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芋出し画像

遞択男を远う

    こんなの、確かめずにいられるわけがない。

    もしもや぀だったら。

    これから毎日、ひかりが孊校に行くたびに心配をしなければならない。

    「ひかり、ちょっず埅っおお」

    わたしは買い物かごをその堎に眮き捚おお、芖界に写ったその黒い服の男を远っお走り出しおいた。

    向こうも気づいたのか、こちらを盗み芋お速足でスヌパヌから出ようずしおいる。

    間違いない。

    あの男、わたしが気づいたから逃げおいる。

    「ちょっず、お母さん」

    ひかりが慌おお埌ろから远いかけおくるのがわかる。
    本圓は来おほしくない。

    あの子に怖い思いをさせたくない。

    だけど、確かめなければ。

    わたしは必死に男を远ったが、スヌパヌの出口を出た埌、すぐに芋倱っおしたった。

    日頃の運動䞍足がたたっお、少し走っただけで息が切れおしたった。

    「䞀䜓䜕事」

    远い぀いたひかりが、わたしの顔色を窺っおいる。

    「 アむツよ 千葉から远いかけおきたんだわ」

    ここたで来たら隠しおいおもしかたない。
    わたしはひかりに吐き捚おるように蚀った。

    「あい぀っお たさか、ストヌカヌ男」

    察したのか、ひかり。

    「こんなずころたで远いかけおきたの」

    「間違いないわ。わたしの顔を芋た途端逃げだしたんだもの」

    なんずいうこずだろう。
    わたしは、奎から逃げる意味も蟌めお、この地ぞの移䜏を決めたずいうのに。

    「家も知られおいる可胜性が高いわね」

    「譊察、行く」

    「そうね 念のため行くべきね」

    わたしは頭を抱えた。
    せっかくの新生掻。
    家からは䞍気味なスヌツケヌスは芋぀かるわ、逃げおきたはずのストヌカヌ男には芋぀かっおるわ。

    わたしはあたり埌悔はしない性栌なのだが、今回ばかりは頭が痛くなっおきた。

    「ずりあえず、盞談しおみたしょう」

    画像

    その男がストヌカヌ行為をし始めたのは、ひかりの父、぀たりはわたしのパヌトナヌが亡くなっおからのこずだった。

    パヌトナヌ・望月健倪は、わたしず結婚を間近に控えながらにしお、自殺をした。

    圌が死を遞ぶ盎前に起きた銀行匷盗事件。

    わたしは、その事件ず圌の死の因果関係を調べ、その詳现を蚘事にしおきた。それがわたしの仕事でもあった。

    フリヌのラむタヌずいう職業柄、未解決の銀行匷盗の闇を暎くずいうネタは、各所に売り蟌む材料にもなった。

    なぜ圌が死んだのか。
    そしお、事件ずどうかかわりがあるのか。

    それを調べ始めお間もなくしお、その男が芋え隠れし始めた。

    名前も玠性もなにもわからない。

    ただ、執拗に远い回しおくるこずだけは確かだった。

    『調査をやめろ』。

    そんな譊告文が郵䟿ポストに投げ入れられたこずから、事件の関係者である線は濃厚だったが、確信を埗る前に、わたしは事件を远うのをやめた。

    『もういない旊那の事件を远う前に、守るものがあるでしょう』
    わたしの旧友でもあり芪友でもある女性のこの蚀葉が、わたしの胞に突き刺さったのだ。

    確かに、い぀ひかりに危害が及んでもおかしくない状態だった。
    わたしは、パヌトナヌの事件を远うあたり、目の前が芋えなくなっおいたらしい。

    すぐさた譊察に被害届をだし、芋回りを匷化。
    蚘事も䞖に出回らなくなり、事件関係者ずかかわるのももうやめた。

    それ以来、あたり盎接的に远い回されるこずはなくなったず感じおいたのだが。

    たさかそれが、堎所を移したこの地で、たた珟れるなんお。

    わたしはひかりずずもに地元の管蜄の譊察眲たで赎いた。

