
ゴールまでの地図を描く【総校②#14】/校長の挑戦―総合の力を信じて 第2章
2021年秋。運動会が終わり、学校には少し落ち着いた時間が戻ってきました。
それぞれの学年の総合的な学習は順調に進んでいましたが、その先へ進むためには、もう一つ必要なものがありました。
1.次のゴールを決める
運動会が終わり、5年生の田んぼアートも見頃を迎えていました。
黒く色づいた古代米の稲穂が恐竜の足跡をくっきりと浮かび上がらせ、地元新聞にも掲載されたことから、町内外から多くの方が見に来てくださるようになりました。
看板に取り付けたノートにも、温かい感想が少しずつ増えていきます。
子どもたちにとって、最初に掲げていた「たくさんの人に見に来てもらう」という目標は、十分に達成できたと言ってよい状況でした。
だからこそ、私は少し心配になっていました。
目標を達成した後の、いわゆる燃え尽き症候群です。
総合的な学習では、1つの活動が成功すると、その安心感から次の一歩が止まってしまうことがあります。
せっかく動き始めた学びを止めたくはありませんでした。
そこで、夏休み前に開いたキャリア教育推進委員会の第2回を開くことにしました。
というか、時期的にはもう開かなければなりませんでした。
ただ、その前に、学校全体の最終ゴールである道の駅での販売活動について、具体的な準備を進めておく必要がありました。
ここは、忙しい担任の先生方だけに任せるわけにはいきませんでした。
2.道の駅へつながる準備
早速、私は道の駅の駅長さんに連絡を取りました。
販売場所や日程について相談すると、快く引き受けてくださいました。
また、実際に販売活動を行う予定だった隣の産直市についても、JAの方へお願いに伺いました。
こちらも快く了承していただき、少しずつ実現へ向けて動き始めます。
2学期の終業式は12月23日です。
できれば年内に子どもたちの活動を締めくくりたい。
そう考え、販売活動は12月20日と21日の2日間とし、4学年を2つに分けて午前中に実施することに決めました。
ようやく、学校全体のゴールが具体的な日程として見えてきた瞬間でした。
3.商品を作るということ
そんな頃、道の駅の駅長さんが、6年生のゲストティーチャーとして学校へ来てくださいました。
テーマは、「商品開発のポイント」です。
6年生は、恐竜にちなんだグッズを開発する予定でした。
どんな商品なら手に取ってもらえるのか。
どんな工夫が必要なのか。
私は一緒に話を聞かせていただきました。
駅長さんは、もともと町おこし協力隊としてこの町へ来られ、その任期を終えた後に道の駅のマネージャーになられた方でした。

実際に道の駅で販売されている商品づくりにも携わっておられ、その一つ一つの話には説得力がありました。
教科書には載っていない、本物の仕事の話です。
子どもたちにとっても、6年担任にとっても、とても参考になる時間だったと思います。
放課後には、6年担任の先生から今後の進め方について相談があり、気が付けば随分遅い時間になっていました。
4.学校全体の地図を描く
後日、第2回キャリア教育推進委員会を開きました。
私は、販売活動の日程や実施方法についてまとめた計画を提案しました。
続いて、それぞれの担任から現在の進捗を報告してもらいました。
3年生は、みかん農家の見学を進めていました。
4年生は、環境学習をもとにエコバッグづくりの準備を始めていました。
5年生は、古代米の稲刈りへ向けて動いています。
6年生は、恐竜グッズのアイデアを考え始めていました。
それぞれ順調に進んでいましたが、私は最後に1枚の用紙を配りました。
ガントチャートです。
販売日までの予定を、各学年で書き込んでもらうことにしました。
完成したものを提出してもらい、私は学校全体の一覧表としてまとめ直しました。
すると、それまで個別に進んでいるように見えていた4つの実践が、1本の線でつながり始めたのです。
どの学年が今どこまで進み、次に何をするのか。
学校全体の動きが一目で分かるようになりました。
ようやく、ゴールまでの全体像が見えてきました。
そのことで、各学年の先生方も、それぞれの実践により一層見通しを持って取り組めるようになっていったのです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回へ続く・・・👇
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◆本シリーズについて(初めて読まれる方へ)👇👇
2020年度、私は中山間地にある小学校へ校長として赴任しました。
その直後から、コロナ禍という正解の見えない状況の中で学校運営が始まりました。
行事は止まり、人との距離が求められる中で、何を優先し、何をあきらめ、何を工夫すればよいのか。
日々、判断を迫られる学校経営が続きました。
▶第1章は、こちら👇
「マガジン 校長の挑戦—総合の力を信じて 第1章」**
本シリーズは、そうした試行錯誤の中で、子どもたちの自己肯定感を育てることを軸に、総合的な学習の時間を学校経営の中心に据えて進めてきた、小学校校長としての実践記録です。
シリーズ第2章(校長2年目)では、いよいよ全校で総合的な学習の時間への取組が始っています。
※本文中の一部地名や商品名等は、必要に応じて仮名またはイニシャルを用いています。
これまでの経過は「校長の挑戦 総合の力を信じて 第2章 マガジン」で👇👇