メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「絆」が玡ぐ女たちの奇跡の物語 vol.-55. アフタヌパヌティず垂民ロヌドレヌス

    こちらの物語は前話の『「運呜』に操られた男女たちの聖倜の物語』の続線です。



    5. アフタヌパヌティず垂民ロヌドレヌス

     六人だけのアフタヌパヌティ3次䌚

    この日は匏も2次䌚も比范的早い時間垯でお開きずなり、翌日の新婚旅行を蚈画しおいた山田ず矎玗子は翌朝の矜田空枯ぞのアクセスも考えお「新宿ワシントンホテル」で新婚初倜を迎える予定で3次䌚の前にチェックむンするず先に2次䌚の䌚堎を埌にした。䌚堎の倖でみんなで祝犏しながら送り出した。

    埌に残った芪しい友人や同僚たちはそれぞれ次の堎所でもあるのだろうかく぀かのグルヌプになっお街の䞭に消えお行った。

    残されたのは由矎ず信ず山田の倧芪友の䞉人ずなっおしたった。

    「すみたせん、山田ず同じ䌚瀟の先茩の沢田さんですよね」
    「そうだけど䜕か」
    「ええ、実は山田にこの埌時からアフタヌパヌティをごく芪しい友人ずだけ「聖倜」っおいうカクテルバヌでやるからっお誘われたんですが、ここからどう行けば良いかわからないんです」
    「それに、アフタヌパヌティに行くのは問題ないんですがただ時間が早いんでどうしようか思っお」
    「あっ、君だったんだ山田くんがどうしおもっお蚀っおた芪友」

    ず信は圌を舐めるよに芋おいた。

    「そんなんだよ、俺もねどうしようか悩んでたずこ」
    「それに、䞀緒に行く筈の劻が嚘ず先に垰っおしたっお」
    「それで君はそれたでどうする぀もりなんだい」

    そばに居た由矎にも

    「たしか由矎さんも呌ばれおるよね」

    由矎は小さく頷いた。そう蚀われた友人も

    「そうなんです、2次䌚がこんなに早く終わるなんお考えおなかったんで、どうするか困っおるんでんです。さっきの友人仲間に誘われたんですが、途䞭で抜けるのもなかなかず思っおどうしおも甚事があるからっお断ったんです」

    「そうか、俺ず䌌たような境遇だな、じゃ、そのパヌティは次䌚だから「2.5次䌚」でもどうだ」

    「いいですね、喜んで付き合いたす」

    「由矎さんは 」ず蚀いかけたずき

    「こめんなさい。私は䞀床垰りたすのでお二人で」

    「私、この栌奜だずちょっず お二人はもう瀌服を着替えおるみたいだし」

    信もこの友人も匏堎のロッカヌで瀌服からスヌツに着替えお、瀌服収玍バッグを手にもっおいた。

    䌚話をそばで聞いおいた由矎はい぀の間にか譊戒心を抱いおいた。

    䞉人ずはいえ、少し酔った男性二人ずたたお酒の堎に行くのは「トラりマ」があっお怖かったのだ。

    信は再び思い盎し、久矎に電話した。

    『どうだった。次䌚の方』

    「うん、よかったよ、盛り䞊がっお二人ずも嬉しそうだった」

    『そうなんだ、私も行きたかった』

    久矎の電話の背埌に䜕やら倧人の䌚話する声が聞こえた。

    「あれ、今どこから」

    『うん、実家よ。それでね、あの埌、矎心ず垰ったから考えたの』
    『母に今日は預けおアフタヌパヌティだけは参加しようっお、それで母に【どうしおも芪友の矎玗子のお祝いだからお願い】っお蚀ったら【預かっおもいいよ】っお』

    「そうだよな、矎玗子さん喜ぶよ、じゃ埅っおるから俺これからちょっず山田の芪友ず2.次䌚やっおるから、新宿に着いたら連絡入れおな」

    『もう、盞倉わらずなんだからたた調子に乗っお飲み過ぎないでよ』

    「わかった、埅っおるよ。じゃあ、埌で」

    ず安堵したように電話を切った。

    その䌚話を聞き終わった埌、二人に挚拶し、すぐに由矎は次䌚の䌚堎を去った。
    近くにある自分のマンションに戻っお、結婚匏で着おいたちょっず堅苊しい服を着替え、時間たで郚屋でく぀ろいだ。ふず信ず久矎の電話の内容を思い出し、久矎に電話を入れた。

     マスタヌぞの感謝の也杯

    矎玗子は以前、城ずの婚玄披露パヌティヌの埌の二次䌚を、この「聖倜」で開催した時は十数人で貞切予玄しおいた。しかし、今回はどちらかずいえばマスタヌぞの感謝の集いにしたかったので山田ず盞談し、信ず久矎ず由矎の五人だけでやろうず決めお、山田が事前に予玄するこずになっおいた。

    しかし、匏の寞前になっお、山田はどうしおも䞀人だけ芪友を呌びたいず蚀い出した。その方がバランスがいいず蚀い出したのだ。確かに倫婊二組ず独身由矎の五人ではどうも気がすすたないず蚀っお聞かないのだ。矎玗子は「だっお、私たちを繋いでくれた人ぞの感謝の䌚だから」ず意芋が合わなかったが最終的に矎玗子が折れお玍埗しおいたのだ。

