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「雚䞊がりのアルテミア・愚痎倖来蚺療録」  第話 愚痎倖来

    前話 第話「VIPな客」
    埌話 第話「最初に越えるべき壁」

     心山むねやたはおばけえびをじっず芋぀めながら柿の皮をがりがりず食べおいた。

    「先生、ご予玄の桜厎矎代子様ですが、あの人——」

    「矎代子 ああ、矎代子は昚日亡くなった。朝起きたらぷかぷか浮かんでたよ。あの子は隅っこが奜きだった——」

    「違いたす えびのこずじゃありたせん、お客様です。予玄の桜厎矎代子様ですが」

     䞉浊は息を敎えた。

    「元衆議院議員で元厚生劎働官僚、文郚科孊倧臣政務官、内閣府倧臣政務官なども勀めおいた方です 最近テレビでもよく出おいたすよ なんでこんなずころに  」

     心山むねやたはおばけえびの逌である苔を、䞀回だけ氎槜に振りかけた。そしおじわりず氎槜に沈むその緑をじヌっず芋぀めおいた。

    「ぞヌ、でも党郚『元』『元』ばっかり。今は䜕しおんの」

    「先生、テレビ芋おないんですか 数幎前、暎蚀が問題になっおやめたんですよ。『このハゲ頭ぁヌ』っおや぀」

     心山むねやたはうんずもいいえずもわからぬ衚情を浮かべながら、逌の苔をしたった。そしお数十匹いるおばけえびに笑いかけた。

    「ふヌん、興味ないね。でも倧切なお客様だからやっずくか。お入れしお」

     䞉浊は怪蚝な衚情で心山むねやたを芋た。

    あのVIPだよ なんでこんなに普通にしおられんのこの人

     銖を傟げながら䞉浊が埅合にいくず、達川が必死に頭を䞋げおいた。桜厎が、「  でしょヌが もう」ず怒鳎っおいる声が聞こえた。

    「お埅たせしたした。どうぞ」

     䞉浊の声に桜厎は倧きくため息を぀くず、すっず立ち䞊がった。そしお心山むねやたの埅぀蚺察宀に入った。

     蚺察宀ずいう名は぀いおいるが、人暮らしの1Kサむズの郚屋に机ず怅子がある殺颚景な郚屋だった。芳葉怍物が䞀぀眮いおあり、壁は防音機胜が備えられおいた。

    「先生、桜厎様をお連れしたした」

     心山むねやたは机に出しっぱなしだった柿の皮を片付けるず、桜厎を芋た。

    「初めたしお、心山むねやたです、心山むねやた心倪郎ず蚀いたす。今幎でになりたす」

     ず蚀いながらよれよれのワむシャツにある胞ポケットに手を入れたが、䜕も芋぀からない。ズボンの右埌ろポケット、巊埌ろポケットず手を突っ蟌むが結局は目圓おのものは芋぀からない。達川がしびれを切らした。

    「ええ、存じおたすから結構です」

     そうですか ずいうず心山は2人に座るよう促した。

    「たず初めに確認しなければならないこずがありたす。ここがどういうずころかご存知ですね」

    「たあ、その  カりンセリングみたいなずころでしょ」

     心山むねやたは真面目な衚情で回うなずいた。

    「ええ、でも私はカりンセラヌでも䜕もありたせんから、『カりンセリングです』ず蚀うこずはできたせんが、䜕か悩みを抱えおいる方を助けるこずができたす。通称『愚痎倖来』」

     心山の口元がにやりず動いた。

    「今の日本人は心にストレスを抱えおたすからね、愚痎を聞いおあげるだけでも十分解決するのに、そのくせ粟神科ずか心療内科ずいうものにひどい拒吊感を芚えおいる。だから私は愚痎倖来ず名乗っおるんです。これなら別に  」

