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【挫画】『源氏物語』っおどんな話 ヌ 源氏を拒んだ姫君・朝顔が遞んだ孀独

    源氏に想いを寄せながらも最埌たで関係をも぀こずはなかった朝顔。
    圌女の孀独ずはどのようなものだったのでしょうか 

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    朝顔の姫君っおどんな人 ヌ 十代から続く源氏ずの関係

    朝顔は、『源氏物語』のヒロむンの䞭ではあたり知られおない人かもしれたせん。
    しかし、掟手な゚ピ゜ヌドはないものの、第2垖「垚朚ははきぎ」から第35垖「若菜䞋わかなげ」たで長く物語に登堎する重芁人物。
    源氏ずの関係は十代から始たりたす。

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    二人の関係がどのように始たったかは定かではありたせんが、源氏が17歳の頃にはもう文を亀わす間柄ずなっおいたした。
    朝顔の父芪は、源氏の父・桐壺垝きり぀がおいの匟である桃園匏郚卿ももぞのしきぶきょうの宮。源氏ずはいずこ同士で、幎も近いようですから、自然ず亀流が生たれたのかもしれたせん。

    高貎な出自で教逊も申し分のない朝顔は、源氏の正劻候補ずしお床々物語に浮䞊したす。

    特に、源氏の正劻・葵の䞊が亡くなった埌は、六条ろくじょうの埡息所みやすんどころ や朧月倜おがろづきよずずもに泚目が集たりたした。

    しかし、桐壺院が亡くなるず、前の斎院の退䞋に䌎い、朝顔が新たな賀茂斎院かものさいいんに任じられおしたいたす。
    賀茂斎院は賀茂神瀟で神に仕える女性のこずで、未婚の皇族から遞ばれたした。斎院は原則ずしお倩皇もしくは父母が亡くなるか本人が病気になるかしないず退任するこずはできず、圚任䞭は恋愛もできたせん。

    こうしお朝顔は正劻候補から倖れ 源氏は結局、わずか14歳の玫の䞊を遞んだのです。

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    しかし、朝顔が斎院になった埌も、源氏が須磚に䞋った埌も、二人の文のやり取りは続きたす。

    教逊が高く、蟛いずきにやさしい気遣いを芋せおくれる朝顔を源氏は思い切るこずができず、たた朝顔の方も぀れないながらも折々の挚拶は忘れたせん。

    圌らが新たな局面を迎えるのは、源氏の初恋の人・藀壺ふじ぀がが亡くなった埌のこずです。


    朝顔の花の隠喩 ヌ 艶やかな「朝の顔」ずそこに秘められた儚い想い

    ずころで皆さんは、朝顔の花ず聞いおどんなむメヌゞを思い浮かべたすか
    「小孊生が倏䌑みに芳察日蚘を぀ける爜やかな倏の花」ずいう感じではないでしょうか。

    ずころが平安時代の人々が抱く朝顔のむメヌゞは珟代の我々ずは異なるものでした。
    ちなみに『䞇葉集』などの「朝顔」は桔梗や朚槿むくげを指すようですが、平安時代の朝顔は今日の朝顔ず同じ花だず考えおよいそうです

    ・

    圓時の人々が「朝顔」に蚗すむメヌゞは二぀。
    䞀぀は「朝の顔」、぀たり寝起きの顔であり、そこから発展しお情亀や艶やかな官胜の名残を思わせる歌語でした。

    もう䞀぀は儚さや無垞の象城。
    朝、花が開いお倕方には枯れるこずから、「露」や「枯る」の語ずずもに無垞を詠む歌に取り入れられおきたのです。

    「官胜」ず「無垞」。䞀芋察矩的なようですが この二぀は盞互に響き合い、重なり合いながら䜜甚したす。
    こうしたむメヌゞは和歌にも衚れおおり 䟋えば『叀今和歌六垖』の「人しれぬ」の項に

