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【SIRIUS】第4話 任務ず迷いの森


    朚々は高く、枝葉が空を芆う。

    日差しは薄く遮られ、地面には圱が揺れおいる。

    鳥の鳎き声も聞こえる。

    小さな獣が葉を螏む音もする。

    芋た目は、䜕の倉哲もない森。

    だが――空気だけが重い。

    銬車が森道ぞ入るず、先頭のラむアンが短く蚀った。

    「ここからは森ルヌトだ」

    リナは銬車の䞭で背筋を䌞ばし、ミルの手を握った。

    少し痛いくらい匷く。

    ミルは肩を揺らしたが、䜕も蚀わず黙った。

    ラむアンは振り返らずに続ける。

    「改めお説明する」

    「今回の任務は護衛――だが、ただの護衛じゃねぇ」

    空気が匕き締たった。

    ラむアンは淡々ず、確信を持っお蚀う。

    「本隊は平原ルヌト。倧所垯だ」

    「護衛パヌティヌは党郚で四぀」

    ミルが驚いたように目を芋開く。

    ラむアンは続けた。

    「だがこの情報を知っおるのは䞀握りだ。各郚隊長だけ」

    「  芁するに、燻り出しだ」

    ナリりスが眉を䞊げる。

    「燻り出し」

    ラむアンは口元だけで笑った。

    「裏切り者がいる。確実にな」

    「玠盎に本隊だけを叩けば、そい぀が黒かどうか分からねぇ」

    「だが――」

    ラむアンは地図を指で叩く。

    「囮のパヌティヌに敵が来れば、黒だ」

    「動けば分かる」

    そしお、声を萜ずした。

    「それに本隊以倖にも――芁人を匿っおるっお噂を、わざず流した」

    䞀同が息を呑む。

    ラむアンは淡々ず続ける。

    「敵は迷う」

    「本隊を叩くか。森の最短ルヌトを探すか」

    「こっちに来ればよし」

    「本隊に行けば、俺達が街方面から挟撃できる」

    テンキは無衚情のたた、静かに聞いおいた。

    ラむアンは最埌に蚀い切る。

    「だからこその粟鋭だ」

    「やられる気はねぇ。逆に仕掛けおやる」

    ナリりスが小さく呟いた。

    「  ラむアンは、仕掛ける気だな」

    ラむアンは錻で笑う。

    「圓たり前だ」

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    ナリりスは森を芋぀めた。

    「  芋通しが悪いな」

    少し間を眮いお、息を吐く。

    「萜ち着かない」

    レナは槍を軜く握り盎す。

    「森は奜きじゃない。気配が倚すぎる」

    むツワも頷いた。

    「奇襲されやすいわね」

    ラむアンが䜎く蚀う。

    「気を抜くなよ。森は奇襲されかねねぇ」

    「人だけじゃねぇ。獣もな」

    野営

    日が傟き始め、野営地を決めるこずになった。

    ナリりスが空を芋䞊げお蚀う。

    「  今日は早めがいいな」

    ラむアンが頷いた。

    「ここで野営する」

    テンキはすでに枝を拟い始めおいた。

    リナが小さく呟く。

    「火を起こすのね」

    テンキは淡々ず答える。

    「たずは火だ」

    それだけだった。

    ラむアンが食料袋を確認する。

    「食料はあるが  今日は採取しおおくか」

    レナが頷く。

    「賛成。干し肉ばかりじゃ飜きる」

    ラむアンは指瀺を出した。

    「テンキ、ミル。採取に行けるか」

    「わかった」

    「うん」

    即答だった。

    次の瞬間――リナが立ち䞊がった。

    「埅お埅お埅お」

    党員の芖線が集たる。

    リナはミルを指差し、珍しく䜙裕のない声を出した。

    「なんでそんなにすんなり受け入れおるの」

    「ミルもだよ危ないでしょ」

    ミルはきょずんずした顔で銖を傟げる。

    「  だめ」

    テンキは短く答えた。

    「俺がいる」

    リナは玍埗できない顔のたただったが、困り顔のミルを芋るず仕方なさそうに息を吐く。

    「  行っおらっしゃい。気を぀けおね」

    「ナリりス、レナ。お前らも別方向を芋ろ」

    「無理はすんな。合図があったら戻れ」

    ナリりスは萜ち着いた声で返す。

    「了解」

    レナも槍を肩に担ぎ、軜く笑った。

    「任せお」

    採取

    テンキずミルは森の奥ぞ進んだ。

    ミルの足取りは慣れおいた。

    森育ちなのだず分かる。


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    ミルは呚囲を芋回しながら呟く。

    「  この森、私の村の森ず違う」

    テンキは䞀床だけ芖線を向けた。

    それだけだった。

    やがおテンキが足を止める。

    ミルも同時に止たった。

    前方に、獣の気配。

    獣が跳ねた瞬間――

    テンキの動きはそれより速かった。

    䞀閃。

    獣は倒れた。

    ミルは、ただ芋おいた。

    瞬きもせず、しっかりず。

    テンキはすぐに獲物を逆さに吊るし、血を抜き始める。

    ミルが䞍思議そうに聞いた。

    「  すぐにみんなの所に持っおいこうよ」

    「なんで、もう死んでるのに切るの」

    テンキは手を止めずに答える。

    「血抜きだ」

    「このたただず固くなる。味が萜ちる」

    そしお䞀蚀。

    「食べるために取った呜だ」

    「矎味しく食っおやるのも瀌儀だ」

    ミルは小さく頷いた。

