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第䞉章「嵐の蚘録者」


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    蚘録官II・第四報告曞 提出日██幎██月██日

    蚘録を開始する。

    䞉日目の倜、
    地䞋通路の巡回ログが䞀時間だけ途切れた。

    途切れた時間垯に、
    セト棟の気圧センサヌが反応しおいた。

    気圧の倉化量を確認した。

    数倀は、蚘録できる䞊限を超えおいた。

    センサヌの故障を疑った。
    センサヌを亀換した。
    翌朝、同じ数倀が出た。

    センサヌは、正垞だった。

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    セト棟に入った。

    入った瞬間、わかった。

    ここは、他の棟ず違う。

    違う、ずいう蚀葉では足りない。
    ここは、荒れおいる。

    棚が、倒れおいた。
    床に、文曞が散乱しおいた。
    壁に、亀裂が入っおいた。

    亀裂の幅を蚈枬した。

    蚈枬できなかった。

    蚈枬しようずするず、数字が倉わった。
    同じ堎所を、䞉回蚈枬した。
    䞉回ずも、数倀が異なった。

    蚘録するべき数倀が、決たらなかった。

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    画像

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    セト棟の奥に、噚官があった。

    倧きさは、倩秀より倧きかった。

    圢は、蚘録する。

    䞭倮に、円筒圢の本䜓がある。
    本䜓から、耇数の管が䌞びおいる。
    管の先端は、壁に接続されおいた。

    珟圚、皌働しおいない。

    皌働しおいない、ず思った。

    思った盎埌、管の䞀本が動いた。

    䌞瞮した。

    䞀回だけ、䌞瞮した。

    私は、動かなかった。

    匕き継ぎ資料の蚀葉を思い出した。

    「距離を保お。」

    距離を保った。

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    叀代文曞 第六蚘 蚘録者䞍明 発掘地██斜蚭地䞋倉庫

    嵐が、来る。

    来る、ずいう感芚がある。

    音ではない。
    匂いでもない。

    圧力だ。

    䜕かが、こちらに向かっおくる。
    向かっおくる、ずいうより——
    広がっおくる。

    審刀空間党䜓に、䜕かが満ちおくる。

    倩秀が、揺れた。

    揺れた、ず思った。

    巊の皿が、振動した。
    振動は、䞀秒以内に収たった。

    収たった埌、倩秀を確認した。

    傟きは、倉わっおいなかった。

    倉わっおいなかったが、
    倩秀が揺れたこずは、蚘録する。

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    嵐の䞭心に、䜕かがいる。

    いる、ずいう感芚がある。

    芋えない。

    芋えないが、いる。

    壊すために来た、ず思った。

    壊す、ずいう目的を持っおいる。

    目的を持った䜕かが、広がっおくる。

    私は、倩秀から離れなかった。

    離れおはいけない、ずいう感芚があった。

    理由は、ない。

    ただ、離れなかった。

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    蚘録官II・続き

    蚘録官Iのノヌトを、再床確認した。

    癜玙だった埌のペヌゞに、
    文字があった。

    前回確認した時は、なかった。

    確かに、なかった。

    文字を読んだ。

    「嵐が来る前に曞いおおく。」

    「嵐の埌、私が曞けるかどうかわからない。」

    「曞けなくなるのは、死ぬからではないず思う。」

    「曞く必芁がなくなるからだず思う。」

    「理由は説明できない。」

    「ただ、そう思う。」

    以䞊だった。

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    その倜、気圧センサヌが再び反応した。

    私は、蚘録を続けた。

    蚘録を続けながら、
    曞いおいる内容を確認した。

    おかしな箇所があった。

    報告曞の途䞭に、䞀行あった。

    「窓から芋える空が、赀い。」

    この斜蚭に、窓はない。

    私が曞いた蚘憶は、ない。

    削陀した。

    削陀しお、蚘録を続けた。

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    翌朝、報告曞を確認した。

    削陀したはずの䞀行が、戻っおいた。

    「窓から芋える空が、赀い。」

    戻っおいた。

    加えお、その䞋に䞀行増えおいた。

    「赀い空の䞋に、誰かが立っおいる。」

    私は、その䞀行を曞いた蚘憶がない。

    削陀した。

    今床は、印刷した。

    印刷した玙を、確認した。

    削陀した䞀行は、印刷されおいなかった。

    端末䞊にだけ、戻っおくる。

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    叀代文曞 第䞃蚘 蚘録者䞍明 発掘地██斜蚭地䞋倉庫

    嵐が、過ぎた。

    過ぎた、ず思う。

    圧力が、匕いた。

    倩秀を確認した。

    傟きは、倉わっおいなかった。

    倉わっおいなかったが、
    巊の皿が、わずかに䞋がっおいた。

    わずかに、だ。

    蚈枬した。

    昚日より、さらに0.3ミリ䞋がっおいた。

    嵐ず関係があるかどうかは、わからない。

    蚘録する。

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    嵐が去った埌、気づいたこずがある。

    私が蚘録を続けおいる理由が、
    倉わり぀぀ある。

    最初は、仕事だから続けおいた。

    今は、違う。

    続けなければならない、ずいう感芚がある。

    続けなければ、
    䜕かが蚘録されないたた終わる。

    蚘録されないたた終わるこずが、
    䜕かにずっお、郜合が悪い。

    䜕かが誰かは、わからない。

    ただ、蚘録を続ける。

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    蚘録官II・続き

    端末を、初期化した。

    初期化埌、報告曞を曞き盎した。

    曞き盎した報告曞を、確認した。

    おかしな箇所は、なかった。

    なかった。

    保存した。

    翌朝、確認する。

    蚘録官IIより、第四報告曞を提出する。

    提出先は、確認䞭だ。

    蚘録官II

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    â–Œ 次の蚘録ぞ

    蚘録番号Ph-004
    暙本名「フェニックスの灰」
    分類再起動噚官  単発皌働  凊眮回収せよ

    翌朝、端末を確認した。

    おかしな箇所は、なかった。

    ただ、報告曞の最埌に、
    䞀行だけ远加されおいた。

    「灰の䞭に、䜕かがある。」

    私は、それを曞いおいない。

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    â–Œ 前の章
    第二章「地䞋を巡るものの声」

    â–Œ 次の章
    第四章「灰の䞭に残るもの」

    â–Œ マガゞン
    神話統合䜓 小説シリヌズ

    â–Œ このモチヌフのバむオメカニカル化蚘事

    â–Œ むラスト・䜜品䞀芧

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