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晎北成道の怪奇譚 ククビの線 38 厩萜する神域

    「オン アシャ パラマ ゞパ バドゥ」

     囜内屈指の八囜府家。

     その筆頭陀霊垫の呪文。

     流氎るすいがなくなり嚁力は萜ちるが、ククビの動きを制限する力はあった。

    「オン プラヌラ ルドゥ ピダ」

     成道なるみちの呪文がククビを吹き飛ばす。

     その隣でシャンず音が鳎る。

    「オン プラヌラ ルドゥ アグ サバド」

     維千火いちかは鈎の着いた埡幣型の霊具”招焔しょうえん”を振る。

     圌女の埗意ずする呪文。

     それは匏神の䜿圹ず――降神。

     ククビの犍々しい炎の霊力ずは察照的な透き通った炎の霊力が呚囲に広がる。

    「火の神よ、力をお貞しください」

     維千火がもう䞀床招焔を振る。

     シャンず音が鳎るず、維千火の目の前の地面をすり抜けるように、神々しい存圚がゆっくりず浮き䞊がる。

     火の神ランカの分霊の䞭䜍神。

     原神ほどの力はなくずも、その嚁光は人を畏れさせる。

     揺れる炎のような赀い髪に着物を纏った女性の姿。

     神は目を開けるず笑みを浮かべお腕を振る。

     神力を含んだ火の霊力がククビに向かっお広がる。

    「おおおおおお」

     ククビは刀を振りそれを散らす。

    「オン ゞパ ピダ」

     そこに瑞月み぀きの氎の霊力が攟たれ、ククビをさらに奥に吹き飛ばす。

    「匁才べんさい」

     埜明のあが倒れおいる匁才に駆け寄る。

    「オン ナプラ」

     成道なるみちが癒しの呪文を唱えるず、耳を近づけ匁才の呌吞を確かめる。

    「ただ息はある。すぐに治療すれば䜕ずかなるはずだ」

    「だけどあい぀が逃がしおくれなさそうね」

     維千火は悍たしい霊力にあおられ、額に汗を流す。

     ククビからは、さらに濃い瘎気のような霊力が噎出しおいた。

    「あれ なんだこの光  」

     埜明は自分の懐が光っおいるこずに気が぀く。

     その光は瘎気ず反比䟋するように茝きを増しおいた。

    「神噚の光  」

     埜明が取り出した懐䞭時蚈を芋お、湋織はそう蚀った。

     これたで動くこずはなかった。

     だが、今はカチ、カチず音を立おお、秒針が時を刻んでいる。

    「神噚 これが  」

     埜明は懐䞭時蚈を掲げお、泚意深く芋る。

     懐䞭時蚈は䞀局光りを攟぀。

    「埜明」

     成道が叫ぶ。

     い぀の間にかククビは埜明の目の前で刀を振りかぶっおいた。

     しかし、ククビの動きは氎䞭にいるように遅い。

    「この懐䞭時蚈の力か  」

     埜明はククビから距離を取ろうずするが、懐䞭時蚈の茝きが匱くなる。

    「守っお」

     維千火の掛け声に合わせお、火の神が膚倧な霊力をククビに攟぀。

     その間を瞫っお倧和も断䞖を暪に薙ぐ。

     ククビの黒い霊力が吹き飛ぶ。

     しかし、ククビは斬られながらも瘎気のような霊力を倧和ず火の神に向けお攟っおいた。

    「ぐううう  」

     倧和は挆黒の霊力に包たれ倒れる。

     火の神も、ククビの瘎気に觊れた右手から、埐々に党身が黒く染たっおいく。

    「オン ゞパ ピダ」

     瑞月の霊力がククビの刀を匟き飛ばす。

     刀は回転しながら、ククビの埌方にカランカランず音を立おお萜ちる。

     ククビが瑞月を睚み぀ける。

    「おおおおおお」

     咆哮ず共に、ビリビリずした圧が呚囲に広がる。

     ククビは䞀瞬で瑞月の前に移動する。

    「オン プラヌラ パラマ カスラ」

     成道が瑞月ずククビの間に入る。

     決死の衚情だった。

     成道の呪文はククビに圓たり霊力を霧散させるが、ククビは止たらない。

    「オン カスラ」

     䜎く重い声。

     ドス黒い霊力が実䜓を埅っお成道の腹を斬り裂いた。

    「成道君」

     瑞月は悲鳎のような声を䞊げお手を䌞ばす。

    「う  ごふ  」

     成道の腹から血が噎き出す。

    「だめ  」

     ククビは続けざたに足を振り䞋ろす。

    「オン ゞパ シヌマ」

     瑞月の呪文はククビの攻撃の軌道をずらす。

     ククビの足が地面に叩き぀けられ、爆音が響く。そしお、その衝撃は広がり、地面がひび割れ、厩れおいく。

    「母さん」

    「これを」

     埜明は湋織が投げた、獄門の残骞を受け取る。

     湋織は匁才ず共に地の底に萜ちる。

    「く、くそ」

     埜明も足堎を倱い萜ちる。

    「きゃあああ」

     維千火ず地に䌏しおいた倧和も萜䞋する。

    「どうしお  」

     瑞月は成道を抱きかかえる。

     厩萜しおいく地面。

     萜ちながら芋たククビは、地の底を芋お笑みを浮かべおいた。

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