
秋。肌と喉が『体にいいこと』をするほど乾いていく(連載2話目)
季節が動き、朝晩の空気がひんやりとして、心地よい時期がきました。
ところで、体にいいと言われることを真面目にやっているほど、
乾いていく気がする。
そんな感覚になること、ありませんか。
「乾燥対策」、逆効果になっていませんか
水はちゃんと飲んでいるし、なんなら朝の白湯だってばっちり。
化粧水も、いつもより多めに重ねている。
発酵食品だって、意識してとっている。
それなのに、肌はかさつくし、喉の奥もいがらっぽい。
夜、喉の渇きでふと目が覚めることもある。
もしかしたらそれ、対策の「量」を増やしても、
根本の「質」には効いていないのかもしれません。
東洋医学とアーユルヴェーダ、ふたつの知恵が同じ答えを持っていた
なぜ、頑張って整えようとしているのに乾いていくのか。
東洋医学では体の状態として、
アーユルヴェーダでは季節そのものの性質として、
実はふたつとも、同じ場所を指していました。
その答えが分かれば、
「何を足せばいいか」が、まったく変わってきます。
東洋医学にみる「陰虚」
東洋医学では、こういった「潤いが足りない」状態を、
「陰虚(いんきょ)」と呼びます。
体を潤し、冷やす働きを持つ「陰」という要素が、
少しずつ目減りしている状態のことです。
夏の間、汗をかいて、動いて、消耗してきた分、
秋が深まるにつれて、冷却水や潤滑油の目減りがじわじわ表に出てくる。
そこに、秋特有の乾いた空気が重なってきます。
中医学ではこれを「燥邪」と呼ぶくらい、
秋の乾燥は体にとって侮れない相手みたいです。
もともと減っている潤いに、外側からも乾かす力が加わる。
肌や喉に真っ先にサインが出るのは、そのせいなのかもしれません。
アーユルヴェーダにみる「秋はヴァータの季節」
アーユルヴェーダでも、似たようなことを、別の言葉で説明しています。
秋は、1年の中でいちばん「ヴァータ」が強まる季節。
ヴァータというのは、「風」と「空」から構成される、
乾燥・軽さ・不安定さといった
「動性」と「乾性」の性質を持つエネルギーのことです。
空気が乾き始めているところに、
体の中のヴァータまで一緒に強まっていく。
外も内も、乾く方向に引っ張られていく、そんな時期なんです。
ふたつの知恵が、同じ場所を指していた
東洋医学は「陰が減っている」と言い、
アーユルヴェーダは「ヴァータが増えている」と言う。
言葉は違うけれど、同じ現象を、別の角度から見ているだけなんだと思います。
どちらも、「足りないのは水そのものじゃない」と言っている気がします。
実際私も、化粧水を変えても、水をたくさん飲むようにしても、
うまく肌の乾燥がおさまらなかったことがありました。
今思うと、量を変えようとしていただけで、
質を変えていなかったんだと思います。
じゃあ、何を足せばいいんだろう…? そう思いますよね。
水分ではなく、油分を
アーユルヴェーダの考え方では、
荒ぶるヴァータを鎮めるのは、水分より油分なんです。
良質なオイルをひとさじ。ナッツをひとつかみ。
ヴァータを、油で包み直すようなイメージ、と言われると、
なんとなく想像がつく気がします。
次回の連載に登場するお膳では、この「潤す」という性質を持つ一皿を、
あらためてご紹介するつもりです。
白い食材を中心にした、肺をいたわるための一膳です。
潤い不足? 自分のタイプが気になったら
陰虚もヴァータも、誰にでも同じように出るわけではありません。
喉に出る人、肌に出る人、あまり感じない人。
体質によって、出方も度合いも違うようです。
もし気になったら、この記事の最後にある無料セルフチェックから、
あなたのタイプを、一度チェックしてみてください。
今日、試してみてほしいこと
水をさらに一杯足す代わりに、良質なオイルをひとさじ。
それだけで、何かが劇的に変わるかはわかりません。
でも、量ではなく質を変える、というのは、
ちょっと新しい視点だと思いませんか。
今日の食事に、オリーブオイルや胡麻油をひとさじ、
いつもより多めにかけてみることから、はじめてみませんか。