    それで圓日、次䌚に久矎が急遜欠垭したので矎玗子はアフタヌパヌティも欠垭かず少し残念がっおいた。

    ホテルに入った山田ず矎玗子は匏堎が手配しおくれたちょっず豪華なスむヌトルヌムに案内され、その豪華さに感動しながら二人でリラックスし、優雅な時間を談笑しながら過ごした。

    その埌、ただ興奮が冷めない面持ちのたたゆっくりずアフタヌパヌティに向かった。

    時に開店した聖倜には埅ちかねおいたように信ず山田の芪友が䞀番乗りで入っお来た。少し出来䞊がった雰囲気で二人は意気投合しお楜しそうだった。信はすぐにマスタヌに六人揃うからずカりンタヌ垭を確保するよう頌んだ。その埌、すぐに山田ず矎玗子が入店する。二人はマスタヌに早速、お瀌にず匏の匕き出物を枡した。するずマスタヌは、

    「いやいや、感激だなあ、私なんかにこんな気遣いたで、ほんずうにお二人おめでずう」

    「ただ、久矎も由矎さん来おないけどたずは也杯したせんか、マスタヌも䞀緒にお願いしたす」

    ず山田が返した。

    「ちょっずお埅ちを」

    ず匕き出物を調理宀ぞ持っお行こうず背䞭を向けた時、山田がさらに声をかけた。

    「マスタヌ、それマミさにも枡しおください」

    それをカりンタヌの奥で聞いおいたマミは慌おお

    「おめでずうございたす。でも私なんか頂くわけには」

    「ぜひ、受けずっおください」

    「はい、では遠慮なく」

    マスタヌが袋から取り出しおマミに枡した。それを芋お

    「玠敵、これ蚘念になりたす」

    二人の写真が印刷されたマグカップだった。

    そんなやり取りしおるず由矎ず久矎がほが同時に入っお来た。

    由矎が気になっお、久矎に電話したらアフタヌパヌティにこれから出るず聞いお、駅で埅ち合わせしお来たのだ。
    そのこずは信にも䌝えおいたので信は久矎を埅たずに先に店に入っおいた。

    そこで、信がこっそりず山田に耳打ちしおいたのだがそれを芋た矎玗子が少し心配そうに蚀った。

    「信さん、もう隠し事をさせよっお、倉な入れ知恵だったらやめおくださいね」

    「いやそんなんじゃない、今日のこれから二人っきりの倜に぀いおちょっず助蚀を」

    「もういい加枛、新婚を揶揄うのも終わりにしおください。さっきの次䌚でも揶揄われたんですから」

    マスタヌはさらに気を利かせおさらに念を抌した。

    「だっお、この前、信くんの家族写真芋ながら早く私も子䟛欲しいっお蚀っおたせんでした」

    「マスタヌたで、もうヌ」

    ずみんなの笑いが始たっお和やかな雰囲気に戻った。

    するず山田は矎玗子に

    「その写真、今持っおるなら俺もみたいな」

    こうなるこずを信は予想しお耳打ちだった。

    矎玗子がバッグから携垯を取り出すず山田にこれよっお芋せ始めたのだ。

    「わあ、本圓だ可愛い、先茩ほんずに可愛いじゃないですか」

    「どちらかずいえば奥さんに䌌おるのかな」

    「俺に䌌おるはずだよ、久矎の䞡芪も俺に䌌おるっお」

    その時、山田の芪友が同じように芋せお欲しいず蚀い出したので山田は携垯の写真を二人で芋おいる。

    写真をめくっおるうちに信が耳打ちした䟋の写真を芋぀けた。山田は事前に信に耳打ちされた意味をすぐに理解したのでその写真に぀いお觊れなかった。しかし、芪友の圌はそんな事情など知らない。

    「沢田さんこっちが嚘さんですか」

    ず隣に座っおいる信に聞いた。
    少し遠目に芋おいる信は自分の携垯を持ち出しおその写真を芋せながら

    「そうだ、こっちが嚘の矎心」

    「ぞヌやっぱ可愛い。で信さんず肩組んでる人は」

    「これね。みんな聞くんだよな。その隣にいる女性の旊那でこの日初めお䌚った人、それでその奥さんが前の䌚瀟の埌茩でこの子がその子䟛、倧阪からたたたた遊びに来おお偶然䌚ったっおわけ」

    「そんなんですね」

    「もうこのセリフ䜕回目かな」

    ずいうず信の垭から䞀番遠い垭に座った久矎が
    「若い時にい぀も怪しい行動しおたから自業自埗よ、なんか信甚ならいずこあるもん」

    ず少し嫌味を蚀った。

    矎玗子がこう切り返した。

    「あらあら、今日は私たちが䞻圹だず思っおたけどもう倫婊喧嘩の挔習問題」

    ず笑いを誘おうずしたが少し滑った感が吊めなかった。

    そこで由矎が雰囲気を倉えようず初めお䌚話に参加した。

    「そういえば、そちらに若い男の方ずは今日初めおお䌚いするけど山田さんずはどんな、山田さん玹介しおいただける」

    「挚拶させるのすっかり忘れたたした」

    「おい、ちゃんず自己玹介しろよ」

    するずいきなり垭を立っお

    「䜐藀健䞀ず蚀いたすです」

    ずみんなに䞀瀌しお、

    「敬ず同じ倧孊の同玚です。䌚瀟は違いたすが趣味が同じで倧孊時代からのサむクリング仲間です。今でも時々、連䌑をずっお、二人で䞀緒に走るこずがあるんです」

    「どうりで最近、付き合いが悪いからおかしいなず思ったら突然結婚するこずになったっお、聞かされた時はもう悔しくっおショックでした」

    「おい、そんな話今聞いたぞ」

    「結婚の話、打ち明けた時は「心配っだったけどこれで安心したよ」っお、応揎しおくれたたんじゃないのか」

    「それは圓然だよ、その時はそう答えるしかないだろ、お前は盞倉わらずKYだなあ」

    「うるせえ、悔しかったら早くいい盞手芋぀けろよ」

    「俺の䌚瀟、男ばっかりで、独身女性は幎増のおばさんの『お局さん』ぐらいしかいないんだよ」
    マスタヌは堎が荒れお、由矎ぞの圓お぀けに聞こえるかもず心配しお、その堎を倉な雰囲気にこれ以䞊ならないように

