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【プラトン党集第1巻『パむドン』】たずめ

    〖はじめに〗

    倜明けの獄䞭に、
    匟子たちは集たっおいたした。

    誰もが分かっおいたした。

    今日は、
    ゜クラテスが死ぬ日です。

    泣く準備をしおいた者もいたでしょう。
    最埌の蚀葉を聞き逃すたいず、
    息をひそめおいた者もいたでしょう。

    けれど、
    ゜クラテスだけは違いたした。

    圌はい぀ものように、
    問い始めたす。

    死ずは䜕か。
    魂は消えるのか。
    哲孊者は、なぜ死を恐れないのか。

    『パむドン』は、
    ゜クラテス最期の日を描いた察話篇です。

    けれどこれは、
    ただの臚終蚘録ではありたせん。

    䞀人の人間が、
    自分の死に方そのもので、
    哲孊ずは䜕かを瀺した物語です。

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    ① 死を埅぀人が、詩を曞いおいた

    物語は、
    匟子パむドンの回想から始たりたす。

    圌は埌に、
    ゚ケクラテスぞ、
    あの日の獄䞭で䜕が起きたのかを語りたす。

    ゜クラテスの死刑は、
    すぐには行われたせんでした。

    アテナむでは、
    デロス島ぞ聖船を送る儀匏の期間䞭、
    死刑を行わない決たりがあったからです。

    そのため゜クラテスは、
    死刑を宣告されたあずも、
    しばらく獄䞭で生きおいたした。

    その日々に、
    圌は詩を曞いおいたした。

    きっかけは倢でした。

    繰り返し同じ倢を芋た、
    ず゜クラテスは蚀いたす。

    倢の䞭で声がした。

    「詩を䜜れ、音楜に励め」

    ずっず自分ぞの励たしだず思っおいた。
    けれど、
    本圓に詩を䜜れずいう意味かもしれない。

    だから死ぬ前に、
    䞀床やっおみた。

    蚀葉を問い続けた人が、
    最埌に詩ぞ向かう。

    理屈だけでは届かない堎所に、
    死があったのかもしれたせん。

    死を埅぀郚屋なのに、
    そこには慌ただしさがない。

    たるで、
    最埌の授業が始たるような空気です。

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    ② 哲孊ずは、死の緎習である

    ゜クラテスは蚀いたす。

    哲孊者は、
    死を恐れにくい。

    なぜなら死ずは、
    魂が身䜓から離れるこずだからです。

    身䜓は、
    私たちを生かしおくれたす。

    けれど同時に、
    魂を乱すものでもありたす。

    食欲。
    快楜。
    病気。
    恐怖。
    名誉欲。
    財産欲。

    お腹が空けば苛立぀。
    䜓調が悪ければ考えが鈍る。
    芋栄があれば刀断を誀る。
    欲望が匷ければ、
    正しさより埗を遞ぶ。

    身䜓は、
    い぀も魂を匕っ匵りたす。

    だから哲孊者は、
    生きおいる間から、
    身䜓に振り回されないようにする。

    魂だけで、
    真実を芋ようずする。

    この意味で、
    哲孊ずは「死の緎習」なのです。

    ただし、
    これは死に急ぐこずではありたせん。

    ゜クラテスは、
    自殺しおよいずは蚀いたせん。

    呜は神々から預かったものだから、
    自分勝手に捚おおよいものではない。

    死を恐れないこずず、
    死に急ぐこずは違う。

    ゜クラテスは、
    死を矎化しおいるのではありたせん。

    死を前にしおもなお、
    どう生きおきたかを問うおいるのです。

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    ③ 魂は、本圓に消えないのか

    しかし匟子たちは、
    簡単には安心できたせん。

    ゜クラテスがいくら萜ち着いおいおも、
    魂が死埌に消えるなら、
    それは慰めにすぎないからです。

    ケベスは䞍安を口にしたす。

    魂は身䜓から離れたあず、
    煙のように散っおしたうのではないか。

    ゜クラテスは、
    魂の䞍死を説明し始めたす。

    たず圌は、
    眠りず目芚めを䟋にしたす。

    眠りは目芚めから生じ、
    目芚めは眠りから生じる。

    ならば、
    生ず死も䞀方通行ではないのではないか。

    死者から生者が生じるなら、
    魂は死埌もどこかに存圚しおいるはずだ。

    さらに゜クラテスは、
    想起説を語りたす。

    孊ぶずは、
    たったく新しく知るこずではなく、
    魂が以前に知っおいたこずを思い出すこずではないか。

    私たちは、
    䞍完党なものを芋ながら、
    「完党な等しさ」や「完党な矎しさ」を考えるこずができたす。

    珟実のものは、
    少しず぀歪んでいる。

    それなのに、
    完党なものを思い描ける。

    ならば魂は、
    生たれる前から、
    完党なものを知っおいたのではないか。

    目に芋える䞖界だけが、
    すべおではない。

    倉わるものの背埌に、
    倉わらないものがある。

    ゜クラテスの話は、
    そこぞ近づいおいきたす。

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    ④ それでも、匟子たちは疑った

    けれど、
    『パむドン』はここで終わりたせん。

    匟子たちは、
    ただ玍埗したせん。

    シミアスは、
    魂を竪琎の調和にたずえたす。

    竪琎がある。
    匊が正しく匵られおいる。
    そこから矎しい音が生たれる。

    しかし竪琎が壊れれば、
    その調和も消えおしたう。

    「それなら魂も、
    身䜓が敎っおいる時に生たれる音のようなものではありたせんか」

    パむドンは、
    隣に座るケベスが䞋を向くのを芋たした。

    続いおケベスも疑いたす。

    魂が身䜓より長持ちするずしおも、
    氞遠ずは限らない。

    人が䜕床も服を着替えるように、
    魂が䜕床も身䜓を取り替えるずしおも、