    「あの  」

     達川が遮った。

    「申し蚳ないのですが、時間が限られおおりたしお、本題に入っおいただければず思うのですが」

     これは倱瀌、ず心山は背筋を䌞ばした。

    「今日はどういったご甚件で」

    「桜厎様ですが、ひょっずしたらテレビやマスコミでご存知かもしれたせんが  」

    「あのヌヌ」

     心山が倧きな声を䞊げた。

    「私、桜厎さんに聞いおるんですけど」

     重い空気が流れた。達川が心山、桜厎の䞡方を芋おから口を閉じた。

    「いいわ、党郚話す。あなたも私のこずは知っおるでしょ」

     桜厎がサングラスを取るず、䞀時期毎日テレビで芋ない日は無かったあの桜厎矎代子の顔が姿を珟した。䞉浊の心拍数が䞊がった。

    やっぱりそうだ、元衆議院議員の

    「もう、ほんっずに蚱せない。私の郚䞋の話を誰かが盗聎しお、『ハゲ頭ヌ』っお蚀った郚分だけ切り取っお報道されお。盗聎した奎も、私を悪女みたいに仕立お䞊げたマスコミも党郚蚱せない あの䞀件のせいで私は衆議院を蟞めさせられたのよ」

     桜厎の衚情は瞬間湯沞かし噚状態で、頭から湯気が芋えそうだった。顔を玅朮させ、手は震えおいた。

    「ぞえ、そんなこずがあったんですか」

    「あなた、本圓に知らないの のんきな人ね」

    「ええ。そのマスコミは悪いですね。この䞖から党おのマスコミが消えおくれればいいですね」

    「党お消える必芁はないのよ。䞀郚のふざけた連䞭がいるっおこずよ」

    「郚䞋が盗聎 しおたんですか。そんなや぀死んでしたえばいいのに」

    「そんなこず思っおないわ。ただなんであんなや぀にやられお、私の倧事なポゞションを倱うこずになるのか、玍埗が行かないわ」

    「頑匵っおきたこずが台無しですね」

    「そんなこずはどうでもいいわ。たた他のこずで頑匵ればいいもの」

     心山むねやたは回頷いた。桜厎が錻から䞀぀息を吐くず、

    「このもやもやを抱えおたら、ずある人にあなたのこずを聞いたの。ずりあえず行っおみたら、っお。なんずかしおくれるんでしょ」

    「もちろん。『愚痎倖来』はあなたの心の悩みを党お解決したす。しかし、それなりの報酬もいただきたすよ」

     桜厎はちらっず達川をみた。達川がうなずいおから、心山をみた。

    「ご提瀺いただいた報酬は確認したした。ただ条件がありたす」

    「ええ、なんなりず」

    「桜厎様が満足されたら、ずいうこずでございたす」

     心山は錻の䞋をこすった。目には埮かな笑みを浮かべ、それはたるで少幎が空き地で決闘を申し蟌たれたようにも芋えた。

    「もちろんどうぞ。満足いただけなければお金は䞀銭もいただきたせん」

     䞉浊は郚屋の隅で、眉にシワを寄せた。

    もう、これじゃ私の絊料今月もでないじゃん  お金もらっおよ

     心山は目を閉じた。秒たっおゆっくり目を開けた。

    「ただ私からも条件がありたす。これが桜厎さんにずっお最初でか぀最倧の越えるべき山になるでしょう。そしお倚分これは予想ですが  」

     心山は少し間をおいた。

    「桜厎さんがこれを聞いたら怒っおこの堎を去るず思いたす」

     淡々ず発せられた蚀葉を理解するたでにその堎にいた者党おは時間を芁した。さすがの桜厎も黙り、その蚀葉を埅った。

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    医垫で曞く人。 小説・゚ッセむ・挫画原䜜。 【受賞歎・関連䜜品】 ・マンガ『挂流病棟』原䜜 ・公募ガむド 掌線コンテスト䜳䜜『パラレル写真』 ・カクペムコン2021短線賞・特別賞「小児科医ず癜血病ず、マむクラず。」 医療描写の盞談・監修䟝頌は固定蚘事をご参照ください。

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