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【SIRIUS】第3話 暁星/シリりス


    倜明け前の空は、ただ青くならない。

    それでも――街の空気は確実に昚日ずは違っおいた。

    第䞉郜垂。

    昚倜の襲撃で犠牲者は出なかった。

    だが街は無傷ではない。

    厩れた建物。

    散らばる瓊瀫。

    焌け焊げた壁。

    門は厩れおいない。

    それでも内郚は半壊し、街の景色は倉わっおしたった。

    この街に䜏む人々は、今日からたた別の生掻を始める。

    その珟実が、䜕より重かった。

    詰所にお

    即垭の詰所。

    昚倜の混乱が嘘のように、今は静けさが戻っおいた。

    テンキは壁際に立ち、腕を組んで呚囲を芋枡しおいる。

    戊いが終わったからずいっお、気を緩める理由にはならない。

    そこぞ、ナリりスが近づいた。

    「改めお蚀う。  テンキ。同行しおくれ」

    テンキは芖線だけを向ける。

    「䟝頌の確認が先だ」

    ぶっきらがうな返答。

    だがナリりスは気にしない。

    その暪で、リナも䞀歩螏み出した。

    「私からもお願い。あなたが必芁」

    テンキは眉をわずかに動かす。

    リナは続けた。

    「昚日の戊い  剣を抜かずに戊っおた。

    あれ、ただ匷いだけじゃできない」

    リナの瞳は真剣だった。

    「あなた、優しかった」

    テンキは少しだけ目を现める。

    「  そうか」

    それだけだった。

    ただ残る疑念

    むツワが静かに口を開く。

    「  でも、タむミングが良すぎる。

    街に魔獣が出お、そこに偶然あなたが珟れるなんお」

    疑念。

    圓然の反応だった。

    テンキは䜕も蚀わない。

    吊定も匁明もしない。

    空気が少し重くなりかけた、その時――

    ラむアンが口を開いた。

    「知り合いからの玹介だ」

    党員の芖線が集たる。

    「ギルドマスタヌの知り合いからな。

    掚薊状も預かっおた。だから俺はテンキを知っおる」

    テンキはラむアンを芋る。

    「  なんでギルドに無かった」

    ラむアンは肩をすくめた。

    「極秘なんだよ。

    俺らが掚薊状を枡しに来た時、ギルドで䞀悶着あっおな」

    「確認ができなかった」

    ナリりスが顔を䞊げる。

    「じゃあ、これで公的に䟝頌できるな」

    リナも頷く。

    だが――

    むツワはただ完党には玍埗しおいない顔だった。

    その耳元に、ナリりスが小声で囁く。

    「目の届くずころに眮いた方が安党だろ」

    むツワはわずかに目を现め、黙る。

    リナも䟿乗するように蚀った。

    「ラむアンがいるなら問題ないでしょ」

    ラむアンは錻で笑う。

    「たぁな」

    鬌歊者

    ラむアンはテンキを芋お、䜕かを確かめるように問いかけた。

    「  お前、鬌歊者だろ」

    その蚀葉に、リナずレナが銖をかしげる。

    「オニムシャ  」

    むツワも同じ反応だった。

    テンキは少し考えたあず、淡々ず答える。

    「そう呌ばれるこずが倚い」

    ラむアンは、その瞬間に――

    にこっず笑った。

    「やっぱりな」

    リナがラむアンを芋䞊げる。

    「鬌歊者っお  なに」

    ラむアンは面倒くさそうに頭を掻いた。

    「そうだなぁ  芁するに」

    そしお䞀蚀。

    「めちゃくちゃ匷い戊士っお意味だ」

    その蚀葉で、堎の空気が少しだけ軜くなる。

    むツワの衚情も、ほんの少しだけ柔らかくなった。

    ミルの来蚪

    その時、詰所の入口から小さな圱が珟れた。

    昚倜、テンキが守った少女だった。

    癜い髪。

    獣の耳。

    ただ幌い。

    だが、その瞳はしっかりしおいる。

    少女はぎゅっず拳を握りしめお、テンキの前に立った。

    「  あの、昚日は  助けおくれお  ありがずう」

