故郷
最近、ふと見上げてしまう。
そこには掴めなさそうな雲と、
どこまでも続きそうな青さがある。
鳥が飛んでいる。
どこへ向かおうとしていたのか、
何を掴もうとしていたのか、
欲張りすぎたのか、
まだ何も出来ていないってことなのか、
僕をからかうように吹き抜けていく風が、少し冷たい。
ああ、あの山が見たい。
昔、檻のように、壁のように
僕を閉じ込めているかのように思えていた
あの山が見たい。
そこに行けば、
思い描いていた登るべき山の頂上と、
超えるべき壁が、
今ならわかりそうな気がするから。
帰ろう、
帰らないと決めていた故郷へ。
今、帰ろう。