メインコンテンツへスキップ
見出し画像

構造デザインの講義【トピック6:用途と構造のデザイン】第4講:展望空間の構造とデザイン(2)

    シドニー・ケーブル・タワーを事例として

    東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です



    展望タワーの構造とデザイン

    展望タワーには、安定した骨組構造と、超高層としての風・地震外力による振動制御が、重要になります。

    風への抵抗は、エッフェルが実践した方式、すなわち、風を受け止めず、通過させる構造を採用することも効果的です。
    しかし、これに限らないタワーの様々な構造の事例を見ることができます。

    振動制御は、制振構造・免振構造が採用されることがあります。

    画像
    トラス構造による東京タワー
    画像
    特殊な鋼板を使った円筒シャル(モノコック構造)による京都タワー

    シドニー・ケーブル・タワーの構造とデザイン

    シドニーのケーブルタワーは、南半球では、スカイタワーに次ぐ第2位の高さ305mです。
    中央の塔を取り囲むようにケーブルが配置されています。
    ケーブルは直線ですが、タワーの上部と下部を、ずらしながら結ぶことで、曲面を構成します。
    一葉双曲面と呼ばれる形状です。
    神戸ポートタワー、広州タワーなどにも採用されているデザインです。

    画像
    直線のワイヤーを使い、曲面(一葉双曲面)を表現している
    ワイヤーメッシュは、特徴的なデザインを演出する

    ワイヤーメッシュは直線材のため、風荷重への対策が図られています。
    展望デッキには水槽が錘として設けられ、TMD(Tuned Mass Damper)として、制振効果を得ています。

    画像
    2段階のTMDによる制振システム
    画像
    耐震、制振、免振構造とTMD制振の構造原理
    画像
    台北101のTMD
    画像
    上海タワーのTMD

    風や地震に対する応答制御は、建物の安全、さらには都市の安全にもつながります。
    地震国・日本だけでなく、世界各地に制振技術の事例を見ることができます。

    <<前の記事 | 次の記事 >>


    研究室のSNS

    鉄骨構造の教材(電子書籍)

    東京理科大学・鉄骨構造の授業で使用している電子書籍です。
    どなたでもご利用いただけます。 →説明のページ
    (リンク先のページ中段のpdfアイコンをクリックしてください)

     
     
     
    東京理科大学工学部建築学科・伊藤研究室です。建築構造デザインなどの講義テキストを公開します。 主宰者は、建築構造学者、大学教授、株式会社preArch・取締役、株式会社コイシ・顧問、BCJと日本ERIの評価員です。 鉄骨、木、合成、耐震、制振の研究・設計・施工、IoTが専門です。

    あなたへのおすすめ