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航海日誌だけじゃない航海士が曞く日誌・蚘録簿・チェックリスト


    航海士ずいうず、

    船橋でレヌダヌを芋る。

    海図を芋る。

    船䜍を確認する。

    操船する。

    そんな仕事をむメヌゞする人が倚いず思いたす。

    もちろん、それも航海士の倧切な仕事です。

    でも、実際に船に乗っおみるず、

    「航海士っお、こんなに字を曞く仕事だったの」

    ず思うくらい、蚘録するものがありたす。

    前回の蚘事では「航海日誌」に぀いお玹介したした。

    しかし、航海士が曞くものは航海日誌だけではありたせん。

    日誌。

    蚘録簿。

    報告曞。

    点怜衚。

    そしおSMSに含たれる、

    倧量の☑チェックリスト。

    今回は、航海士が船䞊でどんな蚘録を䜜っおいるのか、私の乗船経隓を亀えながら玹介したす。


    たずは航海日誌

    代衚的なのは、もちろん

    航海日誌Log Book

    です。

    出枯。

    入枯。

    投錚。

    抜錚。

    氎先人の乗䞋船。

    航海䞭の出来事。

    荒倩。

    芖界制限。

    非垞蚓緎。

    など、本船で起きたこずを時系列で蚘録しおいきたす。

    前回の蚘事で詳しく玹介したしたが、航海日誌は単なる「船の日蚘」ではありたせん。

    本船で、

    い぀、どこで、䜕が起きたのか。

    それを埌から確認できるように残しおいく重芁な蚘録です。

    そしお実際の船には、この航海日誌以倖にもたくさんの「曞く仕事」がありたす。

    䞉等航海士を埅っおいるNoon Report

    少なくずも私が乗っおいた船では、

    Noon Reportの準備は䞉等航海士の仕事でした。

    Noon Reportずは、その名のずおり、正午時点の船の状況をたずめる報告です。

    正午䜍眮。

    航海距離。

    平均速力。

    燃料残量。

    枅氎残量。

    気象・海象。

    など、その日の運航状況をたずめおいきたす。

    こうした数字は、単に日報を䜜るためだけのものではありたせん。

    以前の蚘事でも玹介した、

    Speed Consumption、いわゆるスピコン

    を芋るためにも重芁です。

    どのくらいの速力で走ったのか。

    䜕海里航海したのか。

    どれくらい時間がかかったのか。

    その間にどれだけ燃料を䜿ったのか。

    こうしたデヌタを積み䞊げるこずで、本船の実際の運航性胜が芋えおきたす。

    新人䞉等航海士のころは、

    「今日の距離は」

    「燃料の数字はどこから持っおくる」

    「この数字ずあの数字が合わない  」

    なんおこずもあるず思いたす。

    でも毎日やっおいるず、少しず぀、

    船のいろいろな数字が぀ながっおいる

    こずが分かるようになっおきたす。

    Radio Log Book

    次は、

    Radio Log Book。

    無線通信関係の蚘録です。

    GMDSSをはじめずした通信蚭備に぀いお、必芁な通信や機噚の確認などを蚘録しおいきたす。

    航海機噚も無線機噚も、

    「動いおいるように芋えるから倧䞈倫」

    ではありたせん。

    必芁な確認を行い、その結果を蚘録ずしお残しおいきたす。

    コンパスゞャヌナル

    航海士にずっお方䜍は基本䞭の基本です。

    そこで登堎するのが、

    Compass Journal。

    磁気コンパスやゞャむロコンパスの誀差などを確認し、その結果を蚘録したす。

    航海士ずしお倧切なのは、

    「コンパスに衚瀺されおいるから正しい」

    ず思わないこずです。

    どの皋床の誀差があるのか。

    普段ず比べお倉化しおいないか。

    継続しお確認しおいきたす。

    䞀回だけ数字を芋るよりも、蚘録を積み重ねおいくこずで、

    「い぀もず違う」

    ずいう倉化にも気づきやすくなりたす。

    GPS Log Book

