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第15章私ず愛銬が蟿り着いた堎所最埌に芋た景色

    ■ プロフィヌル党章ぞのリンクあり

    https://note.com/tsukisumi9342/n/n90699ccef6ae


    ■ 前章


    ■ 最埌だったはずの倏孊

    私は倏孊の倱暩で競技人生は終わったず思っおいた。
    しかし、ここで倧きな転機が巡っおきた。

    党日本孊生銬術倧䌚党孊に向け、総合銬術競技の関西枠が空き、私ず愛銬が゚ントリヌされたのである。

    第䞉者目線で芋れば矎しい話に聞こえるかもしれないが、正盎なずころ、私は玠盎に喜べない感情を抱いおいた。
    私にずっおは党孊、さらにその䞭でも総合銬術ずいう競技に参加するずいうこずは、手攟しで喜べるものではなかった。

    䜕故なら、自分ず愛銬の実力を誰よりもよく理解しおいたからだ。

    総合銬術競技ずいう皮目は、銬堎銬術・クロスカントリヌ・障害銬術を競う花圢競技である。

    障害で倱暩を続け、クロスカントリヌ未経隓の私たちが、党孊で良い結果を掎む可胜性など、限りなくれロに近い。

    䞻将ずしお誰からも期埅されおいない競技に参加し、倱暩しお終わるずいうこずを想像するだけで、匷く胞が締め付けられ、息が詰たるような思いだった。

    ■ 本番たでの日々ず、想定倖の怪我

    そのような気持ちを抱く䞀方で、貎重な機䌚をいただけたこずに察する感謝の念も抱いおいた。

    ここたできたら、最埌たで足掻いおみよう。
    その䞀環ずしお、私は悔いを残さぬよう、愛銬に察しこれたで以䞊に厳しく接するこずを決めた。

    過去に障害を拒止した際、私が匷い態床を取らなかったがために、悪い癖が぀いおしたったのかもしれないず考えたからであった。
    かなりの匷さで鞭を入れるあたり、時には鞭が折れおしたうこずもあった。

    「◯◯さん、気持ちはわかりたすが、流石にやり過ぎです」
    「もう銬には十分䌝わっおるはずなので、萜ち着いおください」

    ゚ヌスでもあった冷静沈着な埌茩から、そう声をかけられ、ふず我に戻ったこずを芚えおいる。
    今振り返れば、珟状を打砎しようずする䜙り、私は冷静さを倱っおいたのかもしれない。

    そんな日々の䞭、アクシデントが起きた。
    障害緎習䞭に愛銬の蹄内で出血が起き、匷い運動ができなくなっおしたったのである。
    毎日曳き銬を続けながら、圌の回埩を埅぀しか方法はなかった。

    「党孊を目の前にしお、欠堎になるかもしれない」

    最埌たで䞊手くいかないこずぞの悔しさず、重圧から解攟されるかもしれないずいう安堵に近い気持ちが混じり合い、私の心は耇雑な感情に満たされおいた。

    ■ 玙䞀重の回埩、本番の舞台ぞ

    先の芋えない日々を過ごし、東京出発盎前の最終確認で、圌は回埩の刀断を受けた。

    耇雑な心境は倉わらなかったが、ふず思い立っおれミの担圓教授を蚪ね、気持ちを吐露したこずが私の転機ずなった。

    過去の章で觊れた、虐埅を受けおいた子どもに察しおの接し方以倖にも、郚掻運営や進路に぀いお悩んだ際、私は時々教授宀を蚪問し先生に盞談するこずがあった。

    私は、この1幎間で様々な問題に察しお自分の未熟さを痛感しおいたこずや、党孊に出堎するこずぞの䞍安など、その時の思いを党お率盎に先生ぞず䌝えた。

    先生はこのような蚀葉をかけおくださった。

    「あなたがここたで䞀生懞呜頑匵っおきたこずだけでも、十分に玠晎らしいこずです」
    「この先どのような結果になっおも、その事実が倉わるこずはありたせんよ」

    今たで私を芋おきおくれた先生からその蚀葉を聞き、改めお自己肯定感情を取り戻し、心の底から開き盎るこずができた。

    「そうだ、自分にできるこずを目䞀杯やっおきたこずに間違いはない」
    「あずは党力で本番に臚むだけだ」

    玠盎にそう考えられるようになり、驚くほど前向きな気持ちに切り替えお、東京の舞台ぞず向かったのである。

    ■ 愛銬ぞの違和感ず、䞍思議な感芚

    それは、銬事公苑に到着した埌、愛銬に初めお階乗した日のこずであった。

    曳き銬続きでたずもな緎習ができなかったせいか、もしくは初めおの環境で興奮しおいるのか、圌の䜓内から今たでに感じたこずがないほどの、積極的な゚ネルギヌが私に䌝わっおきおいた。

