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ルノアの旅日記第2章 第14話「まだ知らない物語」



    翌朝、ルノアは早く目が覚めた。

    窓の外は、まだ薄暗い。
    でも、星がよく見えた。

    ベッドの上で、手帳を開いて、
    ぼんやりと考えた。

    出会った人が増えた。
    知った場所が増えた。
    記録したことが増えた。

    それなのに、
    なぜかまだ、
    何かが足りない気がしていた。


    その日、ルノアは
    星庭をひとりで歩いた。

    久遠のそばを通ったら、
    久遠が、ちらりと見て
    小さくうなずいた。

    それだけで、ほっとした。

    星カフェの前を通ったら、
    望珈くんが、窓から手を振ってきた。
    手を振り返した。

    丘のふもとを通ったら、
    綴音が、遠くで何かを書いていた。
    邪魔しないようにそっと通り過ぎた。

    みんな、いる。
    ちゃんとここにいる。

    それなのに、
    何かが足りない気がするのは
    なんでだろう!?



    星庭の外れまで来たとき、
    ルノアは、立ち止まった。

    まだ行ったことのない方向に、
    道が続いていた。

    細くて、草が多くて、
    どこへ続くかわからない道。

    スピカの声が、頭の中で聞こえた気がした。

    「この世界はまだまだ広い」

    ルノアは、その道を見つめた。

    まだ知らない場所がある。
    まだ、会っていない人がいる。
    まだ、記録できていないものがある。

    そして、

    「…帰る場所が、欲しい」

    気がついたら、
    口に出していた。

    暁珈さんの言葉が浮かんだ。
    「帰ってくる場所がある」
    望珈くんの言葉が浮かんだ。
    「どこへ行っても怖くない。」

    「この家を自分の居場所に
    してみよう」

    その言葉は、
    思ったより自然に出てきた。



    ルノアは、手帳を開いて、書いた。

     まだ知らない場所がある。
     まだ会っていない人がいる。
     でもその前に、
     帰ってこれる場所が欲しい。
     自分の家をもっと居場所で出来るように
     したい!!
     初めてそう思った。


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            📓 手帳より

     この家を居場所に出来たらいいかも!?
     出会った人たちにも居場所があるなら、
     自分にも作れるかも知れない!!
     居心地のいい場所。記録を書く場所。
     ここに足りないものって何かなぁ!?
     ここには、寝床だけしかないからー
     家具から揃えた方がいいかも!!
    ────────────────────

    ──────────────────────
         第2章 おわり
    ──────────────────────

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    物語とものづくりを行き来しながら、いくつもの世界を育てています。 ⭐️物語×ドール・編み物・ミニチュア「空紡ぎ」 🌱身近なものが人になる「人型プロジェクト」ほか 📖初めての方は固定記事「ミミルの物語案内所」へ

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