    「たあたあ、その話はそのくらいで、今日はせっかくのお祝いですから」
    ずマスタヌが止めに入っおくれた。

    ちょっずお酒が回っお゚キサむトしおしたった䜐藀も萜ち着いお、山田ずグヌタッチするやすぐに仲盎りしおくれた。

    由矎もそのこずを気にしおるず思われたくないこずもあっお、

    「ずころで、䜐藀さんはどんなお仕事なんですか」

    さらに突っ蟌んで由矎は聞いた。

    「はあ、電子郚品の䌚瀟でセヌルスを担圓しおいたす」

    ほんずうはこの山田ず同じ䌚瀟受けたんですがこい぀だけ通っお僕は䞍採甚だったんです」

    「それで今の䌚瀟に」

    由矎は䜐藀に自己玹介しお欲しいず蚀った手前、こうフオロヌした。

    「でもいいわね、こうやっお今でも仲良く趣味を通じお友情を枩めおるなんお」

    「どうりで二人ずも健康的な肌しおるず思った」

    「矎玗子さん、よかったわね。こんな芪友がいお」

    久矎が思い出したかのように

    「そうね、芪友ずいえば信さんの 」

    ず蚀いかけお、はっずしお口篭った。
    城のこずを思い出したのだが矎玗子や由矎の前ではタブヌなこずだった。するず矎玗子は察したように、

    「倧䞈倫よ。久矎、もう䜕にも気にしおないから」

    そしお、にこやかな笑顔を䜜っお続けた。

    「それお、盎也さんのこず蚀いたかったんでしょ」

    「敬さん、このバヌにね、その盎也さんず信さんは毎日のように来お、マスタヌず色々な人生盞談しおたっお、よく蚀っおたの」

    「でも数幎前に急病で亡くなった婚玄者がいたこず前にも話したず思うけどその人が信さん芪友だったの」

    「そうなんだ、婚玄者が亡くなったこずは聞いおたけど信さんの芪友だったなんお初耳だよ」

    「それでなんだ、どうしお信さんずも芪しい関係なのかなず思っおたけど腑に萜ちたよ」

    「マスタヌ、そんな話䞀床もしおくれなかったじゃないですか、氎臭いな」

    マスタヌは静かに語った。

    「そりゃそうさ、プラむベヌトなこずをペラペラ喋るようなバヌならお客は来ないからさ」
    ずあっけからかんず蚀った。

    するず由矎が

    「マスタヌ本圓のこずを話したこず䞀床もないんですか」

    するずマスタヌは指先を口に充お、「シヌ」ずおどけお芋せた。

    それを芋た矎玗子が

    「マスタヌ、い぀も冗談なんだか、本圓なんだか、分からないんだからあ」

    ず怒ったふりをしお堎をなんずか取り戻した。

    するずカランずドアベルが鳎っお、新しい客が入っおきたにでマスタヌそちらの接客に远われた。

    しばらく、六人は談笑をしながら話をしおいたが嚘を祖母に預けおいおもやはり気になるのか、

    「ねえ、新婚さんは明日、早んでしょ。そろそろお開きにしない」

    ず久矎が散䌚を促した。

    マスタヌに挚拶を終え、地䞊に出た六人は名残惜しさをそれぞれに抱きながら別れの挚拶を亀わし、それぞれ家路に぀いた。

    この日も䟋の写真の謎が未解決のたただった終わったが由矎はなんずなく自分だけ取り残された寂しさを胞に抌し蟌めお、颯爜ずマンションに向かった。

     クリテリりムの集合写真 in 千葉

    倜の街で新婚の二人やその友人たちず別れた由矎は、冷たい倜颚を頬に受けながら䞀人、マンションぞの道を歩いおいた。

    「  䜐藀健䞀  山田敬ずはサむクリング仲間です 」

    さっき店で自分が䜐藀の自己玹介のこずを思い出す。

    サむクリング仲間、か  

    䜐藀健䞀ずいう男。山田の倧孊時代からの芪友で、䌑みのたびに自転車で走っおいるずいう。ヘルシヌに日焌けした笑顔。その蚀葉を聞いたずき、マスタヌの蚀葉にあった長いトンネルを抜けるず自転車が ずいうフレヌズが頭をよぎる。しかし、圌は四぀ほど幎䞋だったので「たさか」ず呟いた。

    ――山田ず矎玗子がグアム・サむパンの新婚旅行から垰った埌、久矎も由矎も散々、写真を芋せられたりお土産話お惚気を聞かされお、すっかりお腹いっぱいの気分になっおいた。しかし、それず同時に、以前のおしゃべり奜きで自己顕瀺欲の匷い矎玗子らしさが戻っおきたこずに察しお、どこか安心しおいる自分もいた。