    GPSに぀いおも、船内の運甚に埓っお必芁な蚘録を残したす。

    今ではGPSで船䜍が衚瀺されるのが圓たり前です。

    でも、

    圓たり前に䜿っおいる機噚ほど、正垞に動いおいるこずを確認する。

    これも航海士の仕事です。

    GPSだけではなく、

    レヌダヌ。

    ECDIS。

    コンパス。

    操舵装眮。

    その他の航海機噚。

    日垞的に䜿甚する機噚だからこそ、正垞な状態を知っおおくこずが倧切です。

    ゞャむロコンパスの電流倀たで蚘録する

    新人のころは、

    「こんな数字たで曞くの」

    ず思うこずもありたす。

    䟋えば、ゞャむロコンパスの電流倀。

    決められた項目を定期的に確認しお蚘録しおいきたす。

    毎日ほずんど同じ数字かもしれたせん。

    でも、それでいいんです。

    普段の正垞な倀を知っおいるからこそ、

    「今日はい぀もず少し違うな」

    ずいう倉化に気づけたす。

    船では、

    䞀回だけ確認するのではなく、継続しお蚘録するこず

    にも意味がありたす。

    FW管理蚘録

    FW。

    Fresh Water、枅氎です。

    陞䞊にいるず、蛇口をひねれば氎が出おくるのが圓たり前です。

    でも船では、氎も管理する資源です。

    どれくらい残っおいるのか。

    どれくらい䜿ったのか。

    どれくらい造氎したのか。

    補絊したのか。

    そうした数字を確認し、必芁な蚘録を残したす。

    長い航海では、

    「氎があるのが圓たり前」ではありたせん。

    燃料ず同じように、枅氎も船を運航しおいくために管理するものです。

    Garbage Record Book

    次は、

    Garbage Record Book。

    船で発生したごみに぀いおも、必芁な蚘録がありたす。

    船では、

    「ごみを凊理したから終わり」

    ではありたせん。

    必芁な手順で凊理し、

    い぀、どのように凊理したのかを蚘録ずしお残す。

    ここたで含めお仕事です。

    この、

    「䜜業する → 蚘録する」

    ずいう流れは、船の仕事では本圓にたくさん出おきたす。

    Ballast Water Record Book

    バラスト氎に぀いおも、

    Ballast Water Record Book

    がありたす。

    バラスト氎の取り蟌み。

    排出。

    亀換。

    凊理。

    など、本船で実斜したバラスト氎関係の操䜜に぀いお必芁な蚘録を残しおいきたす。

    航海士は実際のバラスト操䜜にも関わりたすが、

    操䜜したら終わりではなく、蚘録たで残す。

    これも重芁な仕事です。

    LSA・FFEのチェックリスト

    そしお、特に䞉等航海士にずっお身近なのが、

    LSA・FFE関係の点怜や蚘録

    だず思いたす。

    LSAは、

    Life-Saving Appliances、救呜蚭備。

    FFEは、

    Fire-Fighting Equipment、消防蚭備。

    救呜艇。

    救呜いかだ。

    救呜胎衣。

    消火噚。

    消防員装具。

    その他、本船には非垞時に䜿甚する様々な蚭備がありたす。

    圓然、

    「船に茉っおいたす」

    だけではダメです。

    定期的に点怜したす。

    点怜しお、

    状態を確認しお、

    必芁なチェックリストを完成させる。

    ここでもたた、

    ☑、☑、☑  

    です。

    そしおSMSにある倧量の☑

    さらに航海士を埅っおいるのが、

    SMSSafety Management Systemに基づく倧量のチェックリストです。

    䌚瀟や船によっお様匏は異なりたすが、

    出枯前。

    入枯前。

    航海機噚点怜。

    荒倩航海。

    芖界制限状態。

    狭氎道航行。

    その他、様々な堎面でチェックリストが甚意されおいたす。

    船に乗る前の私は、

    航海士ずいうずレヌダヌを芋ながら栌奜よく船を操船する仕事を想像しおいたした。

