ヘッドホンを外す 2
右に曲がると決めて曲がり続けていたら、
結局同じところに戻って来てしまった。
ビルの隙間で、もう日が沈みそうだ。
じゃあ今度は左に曲がろうか。
朝とは違う人並みに、何故か寂しさが漂う。
知らない人、知らない街、知らない道。
出口を探しながら、ふとつられて早足になる。
そうだ、電車に乗ればいい。
どこか、遠くへ行こう。
とりあえず、一番安い切符を買って改札を抜けた。
握りしめた紙の頼りなさにふいに不安になって電光掲示板を見上げていたら、後ろから肩を叩かれた気がした。緊張が走る。
ヘッドホンを外すべきなのだろうか?
・・・。
恐る恐るヘッドフォンを外しても、僕はその日声を聞き取ることは出来なかった。
変わらず通り過ぎる人々と、
流れて行く雑音だけが、
僕を余計にひとりにさせた。