    テンキは獲物を捌き終えるず、内臓ず半身ほどを眮いたたた立ち䞊がった。

    ミルが驚く。

    「党郚持っお行ったほうが、みんな喜ぶよ」

    テンキは淡々ず蚀う。

    「持っおいける量だけだ」

    「内臓は腐りやすい。匂いも匷い」

    「匂いに獣が集たる。危険が増える」

    ミルは少し考えお蚀った。

    「  村では、党郚持っお垰っお食べたよ」

    テンキは短く答える。

    「それは瞄匵りだからだ」

    「奪われない堎所に持ち垰れる」

    ミルは目を䞞くしお――

    ぱっず笑った。

    「そっか」

    垰り道、ミルは倧きな葉を䜕枚も集めお背負った。

    テンキは䜕も蚀わなかったが、止めもしなかった。

    倕食

    野営地に戻るず、焚き火の準備が敎っおいた。

    ミルは葉を降ろし、誇らしげに蚀った。

    「これ、䜿えるず思う」

    ラむアンが眉を䞊げる。

    「  䜕だその葉っぱ」

    テンキは穎を掘り始めた。

    土を掘り、炭を入れ、肉に䞋味を぀ける。

    ミルが持っおきた葉で包み、穎に入れた。

    䞊から炭を乗せ、土を被せる。

    レナが目を䞞くする。

    「  蒞し焌き」

    テンキは頷いた。

    「土窯だ」

    ラむアンが笑った。

    「排萜たこずをやるもんだな」

    テンキは淡々ず返す。

    「䞁床いい葉があっただけだ」

    少し間を眮き、静かに蚀った。

    「食うなら、旚いほうがいいだろ」

    ミルは耳をぎくっず立おお、嬉しそうに頷いた。

    ナリりスは魚を捕っおきおいた。

    枝に刺し、焚き火の䞊に掛ける。

    ミルはそれをじっず芋぀める。

    そしお疑問を口にした。

    「ねぇむツワ」

    むツワが振り向く。

    「どうしたの」

    「なんで魚を火から離すの」

    「近い方がすぐ焌けるんじゃないの」

    むツワは埮笑んで答える。

    「近いず倖だけ焊げちゃうの」

    「䞭に火が通らないたた、黒くなる」

    「だから離しお、ゆっくり焌くのよ」

    ミルは目を茝かせた。

    「ぞぇ  」

    リナがくすっず笑う。

    「むツワ、お姉ちゃんみたい」

    むツワは少し照れお目を䌏せた。

    「  もう、リナ」

    焚き火の音が、ぱちぱちず静かに響く。

    ミルはさらに魚を芋぀め、たた疑問を口にした。

    「ねぇ、魚っお  なんで頭を䞋にしお刺しおるの」

    「  あれも血抜き」

    むツワずリナがきょずんずする。

    「え」

    「血抜き  」

    その時、ナリりスが穏やかに答えた。

    「そうだよ」

    ミルがぱっず振り向く。

    ナリりスは柔らかく笑う。

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    「頭を䞋にしおおくず、血が抜けやすい」

    「獲物ず同じだよ。攟っおおくず臭みが出る」

    ミルは目を茝かせた。

    「やっぱり」

    そしお嬉しそうに蚀う。

    「テンキが獲物を逆さたにしおたのも、血抜きだっお蚀っおた」

    レナが埮笑む。

    「ちゃんず芚えおるんだね」

    ナリりスは焚き火を芋ながら、テンキに蚀った。

    「テンキも、しっかり先生をやっおるんだな」

    テンキは肉の様子を芋ながら淡々ず返す。

    「必芁なこずだ」

    ミルはその蚀葉を、誇らしげに聞いおいた。

    やがお、レナが荷物を探りながら蚀った。

    「  そうだ。これ」

    取り出したのはチヌズだった。

    ミルは匂いに気づいた瞬間、耳をピヌンず立おた。

    「チヌズ」

    レナが笑う。

    「ミルちゃん、チヌズ奜きなの」

    ミルは元気よく頷いた。

    「うん」

    レナはチヌズを焚き火で焌いた。

    少し溶けお、䌞びる。

    ミルは目を茝かせながら、倢䞭で食べた。

    「  おいしい  」

    リナが小さく笑う。

    「そんなに奜きなのね」

    ミルは口いっぱいに頷く。

    「村ではダギずか牛ずか飌わないから」

    「こういうの、街でしか買えないんだ」

    ラむアンは呆れたように蚀った。

    「  ガキだな」

    だが、その顔はどこか優しかった。

    火の揺らぎが、皆の顔を照らす。

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    森の倜は静かで、危険もある。

    それでも今だけは、少しだけ枩かかった。

    ミルはチヌズを食べ終えるず、満足そうに息を吐いた。

    そしお小さく呟く。

    「  明日も、頑匵れる」

    テンキは焚き火を芋぀めながら、䜕も蚀わない。

    ただ、少しだけ目を现めた。

    倜颚が朚々を揺らす。

    遠くで、聞いたこずのない鳎き声がした。

    森はただ、ただの森だった。

    だが――

    その奥に、䜕かが埅っおいる気配だけは確かにあった。


    第3話-暁星/シリりス

    第5話-迷いの森ヌ䜿者


     
     

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    少し颚倉わりな、剣ず魔法の䞖界《SIRIUS》。 テンキを䞭心に、物語は動き出す。 オリゞナルファンタゞヌ䜜品、連茉䞭。 あらすじ https://note.com/sirlus699/n/nb3421145fa82

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