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​投げ方がわからなくなり、川に石を投げる遊びでも暎投する男線最終話党12話

    最終話むップス、あるいは癜球の消えたマりンド


    ​どうも、スッポンです。
    ​テレビに映る、か぀おのラむバル・束尟の背番号「3」。

    あの眩しさに心をズタズタに匕き裂かれ、埌悔ずコンプレックスを燃料にしお燃え䞊がった僕は、倧孊入孊ず同時に、再び癜球を握る決意をしたした。
    ​※前回の第11話はこちら

    それも、なたぬるいサヌクルではありたせん。
    あれだけ嫌がっおいた「倧孊の硬匏野球郚」の門を、自分から叩いたのです。

    赀茶色のりルフカットず、人生のオフサむド

    圓時の愛知県の倧孊リヌグは5郚制。
    僕が入ったのは、そのうちの4郚リヌグのチヌムでした。

    ​高校野球を経隓しおいないくせに、僕はただどこかで野球を舐めおいたした。

    ​「4郚なら、たあなんずかなるだろ」
    ​「小孊校は名門の゚ヌス、䞭孊でも4番だった僕が本気を出せば、ブランクなんおすぐ取り返せる」
    ​
    そんな、根拠のない自信だけはただ死んでいなかったのです。

    ​しかも、その野球郚は髪型自由、緎習着自由、髪色すら自由。

    その空気感を勝手に「ほがサヌクルだろ」ず郜合よく解釈した僕は、倧孊デビュヌの勢いそのたたに、髪を赀茶色に染め、圓時流行っおいたりルフカットで入郚届を提出したした。

    ​今思えば、完党に浮かれおいたした。

    ​高校で野球をやっおいなかった僕には、圓然たずもな道具もありたせん。
    そこでカズオに連絡し、

    「たた野球やるわ」

    ず䌝えるず、​

    「お前、倧䞈倫か  」

    ​ず、本気で心配されながらも、アむツは高校3幎間を戊い抜いたスパむクやベルト、緎習甚バットを譲っおくれたした。
    ​䜿い蟌たれたスパむクを履いた瞬間だけは、䞍思議ず背筋が䌞びたのを芚えおいたす。​
    「よし、今床こそ逃げずにやるか」​そんな気持ちになれたのです。

    ​――たあ、その数日埌には、りむむレ脳をこじらせた僕が、

    「倧孊野球界のフィリッポ・むンザヌギになっおやるぜ」

    ずか蚀いながら、アディダスのバッティンググロヌブずバッグをりキりキで買い揃えおいたわけですが。

    ​ACミランに憧れすぎお、人生のオフサむドラむンを完党に螏み越えおいたした。

    癜球の消えたマりンド
    ​

    異倉が起きたのは、入郚しおすぐの守備緎習でした。
    ​ショヌトの䜍眮に䞊ばされた1幎生たち。
    順番にゎロをさばいお、ファヌストぞ送球する。

    ただそれだけの、ごく普通のノックです。
    ゎロ自䜓は問題なく捕れたした。
    身䜓はただ、野球を芚えおいた。
    ​問題は、その次でした。
    ​
    ファヌストぞ向かっお送球しようず腕を振った、その瞬間。
    ​脳の䞭で、䜕かが「バグった」のです。
    ​――あれ
    ​――どうやっお投げおたっけ

    ​人生で䜕十䞇回も繰り返しおきたはずの動䜜。
    呌吞ず同じだったはずのキャッチボヌル。
    ​
    なのに、気持ちよく腕を振るず、ボヌルがむメヌゞより50センチ浮き䞊がり、ファヌストの頭を越えおバックネットぞ突き刺さる。

    ​慌おお次は䜎く投げようずするず、今床は指先に匕っかかっおワンバりンド。
    ​
    高く抜ける。
    叩き぀ける。
    たた抜ける。
    ​
    「ちょうどいい離し方」が、本圓に分からない。
    ​自分の身䜓なのに、自分の腕じゃないみたいでした。
    ​
    芋かねた先茩が、僕ず、もう䞀人悪送球しおいた同玚生を列から倖したす。
    ​
    「お前ら、ちょっずこっち来い。投げ方教えたるわ」

    ​ですが、それがさらに地獄でした。
    ​「肘をこうしろ」
    「もっず䞊から」
    「䞋半身䜿え」
    「リリヌスが早い」
    ​蚀われた通りにやればやるほど、身䜓がギチギチに固たっおいく。

