜クラテス

    ラケスは、
    ゜クラテスを高く評䟡しおいたす。

    それは、
    ゜クラテスが話のうたい人だったからではありたせん。

    戊堎での姿を芋おいたからです。

    デリオンの戊い。

    アテナむ軍は敗れ、
    兵士たちは退华したす。

    敗走の堎面では、
    人の本性が出たす。

    盟を捚おる者。
    声を荒げる者。
    呚りを芋ずに走る者。

    恐怖は、
    人の歩き方たで倉えおしたう。

    その䞭で、
    ゜クラテスは萜ち着いおいたした。

    呚囲を芋ながら、
    姿勢を厩さず、
    慌おずに退いおいく。

    ラケスは、
    その姿を芋おいたした。

    だからラケスは、
    ゜クラテスの蚀葉を軜く芋なかった。

    戊堎を知る将軍が、
    今床は蚀葉の戊堎に立たされる。

    ゜クラテスは問いたす。

    勇気ずは䜕か。

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    ④ 螏みずどたるこずは勇気か

    ラケスはたず、
    勇気ずは「隊列に螏みずどたっお逃げないこず」だず答えたす。

    敵が迫る。
    盟を構える。
    仲間ず䞊び、
    その堎を離れない。

    たしかに、
    それは勇気に芋えたす。

    けれど、
    それだけでは足りたせんでした。

    ゜クラテスは問いたす。

    勇気は、
    重装歩兵だけのものなのか。

    病気に耐える人には、
    勇気がないのか。

    この䞀蚀で、
    勇気は戊堎の倖ぞ広がりたす。

    その堎に残るこずは、
    勇気の䞀郚かもしれない。

    しかし、
    勇気そのものではない。

    ラケスは次に、
    勇気ずは「魂の匷さ」だず答えたす。

    折れない心。
    恐怖に負けない心。
    簡単には動かされない心。

    䞀芋するず、
    これ以䞊ない答えに思えたす。

    けれど、
    ただ頑固なだけの人は、
    勇気があるず蚀えるのでしょうか。

    危険を知らないたた突っ蟌む人。
    状況を芋ずに意地を匵る人。
    匷がりだけで前に出る人。

    それは勇気ではなく、
    無謀かもしれたせん。

    勇気には、
    匷さだけでは足りない。

    䜕を恐れ、
    䜕を恐れないのか。

    その刀断が必芁になりたす。

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    â‘€ ニキアスの答え

    ここで、
    もう䞀人の将軍ニキアスが加わりたす。

    ニキアスは、
    ラケスより理屈で考える人です。

    圌は勇気を、
    「恐れるべきものず、恐れなくおよいものを知るこず」
    ずしお語りたす。

    呜を倱うこずを恐れるのか。
    䞍正に加担するこずを恐れるのか。

    人に笑われるこずを恐れるのか。
    自分をごたかすこずを恐れるのか。

    ニキアスの答えは、
    勇気をただの気合いから匕き離したす。

    けれど、
    そこたで進んだ瞬間、
    別の問題が生たれたす。

    もし勇気が、
    善いこずず悪いこずを知るこずなら、
    それはもう勇気だけではなく、
    人間の埳そのものではないのか。

    勇気を説明しおいたはずなのに、
    勇気の倖たで話が広がっおしたう。

    実戊の人ラケスも、
    知識の人ニキアスも、
    勇気を最埌たで぀かめない。

    知っおいるはずの二人が、
    蚀葉の前で立ち止たりたす。

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    ⑥ 䞍完党だから忘れにくい

    ラケスは、
    完璧な哲孊者ではありたせん。

    定矩は粗い。
    蚀葉も掗緎されおいない。
    ニキアスほど理屈を積み䞊げるわけでもない。

    けれど、
    ラケスは䞍完党だからこそ忘れにくい人物です。

    自分の知らなさをごたかさない。

    ゜クラテスを認める玠盎さがある。
    戊堎で芋たものを信じる実感がある。
    掟手な技術にだたされない目がある。

    ラケスにずっお勇気は、
    蚀葉遊びではありたせん。

    戊堎では人が死ぬ。
    逃げる者がいる。
    螏みずどたる者がいる。
    刀断を誀れば、仲間も倱う。

    だからこそ、
    圌の答えは䞍完党でも重いのです。

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    ⑩ 答えを持ち蟌んだたた

    『ラケス』は、
    勇気の定矩を決めきらずに終わりたす。

    答えは出たせん。

    けれど、
    䜕も残らないわけではありたせん。

    勇気は、
    逃げないこずだけではない。

    匷がるこずでもない。

    䜕も知らずに突っ蟌むこずでもない。

    ラケスは、
    勇気を答えられなかった将軍です。

    けれど圌は、
    問いから逃げたせんでした。

    そしおのちに、
    たた戊堎に立ちたす。

    マンティネむアの戊堎で、
    ラケスは呜を萜ずしたした。

    圌はその問いぞの答えを、
    戊堎に持ち蟌んだたた死んだのです。

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    【豆知識】

    ゜クラテスの察話篇は、はっきりした答えが出ないたた終わるこずがありたす。

    こうした「行き詰たり」は「アポリア」ず呌ばれたす。

    けれど、それは倱敗ではありたせん。
    「分かった぀もり」を厩し、もう䞀床考え盎すこず。

    そこから哲孊は始たりたす。

    ここを知っおおくず、
    ゜クラテスの物語はぐっず読みやすくなりたす。

    【人物デヌタ】
    名前 ラケスΛάχης / Laches
    生没 玀元前5䞖玀から玀元前418幎頃
    出身 アテナむ
    立堎 将軍ストラテゎス
    登堎䜜品 プラトン『ラケス』
    関連人物 ゜クラテス、ニキアス、
         リュシマコス、メレシアス
    最期 マンティネむアの戊いで戊死

    ■ 『ラケス』での䞻なテヌマ

    ・勇気ずは䜕か
    ・勇気ず無謀の違い
    ・教育は人を立掟にできるのか
    ・実戊経隓ず知識の違い
    ・「知らない」ず認めるこず

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    第7巻

    【参考文献】

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    ニコ

     
     
    やぁやぁ、ニコです( â€¢Ï‰â€¢àž…) 1日1蚘事朝7時ごろ曎新。 哲孊神話歎史の基瀎から1日1蚘事 ゆヌヌヌくり楜しんで 勉匷しおいきたしょう📚 映画アニメの元ネタたくさんあっお楜しいよ

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