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9月のお膳|白露、乾いていく季節をどう迎えるか

肌にうるおいを与える化粧水は毎日欠かさないのに、自分のためだけに、心をうるおす「ちゃんとした食事」を作ったのはいつだったか。
そんな方も、少なくないんじゃないでしょうか。

身体のうるおいのことも、ちゃんと考えてあげていますか。


白露、そして秋分へ

暦の上では、もう白露です。大気が冷え始め、朝晩に露が結ぶ頃、という意味なんだそうです。

確かに9月に入って、少しひんやりした空気で、目が覚める日が増えてきました。昼間はまだ汗ばむのに、朝晩だけ急に涼しい。そのちぐはぐさに、体がついていけていない気がします。

このまま2週間ほどすると、秋分がやってきます。

昼と夜が、ほぼ同じ長さになる日。1年を折り返した先の、もう半分の入り口。そう考えると、今年もあっという間。
なんだか感慨深いものがありますね。

以前、暦と季節のずれの話をしました

二十四節気は太陽の位置で決まっていて、実はちっともずれていない。ずれているのは、私たちの季節の方だった、という話(「8月のお膳|立秋、これから来る熱をどう迎えるか」)を先日しました。

前回の記事(「秋。肌と喉が『体にいいこと』をするほど乾いていく」)では、この時期に肌や喉が乾きやすくなる理由を、東洋医学の「陰虚」と、アーユルヴェーダの「秋はヴァータの季節」というふたつの角度から見てみましたね。

どちらでもお伝えしたのは、「潤いは、量ではなく質の問題」だということ。単純に水分を足すだけでは、なかなか潤わない季節なんです。

答えは、台所にありました

質を変えるには、具体的に何をすればいいんだろう。
その答えのひとつを、今日は台所から持ってきました。

覚えている方、いらっしゃるでしょうか。朱塗りのお膳に、二十四節気の世界の家庭料理を一品ずつのせていく、という構想の話です。

前回は、白きくらげと梨の薬膳スープをはじめとする、立秋・処暑のお膳をご紹介しました。そのとき、次回、梨のスターアニス煮を選んでいる、とだけ少し触れました。今回、実際に作ってお届けします。

白露・秋分のお膳

白露・秋分のお膳のテーマは、「潤す」。

この季節の肌トラブルや咳などの対処に、白い食材で肺をそっといたわる献立にしました。汁椀に選んだのは、里芋とカリフラワーの、白味噌仕立てのポタージュです。

里芋とカリフラワーのポタージュ

作り方は、そんなに難しくありません。

里芋と玉ねぎを刻んで、ギーでじっくり炒めます。香りが立ってきたらカリフラワーも加え、油をなじませるように炒め合わせます。
ブイヨンを注いで里芋がやわらかくなるまで煮たら、火を止めて白味噌を溶き入れます。粗熱を取ってブレンダーにかければ、なめらかなポタージュの素の完成です。
あとは鍋に戻して豆乳でのばし、生クリームでコクをつけ、塩で味をととのえるだけです。

ギーでじっくり炒める、そのひと手間がこの一皿の要です。
アーユルヴェーダでは、ギーは乾いていく季節に体を支える代表的な食材とされていて、里芋・カリフラワーというやさしい白い食材と重ねることで、"潤す"お膳のはじまりにふさわしい一椀になりました。
(ギーが手に入らなければ、バターやオリーブオイルでも作れます)

白露・秋分のお膳は、汁椀だけでは終わりません。
平皿には、もうじき旬をむかえる鮭ときのこを使って、鮭のソテー(デュクセルと生クリームソース)を。
きのこ・玉ねぎ・にんにくを凝縮したデュクセルを土台に、軽やかな生クリームソースを重ねる。乾いていく季節の体には、このくらいのコクがちょうどいいのかもしれません。

中皿には、百合根と松の実の、香港式土鍋ごはん。
香港の煲仔飯(ボウジャイファン)をヒントに、バスマティ米を土鍋で炊きました。生薬の乾燥百合を主役にした、「潤す」をまっすぐに体現する一皿です。

そして高台には、梨のコンポート スターアニス(八角)の香りを。
梨の甘さに、今回は台湾の食材をヒントに、意外なアクセントをひとつ加えました。

汁椀・平皿・中皿・高台。四つの器がそろって、ひとつのお膳になります。

9月(白露・秋分)のお膳)

その乾き、どう感じていますか

同じ「秋の乾燥」でも、感じ方は人によって違うようです。

喉の奥が、いがらっぽく感じる方。
肌のかさつきが真っ先に気になる方。
夜、なんとなく寝つきが悪くなる方。
まだあまり変化を感じない方。

どれが正解ということはありません。体質によって、乾きの出方も、必要なケアも、少しずつ違うだけなんだと思います。

もし、今の自分の体がどんなふうにこの季節を迎えているのか気になったら、無料のセルフチェックから、一度ご自身の体質をチェックしてみてください。

寒露へ、少しずつ

10月に入ると、次は寒露という節気がやってきます。露がいっそう冷たくなり、朝晩の空気に、はっきりとした秋を感じる頃です。

次のお膳では、この先深まっていく季節に、どんな一皿を合わせようか。今から少しずつ考えています。

今日から秋分までの数日は、まだ乾いた空気が続きます。ただ、台所に少しだけ、白い食材をひとつ置いておく。それくらいの構えで、この季節を、迎えてみませんか。

今回ご紹介できたのは、汁椀のポタージュだけですが、残りの三品のレシピと効能については、この後の有料コンテンツ内で、詳しくお届けします。

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