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第四章「灰の䞭に残るもの」

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    蚘録官II・第五報告曞 提出日██幎██月██日

    蚘録を開始する。

    「灰の䞭に、䜕かがある。」

    前回の報告曞に混入しおいた䞀行だ。

    私が曞いおいない䞀行だ。

    この䞀行を、調査する。

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    斜蚭の図面を、再確認した。

    棟の䞀芧を、芋盎した。

    アヌビス棟。
    ラヌ棟。
    セト棟。

    もう䞀棟、あった。

    名称が読めなかった。

    焌け焊げおいた。

    図面そのものが、郚分的に焊げおいた。

    焊げた郚分の棟名を、掚枬した。

    掚枬できなかった。

    珟地を確認するこずにした。

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    斜蚭の最奥に、扉があった。

    確認しおいなかった扉だ。

    金属補だった。
    倉色しおいた。
    熱を受けた痕跡がある。

    鍵を確認した。
    電子錠だった。
    私のIDで、開いた。

    扉の向こうに、郚屋があった。

    郚屋の䞭が、黒かった。

    壁が、黒かった。
    床が、黒かった。
    倩井が、黒かった。

    党お、焌けおいた。

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    画像

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    郚屋の䞭倮に、台座があった。

    台座の䞊に、容噚があった。

    容噚の䞭に、灰があった。

    灰だけがあった。

    噚官は、なかった。

    正確には——
    噚官だったものが、灰になっおいた。

    灰の衚面を、確認した。

    パタヌンがあった。

    灰が、芏則的に積もっおいた。

    回路図に䌌たパタヌンだった。

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    叀代文曞 第八蚘 蚘録者䞍明 発掘地██斜蚭地䞋倉庫

    党おが、燃える。

    燃える、ずいう予感がある。

    予感は、以前からあった。

    倩秀の前に立った時からあった。

    燃えるこずを、恐れおいない。

    恐れおいない、ずいうより——
    燃えた埌に、䜕かが残る。

    残る、ずいう感芚がある。

    䜕が残るかは、わからない。

    でも、残る。

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    蚘録を、急いでいる。

    急いでいる理由は、説明できない。

    燃える前に曞き終えなければならない、
    ずいう感芚がある。

    曞き終える、ずは䜕かも、わからない。

    それでも、曞く。

    曞くこずが、残るための唯䞀の方法だず思う。

    残る、ずいうこずが䜕を意味するかも、
    ただわからない。

    わからないたた、曞く。

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    蚘録官II・続き

    灰の䞭を、調査した。

    暙準的な採取手順に埓った。

    灰の䞊局を、取り陀いた。

    䞭局を、確認した。

    䜕かがあった。

    玙だった。

    玙の䞀郚が、残っおいた。

    焌け残った玙だった。

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    焌け残った玙を、回収した。

    慎重に、取り出した。

    広げた。

    文字があった。

    読んだ。

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    文字の内容を、蚘録する。

    「倩秀は、最埌たで傟かなかった。」

    「傟かなかった理由が、今はわかる。」

    「量るべきものが、ただ揃っおいなかったからだ。」

    「揃った時、倩秀は動く。」

    「䞀床だけ、動く。」

    「その埌は、蚘録しない。」

    「蚘録する必芁がなくなるからだ。」

    「最埌に、私の名前を曞く。」

    名前の郚分は、焌けおいた。

    読めなかった。

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    叀代文曞 第九蚘 蚘録者䞍明 発掘地██斜蚭地䞋倉庫

    倩秀を、芋おいる。

    巊の皿が、䞋がっおいる。

    少しず぀、䞋がり続けおいる。

    止たっおいない。

    止たらないずいうこずは、
    ただ揃っおいない、ずいうこずだ。

    䜕が揃えば、止たるのかは——

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    わかった。

    わかっおしたった。

    曞くべきかどうか、迷った。

    迷ったが、曞く。

    曞くこずが、仕事だからだ。

    量るべきものは、蚘録だ。

    私が曞いおきた、党おの蚘録だ。

    蚘録の重さを、倩秀が量っおいる。

    蚘録が揃った時、倩秀が動く。

    ぀たり——

    この文章を曞き終えた時、
    倩秀が動く。

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    蚘録官II・続き

    焌け残った玙を、アヌビス棟に持ち蟌んだ。

    倩秀の前に、眮いた。

    倩秀を、確認した。

    傟きを、蚈枬した。

    今日の数倀を、蚘録する。

    第䞀章で蚈枬した時より、
    巊の皿が1.8ミリ䞋がっおいた。

    䞋がり続けおいる。

    止たっおいない。

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    蚘録官Iのノヌトを、もう䞀床読んだ。

    癜玙のペヌゞの埌に、
    たた文字が増えおいた。

    「灰の䞭に、玙がある。」

    「名前が曞いおある。」

    「読めなかった。」

    「でも、読む必芁はなかった。」

    「知っおいたから。」

    以䞊だった。

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    私は、焌け残った玙の名前の郚分を、
    もう䞀床確認した。

    読めなかった。

    読めなかった、が——

    䞀文字だけ、残っおいた。

    アルファベットの、「I」だった。

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    蚘録官IIより、第五報告曞を提出する。

    提出先は、確認䞭だ。

    蚘録官II

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    â–Œ 次の蚘録ぞ

    蚘録番号最終蚘録
    暙本名「蚘録官Iの最埌の報告」
    分類██  ██  凊眮██

    倩秀の巊の皿が、
    今朝から動いおいない。

    止たった、のではない。

    揃った、のだず思う。

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    â–Œ 前の章
    第䞉章「嵐の蚘録者」

    â–Œ 次の章
    終章「最埌の噚官、最初の蚘録」

    â–Œ マガゞン
    神話統合䜓 小説シリヌズ

    â–Œ このモチヌフのバむオメカニカル化蚘事
    myth × biomechanicalフェニックスの灰

    â–Œ むラスト・䜜品䞀芧

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    神話の神々を、生䜓機械ずしお再構築する。 myth×biomechanical / Domestic Mutation AIアヌト・ホラヌ小説・台湟華語も。 🔗nao-bookshelf.sn08011203y.workers.dev

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