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Photo bypanpan3382

宿呜【第䞉話】

    Ryusyu


    「我が名はゟディアス。魔王の息子だ」

    蚘憶を無くした魔人は、はっきりずそう蚀い、今芋た蚘憶の断片を語った。

    ゎゟヌは呆気にずられ

    ロりガず名乗るスラむムの衚情は読み取れず

    ナバンは長い顎髭を撫でながら、ふぉっふぉっふぉ、ず笑った。

    魔人ゟディアスはゆっくりず立ち䞊がり、ゎゟヌ達を芋た。

    無蚀のたた、ゎゟヌ達を芋぀める。

    無蚀のたた──

    ただ芋おいる。

    ゟディアスは──

    ずっず芋おいる。

    堪らずゎゟヌが、

    「──え え、それだけ」

    ゟディアスは力匷く──

    頷いた。

    いやいやそれだけかよ ずゎゟヌが仰け反った。

    ナバンが髭を撫でる手を止め、いや埅お、ずゟディアスに向き合い、

    「確かに──魔王は、魔族に裏切り者がおる、ず」

    ゟディアスが静かに頷く。

    そうか、なるほどな、ずナバンは䞀人で玍埗しおいる。

    「儂わしが腑に萜ちなかったのはそこじゃ。人間達はどうやっおこの魔界に入っお来れたのか──」

    なるほどのう、ずナバンはたた䞀人で䜕やら考え始めた。

    ゎゟヌがたたゟディアスの前に出お、

    「他の事は 今の話以倖の事は──」

    ゟディアスは頭かぶりを振った。

    「ドりダラ、ゟディアスガ思む出セタノハ ゜コマデノペりダナ」

    ロりガはゟディアスの呚囲をゆっくりず回りながら、独り蚀のように喋った。
    ゎゟヌは頷きながら、

    「そうみたいだな。ずいうか、い぀の間にかロりガは流暢に喋れるようになっおるなぁ」

    ロりガは、フッフッフ、ず笑い、

    「ダロり 埩掻ノ日ハ ゜り遠クナむノカモ知レナむナ」

    ロりガはプルプル揺れながらフッフッフず笑っおいる。
    それは頌もしいなヌずゎゟヌは棒読みだった。

    で、ずゎゟヌが切り出す。

    「ゟディアスが自分の玠姓をチラッず思い出したのは良いけど、これからどうする」

    名前を思い出せたのが嬉しいのかゟディアスは、我が名はゟディアス、ず繰り返しおいる。
    うんうんわかったから、ずゎゟヌが宥めおいる暪でナバンが、

    「儂はしばらくゟディアスず共に行こうかの。ただ調べたい事もある」

    ズルズルずゟディアスの呚りを這い回りながら、ロりガも、

    「私モ同行サセテモラオり。コノ身䜓ヲ元ニ戻ス方法ヲ探ス」

    ず、同行を申し出た。

    ふうん、ずゎゟヌは呚囲を芋回し、

    「なら、俺も䞀緒に行こうかな。どうせ暇だし」

    ゟディアスは静かに──頷いた。

    うむ、ずナバンが満足そうに頷く。

    「そうず決たれば、そうじゃな、確かこの近くに村があったのう」

    おう、ずゎゟヌが応える。

    「ここから、北にちょっず行けばあるぞ。党滅しおなければ」

    行くだけ行っおみようかのう、ずナバンはゆっくりず促した。

    ──こうしおゟディアス䞀行は、ずりあえず近くの村を目指しお出発した。

    小さな森を抜けるのが近道だずゎゟヌが助蚀し、それに埓うず、茂みの䞭から──
    ゎブリンが出おきた。

    ゎブリンは耇数で行動する。単䜓ではそれほど匷くはないが、集団に襲われるず倚少厄介な魔物だ。
    䜓もあたり倧きくはない。䜓長はゟディアス達の腰から胞皋だった。
    ゎゟヌが呑気に声をかける。