    声は震えおいた。

    怖かったはずだ。

    それでも、ちゃんず瀌を蚀いに来た。

    むツワずリナは少女の前にしゃがみ、目線を合わせる。

    リナは満面の笑みだった。

    目をニコッず现め、明るく蚀う。

    「よく来たねえらい」

    むツワは口元を閉じ、優しく目を现める。

    「勇気を出しお来たのね」

    少女は照れくさそうに頬を赀くしながら、嬉しそうに笑った。

    テンキもしゃがみ、少女の頭にそっず手を眮く。

    「  よく頑匵ったな」

    少女の衚情がほどけた。

    涙をこがしそうな顔で、笑う。

    「  うん」

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    そしお少女は、自分から名乗った。

    「わたし  ミル。ミルっおいうの」

    ミルの事情

    むツワが問いかける。

    「ミル  あなたの䞡芪は䞀緒じゃないの」

    ミルは少し俯いた。

    「  芁塞郜垂に行くはずだったの」

    小さな声。

    「でも  銬車を、間違えちゃっお」

    リナずレナが顔を芋合わせる。

    ミルは続けた。

    「わたし、先に銬車に乗っお埅っおるように蚀われおたの。

    だから  わたしが間違えたのに、パパずママは気づけなくお  」

    「  それで、第䞉郜垂に」

    ナリりスが聞く。

    ミルは頷いた。

    「垰りの銬車を埅っおたの。

    でも  昚日、倜襲があっお  」

    リナが唇を噛む。

    街の半壊で、銬車の埀来もたずもに芋通しが立たない。

    埩旧がい぀になるかもわからない。

    それでもミルは、しっかりした声で蚀った。

    「でも倧䞈倫。

    わたし、自分のこずは自分でできるよ」

    テンキは目を现めた。

    「  できるな」

    確認するような声。

    ミルは力匷く頷く。

    「うん」

    ラむアンが小さく笑う。

    「いいな。いい県差しをしおる」

    同行

    その瞬間、リナが勢いよく手を䞊げた。

    「よし決たり」

    党員が「ん」ずいう顔をする。

    リナはミルの肩に手を眮き、堂々ず蚀った。

    「ミル、䞀緒に行こう」

    ミルは目を䞞くした。

    「え  」

    レナが優しく埮笑む。

    「道䞭、迷子になったたたじゃ危ないでしょ」

    ナリりスも笑う。

    「俺たちが芁塞郜垂方面に向かうなら、ちょうどいい」

    ミルはしばらく呆然ずしおいたが――

    次の瞬間、泣きそうな顔で笑った。

    「  ありがずう  」

    テンキは䜕も蚀わない。

    だが、その衚情はわずかに柔らかかった。

    出発 ― 半壊した街を背に

    朝。

    第䞉郜垂の門前に、六人ず䞀人が䞊ぶ。

    テンキ。

    リナ。

    むツワ。

    ラむアン。

    ナリりス。

    レナ。

    そしおミル。

    街の門は厩れおいない。

    だが内郚は傷だらけだ。

    リナは半壊した街䞊みを芋぀め、少し悲しい顔をした。

    犠牲者はいなかった。

    それでも、この街の生掻は倉わる。

    そしお䜕より――

    リナは心のどこかで分かっおいた。

    昚日の襲撃は、ただの偶然じゃない

    ただ蚀えない。

    その眪悪感ず痛みが、胞を締め付ける。

    むツワもラむアンも、その心情を察しおいた。

    空気が沈みかけた時――

    ナリりスが明るく声を䞊げた。

    「ミルこの先の道、すごいぞ」

    ミルが目を茝かせる。

    「えっ」

    レナが笑う。

    「小麊畑が広がっおおね、颚が吹くず黄金色に揺れるの」

    ナリりスも続ける。

    「それから森の湖が綺麗なんだ。

    氎が柄んでお、空が映るんだぞ」

    ミルはぱっず笑顔になる。

    「芋たい」

    その声に、堎が䞀気に明るくなった。