    ひずしれずこひはしぬずもいちしろくいろにはいでじあさがほの花

    人知れず恋に死んでしたったずしおもはっきりず顔には出すたい。朝顔の花のように

    『叀今和歌六垖』の歌だが、から匕甚
    珟代語蚳は筆者

    ずいう歌から分かるように、”朝顔”ずいう蚀葉から「恋を朜めたたた枯れる花」ずいうむメヌゞが立ち珟れるのです。


    “朝顔”の眮かれた状況 ヌ “枯れたる花ども”の䞭で 

    朝顔の姫君がヒロむンずしお登堎する「朝顔」巻は、藀壺の死の数ヶ月埌、源氏が荒涌たる桃園の宮を蚪ねる堎面から始たりたす。

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    父・桃園匏郚卿の宮を亡くした朝顔は、斎院を退䞋し、実家である桃園の宮に移り䜏みたした。

    朝顔が斎院であった頃は、さすがの源氏も手が出せたせんでしたが源氏は人劻には手出ししたすが、斎王や尌には手を出したせん、退䞋したずなれば恋愛は自由。
    朝顔ぞの想いを再燃させ、畳みかけるようにアプロヌチしたす。

    しかし朝顔は、以前ず倉わらず頑なな態床を厩したせん。
    源氏を埡簟の内には決しお入れず、女房を通しおしかやりずりをしないのです。

    満たされないたた垰宅した源氏は、朝霧の䞭、”枯れたる花ども”の䞭に”朝顔“が“あるかなきかに”咲いおいるのを芋぀けるず、これを手折っお歌を添え、朝顔の姫君に莈りたす。

    芋し折の぀ゆ忘られぬ朝顔の花の盛りは過ぎやしぬらむ

    昔拝芋したあなたがどうしおも忘れられたせん。その朝顔の花は盛りを過ぎおしたったのでしょうか

    玫匏郚『源氏物語』第20垖「朝顔」
    珟代語蚳は枋谷栄䞀

    たるでか぀お情亀があったような、挑発的ずもいえる”朝顔”の歌。
    これに察し朝顔は

    秋果おお霧の籬たがきにむすがほれ あるかなきかに移る朝顔

    秋は終わっお※朝顔は秋の花霧の立ち蟌める垣根にしがんで今にも枯れそうな朝顔の花のようなわたしです

    同䞊䞀郚筆者蚻

    ず返歌する。
    源氏の挑発には乗らず、むしろ自らを無垞な、枯れゆく朝顔に䟋え”あるかなきか”の存圚だず述べるのです。

    朝顔が䜏んでいる桃園の宮は亡き父が残しおくれた邞宅ですが、今ではすっかり荒れおしたい、女五おんなごの宮みや桐壺垝の効で源氏や朝顔の叔母や源兞䟍げんのないしのすけか぀お桐壺垝に仕えおいた女房など、高貎ではあるが幎老いた、身寄りのない女性が集う心现い堎所です。
    朝顔には異母兄匟がいるものの疎遠になっおしたい、圌女自身も埌芋のない䞍安定な立堎で 

    たさに朝顔は、源氏が庭で摘んだ朝顔の花ず同じような状況にあったのです。


    倱われた青春を求めお ヌ 代償ずしおの朝顔

    しかし、あくたで進展を拒む朝顔に察し、源氏はたすたす情熱的になっおいきたす。

    初恋の人・藀壺を亡くした源氏は、その喪倱感を埋めるかのように朝顔に執着するのです。

    それでも取り尜くしたもない朝顔に源氏は涙したすが 若い頃のように埡簟を突砎するこずはしたせん。

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    藀壺の死を描いた「薄雲」の次の巻である「朝顔」に、女五の宮や源兞䟍など桐壺垝ゆかりの人々が老いた姿で登堎するのは偶然ではないでしょう。

    桐壺垝が死に、藀壺が死に、枯れゆく寂しい邞で朝顔に迫るも若い頃のようにはいかない 
    「朝顔」巻は源氏の青春を芋぀め返す巻であり、源氏の父・桐壺垝の時代が完党に幕を閉じたこずを瀺す巻でもありたす。
    源氏は朝顔を諊めるこずで青春時代に終わりを告げ、いよいよ自らの時代を切り開いおいくこずずなるのです。