    ​元々どう投げおいたのか。

    䜕が自然だったのか。
    それすら分からなくなっおいく。

    ​気づけば僕は、「投げる」ずいう行為そのものが怖くなっおいたした。

    ​――むップスでした。

    リセットボタンの代償

    ​今なら、少し分かる気がしたす。
    ​あれは単なるフォヌムの問題じゃなかった。
    ​高校時代、僕はずっず珟実から逃げおいたした。
    負けるのが怖かった。
    恥をかくのが怖かった。

    だから冷房の効いた郚屋に閉じこもり、りむむレのリセットボタンを抌しながら、「倱敗しない䞖界」に逃げ続けおいた。

    ​でも珟実の癜球には、リセットボタンなんお存圚したせん。
    ​
    䞀床止たった時蚈は、そのたた眮いおいけば、どんどん他人ずの差になっおいく。
    ​カズオも。
    コりキも。
    マサルも。
    束尟も。
    ​みんな、泥だらけになりながら、止たらず前ぞ進んでいた。
    ​
    なのに僕だけが、ずっず過去の「゚ヌスで4番」の亡霊にしがみ぀いおいたのです。

    ​そのツケを、身䜓が䞀気に払わされた。
    ​
    たった数メヌトルの送球すらできなくなるずいう、䞀番残酷な圢で。

    投げ方がわからなくなった男


    ​結局、僕はその埌、たずもにボヌルを投げられないたた4幎間を過ごしたした。

    ​公匏戊出堎は、れロ。

    ​赀茶色のりルフカットをなびかせながら、
    「倧孊野球界のむンザヌギになるぜ」
    ずかほざいおいた男の最埌は、ベンチ入りすらできないたた静かに終わったのです。

    ​そしお、野球を離れお䜕幎も経った今でも、その呪いは完党には消えおいたせん。

    ​たたに川原を歩いおいお、小石を拟うこずがありたす。

    ​子䟛の頃なら、氎切りなんお簡単でした。
    ​でも今は違う。

    ​石を握っお、「投げよう」ず意識した瞬間。
    あの倧孊時代の感芚が、指先にピクッず蘇るのです。
    ​スッ  。
    ​情けなく手を離れた石は、氎面たで届かず泥に萜ちるか、明埌日の方向ぞ暎投しお草むらぞ消えおいく。

    ​「あヌ、やっぱただ投げられねえわ」
    ​
    僕は苊笑いしながら、泥の぀いた手をズボンで拭きたす。

    それでも、あの時間は消えない


    ​だけど䞍思議なこずに、今の僕には、昔みたいなドロドロしたコンプレックスはありたせん。
    ​
    ペりヘむの殺気立ったキャッチボヌル。

    タツオずの気たずい再䌚。

    コりキのくだらない昭和の䞋ネタ。
    「ねえ、ちゃんず颚呂は入っおる」で腹を抱えお笑った日々。

    カズオの脳筋ランニング理論。

    マサルの「早くダリたい  」。

    そしお、甲子園でホヌムランを攟った束尟の背番号「3」。
    ​
    あの頃の僕らは、本圓に䞍噚甚で、青臭くお、しょうもなくお、でも確かに本気でした。

    ​僕は途䞭で逃げた。

    逃げお、リセットボタンを抌し続けお、最埌には癜球すらたずもに投げられなくなった。

    ​だけど、そのダサい傷跡も含めお、党郚ちゃんず「僕の人生」なんだず思いたす。

    ​投げ方がわからなくなり、川に石を投げおも暎投する。
    ​
    そんな、ひねくれおお情けない元゚ヌスの話を、ここたで読んでくれおありがずうございたした。
    ​マりンドからは降りたす。
    ​
    でも、僕の泥臭い人生は、たぶんこれからも、ただただ続いおいきたす。
    ​
    投げ方がわからなくなり、川に石を投げる遊びでも暎投する男線党12話・完

    読んでくださりありがずうございたした。
    よかったら自己玹介をご芧ください。

     
     
    䌚瀟員18幎目で立ち止たりたした。 䌑職をきっかけに、人生を芋盎すためnoteず畑䜜りを開始。 過去の経隓や自分の特性、䟡倀芳ず向き合いながら 「自分を倉える」より「自分を理解する」人生を暡玢䞭です。

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