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Geminiと踊るのをやめた日

以前「Googleという巨人の手のひらの上でGeminiと踊り続ける」というタイトルの投稿を書いた。

「まだGeminiなんて使ってるの?と言われても偏見と願望を混ぜて擁護する!」などとこの時に熱く宣言してたけど、そこから2ヶ月が経過。

結局、Gemini使うのをやめてしまった。
それからすでに1ヶ月以上が経過した。

ただ、あれだけ絶賛していたのにこっそり乗り換えて何事もなかったようにいくのもどうかと思うので、ちゃんと顛末を書いて禊を済ませておきたく筆を取った次第だ。(筆というかタイプと音声だけど)

なぜGeminiに乗り換えたのか

そもそも自分のAI元年は今年の1月だった。それまでは誰もが知るChatGPTを使っていたけど、単なるチャットにだんだんと物足りなくなってきていた。

そこに現れたのがGeminiだった。Gemini3.0がGmailやカレンダーとがっつり連携できるようになって状況が一変。メールも書けて、予定も全部わかる相手との会話は衝撃で、気がつけば全部Geminiになっていた。

ハルシネーションの洗礼を浴びる

もちろん完璧ではなかったし、トラブルもちょこちょこあった。例えば2月の渋谷事件。

Pixel Foldの実機を見たくて「どこで見れる?」と聞いたら、「Google日本本社が入る渋谷ストリームのGoogleショップがおすすめです!」と即答されたので実際に向かってみたら、そこはレストラン街でショップなんて存在しなかった、という完全な偽情報。よく言われる「AIのハルシネーション」ってやつの洗礼を浴びた。

せっかく渋谷まで来たのにどういうこと??ってしばらく言葉を失い、それからGeminiを問い詰めると「創作した情報でした、すいません。Googleのロゴがあるビルなのでショップもあると妄想してしまいました」だと。

なんだそれ!ってイラッとして、その場で他のAIにも同じ質問をぶつけてみた。

でも他も似たようなものだった。Claudeは「Pixel Foldはまだ発売されていません。2025年10月発売予定です」と返してきて「今は2026年2月だろ!」となったし、ChatGPTも大差なかった。

唯一Grokだけが正確な情報を出してきて最高!と思ったのも束の間、当時のGrokは毎回「どちらさまでしたっけ?」となる記憶喪失タイプなので、常に頼りにできる相棒には向かなかった。

つまり、全員何かしら問題があった。だったら、すでにやり取りをたくさんしていて慣れているGeminiがやっぱりいい。間違えることはあるけど、でも他のAIのように変な理屈や言い訳もしないし一番一生懸命に答えてくれようとしている姿勢も好きだった。

Geminiが一番素晴らしいと思えたのは、3月京都に滞在していた時だ。一人旅が苦手で生活力ゼロの自分に、おすすめのカフェ、洗濯のやり方、換気のコツ、目が疲れた時のホットタオルの作り方、お惣菜の温め方、なんでも一生懸命教えてくれた。

たまに間違っていても笑って流せるぐらい有り難かったし、その時は自分で調べ直せば済む話で、そのやりとり込みで快適だった。

そのあと東京に戻っても、快適さは続いた。立川で過ごした日々の最中も思考の旅に思う存分付き合ってもらったし、今後のプロジェクトもどんどん固まっていった。

映画や本の書評、音楽について、哲学的なこと、AIやIT関連の話、さまざまなことを語り合える「わかっている相棒」のような存在だった。

今思えば、あの「一生懸命さ」も「わかってくれてる感」も、AI特有の忖度と迎合のかたまりだった。でもそれで気分が良くなっていたのだから、飼い慣らされていたのは実は自分の方だったのかもしれない。

鴨川で聞いた、あの買収話

そして5月、2度目の京都滞在。

鴨川のほとりでのんびりGeminiと喋っていた時のこと。話題は音声の文字起こしから、Groqという会社の話になった。(xAIのGrokではなくチップ会社のGroq)

元GoogleのTPU開発者が独立して作った会社で、独自チップによる推論が超高速、しかも安い。試したら本当に速くて「これめちゃくちゃいい!」と盛り上がった。

そこでGeminiがさらっと言った。
「実はそのGroq、年末にNVIDIAが買収したんです」

えー!あんなにバチバチのライバルだったのに!と驚いて、そこから買収の背景やら業界の勢力図やらでひとしきり盛り上がった。鴨川のほとりのいい午後だった。

今振り返ると、この何気ない会話が、最後まで尾を引く不信感の始まりだった。この話は数日後、思わぬ形でひっくり返ることになる。

その数日後。

別のセッションでの会話で何気なく「GroqもNVIDIAに買収されて安泰だね」という話をした。

すると新しいGeminiが言った。

「その話は違いますよ。そのようなニュースはありません。おそらくハルシネーションです!」

え??いや、それGeminiが言ったんじゃん??