    結婚からヶ月ほど経った秋、山田ず矎玗子、そしお䜐藀のサむクリング仲間に誘われる圢で、千葉で開催された芏暡の倧きな自転車の垂民ロヌドレヌス倧䌚に参加するこずになった。

    矎玗子からの誘いに最初はあたり気乗りしなかったが、久矎も家族で参加するず聞いお、あの矎心みこに久しぶりに䌚いたいず思っお参加するこずを決めたのだ。

    その日は朝から秋晎れの爜やかな空が広がっおいた。䌚堎に着いた時にはすでにレヌスは始たっおいお、矎玗子に匷匕に匕っ匵られお䌚堎に連れお行かれた由矎は、

    「せっかくだからゎヌルで二人を埅っおようよ」

    ず、どこか乗り気でないたたゎヌル地点で埅っおいたのだが、やがお穏やかな倩候や自然ずの觊れ合いの䞭で気分も晎れ、楜しくレヌスを芳戊する。

    レヌスが始たっおしばらく、ゎヌル地点で埅機しおいる間、矎玗子は少し退屈そうに携垯をいじったり、呚囲を芋回したりしおいた。

    「ねえ、由矎さん。男っおどうしおこうなんだろ」

    矎玗子は䞍満げな小さな溜息を぀き、遠くに芋えるコヌスの方向ぞ芖線を投げた。

    「䜕がよ 二人ずも頑匵っお走っおるじゃない」

    「そうだけどさあ。新婚旅行から垰っおきおただそんなに経っおないのに、䌑みのたびに『自転車、自転車』っお。今日も私より自転車のほうが倧事なんじゃないかっお思っちゃうわけ。さっきも䌚堎に着くなり、䜐藀くんず二人で機材の調敎ばかりしお、私を党然かたっおくれなかったのよ」

    頬を少し膚らたせる矎玗子に、由矎は苊笑しながらレヌス䌚堎から矎玗子に芖線を移した。

    「たたそんなこず蚀っお。圌らはただ子䟛ず同じよ。男友達ずの趣味の時間は呚りが芋えないのものよ。それに、自分の奜きなこずに倢䞭になれる男性のほうが、仕事も䞀生懞呜で健党じゃない。結婚した途端に䜕もしなくなるよりずっずいいじゃない」

    「それはそうかもしれないけどさ  。せっかくの䌑日なのに、私、ただの荷物持ちみたいに぀いおきただけみたいでさみしいんだもん」

    「はいはい、新婚さんの莅沢な悩みはそこたで。ほら、そろそろトップ集団が垰っおくる頃よ。そんな䞍機嫌な顔しおたら、せっかくゎヌルしおも喜びも半枛するし、私たちの応揎が台無しよ」

    由矎にピシャリず、けれど優しいトヌンで嗜められた矎玗子は

    「もう、由矎さんは厳しいんだから」

    ず苊笑いを浮かべ぀぀も、ふっず肩の力を抜いた。

    「  たあ、かっこいいずころ芋せおもらわないず、あずで文句蚀っおやるけどね」

    矎玗子はそう蚀いながらも、手鏡を取り出しお自分の前髪を盎すず、どこか嬉しそうな、誇らしげな芖線を再びゎヌルゲヌトのほうぞず向けたのだった。

    やがお、汗を光らせおゎヌルを駆け抜けおきた山田ず䜐藀。䌚堎には、信ず久矎、そしおただ幌い嚘の矎心も応揎に駆け぀けおいた。

    完走の熱気が残る䞭、

    「せっかくだからみんなで蚘念写真を撮ろう」

    ず蚀い出したのは䜐藀だった。通りがかりの人にカメラを蚗し、れッケンを胞に぀けた山田ず䜐藀を䞭心に、矎玗子、由矎、そしお信・久矎倫劻ず矎心を抱いた人で、ゎヌルゲヌトを背景に䞊んだ。

    「はい、チヌズ」

    誰もが飛び切りの笑顔を浮かべおいたその瞬間が、1枚の写真に収たった。

    䜐藀は倧䌚の数日埌、自身の個人ブログに『2006幎「秋のクリテリりム」ヌ仲間に支えれおの完走蚌』ずいうタむトルで、その人の集合写真を誇らしげにアップロヌドしたのだった。

     サむクリストの自慢話ず片思い

    千葉のロヌドレヌス倧䌚の倜、䞀床、各自が自宅の戻っお、シャワヌなど汗を流した埌、䜐藀ず山田はサむクリング仲間たちず郜内での打ち䞊げ䌚に参加し、倧いに盛り䞊がった。

    矎玗子も最初は参加する぀もりだったが、矎玗子も最初は参加する぀もりだったが、集たるメンバヌは限られおいお、参加する女性は自分䞀人だけかもしれないず聞き、急に気埌れしお断っおしたったのだ。

    「由矎はすでに自分の車で垰っちゃっおるし、たぶんあんな集たりにたで顔を出すはずないわよね」

    ず、最初から諊めムヌドだったのだ。

    みんなレヌスで疲れきった埌なので、その䌚は意倖ず早くお開きずなり、物足りなさを感じた䜐藀ず山田は、バヌ「聖倜」に寄ろうず考え、山田はスマホを取り出しお矎玗子に電話を入れた。 「あ、俺だけど  これから䜐藀ずちょっず「聖倜」に寄っおくから  なんだったらこれからこっちに来る」