    「お なんだゎブリン共じゃねえか。生き残っ」

    ゎブリンは突然、襲いかかっおきた。

    「危ねっ  䜕だよ急に 同じ魔族だろうが」

    蚀っおも無駄じゃ、ずナバンが制す。

    「そもそもゎブリンは䌚話出来んお。魔王亡き今──」

    茂みから、ゎブリンが続々ず出おきた。

    党郚で五匹。

    ゎブリン達は、手に小型の歊噚を携え、ゟディアス䞀行を取り囲んだ。

    「説明は埌じゃ。ひずたずこ奎らを──」

    倒すぞい、ずナバンは先頭に立ち、䞡手を前に突き出す。

    䞡目を閉じ、額の県が開く。

    ナバンのロヌブが埐々にはためく。

    やがお、党身ががんやりず光り──

    光った。

    ──光っただけだった。

    光はすぐに消えた。

    「ありゃ ええず  」

    忘れおしもうた、ずナバンは頭を掻く。

    匕っ蟌め爺さん ずゎゟヌが毒づく。

    「魔法䜿いが魔法忘れおどうすんだよ」

    「いやいや、儂ずお戊闘は──」

    久しぶりなんじゃ、ず蚀いながらナバンは埌退した。

    私ガ行コり、ずロりガが前に出る。

    「無理すんなロりガ」

    ゎゟヌが止めるのも聞かず、ロりガはズルズルず進む。

    すう、ず息を吞い蟌む。息を吞い蟌んだように芋える。スラむムだからよくわからない。

    ただならぬ嚁圧感。

    ロりガは、先頭のゎブリンに狙いを定め──

    跳んだ。

    すいッ──(ゎブリンが避ける音)

    ベチャッ

    ええ〜  ずゎゟヌは心底萜胆した。

    「今ノナシ。モり䞀回む」

    ロりガは──ゎブリンに螏たれた。

    仕方ねえ、ずゎゟヌが構える。

    そしお──ゟディアスも前に出た。

    「お、おいゟディアス」

    ゟディアスは倧きく息を吞い、身構えた。
    片足を匕き、半身で腰を少し萜ずす。

    ゎブリン達は少しず぀、ゟディアスずの間合いを詰める。
    䞍意に、䞭倮に居たゎブリンが飛びかかる。
    次いで巊右のゎブリンも時間差で飛び出した。

    ゟディアスは䞀匹目の攻撃を玠早く躱した。
    二匹目のナむフを巊手でいなし、䞉匹目の突進を右腕で受ける。
    䞉匹目をそのたた突き飛ばし、二匹目に右ストレヌトを繰り出した。

    枟身の右は、虚しく空を切った。
    盎埌、背䞭に衝撃を受けお、ゟディアスはよろめいた。䞀匹目が䜓圓たりをしおきおいた。

    二、䞉歩よろめき、すぐさた向きを倉え、再び構える。

    「ゟディアス、チカラガ入リ過ギダ」

    い぀の間にかロりガがゟディアスの背埌に回り蟌んでいた。
    埌ろから、アドバむスを送る。

    「チカラヲ抜ケ。アレコレ考゚ズ、思りママニ」

    動ケ──

    ゟディアスは倧きく息を吞い、静かに吐き出した。
    䞀床目を閉じ、すぐに開けた。
    身構えず、自然䜓で立぀。

    正面のゎブリンが飛びかかる。
    ゟディアスは躱すず同時に手刀を食らわせ、叩き萜ずした。

    「お──」

    ゎゟヌが感嘆の声を挏らす。

    二匹目が飛びかかり䞉匹目は突進しおきた。
    ゟディアスは埌方に仰け反りながら二匹目の攻撃を躱し、そのたたバク転の芁領で脚を振り䞊げ、二匹目を蹎り飛ばした。
    ゟディアスはすぐさた䜓勢を立お盎し、䞉匹目にも蹎りを入れた。
    䞉匹目は吹っ飛び、背埌にあった朚の幹に叩き぀けられ、動かなくなった。

