
💴複数のアルバイト掛け持ち → 途中から正社員になった人の年末調整:年末調整あるあるQ&A②
“前職が多い”ケースで迷わないためのやさしい実務ガイド
こんにちは。元高校数学教師で、いまは税理士事務所で事務員をしているバッツです。
このシリーズでは、「現場で本当に迷う年末調整のグレーゾーン」を、できるだけ噛み砕いてやさしく解説しています。
第1回では「12月退職者の年末調整」を取り上げました。
※結論:12月に退職した人は、会社では年末調整不可。
今回はその逆パターン。
“前職が多く、途中で正社員になったケース”を扱っていきます。
導入:Cさんの今年の働き方
今回の主人公は Cさん。
1〜4月:D・E・F の3社でアルバイトを掛け持ち
5月〜12月:D社で正社員として勤務
担当者からすると、こんなふうに感じるケースです。
「前職が3社もあるけど、これ…どこが年末調整するの?」
「D社は途中から正社員だけど、アルバイトのときの分は?前職扱い?」
年末調整が初めての年は、きっと不安になりますよね。
ここは原則で整理すると一気にスッキリします。
結論:年末調整は “12月31日に在籍している会社” が行う

つまり、今回の場合は D社 が担当します。
これは所得税法 190条・年末調整通達などで明確になっています。
前職がいくつあっても「やるのは1社だけ」
Cさんのように、
1〜4月:D社(アルバイト)
1〜4月:E社(アルバイト)
1〜4月:F社(アルバイト)
5〜12月:D社(正社員)
という働き方でも、
年末調整をするのは D社だけ。
ただし――
“前職すべての源泉徴収票” が必要です。
なぜ前職の源泉徴収票が絶対必要なの?

理由はシンプルです。
年末調整は 1〜12月に受け取った給与をすべて合算し、年間所得税を精算する作業 だからです。
そのため、
E社の給与
F社の給与
D社の(アルバイト → 正社員)給与
を全部まとめて計算します。
D社は自社の給与は把握できますが、E・F社の支払額や源泉徴収税額は当然わかりません。
よって、源泉徴収票が必須になります。
(超重要)源泉徴収票が揃わないとき
現場でいちばん多いトラブルがこれです。
前職が忙しくて発行が遅い
Cさんが催促できず放置
郵送が届かない
E・F社が廃業して連絡がつかない
その場合は、
年末調整はできません。Cさん自身が確定申告へ。
会社側が「前職の源泉徴収票が無いまま行う年末調整」は、税法違反になってしまうため絶対にNGです。
(国税庁「年末調整のしかた」でも明記)
D社が準備する書類・Cさんに依頼すべき書類
▼会社側(D社)が行うこと
自社で発行する給与の集計(アルバイト期間含む)
年末調整計算
源泉徴収票の発行
▼Cさんに提出してもらうもの
前職(E社・F社)の源泉徴収票
扶養控除等申告書
保険料控除申告書
必要に応じて住宅ローン控除の書類
12月入社の人にも同じルール
第1回で扱った「12月退職者」と違い、
12月入社の人は年末調整の対象です。
ただし、こちらも前職がある場合は、
前職の源泉徴収票が必須
揃わないなら年末調整不可 → 確定申告へ
という点は全く同じ。
12月だけ働いた人ほど誤解が多いので、丁寧な説明が必要です。
実務ポイントまとめ
年末調整は12月31日時点で在籍している会社が行う
掛け持ち期間があっても、担当企業は1社だけ
前職の源泉徴収票は“絶対必要”
揃わなければ年末調整不可 → 本人が確定申告
アルバイト → 正社員の切り替えは同一企業扱い
12月入社でも同様のルールが適用される
おわりに

働き方が多様化した現代では、Cさんのように「前職が多い人」は珍しくありません。
でも、原則を押さえれば難しくありません。
この記事が、あなたの年末調整対応の不安をひとつ軽くできたなら嬉しいです。
次回は「特定親族特別控除のために“所得の証明資料は本当に必要なのか?”」を深掘りしていきます。
#年末調整あるあるQ &A
#アルバイト
#年末調整
#前職
#源泉徴収票
#税務初心者向け
#バッツ
#毎日note
#スキしてみて