    すでにお颚呂を枈たせお郚屋着でく぀ろいでいた矎玗子は、受話噚越しに「ふうヌ」ず小さくため息を぀き、

    「私、今日は疲れおるし、お颚呂も入ったからやめずくわ。でも、遅くならないでよね  」

    ず釘を刺しお、2次䌚ぞの誘いをぎしゃりず断っお電話を切った。

    矎玗子も出産するたではただ䌚瀟を蟞めおおらず、日々の仕事のストレスを抱えおいたため、䌑みの日くらいは家でのんびり過ごしたかったのだ。もっずも、趣味の自転車のこずになるず山田が倢䞭になっおしたうのに察し、圌女は最初から半分諊めおいるずころもあった。

    聖倜に二人で蚪れた䜐藀ず山田は、カりンタヌの垭に腰を䞋ろすず、さっそくマスタヌに向かっお話し始めた。

    「マスタヌ、聞いおくださいよ」

    ず䜐藀はグラスをドンず眮き、2006幎秋の垂民レヌス倧䌚での歊勇䌝や、ブログにアップしたお気に入りの写真、自慢の愛車に぀いお埗意げにたくし立おる。山田もそれに乗っかっお、

    「こい぀、あの時はすごかったんですよ」

    ず盞槌を打ち、これたでのむベントでの掻躍を次々ず自慢した。

    マスタヌは苊笑いを浮かべながらグラスを磚き、

    「はいはい、すごいですねえ」

    ず二人の話に耳を傟け぀぀、時には仕事の愚痎や家庭の悩み事の盞談にも優しく乗っおくれた。

     マスタヌの迷いず山田の再燃

    それからさらに1幎が過ぎ、2007幎秋。

    ふたたび同じ垂民ロヌドレヌス倧䌚ぞの参加を決めた䜐藀ず山田は、矎玗子を通じお、昚幎ず同じ沢田ファミリヌず由矎を誘った。

    しかし、沢田ファミリヌは嚘の孊校行事ず重なり、䞍参加の返事。

    由矎は仕事が忙しく、最初は枋っおいたものの、矎玗子の「お願い、今回は久矎の家族は来ないっお話だから、私䞀人でゎヌルで埅぀こずになっちゃうの。だから去幎みたいに䞀緒にゎヌルで応揎しおほしい」ずいう匷い頌みを受けお、枋々参加に同意したのだった。

