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未草 第䞀章 第䞉話 【手玙】

    アンコヌルが終わるず
    人が動き始めた。

    垰る人ず、
    残る人。

    どちらにもなれずに
    足が止たる。

    バヌカりンタヌは
    グラスが䞊び、
    短い笑いが
    起きおいた。

    しばらくするず、
    そこに
    ステヌゞを降りた
    シンがいた。

    誰かの蚀葉に
    遅れお笑う。

    その様子が、
    遠く感じなかった。

    気が぀くず
    数歩、
    前に出おいた。

    「あの 」

    シンが、
    こちらを向いた。

    曲が奜きで、
    声が奜きで、
    聎いおいるうちに
    感芚を
    思い出したこず。

    どれも
    そのたた
    口に出すには
    倧きすぎた。

    たずめるなら
    ひず぀しか
    なかった。

    「倧奜きです」

    シンは
    銙菜子を
    芋おいた。

    それから
    小さく笑った。

    「ありがずう」

    銙菜子は
    頭を䞋げた。

    「気を぀けお」

    倖に出るず、
    倜の空気が
    冷たかった。

    今になっお、
    蚀葉に
    ならなかったものが
    いく぀も
    浮かんだ。

    翌日も、
    目芚たしは
    い぀もず同じ時間に
    鳎った。

    毎朝の支床は
    倉わらず
    続いおいた。

    âž»

    い぀の間にか、
    街は
    閉ざされた。

    シンが出挔する
    むベントも
    延期になったず
    曞かれおいた。

    銙菜子は
    倕飯の買い物の
    ぀いでに
    文房具店に寄った。

    䟿箋の棚の前で
    足が
    止たる。

    和玙の
    ざらりずした手觊りが
    なぜか
    萜ち着いた。

    それを
    䞀冊だけ
    残した。

    家に垰っお
    倕飯を䜜り、
    嚘の話を聞いお、
    お颚呂に入る。

    倫ず嚘が寝静たるず
    銙菜子は
    テヌブルに
    䟿箋を眮いた。

    「前回のラむブに、
    はじめお䌺いたした。
    ずおも感動したした。」

    それだけを曞いお
    ペンを眮いた。

    ほかに䜕を曞いたのか、
    芚えおいなかった。

    次の日の朝、
    銙菜子は
    手玙をポストに入れた。

    âž»

    いく぀かの倜を
    越えお、
    玄関の鍵が回る音がした。

    「ただいた」

    倫は
    カバンを眮いお
    手を掗うず、
    スヌツの内ポケットから
    封筒を取り出した。

    「これ、
    ポストに入っおたよ」

    この家では
    郵䟿受けの鍵を
    倫が持っおいる。

    郵䟿物は
    倫が目を通しおから
    銙菜子に枡される。

    無甚な心配を
    かけないため。

    それが
    倫の蚀い分だった。

    「枡そうか
    迷ったんだけど  」

    ベヌゞュの封筒だった。

    再生玙のざら぀きに
    指が止たる。

    裏には
    差出人の名前も
    䜏所もなく、
    代わりに
    サむンのようなものが
    曞かれおいた。

    「もしかしお、
    あのミュヌゞシャン」

    倫は
    それ以䞊は蚀わず、
    嚘の名前を呌びながら
    リビングぞ
    入っおいった。

    銙菜子は
    封筒を
    匕き出しにしたった。

    返事が来るなんお、
    思っお
    いなかった。

     
     
    短線小説「吟亊玅」党2話。小説「日茪草」党29話。「未草ひ぀じぐさ」党109話。 それぞれマガゞンに纏めおありたす。 曞籍化、映像化等のお問い合わせは䞋蚘メヌルアドレスたでお願いいたしたす。 ✉ tsuchino.yoko@gmail.com

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