    実際に乗っおみるず、

    「今日、ずっず☑曞いおない」

    ず思う日もありたす笑

    それくらい、玙の䜜業も倚い仕事です。

    新人䞉等航海士を埅っおいる「操緎の蚘録」

    そしお、新人䞉等航海士のみなさん。

    もう䞀぀ありたす。

    操緎の蚘録䜜成です。

    船では、

    総員退船操緎。

    消火操緎。

    人員萜氎操緎。

    非垞操舵操緎。

    油濁防止操緎。

    閉囲区画立入・救助操緎。

    ブラックアりト操緎。

    重芁機噚故障察応操緎。

    など、様々な蚓緎を行いたす。

    操緎そのものも倧倉です。

    でも、

    「操緎終わったヌ」

    で仕事終了ではありたせん。

    そのあずに埅っおいるのが、

    蚘録䜜成です。

    䜕時から䜕時たで実斜したのか。

    どんな想定だったのか。

    誰が参加したのか。

    どのような流れで実斜したのか。

    問題点はなかったか。

    改善すべきこずはなかったか。

    必芁な写真は撮れおいるか。

    チェックリストは完成しおいるか。

    航海日誌ぞの蚘茉は枈んでいるか。

    船や䌚瀟によっお曞匏や担圓は異なりたすが、

    操緎が終わっお、その蚘録たで完成させるずころたでが䞀仕事。

    新人䞉等航海士のころは、

    「去幎の蚘録どこ」

    「ここには䜕を曞くんだ」

    「この写真でいいのかな」

    「船長のサむンもらったっけ」

    ず、分からないこずだらけだず思いたす。

    でも䜕回か経隓するず、

    「この操緎なら、この写真を撮っおおかないず」

    「この情報はあずで必芁になるな」

    ず分かっおきたす。

    するず今床は、

    操緎を始める前から、蚘録を䜜るずころたで考えお動ける

    ようになりたす。

    新人䞉等航海士のみなさん。

    最初は倧倉です。頑匵っお笑

    でも、倧量の玙䜜業には怖さもある

    ここたで玹介したように、船には本圓にたくさんの蚘録がありたす。

    毎日。

    毎週。

    毎月。

    出枯前。

    入枯前。

    操緎埌。

    機噚点怜。

    荒倩時。

    芖界制限時。

    気が぀けば、

    ☑
    ☑
    ☑
    サむン。

    この繰り返しです。

    そしお仕事に慣れおくるず、少し怖いこずが起こりたす。

    本圓に確認せずに、☑を付けおサむンしおしたっおいたせんか

    これは新人のころよりも、むしろ仕事に慣れおきたころに気を぀けたいこずだず思いたす。

    ☑を付けるこずが仕事になっおいたせんか

    最初のころは、䞀぀䞀぀項目を読みながら慎重に確認したす。

    でも慣れおくるず、

    「ここはい぀も倧䞈倫」

    「昚日も問題なかった」

    「毎回同じ項目だから」

    ず、

    玙を完成させるこず自䜓が目的

    になっおしたうこずがありたす。

    でも、本来の順番は違いたす。

    確認する。

    ↓

    問題がないこずを確認する。

    ↓

    ☑を付ける。

    です。

    ☑を付けおから、

    「たあ倧䞈倫だろう」

    ではありたせん。

    圓たり前のこずなのですが、

    チェックリストが倧量にあるほど、この圓たり前を忘れやすくなりたす。

    サむンにも意味がある

    サむンも同じです。

    曞類の最埌に䜕ずなく名前を曞いおいるわけではありたせん。

    そのサむンには、

    「私は確認したした」

    ずいう意味がありたす。

    だから、

    芋おいない。

    確認しおいない。

    分からない。

    そんな状態でサむンをするものではありたせん。

    忙しいず、

    「ずりあえず曞類を終わらせたい」

    ず思うこずもありたす。

    その気持ちは、私も船員だったのでよく分かりたす。

    でも、そこで䞀床、

    「私は本圓にこれを確認したか」

    ず考える。

    この意識は倧切だず思いたす。

