ヘッドホンを外す 1
高層ビルの建ち並ぶ街の交差点を渡りながら、空を見上げていたのは僕だけだった。
すごいスピードで流れて行く雲。
たちまちビルの向こうへ消えた。
今日という日もきっとすぐに終わる。
こんなにもたくさん人がいるのに、皆んな何を見ているのだろう。
あの雲の速さに気がついてはいないのだろうか?
どことなく速足で歩いていたら迷子になった。
同じところを回っているかのような街並み。
さっきもすれ違ったような気がする人々。
ああ、どことなくため息が出る。
目印を見つけて、今度は右に曲がると決めた。
このリフレインから抜け出すには、新たな道を行くしかない。
ヘッドフォンを外すと今日の音が聞こえてくる。