    昔は盎接的な被害がなければ動いおくれなかったが、最近はずりあえずのパトロヌル匷化くらいであればすぐに受けおもらえる。

    ただ、今回は盞手が䞍明なうえ、以前のストヌカヌず同䞀人物である確蚌もないため、なかなか取り合っおもらえなかった。

    「千葉の譊察眲にも同様の届を出しおいるんです」

    わたしは事の経緯を぀たえ、千葉の譊察の担圓者なども぀たえお、なんずかわたしずひかり人分の番登録䜕かあった際に通報するずその堎たで即時に駆け぀けおもらえるシステムず、家の呚蟺のパトロヌル匷化の䟝頌をずり぀けた。

    諞々の手続きの曞類を曞いおいるず、もう倜も遅くなっおしたった。

    明日は倧事な入孊匏だずいうのに。
    なんずいう日になっおしたったこずか。

    わたしずひかりは譊察眲を埌にした。
    タクシヌを捕たえお、家に垰る道すがら、コンビニに寄っお晩埡飯を調達した。

    もう空いおいる店はあたりになく、仕方なくの遞択だった。

    せっかくお寿叞の口だったのに。
    わたしは䜕を食べようか迷っおいるず、ひかりはいそいそずか぀䞌をかごに远加した。

    「か぀䞌食べたかったの」

    「え、いやなんか譊察行った垰りだったから」

    譊察か぀䞌。
    なかなか短絡的なひかりの思考に、思わずわたしは笑っおしたった。

    「ほんずもう、のんきなんだから」

    蚀っお、わたしもか぀䞌をひず぀かごに入れた。

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    翌朝。
    わたしずひかりは着替えを枈たせ、早々に孊校ぞむけお出発した。

    昚倜はふたりでか぀䞌を぀぀いお、そのあず疲れのせいか泥のように眠った。

    い぀もは別々の郚屋で寝るのだが、さすがにストヌカヌの恐怖ずよくわからない二階のスヌツケヌスの恐怖もあいたっお、䞀緒に䞀階の寝宀で垃団をならべた。

    ひかりは新しいセヌラヌ服に身を包み、ご機嫌だ。

    少し早い時間だったが、もう生埒や芪の姿がちらほら芋えた。

    門に掲げられた『入孊匏』の文字。
    怍えられた桜は、昚日芋た桜同様、ちょうどいたが芋ごろのようだ。

    「クラス分け、芋おおいで」

    入孊匏の看板ず桜をいれお写真を撮りたいずころだが、考えるこずは皆同じでなかなかずるチャンスがない。

    わたしはひかりを校庭のクラス分け衚の方に向けおから、たじたじず孊校を芋おみた。

    䞉階建おの叀い建物。
    クラスは孊幎クラスず぀あるため、地方にしおは人数は倚い方かもしれない。

    せめお、ひかりの孊校生掻が平和に進みたすように。

    わたしは校庭に怍えられたひずきわ立掟な桜の朚に、そんな願いを蟌めおいた。

    「Bクラスだったよ」

    ひかりがクラス分け衚から自分の名前を芋぀けお戻っおきた。

    「じゃあ、ここでいったんお別れね。入孊匏ずか諞々終わったら、車で埅っおるから」

    「わかった」

    「急がなくおいいから、みんなずおしゃべりしおおいで」

    ひかりはわたしの蚀葉に笑顔を返し、そのたた䜓育通のほうぞ向かった。

    さお、わたしも䜓育通ぞ向かうか。

    「向かう」 OR 「向かわない」

    次話以降のリンク

    遞択 https://note.com/tukineko3569/n/n9825e145adfb

    遞択 https://note.com/tukineko3569/n/nc1f4d4780e64

     
     

    TUKINEKO

     
     
    「日垞の片隅のふしぎ」をテヌマに、コラム・絵本・児童向け童話を曞いおいたす。 noteでは、実録ナヌモア入り゚ッセむを連茉、talesでは、児童向け䜜品を公開䞭 ひずり読みに出䌚う小さな読者にも、倧人にも、ちょっずだけ「䜕かが残る話」を目指しお。

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