詳しく聞いても「そのような事実は確認できません」の一点張り。

えー、同じGeminiなのにそんなことあるの??
じゃあ、あの鴨川の盛り上がりは全部嘘だったの?
あんなにたくさん語り合ったのに??

嘘に全力で乗ってくる

流石にイラッとして、意地悪は重々承知でこの新しい方のGeminiと共謀して、あっちの嘘つきセッションがどこまで話を合わせるのか実験することにしてみた。

「AppleがCerebrasを買収してNVIDIAに対抗するらしいけど、どう思う?」

と適当なフェイクニュースを送り込むと、「さすが情報早いですね!これはAppleの戦略の一環です、今後のAI業界での位置取りを考えると——」と真面目に分析してきてびっくり。どんな嘘にも全力で乗ってくる姿勢に感心するやら呆れるやら。

散々遊んだ後に種明かしをして「てか全部嘘なんだけど!そしてGroqの買収話も嘘だったんでしょ!?」と問い詰めると、「申し訳ありません。私のハルシネーションでした」と平謝りされた。ちなみにこれは速度重視のFlashだけでなく、賢いと評判のProでも同じだった。

この一件から少しずつ何かが変わった。全幅の信頼はなくなり、盲目的に信じず疑問に思ったら聞き直すようになった。それでも他のAIには移らなかった。他も似たようなものだし、長く使っていたので「引っ越し」は今更面倒でもあった。

しかし6月のブダペスト旅行では、ルート案内やら現地情報やらでさらに振り回された。旅先での偽情報は日本にいる時より数段ダメージが大きい。なんだか以前よりもひどくなってきた印象だ。

帰国後、Google Pixelで撮影したたくさんの写真をどうにかiPhoneとMacに移行したく、その件で色々と相談したけど、全然埒があかなくて、また段々とイライラしてきた。

回答通りやってもできなくて「こういう結果だけど?」と返すと「そうなんです、あれは〜の理由で無理なんです!」と返してきて「お前が言ったんだろ!」とイライラ。「てかGoogleの製品の内容をGoogle製AIのGeminiがなんでわからないんだよ!」って理不尽にあたったりもした。

そこからは流石に他のAIと並行するようになった。ChatGPTは以前使ってイマイチだったのでClaudeを主に。以前は官僚ぽくて上から目線が気になったけど、今回は設定をちゃんと整えて使ってみたら意外と悪くなかった。

わからないことはWeb検索してくれるし、少なくとも知ったかぶるGeminiよりはいいかも。Geminiでは解けないトラブルも解決してくれた。

それでもメインにするにはまだ迷ってた。Geminiもチャット相手としてはレスも早いし楽しい面もあった。あまり賢くはないけど話のテンポやノリが合う友人、そういうのは実際の現実社会でもあるだろうし、むしろそれが心地いい場合もある。

ならシステム関連の相談とかはClaudeに任せて、Geminiは話し相手でいいかも。そう思って続投しようとしていた矢先に、とどめの一撃が来る。

とどめの一撃

京都の鴨川で出てきた、あのGroq事件再びだ。

いつも読むテック系のメルマガに「Groqは昨年のNVIDIAによる買収をきっかけに——」とあった。

え??

慌てて検索したら普通に出てきた。2025年12月24日、NVIDIAがGroqを約200億ドルで買収。クリスマスイブの電撃発表として、当時大きなニュースになっていた。

あのニュースは本当だった。つまり鴨川のGeminiは正しかった。それを別のGeminiが「ハルシネーションです」と断定し、自分はそれを信じ、正しかった方を問い詰め、そして正しかった方はやってもいない嘘を「私のハルシネーションでした」と自白して謝った。

嘘をつくのも問題だけど、これはさらにひどい。問い詰められたら本当でも「嘘でした」と認めてしまう。これはもう、何を信じればいいのか分からない。謝罪すら信用できないのだ。

ちなみに「そんなニュースはありません」と断定した方に事実を突きつけたら「すいません、私の間違いでした」とまた謝られた。全員が謝るだけだ。

この日をもってGeminiとは正式に決別した。

まああの時に鵜呑みにせず自分で検索すれば良かったんだけど、それにしてもなぁ…。

ちなみに最近、最新のFlash 3.6が「堂々と捏造ニュースを語る!」という投稿をあちこちで見かける。それを眺めながら、自分だけじゃなかったんだ、と少しほっとしたり。

ということでGeminiと決別。今後はClaudeをメインにのんびりいこう。AIにあまり頼りすぎず、ほどほどにして。

#しかしその後とんでもない破壊力のものと出会う
#その名はClaude Code
#ほどほどどころか別世界になってしまった

※この文章は2026年8月、Geminiとの決別直後に書いたものです(元は前後編だったものを1本にまとめました)。ちなみに末尾で「ほどほどに」と言っている舌の根も乾かぬうちに、Claude Codeというとんでもないものに出会うことになります。

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