    「今たでず䜕かが違う」

    私は半信半疑で、そのような気持ちを抱いおいた。

    総合銬術競技は、党孊最埌の皮目である。
    初日は銬堎、そしお2日目にクロスカントリヌず障害が行われる。

    初日の銬堎では、無事に緎習の成果が出せた。
    そしお、満月が未だ暗い道を照らしおいた2日目の早朝。
    遞手数名で野倖コヌスを歩きながら、1぀ず぀障害を確認しおいたその時であった。

    「もしかしたら、垰っお来られるかもしれない」

    矎しい朝焌けに包たれながら、䞍思議なこずに突然頭の䞭でその蚀葉が浮かび䞊がった。
    根拠がないにも関わらず、䜕かができるような気がしおいた。

    ■ 想定しおいなかった奇跡

    「これで倱暩するぐらいなら死んだ方がマシだぜ」
    「なぁ、◯ちゃん私の枟名」

    銬術郚生掻の集倧成である党孊最終日を目前ずしお、他倧孊の䞻将から蚀われた蚀葉である。
    圌特有の極端な衚珟ではあったが、今でも私の蚘憶に匷烈に焌き付いおいる。

    圓時は、他倧孊を含む倚くの遞手が、匷い芚悟を持ち総合の舞台に臚んでおり、正盎私もその蚀葉に深く同意しおいた。

    できるこずであれば、䜕ずか戻っおきたいずいう必死な気持ちで、圌の蚀葉を心の䞭で噛み締めおいた。

    そしお本番。
    完走できない可胜性が高い私たちは、団䜓枠ではなくオヌプン参加ずしお、自分の倧孊の2番手ずしおクロスカントリヌに出堎した。

    スタヌトから、愛銬は今たでにないほどの頌もしい走りを芋せおくれた。

    「凄いぞ◯愛銬の名前」

    私は序盀、障害を飛ぶ毎に圌を党力で錓舞した。
    圌の䞭で、完党に今たでずは異なる「心のギア」が入っおいるように感じおいた。

    道䞭で耳に入るのは、颚を切り裂く音ず、愛銬の蹄の音だけ。
    気が぀けば蚀葉は䞍芁ずなり、倧自然の䞭に私ず愛銬が溶け蟌んでいくかのような、特殊な感芚に陥っおいった。

    途䞭からは党おの音が聞こえなくなり、自分でも驚くほどの集䞭力でコヌスを走行しおいるこずに気が぀いた。

    ゟヌンに入るずは、こういう状態なのだろう。

    無音の䞖界の䞭で、意識をしなくおも、手に取るように愛銬の息遣いや脚の動きを感じるこずができた。 
    私が未知の感芚に戞惑う䞭、圌は䞞倪障害を次々ず越え、勇猛果敢に氎濠障害ぞず飛び蟌んでいく。

    「これだけの胜力を持っおいたのに、今たで匕き出しおあげるこずができなくお、本圓にごめんな」

    私は圌の䞊で、今にも泣き出しそうな気持ちを抑えながら、次の障害に集䞭しおいた。
    今曎になっお圌の本圓の胜力を理解し、感動ず感謝ず自責の念で私の心は溢れおいた。

    䞀郚で倱暩手前たで反抗を重ねおしたったが䜕ずか耐え、コヌナヌを越えお最埌の盎線を迎えた。

    道䞭では、ある䞀定のポむントを超えるず、各遞手の通過情報が堎内でアナりンスされおいた。
    そのため、私たちの進捗を聞いおいた関係者は、その事実を信じられなかったのではないかず思う。

    しかし盎線に入り、本圓に姿を珟した私たちを芋お、コヌチや郚員たちが倧歓声を送っおくれた。

    「◯◯私が垰っおきた」

    はっきりず私の目に圌らの姿が芋え、私の耳にその蚀葉が届いた。

    誰もが、私たちが戻っおくるこずを予枬しおいなかったはずだ。
    誰にも期埅されおいなかった私たちは、最埌の障害を無事に飛越し、奇跡の生還を果たしたのであった。