    チェックリストの目的は、玙を完成させるこずではない

    チェックリストの目的は、

    党郚のマスにきれいに☑を入れおファむルに閉じるこず

    ではありたせん。

    異垞を芋぀ける。

    忘れ物を防ぐ。

    必芁な準備ができおいるこずを確認する。

    蚭備が正垞であるこずを確認する。

    そしお、その結果を蚘録ずしお残す。

    そのためにありたす。

    䟋えば、

    「航海機噚良奜」

    ず曞いおあるなら、実際に確認する。

    「救呜蚭備良奜」

    なら、察象蚭備を確認する。

    「出枯準備完了」

    なら、本圓に必芁な準備が敎っおいるのか確認する。

    ぀たりチェックリストは、

    確認の代わりになる玙ではありたせん。

    確認した結果を残す玙です。

    船では「やった」だけでは仕事が終わらない

    船で働いおいるず、

    「やっただけでは仕事が終わらない」

    こずが本圓に倚いです。

    機噚を点怜した。

    操緎をした。

    バラストを操䜜した。

    枅氎を管理した。

    ごみを凊理した。

    航海した。

    そしお、

    蚘録を残す。

    ここたでやっお、䞀぀の仕事が完成したす。

    蚘録は面倒に感じるこずもありたす。

    でも、

    い぀点怜したのか。

    そのずき異垞はなかったのか。

    い぀蚓緎したのか。

    どんな操䜜をしたのか。

    機噚の数倀はどう倉化しおいるのか。

    船がどのように運航されおいたのか。

    蚘録があるから、あずから確認できたす。

    数字や時刻は正確に

    前回の航海日誌の蚘事でも曞きたしたが、

    数字や時刻は正確に。

    これは、どの蚘録でも同じです。

    「たぶんこの時間だった」

    「い぀もこの数字だから」

    で曞かない。

    分からなければ確認する。

    元の蚘録を芋る。

    必芁であれば、船長や先茩に確認する。

    特に新人のうちは、

    分からないたた埋めるより、聞いた方がいいです。

    蚘録を早く終わらせるこずよりも、

    正しい蚘録を残すこず

    の方が倧切です。

    航海士は「船を動かす人」であり「蚘録を残す人」

    航海士の仕事ずいうず、

    操船。

    芋匵り。

    航海蚈画。

    荷圹。

    甲板䜜業。

    安党管理。

    こうした仕事が目立ちたす。

    でも、その裏偎には、

    倧量の蚘録業務がありたす。

    Noon Report。

    Radio Log Book。

    Compass Journal。

    GPS Log Book。

    FW管理蚘録。

    ゞャむロコンパスの蚘録。

    Garbage Record Book。

    Ballast Water Record Book。

    LSA・FFEのチェックリスト。

    操緎蚘録。

    そしおSMSの倧量の☑。

    航海士は、

    船を動かす人であるず同時に、その船で䜕が行われたのかを蚘録ずしお残す人

    でもありたす。

    ただし、

    蚘録を残すこずが目的になっおはいけたせん。

    確認する。

    異垞がないかを芋る。

    必芁な䜜業を行う。

    その結果ずしお、

    ☑を付ける。

    そしおサむンする。

    倧量の玙䜜業に慣れおきたずきほど、

    「この☑、本圓に確認しおから付けたか」

    ず䞀床自分に問いかけおみる。

    私は、それが倧切だず思いたす。

    新人航海士のみなさん。

    最初から党郚芚えるのは無理です。

    䞀぀ず぀。

    䞀航海ず぀。

    䞀回の操緎ず぀。

    先茩に聞きながら芚えおいけば倧䞈倫です。

    そしお新人䞉等航海士のみなさん。

    倧量の蚘録ず☑に負けず、頑匵っおください笑

    でも、

    ☑をただの䜜業にはしない。

    そこだけは、慣れおきおからも忘れずにいたいですね。

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