
会社遅刻ギリギリ?オフィスエレベーター内で思うこと
青信号に変わった。
朝9時25分。
さぁ、小走りだ。
横断歩道では犬の散歩をする、
おじいちゃんとすれちがう。
ワンちゃんは、
曇りなきまなこで私を見つめる。
おじいちゃんはその優しい手でクイクイ。
ワンちゃんはその小さな足でテクテク。
その曇りなきまなこはおじいちゃんに向けられ、
おじいちゃんを今度は引っ張って進む。
横断歩道を渡り終わる。
早歩きに切り替える。
少しでも汗をかかないように。
まいばすけっとで買ったドリンクゼリーの蓋を開け、
チューチューと吸いながらビルの入り口へ。
「おはようございまーす」
ビルの警備員さんが挨拶をする。
「おはようございま〜す」
私も軽く会釈しながら進む。
ビルの自動ドア。
エレベーターのボタンを押す。
ここには私と同じく遅刻にソワソワする同志達。
ドリンクゼリーをギュ〜としぼりながら
飲み干す。
蓋を閉めてポッケにしまう。
スマホを見ると、
朝9時28分。あと2分…!
1階にエレベーターがやってきた。
ぞろぞろと同志達と共に乗る。
私のオフィスは4階。
2階、3階と通り過ぎるから止まる心配はない。
だが、5階や6階の人たちはどうだろう。
5階のボタンも、6階のボタンも光っている。
あぁ、止まるのか。
みんなも急いでいるのかな。
エレベーターの中は静かだ。
誰も話さない。
みんなスマホを見ている。
私は明後日の方向を見る。
エレベーターだけが静かに上がっていく。
4階のドアが開く。
朝9時29分。
最後まで油断するなよ。
「あっ、降ります」
ドアが閉まる前に、足を一歩。
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