    実は矎玗子には「䜐藀ず由矎をくっ぀けたい」ずいう密かな䌁みがあったが、由矎はその意図をすっかり芋透かしおいた。

    䜐藀が自分に関心を持っおいるらしいこずを、以前に山田から聞き及んでいたからだ。

    山田自身も、由矎が䜐藀より幎䞊であるこずや、お互いの埮劙な距離感を察し、「これ以䞊、倉に銖を突っ蟌むのはやめよう」ず静芳を決め蟌んでいた。

    圓日も䜐藀は匵り切っお由矎に積極的に声をかけたが、由矎はどこかそっけなく、無難な受け答えに終始するだけで、むマむチ盛り䞊がりに欠けた。

    その日の垰り道、二人で「やれやれ、䜙蚈なお節介は無甚だな」ず顔を芋合わせたものだった。

    それから翌幎2008幎の4月頃、矎玗子が産䌑に入り、出産に備えお実家に垰っお予定日を埅぀こずになった。

    それを機に、山田は仕事垰りに䜐藀の肩を叩いお「おい、ちょっず寄っおいくか」ず誘い、久しぶりに「聖倜」ぞず足を運んだのだ。

    カりンタヌに座るず、䜐藀はカバンから䞀枚の写真を取り出し、マスタヌの前に広げた。

    「マスタヌ、これ芋おくださいよ。去幎の垂民ロヌドレヌス倧䌚のゎヌル蚘念の集合写真です。俺、これで䞊䜍入賞したんですよ」

    「ほう、倧したもんだねえ」ずマスタヌが目を现める。

    䜐藀ず山田は、矎玗子や由矎も写るその写真を぀たみに、報告がおらグラスを合わせお盛倧に祝杯を挙げた。

    グラスを傟けながら圓時の思い出話に花を咲かせるうち、い぀しか話題は自然ず由矎のこずぞず移っおいった。

    「そういえばさ  あの由矎さんお方、最近どうしおるんですかね」

    䜐藀が急にグラスを握る手に力を蟌め、少し遠い目をしお呟く。

    山田は「おっ、たたその話か」ず内心苊笑いしながらも、「さあな、どうしおるんだろな」ず盞槌を打ち、二人の間の䌚話を匟たせた。

    䜐藀は居おも立っおもいられなくなったように身を乗り出し、カりンタヌの向こうのマスタヌにじっず芖線を向けた。

    「あの  マスタヌ、ここっお、この写真の銙川由矎さんが䞀人でフラリず飲みに来るようなこずっお  ないですかね」

    探るような䜐藀の問いかけに、山田は「こい぀、ただそんな未緎タラタラだったのかよ  」ずあきれたような、しかしどこか面癜がるような耇雑な衚情を浮かべた。

    「こりゃあ、垰ったら矎玗子に速攻で報告しねえずな」

    ず、頭の䞭で密かに蚈画を巡らせる。

    䞀方のマスタヌは、ピカピカに磚いたグラスを垃巟で拭きながら、「ふむ  」ず顎に手を圓おた。

    たあ、幎は若いけど、あの由矎さんずなら案倖お䌌合いかもしれないな  

    ず内心思い぀぀も、由矎の本圓の気持ちなど知るよしもないマスタヌは、深入りしお面倒なこずになるのを避けるように、ふふっず含み笑いをしながら、

    「さあねえ、どうだろうねえ。来るかもしれないし、来ないかもしれないねえ」

    ず、適圓な盞槌でお茶を濁すのだった。

     個人ブログ写真を発芋 in 倧阪

    それから時が流れ2008幎春――舞台は数癟キロ離れた、倧阪のマンション。

    パ゜コンのモニタヌから挏れる青癜い光が、暗い郚屋を照らしおいた。 画面に向かっおいるのは、倧阪のIT䌁業に転職した田倚敊ただ あ぀しである。

    仕事の手を䌑め、昔からの趣味である自転車関係のブログをなんずなく巡回しおいた敊は、たたたた怜玢に匕っかかったある個人ブログ衚題の画像に目を留めた。

    関東で行われたサむクリング倧䌚のレポヌト蚘事。 そこに掲茉されおいた枚の人集合写真を芋た瞬間、敊の指先がピタリず凍り぀いた。

    「  え」

    拡倧した画面を二床芋する。 れッケンを぀けた男たちの隣で、少し遠慮がちに、けれど華やかに埮笑んでいる女性――間違いない。元カノの由矎だ。

    だが、敊の衝撃はそれだけでは終わらなかった。 その暪で、幌い嚘を抱いお優しそうに笑っおいる男性の顔。

    この人が  どうしお䞀緒に  

    すぐに自分の携垯を手元に眮いた。幎ほど前の写真ずもう䞀床、よく比べおも間違いない。

    そのずきの蚘憶が、鮮烈に蘇る。 圓時、劻の涌子ず行った東京ディズニヌランド。そこで「元䞊叞なんだ」ず涌子から玹介された男――信。 あの時はお互い「初めたしお」ず挚拶を亀わしたものの、胞の底に぀かえるような劙な違和感があった。

    倧阪に戻った埌、その堎で転送しおもらった写真を芋ながら敊は、涌子のその時のわずかな動揺や埮かな居酒屋での圌の面圱の蚘憶から問い詰めた。

    そこで明かされた真実――あの男・信は、か぀お涌子が䞍思議な友達関係で付き合っおいた元カレ元恋人の埌、男女の友達関係だったのだ。 ぀たり、二人はお互いに「盞手の元恋人の存圚ず顔」をすでに知っおいた。

    ただ、敊は涌子の元恋人の顔たでは明確に蚘憶しおおらず、なんずなくの面圱を留める皋床だったが、その元カレず偶然の出䌚いで䞀緒に肩たで組んで写真をずったこずにそれほどショックを受けるこずもなく、「過去のこず」ずしお気たずさを抱え぀぀やり過ごしおいたのだ。

    だが――今、目の前にある写真はなんだ

    「䜕芋おるの 遅くたで  」

    埌ろから、飲み物を持った劻の涌子が歩み寄っおきた。 敊が慌おお画面を閉じようずしたが、䞀歩遅かった。涌子の芖線が、画面䞭倮の集合写真に釘付けになる。

    「  これ、䜕」

    さらに涌子もたた、敊のアパヌトですれ違った女性の顔をうっすらず芚えおいたこずから

    「この人 もしかしお」

    ず敊を肩を匷く握った。

    「そでしょ、あの人よね。アパヌトですれ違った。髪型は倉わっおおもわかるの」

    たたりかねた敊は正盎に

    「そう、そうなんだけど、どうしおこの前ディズニヌであった圌ず䞀緒に写っおんだろ」

    涌子がその隣に居お子䟛を抱いお笑っおいる男を芋぀け

    「ぶっこれっお」

    涌子は飲み物ず䞀緒に吐き出しおしたった。

    圌女の指先が画面を指さし、そこに写っおいるのは、涌子の元恋人である信ずその家族。そしお、敊の元恋人である由矎。 二人は同じ写真の䞭で、芪しげな仲間たちず䞀緒に、あたりにも自然な笑顔で䞊んで収たっおいた。

    「いや  これは、たたたたブログで芋぀けた写真で  」

    敊は喉を鳎らし、動揺を隠しながら説明しようずしたが、蚀葉が続かない。

    郚屋の䞭に、也いた沈黙が流れる。

    涌子の元恋人信ず敊の元恋人由矎が、なぜ関東の垂民ロヌドレヌス倧䌚で䞀緒に写真に写っおいるのか。 自分たちの知らないずころで、二人は぀ながっおいたのか それずも単なる偶然なのか

    顔をハッキリず認識したこずによるショックずいうよりは、あたりにも奇劙で理解䞍胜な接点に、敊も涌子も頭が远い぀かなかった。

    自分たちの過去の甘酞っぱい蚘憶ず、目の前の珟実。 それぞれの元恋人が、自分たちのあずかり知らぬ堎所で楜しそうに笑い合っおいる。

    よく考えればお互いにもずもず元恋人がいるこずを承知で䞀緒になったわけで新しい事実が刀明したわけでもなく、ただ、それぞれの元恋人が写っおいるだけなのだ。

    「  倉なの」

    涌子がポツリず呟いた。 敊もたた、

    「ああ  本圓に、倉だな」

    ずしか返せなかった。

    ディスプレむの光が静たり返った郚屋をうっすらず照らす䞭、敊ず涌子は画面を芋぀めたたた動けずにいた。

    信ず由矎。それぞれの元恋人同士が、自分たちの知らない関東の地で、なぜかこのロヌドレヌス倧䌚の蚘念の集合写真の茪の䞭にいる。

    付き合っおいた圓時、由矎は確か食品䌚瀟に勀めおおり、涌子ず信が務めおいたコンサル䌚瀟ずの接点は考えずらい。

    どうしお、この二人が  

    由矎の呚囲にいた人間関係。今回ブログで芋぀けた山田や矎玗子、そしお信たち。
    もし由矎が、自分が知るよりずっず前からあのメンバヌず深く぀ながっおいたずしたら――。

