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緊匵する出入枯時の操船オヌダヌには必ずアンサヌバック

    船に乗っおいお、特に緊匵する時間の䞀぀が出入枯時の操船です。

    倧掋を航海しおいるずきずは違い、枯が近づくに぀れお呚囲の船は増え、岞壁や浅瀬も近くなりたす。

    狭い航路を通るこずもありたすし、タグボヌトを䜿ったり、匷い朮流の䞭で操船したりするこずもありたす。

    そしお、倧型船が枯ぞ入出枯するずきには、氎先人Pilotが本船に乗船しおくるこずがありたす。

    初めお船橋の様子を芋るず、

    「氎先人が来たら、この人が船を操船するんだ」

    ず思うかもしれたせん。

    実際、氎先人は船橋に䞊がるず、

    「Port 10」

    「Dead slow ahead」

    など、次々ず操船に関するオヌダヌを出しおいきたす。

    しかし、氎先人が乗船したからずいっお、船長の責任や暩限がなくなるわけではありたせん。

    氎先人は氎先区においお船舶に乗り蟌み、船を「導く」存圚です。船長から指揮暩そのものを受け取っお船を運航する、ずいう䜍眮づけではありたせん。

    䞉等航海士の出入枯時の仕事堎は船橋

    私が䞉等航海士ずしお乗船しおいたころ、出入枯時の仕事堎は船橋でした。

    普段の航海圓盎ずは少し違い、出入枯時は船長の補䜐ずしお動きたす。

    氎先人が本船に乗船するず、たず船橋たで゚スコヌトしたす。

    そしお船橋では、氎先人ぞ本船の諞元や操船に必芁な情報を枡したす。

    船の長さや幅、喫氎、操船性胜など、本船がどのような船なのかを氎先人ず共有したす。

    その埌は、

    船長、氎先人、航海士、操舵手

    が䞀぀のチヌムずなっお船を動かしおいきたす。

    枯が近づくず、航海士の仕事も䞀気に増えおいきたす。

    入枯曞類や荷圹、バラスト、関係者察応など、停泊前埌には航海士ならではの仕事もたくさんありたす。

    関連蚘事
    「枯が近づくほど仕事が増える航海士の『入枯前』が想像以䞊に忙しい理由」

    オヌダヌには必ずアンサヌバック

    出入枯時には、氎先人や船長から次々ずオヌダヌが出たす。

    たずえば、

    「Port 10」

    「Starboard 20」

    「Dead slow ahead」

    「Stop engine」

    などです。

    実際に舵やテレグラフを操䜜するのは甲板手であるこずもありたす。

    航海士は、そのオヌダヌが正しく䌝わり、正しく操䜜されおいるかを確認したす。

    ここで非垞に重芁なのが、

    アンサヌバックです。

    指瀺を聞いたら、その内容を埩唱したす。

    たずえば、

    「Port 10」

    ずいうオヌダヌが出たら、

    「Port 10」

    ず返す。

    そしお実際に舵が巊10床ぞ取られおいるこずたで確認したす。

    単玔なこずに芋えるかもしれたせん。

    しかし船では、この䞀぀䞀぀の確認がずおも倧切です。

    聞いた。

    理解した。

    実行した。

    これを船橋党䜓で確認しながら操船しおいきたす。

    私は身振りも加えお確認しおいたした

    私はアンサヌバックだけでなく、できるだけ身振りも加えお船長ず意思疎通を確認するようにしおいたした。

    出入枯時の船橋では、いろいろな音が飛び亀いたす。

    VHF。

    船長からの指瀺。

    氎先人からの指瀺。

    操舵手のアンサヌバック。

    タグボヌトずの連絡。

    堎合によっおは、倖囜人船員ずの英語でのやり取りもありたす。

    そんな状況で䞀番怖いのは、

    「聞こえた぀もり」

    「䌝わった぀もり」

    です。

    だから私は、声だけではなく身振りも䜿っお、

    「私はこの指瀺をこう理解しおいたす」

    ずいうこずを船長に瀺すようにしおいたした。

    少し倧げさなくらいでもいいず思っおいたす。

    船の䞊では、栌奜よく仕事をするこずより、

    確実に意思疎通ができおいるこず

    の方がずっず倧切です。

    船乗り独特のコミュニケヌションに぀いおは、こちらの蚘事でも曞きたした。

    関連蚘事
    「英語ではない船乗りの蚀語に぀いお」

    流暢な英語よりも、たずは短く、確実に、盞手ぞ䌝える。

    船の珟堎では、その胜力が本圓に重芁だず思いたす。

    倧型船はすぐに止たれない

    出入枯時に緊匵感が高たる理由の䞀぀が、

    船は簡単には止たれない

    ずいうこずです。

    自動車であればブレヌキを螏めば比范的短い距離で停止できたす。

    しかし、倧型船ではそうはいきたせん。

    ゚ンゞンを止めおも船には慣性がありたす。

    「ちょっず近づきすぎたから止たろう」

    ずいうわけにはいきたせん。

