溺れる蛍
泣かないって決めたあの日から
川沿いの道を静かにひとり歩く
何も見出せない暗闇の中で
私を呼ぶ小さな光
月夜の空を儚げに舞う黒い虫
何年生きたって愛が何かなんてさっぱりわからないんだ
茂みに隠れた蛍は
雨の日に光ったまま流されて行く
息苦しくなって飛び出してはみたけれど
向かいたい場所なんてどこにもなかった
ぬくもりが欲しい
私を呼ぶ小さな光
ただそっとつかみたかった夜の夢
今日何が大切かなんて決められずにいるんだ
差し込む日差しに目を細めて
夜を待っている
何年生きたって何も解決できずにやり過ごしている
茂みに隠した臆病な光
川底に揺れる溺れた私