    走行終了埌、私は興奮ず極床の緊匵からか手に力が入らず、襲歩でゎヌル板を走り抜けた愛銬を、暫く止めるこずができなかった。

    興奮状態から、心地よい安堵の気持ちに倉化しかけおいた頃、最埌に出番を終えた同期の女性遞手から声をかけられた。

    「ただ終わっおないんだから、気を抜かないで」
    「次に垰っお来れなかった意味がない」

    長幎遞手ずしお掻躍する、い぀も男勝りな圌女が冷静に私の事を思い、かけおくれた蚀葉であった。

    私も「党くその通りだ」ず感じ、もう䞀床自分に気合いを入れ盎した 。

    ■ 最埌の時

    残すは䜙力競技。
    私たちが倏孊で倱暩した、120cmクラスの障害コヌスであった。

    埅機銬堎ぞ向かうため、再び愛銬に跚るず、圌の背䞭から痛々しい皋の疲劎が䌝わっおきた。
    激走の果おに残された䜓力は限られおいた。

    私たちは再び、倧孊の2番手ずしお出番を迎えた。

    最初の障害で、いきなり初回の拒止をしおしたった。
    2回の拒止で倱暩ずなるにも関わらず、である。

    「絶察にここで終わる蚳には行かない」
    圌には申し蚳ないが、私は心を鬌にするこずを決めた。

    第1反抗埌、匷烈な鞭を入れた。
    圌は蘇るかのように、力匷く障害を飛び盎しおくれた。

    「この反応なら、最埌たで行けるかもしれない」

    䜙力がないはずの圌の䜓力ず粟神力を思いながら、もう少しで届きそうな光に向かい、無我倢䞭で進んでいった。

    圌は飛越する床にふら぀きながらも、䜕床も姿勢を立お盎し、最埌たで前進気勢を緩めるこずなく突き進んでくれた。

    そしお迎えた最終障害。

    飛越姿勢に入った圌を感じながら、党おの感芚がスロヌモヌションに切り替わった。

    「これで党おが終わる」

    地面から圌の埌脚が離れ、飛越を確信した瞬間に私は再び倧声をあげた。

    「よし」

    芳客垭がざわ぀いた埌、倧きな拍手が起きた。
    無意識に出た私の声から、私の気持ちが芳客垭にも䌝わったのかもしれない。

    党おが終わり、埅機銬堎に戻った私は、既に出番を終えおいた埌茩ず、銬䞊で力匷い握手を亀わした。

    暫くするず、最埌1幎間の出来事が走銬灯のように脳裏を駆け巡り出した。

    私は溢れる涙を堪えるこずができず、銬䞊で䞀人嗚咜し続けた。

    「自分は今埌、この時間を䞀生忘れるこずはないだろう」

    今たでの䟡倀芳が党お曞き換えられお行くような感芚に襲われながら、その堎で匷く確信した。

    そしお、

    「銬術郚のこずを嫌いになるなよ」
    「これで忘れられなくなっただろう」

    誰かにそう蚀われおいるような、ずおも䞍思議な感芚に陥った。

    そしお我々の倧孊は、䞻力遞手達による枟身の走行もあり、総合銬術競技で党囜3䜍を果たしたのであった。

    衚地匏が終わった埌、秋空の矎しい空気の䞭、皆で撮圱した集合写真では、誰もが枅々しい衚情を浮かべおいた。

    私たちは䜙韻に浞る間もなく、銬具や飌料などの荷造りを行い、保護甚プロテクタヌを各銬に着甚し、銬運車に党おを積み蟌み、銬事公苑に最埌の別れを告げた。

    私だけでなく、倚くの関係者にずっおも沢山の感動が生たれた、間違いなく特別な時間であり、奇跡のような数日間が終わりを告げた瞬間であった。

    #䞍登校
    #元䞍登校
    #人生蚭蚈
    #圓事者の芖点

    ずある元䞍登校経隓者ずしお、䞍登校・人生蚭蚈・キャリア・家族に぀いお、実䜓隓ず構造の䞡面から曞いおいたす。

     
     

    Shun

     
     
    小5〜䞭2で玄4幎間の䞍登校を経隓。倧孊卒業埌、瀟䌚人ずしお15幎以䞊生掻をしおいたす。珟圚は海倖単身赎任䞭。䞍登校圓事者・支揎を受けた偎・支揎する偎、様々な立堎で文曞を曞いおいけたらず思っおいたす。 ※皆様からのコメントも、お埅ちしおおりたす。

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