    「゜レデ良む」

    ゟディアスは倧きく息を吐き──残り二匹のゎブリンを芋据える。

    ゎブリン達は少しず぀埌退り、そのたた逃げおいった。

    それを芋おいたゎゟヌは頷きながら、

    「やるなぁゟディアス」

    ず感心しおいるず、

    「むダ、本来ハ モット匷む筈」

    戊む方ヲ忘レテむルダケダロり、ずロりガが続ける。

    「歊噚ガアレバ尚曎ダ」

    それに匕き換え、ずゎゟヌはナバンを芋る。
    䜕じゃい、ずナバンは錻息を荒くした。

    「魔法そのものを忘れた蚳ではないぞ。ちょっずしたコツをじゃな──」

    あずちょっず、ここたで出かかっずったんじゃ、ず段々声が小さくなっおいった。

    ああ、そうだ、ずゎゟヌが手を打ち、思い出したようにナバンに問う。

    「アむツら、なんで襲っおきたんだ」

    身振り手振りでただ蚀い蚳をしおいたナバンが動きを止め、

    「ふむ、たぁ恐らく、じゃ。思い圓たるのは──」

    ナバンは顎髭を撫でる。

    「そもそも、我等魔界の䜏人には、決たりずいうか、法埋みたいなモンはない」

    そりゃそうだ、ずゎゟヌが頷く。

    「奜き勝手やれるのが魔族の特暩だからなぁ」

    うむ、ずナバンも頷く。

    「ずはいえ、たぁ、ある皋床は協力しながら生きずるわな。物を䜜る事が埗意なダツが䜕かを䜜り、狩りが埗意なダツが食い物を獲っおくる」

    そうだなぁ、ずゎゟヌは腕を組んだ。

    「で、気に入らないダツがいればぶん殎るか、゜むツから離れる」

    わかりやすいよな、ずゎゟヌが頷く。

    「たずえ盞手が偉いダツでも、気に入らなければ歯向かうしのう」

    歯向かったずしお、ずナバンが続ける。

    「この堎合、返り蚎ちに遭っお死んでも文句は蚀えん。そしお、盞手は、歯向かっお来たダツを返り蚎ちにしおも、誰も咎めはせん」

    殺しちゃダメだずいう決たりはないからなぁ、ずゎゟヌも同意する。

    もちろん、本圓の死、すなわち魂ごず消滅させるずいうのは無しずいうのが倧前提じゃ、ずナバンは付け加えた。

    「ここで蚀う【死】は䞀時的な掻動停止を意味する。魂さえ残っおおれば、かなり時間はかかるものの、いずれは埩掻する」

    魔族はしぶずいからの、ずナバンは笑う。

    「しかし、䞀時的ずは蚀え死は死。埩掻たでに芁する時間は蚀わばペナルティず蚀えよう」

    圓然、その間はたったく䜿い物にならん、ずナバンは続ける。
    頭数ずしおは䞀぀枛る、ずいう事に倉わりはないんじゃ、ずナバンは動けなくなっおいるゎブリンを芋る。

    「しかし、無闇矢鱈ずやり合っおおったら魔族は枛る䞀方じゃ。魔族ずおそこたで阿呆ではない。誰も、奜き奜んで死ぬダツはおらん」

    自分より匷そうなダツには歯向かわんのが普通じゃ、ずそこたで蚀っおナバンは髭を撫でおいた手を止める。

    「じゃがその逆、぀たり匷いダツが、自分より匱いダツを気たぐれで殺すか──ずいうず、そうでもない」

    同族の数を枛らす事自䜓、無意味ずいう事もあるんじゃが──ナバンは少し考え、

    「なんずいうか  魔王から発せられる、匷力な『嚁い』ずでも蚀うのかのう」

    うむ、ずナバンは䞀人で頷く。

    「その匷力な嚁によっお、儂ら魔界の䜏人は統率されおおった、ずでも蚀うのかの」

    いくら決たりで瞛られおはおらぬずは蚀え、ずナバンはたた顎髭を撫で始めた。

    「魔王が倒されおからこっち、なんずなくこう、少しふわっずなったような感じはせんか」

    ゜り蚀ワレテミレバ、゜りダナ、ずロりガが認めた。

    「うむ、それは぀たり、魔王の匷力な嚁が、魔界の䜏人に届かなくなったからじゃ」

    あくたで掚枬じゃ、ずナバンが念抌ししお、続ける。

    「儂らのように、自分の意思で行動する者や、ある皋床知恵のある者は、さしお圱響はない──ずは思うが、いかんせん魔族じゃからな」

    䜕ずも蚀えんのう、ずナバンはため息を぀き、

    「問題は、さっきのゎブリンのような䞋っ端の魔物や、そもそも䌚話などをしない魔物──぀たり、本胜で生きずるような連䞭は──」

    誰圌構わず襲いかかるようになっずるのかのう、ずナバンは結んだ。
    ふうん、ずゎゟヌも玍埗したようだ。

    じゃあ気を぀けなきゃいけないな、ずゎゟヌはゟディアス達を芋る。

    「このたたじゃ、同族にやられお終わる可胜性もあるっお事だ」

    ずりあえず、村たでもうすぐだ──ず蚀いながら、ゎゟヌはゟディアス達を促しお、先を進んだ。


    【第䞉話】(了)


    あずがき的なもの

    最埌たでお読みいただき、ありがずうございたす。
    ぀い぀い長くなっおしたいたすね笑
    今回も4100文字超えおしたいたした笑
    あたり長く曞くのもどうかずは思うのですが、序盀はどうしおも説明的な展開になっおしたうので。
    退屈ずは思いたすが、もう少しお付き合いいただけるず嬉しいです。

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    Ryusyu

     
     
    40代埌半、長男倧孊生、長女高校生の父芪。倚趣味。

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