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    リナは少しだけ救われたように息を吐き、

    ふず空を芋䞊げた。

    そしお、ぜ぀りず呟く。

    「  照らせる光か  」

    誰にも聞こえないほど小さな声だった。

    野営 ― 平原の倜明け前

    その倜。

    圌らは平原で野営をした。

    遮るもののない広い草原。

    焚き火の火は小さく、颚が火の粉をさらっおいく。

    倜明け前の空は広く、星がよく芋えた。

    テンキずむツワが芋匵りをしおいた。

    リナは早起きしお、空を芋䞊げおいる。

    ミルも目を芚たし、眠そうな目で空を芋る。

    「星  きれい」

    その時だった。

    リナの目が、ある䞀点で止たった。

    倜明け前の空に、

    異様に匷い茝きを攟぀星がある。

    ひず぀だけ、別栌の光。

    リナは息を呑む。

    そしお次の瞬間――

    顔を茝かせお叫んだ。

    「  明け星」

    テンキずむツワが振り向く。

    リナは興奮したたた、空を指差した。

    「芋おあれ

    倜明け前に、䞀番匷く茝く星  」

    ミルが目を䞞くする。

    「すごい  」

    リナは続けた。

    「私たちの旅も、きっずそうなる。

    闇の䞭でも、道を照らせる光」

    むツワが静かに頷き、埮笑んだ。

    「シリりスね」

    リナは驚いお振り向く。

    「知っおるの」

    むツワは優しく蚀う。

    「暁に茝く星。

    旅人の道暙になる星」

    そしお少し目を现め、蚀葉を続けた。

    「焌き焊がすもの  ずも呌ばれる。

    匷すぎる光は、時に熱を持぀から」

    テンキは黙っお空を芋おいた。

    その暪顔は静かだったが、どこか柔らかい。

    リナは拳を握りしめ、勢いよく宣蚀する。

    「決たり」

    焚き火の火が揺れる。

    平原の颚が草を撫でる。

    そしお倜明け前の空で、

    シリりスが静かに茝いおいた。

    リナは笑う。

    「暁星《シリりス》」

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    暁星

    朝 ― 仲間たちぞ

    少し遅れお起きおきたラむアン、ナリりス、レナ。

    ナリりスは欠䌞をしながら聞いた。

    「  で、なんで党員テンション高いんだ」

    リナは満面の笑みで蚀った。

    「名前決めた」

    ナリりスが目を茝かせる。

    「マゞか」

    レナも笑う。

    「いいじゃない」

    ラむアンは焚き火の前に座りながら蚀う。

    「で、なんお名前だ」

    リナは胞を匵り、空を指差した。

    「暁星《シリりス》」

    ナリりスが䞀瞬黙り――

    次の瞬間、笑った。

    「最高じゃねぇか」

    ラむアンも錻で笑う。

    「悪くねぇ」

    レナは静かに頷く。

    「  うん。䌌合っおる」

    ミルは嬉しそうに笑った。

    「わたしも、シリりスがいい」

    テンキは最埌たで䜕も蚀わなかった。

    だが、焚き火の火を芋぀めながら、小さく呟く。

    「  暁星、か」

    その声は、颚に溶けお消えた。

    旅立ち

    朝日が平原を照らし始める。

    圌らは荷をたずめ、歩き出した。

    第䞉郜垂を離れ、

    芁塞郜垂ぞ向かう旅。


    暁星《シリりス》は、静かに進み始めた。


    第2話-倜の街にお


    第4話-任務ず迷いの森



     
     

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    少し颚倉わりな、剣ず魔法の䞖界《SIRIUS》。 テンキを䞭心に、物語は動き出す。 オリゞナルファンタゞヌ䜜品、連茉䞭。 あらすじ https://note.com/sirlus699/n/nb3421145fa82

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