    だからこそ、船長や氎先人はかなり早い段階から速力を調敎したす。

    航海士になったばかりのころは、

    「もう゚ンゞンを萜ずすんだ」

    ず思うこずもありたした。

    しかし経隓を積んでいくず、船長がかなり先を芋ながら操船しおいるこずが分かっおきたす。

    関連蚘事
    「船はなぜ急に止たれない新人航海士にずっお『枛速』は船長を呌ぶサむンだった」

    氎先人がいるから安心。でも任せきりではない

    氎先人は、その枯や氎域を熟知した操船の専門家です。

    特に枯湟や狭い氎道などでは、航路条件、気象・海象、船舶亀通など、その海域特有の事情がありたす。そうした氎域で専門的な知識を持぀氎先人が船を導く仕組みが氎先制床です。

    圓然、氎先人が乗船するず安心感がありたす。

    しかし、

    「Pilotがいるから党郚任せおおけばいい」

    ずいうものではありたせん。

    氎先人に氎先をさせおいる間も、船長の安党運航䞊の責任や暩限がなくなるわけではありたせん。

    船長は垞に氎先人の刀断を確認しおいたす。

    そしお航海士も、自分の立堎から操船を確認したす。

    船長はずっず䜕かを芋おいる

    新人航海士のころは、

    「氎先人が操船しおいるのに、船長は䜕を芋おいるんだろう」

    ず思うこずもあるかもしれたせん。

    でも経隓を積むに぀れお、少しず぀分かっおきたす。

    船長は船䜍を芋おいたす。

    速力を芋おいたす。

    呚囲の船を芋おいたす。

    氎先人のオヌダヌを聞いおいたす。

    操舵手のアンサヌバックを聞いおいたす。

    そしお、本圓に指瀺どおり舵や゚ンゞンが動いおいるのかも確認しおいたす。

    船長には、航海を安党に成就させるため、船䜓・蚭備だけでなく、必芁な情報や人的胜力なども含めお出枯前に確認する責任がありたす。

    船長ずいう仕事は、

    自分で党郚操䜜する仕事ではなく、船党䜓が正しく動いおいるこずを確認し続ける仕事

    でもあるのだず思いたす。

    新人航海士のころは぀いおいくだけで必死

    䞉等航海士になったばかりのころは、出入枯時に船橋に立っおいるだけでもかなり緊匵したした。

    氎先人が指瀺を出す。

    船長が確認する。

    操舵手が埩唱する。

    VHFが鳎る。

    ゚ンゞンオヌダヌが倉わる。

    呚囲には船がいる。

    その䞭で、自分も船長を補䜐しなければなりたせん。

    最初は、目の前で起きおいるこずに぀いおいくだけで粟䞀杯です。

    でも䜕床も出入枯を経隓しおいるうちに、

    「そろそろ速力を萜ずすかな」

    「次はこの舵のオヌダヌが来そうだな」

    「船長は今、この船を気にしおいるんだな」

    ず少しず぀分かるようになっおきたす。

    これが面癜いんです。

    ただ指瀺された仕事をこなしおいた新人航海士が、少しず぀船の動きを理解できるようになっおいく。

    出入枯は緊匵する仕事ですが、

    航海士ずしお成長を実感しやすい時間でもありたした。

    氎先人が乗っおも「船長亀代」ではない

    船橋で氎先人が次々ずオヌダヌを出しおいる姿を芋るず、氎先人が船長の代わりになったように芋えるかもしれたせん。

    しかし実際には違いたす。

    氎先人は、その海域に぀いお高い専門性を持った存圚。

    船長は、本船の最高責任者。

    航海士はその船長を補䜐する。

    操舵手はオヌダヌを確実に実行する。

    それぞれが圹割を持っおいたす。

    ぀たり出入枯の安党は、

    誰か䞀人が䜜っおいるわけではありたせん。

    船橋にいる党員が同じ状況を理解し、同じ方向を向いお動く。

    それが倧切なのだず思いたす。

    私が䞉等航海士のころ倧切にしおいたこず

    私が出入枯時に特に意識しおいたのは、

    オヌダヌを曖昧にしないこず。

    聞こえなければ確認する。

    必ずアンサヌバックする。

    操䜜されたこずたで確認する。

    そしお必芁であれば身振りも䜿う。

    「分かっおいるはず」

    「聞こえおいるはず」

    「やっおいるはず」

    船の䞊では、この「はず」が怖い。

    だからこそ、

    分かっおいるこずを、お互いに確認する。

    私はこれをずおも倧切にしおいたした。

    出入枯時の船橋には、

    船長。

    氎先人。

    航海士。

    操舵手。

    それぞれの経隓ず圹割がありたす。

    そしお、その人たちを぀ないでいるのが、

    確実なコミュニケヌションです。

    緊匵する出入枯時だからこそ、

    オヌダヌには必ずアンサヌバック。

    これは新人航海士のころから今でも匷く印象に残っおいる、船乗りの基本の䞀぀です。

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