    最埌には魂も消えるかもしれない。

    匟子たちは、
    安心しかけたずころから、
    もう䞀床䞍安ぞ匕き戻されたす。

    けれど゜クラテスは、
    怒りたせん。

    むしろ圌は、
    議論そのものを嫌いになっおはいけない、
    ず語りたす。

    䞀床説明が厩れたからずいっお、
    考えるこず党䜓を捚おおはいけない。

    人間䞍信があるように、
    議論䞍信もある。

    哲孊ずは、
    疑問で厩れたあずに、
    もう䞀床立お盎す営みなのです。

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    â‘€ 魂は、身䜓から出る音ではない

    郚屋の倖では、
    もう日が高くなっおいたした。

    ゜クラテスはたず、
    シミアスの反論に答えたす。

    もし魂が、
    身䜓の調和にすぎないなら、
    魂は身䜓に逆らえないはずです。

    竪琎の音は、
    竪琎に呜什できたせん。

    しかし魂は違いたす。

    欲望に流されそうな身䜓を、
    魂が止めるこずがある。

    怒りに飲たれそうな時、
    「それは違う」ず螏みずどたるこずがある。

    ぀たり魂は、
    身䜓から出る音ではありたせん。

    むしろ、
    身䜓を導く偎にある。

    さらに゜クラテスは、
    原因ずは䜕かを語り始めたす。

    若い頃の圌は、
    自然の仕組みを知りたがっおいたした。

    しかし、
    物質だけで説明する考え方には満足できたせんでした。

    骚や筋肉があるから座っおいる。

    その説明は間違っおいない。

    けれどそれでは、
    なぜ圌が逃げずにここにいるのかは分かりたせん。

    本圓の理由は、
    「逃げないこずが正しい」ず考えたからです。

    身䜓が座らせたのではない。

    魂が、
    そこに留たるこずを遞んだのです。

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    ⑥ 魂は生呜をもたらす

    ゜クラテスは、
    さらに目に芋えない本質ぞ向かいたす。

    矎しいものが矎しいのは、
    矎そのものに関わるから。

    そしお圌は、
    反察の性質は同時に受け入れられない、
    ず考えたす。

    火は熱さをもたらす。
    だから冷たさを受け入れない。

    雪は冷たさをもたらす。
    だから熱さを受け入れない。

    では魂は、
    䜕をもたらすのか。

    生呜です。

    身䜓は、
    魂があるから生きおいたす。

    魂は生呜をもたらすもの。

    そしお生呜の反察は、
    死です。

    ならば、
    生呜をもたらす魂は、
    死を受け入れない。

    こうしお゜クラテスは、
    魂は䞍死であるずいう結論ぞ進みたす。

    怖くないふりをしおいるのではありたせん。

    死を、
    最埌たで考え抜こうずしおいるのです。

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    ⑩ 毒杯ず、最埌の蚀葉

    魂の䞍死を論じたあず、
    ゜クラテスは死埌䞖界の神話を語りたす。

    正しく生きた魂ず、
    䞍正に生きた魂は、
    同じ道を進たない。

    身䜓に執着した魂は重く濁り、
    哲孊によっお枅められた魂は、
    より枅らかな堎所ぞ向かう。

    けれど、
    どれほど議論を重ねおも、
    毒杯の時間は近づいおいたした。

    そしお毒杯が運ばれたす。

    匟子たちは、
    ぀いに泣き厩れたす。

    顔を背ける者。
    声をこらえきれない者。
    その堎にいながら、
    最埌を芋るこずに耐えられない者。

    けれど゜クラテスは、
    最埌たで萜ち着いおいたした。

    毒が身䜓を冷たくしおいく。

    足から感芚が消え、
    次第に䞊ぞ䞊がっおいく。

    その最期に、
    ゜クラテスはクリトンぞ蚀いたす。

    「クリトン、
    アスクレピオスに雄鶏を䞀矜返しおくれ。
    忘れないようにしおくれ」

    クリトンは答えたした。

    「分かりたした。ほかに䜕かありたすか」

    返事は、
    ありたせんでした。

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    【参考】

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    ゜クラテスの牢獄
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    ゜クラテスの死

    巊の老人 プラトン(゜クラテスずの別れにプラトンは立ち䌚っおおらず、圓時の幎霢も28歳であるこずから老人の姿はプラトンのむメヌゞである)

    毒杯の人物 看守

    手前右 クリトン

    䞭倮 ゜クラテス

    奥で去る女性 クサンティッペ有力

    右偎の匟子たち
    アポロドロス、パむドン、シミアス、
    ケベス、ヘルモゲネス、
    クリトブロス(クリトンの息子)などの候補

    【豆知識】

    ゜クラテスの最埌の蚀葉

    「アスクレピオスに雄鶏を䞀矜返しおくれ。忘れないでくれ」

    アスクレピオス
       医療・治癒の神です。
    雄鶏を捧げる
       病気が治ったずきなどに、神ぞ感謝ずしお捧げる行為です。

    「私はこれから、苊しみから解攟される。
    だから、治癒の神さたにお瀌をしおおいおほしい」

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    アテナむ→デロス島䜍眮関係

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    【参考文献】

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    やぁやぁ、ニコです( â€¢Ï‰â€¢àž…) 1日1蚘事朝7時ごろ曎新。 哲孊神話歎史の基瀎から1日1蚘事 ゆヌヌヌくり楜しんで 勉匷しおいきたしょう📚 映画アニメの元ネタたくさんあっお楜しいよ

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