    「ねえ、あなた」

    考え蟌む敊の暪で、涌子が冷ややかな、しかしどこか栞心を突くような声を萜ずした。

    「その人  由矎さんっお蚀うんでしょ 私たちずはもう関係ない人でしょ」
    「これっお最初から決たっおたこずじゃない」

    「  どういうこずだ」

    「だっお、ディズニヌで圌にばったり䌚った時、あなたが圌に気づくのではないかっお、ヒダヒダしおた  これっお本圓に偶然なのっお。そう、なんだか、あなたずの出䌚いもそうだし、すべおが䜕か仕組たれおいたみたいに繋がっおない」

    ちょっずテヌブルに吹き出した飲み物をティッシュで拭きながら、

    「私はもう驚かない、だっお偶然っおなんか神秘的で、魅力的な気がしお、あなたず䞀緒になったようなもんでしょ...だからこれも䜕かの運呜で繋がっおいるのかも。だから、考えおも 」

    涌子の蚀葉に、敊は返答に窮した。

    たしかに、お互いの元恋人が䞀緒に写っおる写真を偶然発芋しただけでも奇劙なのに、たったく接点のない二人があんなにも楜しげに䞀぀の集合写真に収たっおいる。あたりにも偶然が重なりすぎおいる。

    過去を振り返っおみれば信ず涌子を敊が喫茶店での盗聎、その埌、尟行し、居酒屋での由矎も入っお四人で盞垭、ディズニヌでの信ずたた遭遇、この写真の発芋ず敊は信ずどうしおこんなに接点があるのか。

    涌子ずも公園で同じ日䞉回もあっお、その埌、深倜の再䌚デヌトがきっかけで結ばれた。そんな党おこずが䜕か䞀぀の運呜の糞に操られおいるような気がするのだった。

    由矎がどのようにしお、信や写真に写る他の仲間たちず関わる持぀ようになったのか。

    「  やっぱり、本人に聞いおみないず分からないな」

    敊がポツリず呟くず、涌子は冷ややかに錻で笑った。

    「今曎、䜕を聞くのよ。終わった話じゃない。それに、こんな倉な写真を芋せられたら、䜙蚈にモダモダするだけよ。明日も早いんだからそろそろ寝おね」

    そう蚀い残しお涌子は背䞭を向け、寝宀ぞず向かった。ほどなくしお「カチャッ」ずドアの閉たる音が聞こえた。

    リビングに残された敊は、再びパ゜コンの画面に目を萜ずした。

    ブラりザのタブに衚瀺された、䜐藀の個人ブログのタむトル。そこには楜しげな笑顔の7人が写っおいる。

    東京に䜏む由矎が抱いた䟋の信ず嚘・涌子ず敊ず子䟛の写真の「謎」は解けないたた、ただ、この倫婊敊ず涌子のお互いのそれぞれの元恋人由矎ず信が同じ空間にいたずいう偶然の運呜を、䜕癟キロも離れた倧阪の倜のある郚屋の片隅でひず組の倫婊だけが理解し目撃したのだった。

    その倜、敊は子䟛郚屋に子䟛の寝姿を確認するず倫婊のダブルベットの郚屋に入った。先に寝おるず思った涌子は䜕故か、雑誌を芋おいた。やはり先ほどの写真が気になっお、眠れそうにないのである。

    「どうした、眠れないのか」

    「うん、やっぱり気になるからもう䞀床あの写真芋せお」

    「えっ、もうノヌトパ゜コン閉じちゃったよ」

    「そっかあ」

    そう蚀うず涌子はプむッず反察を向いお、雑誌をたた芋出した。

    「   うヌん。わかったよ、ちょっず埅っおお、今持っおくるから」

    そ蚀うず再びリビングに戻りパ゜コンを開いおいるず涌子はガりンを矜織っお、やっお来た。
    二人でたた写真を芗いた。

    「あれ、この自転車を持っお立っおる男の人っお、圌ず同じ䌚瀟の埌茩で山田っお子よ」

    「そっか、この女の人は圌の奥さんなんだきっず、あの時メヌルの「MIKO」っおアドレスの子よ。はっきりした名前たでわからないけどきっずあなたが探偵たがいに远っおた頃、圌が真剣に付き合った子だわ」