    朝顔が遞んだ孀独 ヌ 恋を朜めお生きるこず

    それにしおも朝顔はなぜ源氏を拒み続けたのでしょうか

    朝顔は賀茂祭で源氏の姿を芋お胞をずきめかせ「他の男性ずは心映えが違う」ず思っおいたこずから、源氏に想いを寄せおいたのは間違いありたせん。

    しかし、だからこそでしょうか。
    源氏ずの恋に苊しむ六条の埡息所の噂を聞いお「自分は二の舞はしたい」ず匷く自制心を働かせ、父芪から源氏ずの結婚を勧められおも応じたせんでした。

    父を亡くし、斎院を退䞋しおからは、幎霢も理由にさらに心を固くしたす。
    源氏ず関係を築いたのちに他の女性たちず同列に扱われるこずも、い぀か飜きられおしたうこずも、圌女には耐え難いこずだったのです。

    結局朝顔は源氏に声をかけるこずもなく、姿も芋せたせんでした。
    朝顔は源氏を遠目に芋おいるし埡簟越しでも姿は芋えるでしょうが、物語を玠盎に読めば、源氏の方は䞀床も朝顔の姿を芋おいないこずになりたす。

    叀兞文孊で「逢う」ずいう蚀葉は即ち身䜓的な関係を持぀こずだず蚀われおいたすが 源氏ず朝顔は最埌たで本圓に「逢う」こずすらしなかったのです。

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    しかし、朝顔が自分の意思を通すのは簡単なこずではありたせん。

    ずもに生掻をしおいる叔母・女五の宮や女房たちは、源氏ず朝顔の結婚を望んでいたした。先行きの芋えない邞にあっお、源氏ずいう埌芋は願っおもないこずだからです。

    圓時は、女房たちが䞻人の意思に反しお男性を手匕きするずいうこずが倚々ありたした。
    源氏ず結ばれたくない朝顔は圓然、女房たちのこずも譊戒したす。
    今床こそ源氏は朝顔を正劻に迎えるのだず噂する䞖間に察し、圌女は䞀人で背を向けるのです。

    「朝顔」巻を読んだずき、私は「圓時の女性はここたで培底しなければ、男性を拒むこずができなかったのか」ず驚きたしたが 平安の貎族女性にずっおはそれが珟実だったのでしょう。

    朝顔の遞んだ孀独ずは単に生涯独身で過ごすずいうこずではありたせん。誰のこずも頌らない、誰にも心を蚱さない、ずいう皮類の、粟神的な孀独だったのです。

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    さお恋愛関係に終止笊を打った埌も、源氏ず朝顔の穏やかな亀流は続きたす。

    この埌、源氏は実の嚘である明石姫君を入内させ自身の基盀を確固たるものにするのですが その際に朝顔は、薫物や手習甚の草子など玠晎らしい出来栄えの物を源氏に莈っおいるのです。

    恋愛によっおではなく、物質的な支揎を通しお源氏の栄華を支える道を遞んだ朝顔。

    秋の花「朝顔」の名を冠した圌女が源氏に莈った薫物「黒方」は、冬を象城する銙りで 
    「恋を朜めたたた枯れる花」ずいう生き方を、圌女は遞んだのかもしれたせん。


    【参考】

    越野優子1997「喩ずしおの朝顔 ヌ 源氏物語の朝顔の姫君を䞭心に ヌ」『䞭叀文孊』
    原岡文子2003「朝顔の姫君ずその系譜 ヌ 歌語ず心象颚景 ヌ」『源氏物語の人物ず衚珟』翰林曞房、初出は『囜文孊』孊燈瀟1992
    宀䌏信助監修、䞊原䜜和線2006『人物で読む『源氏物語』 ヌ 花散里・朝顔・萜葉の宮』勉誠出版
     

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    usami_kamo

     
     
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