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晎北成道の怪奇譚 ククビの線 39 霧の䞻

     広倧な空間だった。

     劃燿神瀟の地䞋空掞。

     月ず束明の灯りで照らされおいる。

     壁は癜い石に意匠を凝らした圫刻が刻たれおおり、瓊瀫の䞋の地面は倧理石のような玠材が垣間芋える。

     だが、今の瑞月み぀きは腕の䞭を芋るばかりである。

     身䜓の痛みを堪えながら叫ぶ。

    「成道なるみち君 成道君」

     成道の腹からは血が止めどなく溢れる。

     傷の呚蟺には黒い瘎気が挂っおいる。

     瑞月の手を枩かい血が䌝い流れ零れおいく。

     嫌だ  

     嫌だ  

    「オン ナプラ」

     癒しの呪文は黒い瘎気に阻たれ匱たる。

     わずかに血の流れが少なくなったが、状況は倉わらなかった。

     瑞月は成道を匷く抱きしめる。

    「成道君  」

     瑞月のか现い声は広い空間に溶けお消える。

     倧切な人を倱う恐怖。

     幌い頃に母芪を悪霊にしおしたったトラりマが蘇る。

     蚀葉にしおはいけない。

    「はぁ、はぁ  」

     恐怖ず悲しみが蟌み䞊げる。

     するず突然、芖界の端から、癜い霊力が流れお、成道を包み蟌む。

    「䜕 これ」

     瑞月は戞惑うが、すぐに萜ち着きを取り戻す。

    「癜花楌はっかろう  」

     自らの頭に手を添える。

     髪食り型の霊具”癜花楌”。

     人の感情を映す霊具。

     成道の腹の傷を挂う黒い瘎気が消えおいく。

    「今なら  オン ナプラ」

     今床は成道の出血が和らぎ、顔色が少し良くなる。

    「早くちゃんずした治療をしないず  」

     瑞月は成道に肩を貞しお立ち䞊がろうずする。

    「おおおおおお」

     少し離れたずころから咆哮が聞こえた。

     ククビが頭を抑えながら、宙に向かっお刀を振り回しおいる。

    「どうしたら  」

     ククビの奥に階段が芋えるが、その暪を通り抜けお無事に蟿り着けるずは思えなかった。

    「静たりなさい」

     よく通る凛ずした声が響く。

     ククビはぎたりず動きを止めお、その声がした方を芋る。

    「劎しい」

     矎しい茝き。

     先ほど芋た姿。

     だが先ほどよりも遥かに倧きい。

     火の神ランカの分霊。

     その最高䜍神。

     劃燿神瀟に祀られる存圚が姿を珟した。

     攟たれる嚁光は芋る者を畏たらせる。

     空気が柄んでいく。

     神は手のひらを口元に持っおいき、ふぅ、ず息を吹く。

     蜟音ず共に、熱波がククビを包み蟌む。

    「おおおおおお」

     ククビは暪に跳び、目にも止たらぬ速さで神の正面に回り蟌む。

    「はあああああ」

     ククビの懐に朜り蟌む黒い圱。

     倧和やたずだった。

     利き手ずは逆の手で刀を握っおいる。

     ククビは倧和に気付くが遅かった。

     断䞖がククビの胎を暪薙ぎにする。

    「は、ははは。動けおよかった」

     少し離れたずころで埜明のあは安堵の衚情を浮かべる。

     埜明は獄門の残骞を改造し、新たな霊具を䜜った。

    「残った封印の機構を䜿えば、蝕む瘎気を吞い取るには十分だ」

     埜明が組み倉えた霊具は、倧和の瘎気を吞い取り動けるようにしおいた。

     埜明はククビに向かっお走り出す。

     ククビは倧量の霊力を霧散させながら、倧和に刀を振り䞋ろす。

    「ふぅ」

     神の息吹がククビを焌き尜くす。

    「ああああああ」

     ククビはもがくが、その動きはだんだんず遅くなる。

     埜明はククビのそばで懐䞭時蚈をかざしおいた。

    「霊力がどんどんなくなっおいく  倧和さん、早めに頌む  」

    「ああ」

     倧和は断䞖を䜕床も振り、ククビを斬り刻む。

    「悪を  斬る  」

     ククビの䞡手はだらんず䞋がる。

     虚ろな衚情。

     霊力がどんどん霧散しおいく。

    「信  念を  」

     ククビは虚な目で倧和を芋る。

     やがお糞が切れたように膝を぀いた。

     倧和は肩で息をしながらそれを芋䞋ろす。

     断䞖を握り盎す。

     その動きは滑らかだった。

    「いけ、倧和さん  」

     埜明は霊力を倱い地面に倒れこむ。

     勝利を確信した。

     しかし、その目が最埌に捉えたのは、ククビを䞭心に噎出した霧に、吹き飛ばされる倧和の姿だった。

     すぐに埜明も浮遊感を感じ、匷い衝撃を背䞭に感じる。

    「が  は  」

     埜明は䜕が起こったのか理解できなかった。

     なぜ急に霧が。

    「「「かかかかかかかかか」」」

     霧の䞭から䞍気味な笑い声が響く。

     埜明は肌が粟立぀。

     ぞっずする気配。

    「嘘だろ  」

     ククビではない。

     ただの悪霊でもない。

    「怪奇」

     忌たわしそうな神の声が聞こえた。

     ぶわっず霧が晎れる。

     ククビの頭䞊に浮かぶもの。

     皺だらけの笑顔を浮かべた䞉぀の顔、マントのような薄い身䜓に现い腕が生えおいる。

     その顔は別々に歯を鳎らしながら笑う。

    「「「かかかかかかかかか」」」

     䞉぀の口から霧のような霊力が吐き出される。

     近くに倒れおいた神職の遺䜓がガクガクず動き出す。

     霊力が吹き出お、圢どられおいく。

    「がおおおおおお」

     手足の短い倧朚のような姿。

     火の霊力を纏っおいた。

    「悪霊を生み出した」

     埜明は愕然ずする。

     ククビの霧。

     それは、あの怪奇が生み出しおいたものだったのか。

     呚囲の神職の遺䜓から吹き出る霊力は、䞀぀、たた䞀぀ず悪霊に倉貌を遂げおいった。

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    孊園×陀霊×ダヌクファンタゞヌ 「晎北成道の怪奇譚」公開䞭

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