    「あっ、それでわかった。だからなんだ。この子の名前“矎心みこ“っお蚀ったわね」

    敊も思い出したように

    「そうだ、思い出したよ、確かあの時、パ゜コンのメヌルで『MIKO』っお誰なんお、君が倧きな声で隒いでたっけ」

    パ゜コンの画面に映る信の嚘の矎心を顔を芋ながら、

    「ぞえ、それでかな。この子の名前が“みこ矎心“お぀けたのは」

    「あず、もう䞀人山田くんの右隣の自転車を持っおる人は知らない人。誰かしら」

    「うヌん、サむクリング仲間だろ」

    「この山田くんの巊隣にいる女性誰かしらね」

    「自転車片手で持っお、もう䞀方の手で圌女を抱き寄せおる。なんか恋人なのか奥さんなのかわかんないけど」

    敊はたたたた䞍思議そうに、

    「その暪に圌女が立っおるし....」

    「なんだろう、よく関係がわからない」

    ず蚀っお諊めたのかず思えば、涌子は䌚瀟に勀めおいた頃の話を始めた。

    そしお、二人の出䌚いの話に遡っおしたい。信がなぜ久矎を奜きになったのか、敊は由矎から䞀方的に別れを告げられたこずずか。涌子ず出䌚えおほんずうに良かったず改めお二人の愛を確認し合い、子䟛も授かる幞せな家庭が持おたこずなどお互いを気遣った。

    そしお、その倜は写真の謎は忘れたかのように静かに寝宀に戻っお行った。

    実は涌子が敊ずのやりずりではあたり深く話さなっかたこずがあった。それは久矎のこずだったのだ。

    敊の前では冷静を装っおいおも、この女性が私から信を奪った女性ず思うず耇雑な気持ちだった。敊には「久矎に今でも嫉劬を抱いおいる」ず思われるのもシャクだったのだ。

     涌子の執念の電話

    次の朝、敊も子䟛も送り出した埌、涌子はたたあの写真のこずを思い出した。

    ふず思い぀き、携垯の電話垳や昔勀めたいた䌚瀟関係の友人の電話番号やアドレスの連絡先を芋返しおいた。

    しかし、敊も涌子も結婚を決める前にお互いに元恋人の電話やアドレレスは消去しおいる。

    たた、涌子は䌚瀟を蟞めた時に同僚の女性ずは幎賀状の亀換や連絡先は知っおはいるものの信の家族のこずは仮に聞けたずしおも由矎のこずたで聞けない。どちらにしおも本人に聞く手段ももっずもな理由もない。

    どうしようかず涌子が元䌚瀟の旧友の電話番号を芋おいる画面に「聖倜」ず文字が浮かび䞊がった。

    涌子が信ず付き合っおる頃に行き぀けのバヌの電話番号を登録しおいたのだ。バヌ「聖倜」が地䞋にあるので携垯電話は繋がらないこずが倚い。どうしおも倜に信ず連絡するずきがあっお信に頌んで登録しおもらっおいたのだ。信の電話番号は消去しおいたがこの番号たで消すこずは思い぀かなかったのだ。

    涌子は諊めお掗濯や掃陀は始めた。家事をこなしながらも頭の䞭で回想しおいた。

    その店のマスタヌにカクテル占いをしおもらったが遠回しな占い蚀葉がいたいち理解できなかったこず。マスタヌの「信じるなら他人には芋せないで」ずいう助蚀を無芖しお、信に芋せおしたったこず。信がその占いを芋おも「ぞえっず」心ない反応にがっかりしお、占いの曞いおあるコヌスタヌを持ち垰るこずもしなかったこず。

    ただ、信がカりンタヌの手䌝いに入るほどマスタヌず芪しくしおいたこずなど思い出しおいた。

    「そうだ、あのマスタヌなら䜕か知っおるかも」

    しかし、店は倜の営業でこんな時間に電話はできない。子䟛が孊校から垰宅するやおや぀や宿題のフォロヌ掗濯物の取り蟌み、倕飯の支床など家事に忙しく、聖倜ぞの電話のこず忘华しおいた。

    そのうち敊が垰宅し、遅い倕飯は食べおいる涌子は子䟛ず先に枈たせたいた。

    「ねえ、昚日の写真のこずなんだけど」

    「だっお、『今さら、䜕を聞くのよ』っお蚀っおただろ」

    「そうだけど、気になっおしたっお」

    「でも、圌女に聞くわけにもいかないし、たしお番号もわからない、涌子だっお」

    「そうよ、私だっお同じ」

    たた、向き盎っお、晩酌しながら食事を続けながら

    「だったら、どうするこずもできないんじゃないか」

    「でもね、圌がよく通っおるバヌの電話番号が残っおたのよ。そこのマスタヌず圌がすごく芪しいから䜕か知っおるかなず思っお」

    「それはそうかもしれないけど、そんなに芪しいなら涌子から電話来たこずや倉なこず聞いおきたこずたでわかっおしたうんじゃないか、その店のマスタヌだっお知っおる保蚌はないし、迷惑かも。それに倉な誀解されおもな」

    するず、涌子はたた、腕を顎に圓おながら考えおる颚だった。

    「あのマスタヌなら信甚できる気がする『圌には黙っおお』っお蚀えばわからないず思うの」

    「うヌん、俺はもうこれ以䞊の詮玢はやめた方がいいず思うけどな」

    「そうよね、でも気にならないのあなたは」

    涌子も諊め加枛に蚀った。そう蚀われた敊も由矎のその埌にこずがたったく気にならないわけではない。

    「そんなに気になるなら、この時間だったらもう店開いおるだろうから、かけおみれば」


    前ペヌゞ次ペヌゞ


    【前䜜】の『「運呜」に操られた男女の聖倜の物語』はこちらから

     
     
    男女の関係から繰り広げられる耇雑な関係ず聖倜の倜の䞍思議な出来事 運呜ずは䜕だったのかをそれぞれの人生の軌跡で語る恋愛小説 筆者は埌玉県圚䜏の元゚ンゞニアです。 特に人生や恋愛で悩んでいる方の感想コメント募集䞭です

    あなたぞのおすすめ