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なくしもの

    戻ってこなかった落し物は、結局私から離れていく運命だった。

    失くしてしまったことに気がついた瞬間の焦り。
    もうどうにかなってしまいそう。運命とでも思わなければ、どうにもこうにも諦めきれない。
    あれは、手放したくないものだった。
    そばにいて欲しいものだった。
    なぜ無くなってしまったかなんて本当にわからない。
    神様のバカ。
    誰を責めたらいいかわからないから、都合よく神様のせいにしてアスファルトを蹴る。
    それでもわかっている。いつだって私が悪い。
    どんなに自分を責めても、また同じことを繰り返している。

    どうしてこんなにも愚かなんだろう。
    幾度も見つめ直したはずなのに。
    変わらない自分がそこにいる。

    いつまで続けるのだろう。私を 私を。
    いつか許されたい。 私に 私に。

    静かに繰り返す波の音が、そんなもんだと謳っている。
    眠ればいい。今日はもういいから。

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